大の里が止まらない 秋場所8日目

 無双の強さで全勝のまま突っ走る、新十両・大の里。
今日は勝ち越しをかけて、ここまで2敗の再十両・時疾風(今場所の相撲内容が良い)
立ち合いもろ手突きで時疾風の上体を起こし、圧力かけて腰落として押し出し。勝ち越し決める。今日も隙がなく、無駄がなかった。このまま突っ走りそうな安定感。明日は元幕内経験者・千代丸。

~3大関、揃って敗れる~

「大関陣」がどうにも歯痒い、釈然としない。
3大関ともに惨敗を喫してしまった。

「心配順」で言えば、まず貴景勝か。短くまとめるなら翔猿の運動量とそれを実行するだけの体力・タフネスにしてやられたか。心配なのはこのあと。押し出された勢いで土俵下に落下した際にどこか痛めたのか打ちつけたのか、なかなか立ち上がれなかった。さらに土俵に戻れなかった。花道からさがる時もずっと顔をしかめたまま。明日も出てこられるのかレベルで心配である。

次に豊昇龍が不甲斐ない。
(宇良に対して)立ち合いからやや左に動き叩きにいったのが、完全な失敗。自ら悪いペース・流れに誘因したとでもいうか。そのままはたき込みで敗れた。取組後も厳しく難しい表情が続いた。

最後に霧島。
対戦成績が悪く苦手としている隆の勝戦。霧島の立ち合いは良かった。しかしすぐさま引いてしまいその時点で勝負が終わった。殊勲インタビューでは久々・隆の勝の「おにぎり君スマイル」を見ることができた。明日の霧島は今日豊昇龍を破った宇良。立て直せるか。

~新世代の2人~

1敗の再入幕・熱海富士は37歳・碧山と。
碧山が小刻みな突っ張りを浴びせ続けたが、熱海富士重心を落とし、アゴを引きながら前へ出て圧力をかけながら押し出した。一日一番取り切るひたむきさが伝わってくる。

豪ノ山、今日も立ち合いのスピードとプレッシャーで一気に琴恵光を押し出した。どこまでも清々しく、未知なる可能性を感じる25歳の明日はいよいよ大関・貴景勝に挑む。波乱かあるのか。

大相撲秋場所は中日・8日目を終えて、
幕内 1敗が髙安と熱海富士
   2敗で若元春・豪ノ山・妙義龍・剣翔

十両 全勝 大の里
   1敗 一山本
   2敗 友風・美ノ海・天照鵬 となっている。
   

新世代が盛り上げる↓↓↓

栃ノ心に幸あれ!

 ジョージア出身の元大関・栃ノ心(春日野)が残念にも引退してしまった。
今年初場所にケガした左肩脱臼の影響がその後にも響いたようだある。

5月場所は初日から精彩を欠く5連敗で
「ダメだった。残念ながら。相撲になっていない。場所前は、こんな結果になるとは思わなかった」
「1月場所でケガして、そこから自分の相撲が取れなくなった。今場所も乗り越えられると信じていたけど、自分の相撲を取れず、力も出なくなった。相撲を取るのが怖くなりました」
などと語り、6日目に引退届を提出した。

栃ノ心。
振り返ってみると、四股名にある通り「心」を大切にしていた力士だったように思う。
※自らの不祥事、膝の大けがによる番付陥落、紆余曲折・苦労があって身に染みた部分も大きいと思う。

四股名の由来は、「お前は外国人力士だから日本人力士より尚更『心・技・体』の『心』を大事にしなきゃな」という師匠の考えがあったとか。

栃ノ心より約1年早く入門した兄弟子、元関脇・栃煌山の清見潟親方は、入門当時の言葉がわからない栃ノ心を「ニコニコして部屋の仕事も一緒にやっていました。人がいいからこそ、なじむのも早かった」と振り返る。更に「(相撲の)センスは抜群ですし、やればやっただけ、吸収して毎日強くなっていきました。栃ノ心の性格はやさしくて素直。そういうのも良かったと思います」と回想した。

幕内優勝を1回記録している。
優勝を決めた2018年初場所14日目の松鳳山戦である。

この場所を機に3場所後の同年7月場所に大関に登り詰めた。

そうそう。
大関昇進時の口上も印象的。
「親方の教えを守り、力士の手本となるように稽古に精進」
四字熟語や型にはまった言い方でもない、シンプルで素朴な言い回しが耳に残ったな。

(栃ノ心の)相撲人生に話を戻す。
怪我による番付(立場)の