再十両おめでとう、北磻磨!

 番付編成会議より。
十両昇進力士は、いずれも再十両で、西幕下筆頭の若隆景(29=荒汐)、東幕下2枚目の対馬洋(30=境川)、西幕下2枚目の北はり磨(37=山響)、同5枚目の伯桜鵬(20=宮城野)の4人。とあった。

やはり北磻磨の快挙に触れない訳にいかない。
初場所・西幕下2枚目で4勝3敗と勝ち越し。十両下位の星取などと照らし合わせて、再十両確定だろうなぁと思ってはいたが、正式決定の一報を聞いてまずはほっとした。
3年半ぶりの再十両は9度目。これは希善龍に並ぶ史上最多の十両昇進記録。

9度目の再十両ということで、(関取をめぐる上で土俵人生の)山と谷はいくらでもこれまでにあったが、今回の快挙を語る上では、去年9月場所からの快進撃に着目した。
この場所15年ぶりの三段目陥落となったが、決意新たに三段目優勝。時に37歳1ヶ月、この優勝は戦後最年長の優勝記録であった。
翌11月場所には、東幕下11枚目まで躍進。初日から6連勝とこの場所も絶好調。7番相撲で聖富士(伊勢ヶ濱・熱海富士の付き人)に敗れ、十両復帰成らず。気持ちを切らさずに迎えた初場所を4勝3敗。

4勝 對馬洋・木竜皇・嘉陽・天空海
3敗 若隆景・伯桜鵬・勇麿
という内訳・顔ぶれ。

37歳。今年7月で38歳とあるから「花のロクイチ組」と知られる。
主なメンツ。
稀勢の里・豪栄道・勢・妙義龍・宝富士・徳勝龍など。

・趣味はなし
・昼夜を問わず稽古に没頭する力士
・生活の全てを相撲にささげている
というエピソードを目にした。

通算成績:559勝545敗7休
とあるが、この「7休」は、コロナによる部屋付きの親方が陽性と判定され、自身は陰性であったが、2021年3月場所の休場を余儀なくされたもので、この頑丈な肉体も長い現役生活を続けてこられた大きな要因のひとつだろう。

一体、次の春場所はどんな相撲を見せてくれるのか。
また、新たな自らの相撲人生を切り拓くのか、記録を塗り替えていくのか。
この「北磻磨」に今まで以上のスポットがあたってほしいものだ。

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阿炎と宇良の初場所回顧

 去年12月17日、以前から患っていた不整脈の影響により、うっ血性心不全により逝去した所属する錣山部屋の親方(元・寺尾)の言わば弔い場所となった阿炎(今場所・西前頭2枚目)最終成績8勝7敗に終わった。精神面での影響がないはずがない。
最初(前半の7日間で)1勝6敗の最悪な出だし(うち5戦は三役陣との対戦)だった。
まぁ、これはちょっと(今場所)厳しいかな・どうなるのかなと思いきや翌日から7連勝を遂げ勝ち越した(ここでも今場所の番付上は)三役1人・あとの6人が幕内だったが実力者ばかりだった(当然のことだが)
阿炎は前師匠を初場所の相撲を通して弔う戦いができたのか。
できたと思う、よくやったと思う。負けたうちの4敗・5敗目の(北勝富士と霧島戦も)土俵際の競り合いで負けたようなものだし、あんまり悲観するような内容ではなかったように思った。来場所はおそらく三役に返り咲くのではないか。今年5月に30歳を迎える。持ち前の突き押し(もろ手突き)の精度を上げ、もっともっと土俵を盛り上げてほしい。前師匠は天国でずっと見守っている。亡き寺尾さんが亡くなった時の(阿炎の)コメント「たくさんの愛をいただいたし、厳しくもしてもらいました。迷惑ばかりかけたけど、それでも父親のように広い心で守ってくれました。特別な存在でした」と感謝の気持ちを忘れずに。

もう一人。
度重なる膝のケガに泣かされ、ここまで苦労(遠回り)をしてきた感のある宇良(西小結・31歳にして掴んだ新三役)
宇良と言ったら「アクロバット」「変則相撲」で何かをやってくれるのではと、楽しみに見届けるのだが、今場所も千秋楽に見せてくれた。
決まり手「伝え反り」を。対戦相手は東5枚目の竜電。
竜電の顔(あご)の下に自身の頭をねじ込む宇良。探り合いのあと、宇良が何というかしゃがみこんだ。そこで力を溜めうしろに反り返り見事「伝え反り」を決めてみせた。ケガをも恐れない「荒技」だった。
※伝え反り・・・相手の脇の下を潜り抜け、相手を後ろに反り倒す技。
動画で振り返る。

今場所はこの宇良も(失礼ながら)前半戦から中盤戦までさっぱりだった。
11日目まで2勝9敗(1勝は不戦勝)最後4連勝で締めて帳尻を少し合わせた形になったのだが。この宇良もよく健闘した(初日・照ノ富士の左おっつけ・極め)によく耐えた。
十両昇進以降、一貫して変わらないピンク色の廻しを締め、来場所は幕内上位での出直しになる。

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幕内優勝の結末は 2024初場所千秋楽

 今場所幕内優勝にたどり着くまでの本割り・決定戦をおさらいする。

~琴ノ若ー翔猿~

翔猿がかく乱してくるかのように動き回ろうとするが、琴ノ若左上手を引き自らに主導権を引き寄せた。首を抑えながらの上手投げを決めて、13勝2敗で15日間を取り終えた。

~照ノ富士ー霧島~

直後のこの一番。照ノ富士右差しに左上手を取った時点で勝負あり。右のかいなの返しが強烈。霧島、これでは何もできない。なすがままに寄り切られた。優勝と横綱昇進の目を完全に断たれた。

~優勝決定戦・照ノ富士ー琴ノ若~

本割りでは2日前の13日目に対戦したこの2人による相星決戦。
立ち合い、琴ノ若スパッともろ差しに成功。しかしそれも束の間。照ノ富士が小手投げで振りながら右差し(うまかった)左も巻き替えてもろ差し。グッと引きつけて渾身の寄り切り。

照ノ富士が見事、4場所ぶり9度目の優勝を決めた。
序盤2日目に早くも初黒星(若元春)を喫し、いまいち安定感に欠け、バタついた感じのする横綱であったが、終盤を迎えるあたりから力強さが戻ってきた。
長年抱えているヒザの爆弾に加え腰の負傷などもあり、満身創痍で場所に臨んでいることは誰もが知るところ。その中でたやすく優勝賜杯を明け渡すことなく自らの存在感を示したのは本当に立派だった。

三賞受賞は次の通り。

殊勲賞 若元春 (東筆頭・荒汐)
敢闘賞 大の里 (西15枚目・二所ノ関)
技能賞 琴ノ若 (東関脇・佐渡ヶ嶽)
※いずれも初受賞

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気合が違う、琴ノ若 2024初場所14日目

 今日の2大決戦のひとつ、照ノ富士の対戦相手、豊昇龍が本日より休場した。
(場所前から痛めていたようだが)昨日の霧島戦で二枚蹴りを受けた時に悪化させた模様。病院で検査を受けたところ、右ひざの内側側副じん帯の損傷と診断され、休場に至った。優勝争いも佳境に入ったところでのケガによる休場。まだ十分にチャンスがあっただけに本人も悔やみきれないだろう。照ノ富士は「不戦勝」で2敗を守った。

さて、もうひとつの大一番・霧島ー琴ノ若。
霧島が左のど輪で相手を制止するような仕草。いなした琴ノ若が霧島のうしろに回り寄り切った。勝ち名乗りを受け、もらった懸賞は63本(結びの一番が不戦勝となり、掛け替えられたものも加え)史上最多となった。最後の塩の前からの気合の入り方・意気込み、霧島とは全然違うものを感じた。霧島は横綱が遠くなったか、明日の千秋楽は照ノ富士。一方の琴ノ若には翔猿があてがわれた。2人の対戦成績は7勝6敗で琴ノ若。奇襲・変則、何でもござれ。琴ノ若の充実度だけでねじ伏せてしまいそうに思えるが、最後の最後に厄介な相手と対戦することになった。

・ざんばら髪の新入幕・大の里、勝ち星を2ケタにのせた。佐田の海に前回しを取られ主導権を握られたが、残したあと逆襲に転じ切り返し。佐田の海、向正面下にすっ飛ばされた。明日の玉鷲戦が組まれた。ベテラン相撲巧者と楽しみな一戦。

・朝乃山復帰後2連勝。熱海富士相手に右差しで相手を起こし寄り切った。千秋楽は大栄翔と。2ケタ勝利なるか。

・東前頭16枚目の宝富士が王鵬に敗れて9敗目。2012年九州場所以来12年ぶりに十両に転落することが濃厚となったが「辞めないからね」とキッパリと現役続行を宣言したそうである。

・十両優勝は尊富士が自力で掴み取った。この日も千代栄相手に一方的に文句なしの相撲で勝った(押し出し)明日の時疾風戦に勝てば13勝(勝越し11)で十両所要1場所での幕内昇進なんて話にも(番付の巡り合わせ次第で)なってくるかもしれない(気の早い話だが)

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いよいよ大詰めだ! 2024初場所13日目

今日の大一番、照ノ富士に琴ノ若。
もろ差し狙いの琴ノ若。対して照ノ富士は左から小手投げに振りながら右を差しこみ、この右で琴ノ若の左腕を弾き不能にさせ、左上手を取り寄り切った。悪いなりにも伊達に横綱ではないところを見せつけた。もろ差しを遂行することができなかった琴ノ若。ずるずると横綱の肩書と経験にうもれてしまった感じ。

優勝争い生き残りをかけて、結び前も天王山。霧島ー豊昇龍。
豊昇龍、張り差しを出しながら右上手をすぐに取る。霧島は左下手のみ。豊昇龍が引きつけて決めに出たところを二枚蹴り。お見事!幕内で10年ぶりの決まり手だそうです!
※二枚蹴り・・・相手を吊りながら、足の裏で相手の足の外側を蹴り、蹴った足のほうに倒す技。

この4力士の対戦、明日は入れ替わり
照ノ富士ー豊昇龍 霧島ー琴ノ若 と組まれた。

・朝乃山、本日より再出場。豪ノ山を豪快に小手投げで仕留めた。明日は熱海富士。

・三役戦は終わったと見ていいか、大の里。隆の勝相手に鋭い出足が戻った、9勝目。

・尊富士は天照鵬に頭で当たり一気に押し出し2敗守る。狼雅と時疾風、今日も共に土。十両優勝争いは2差がついた。

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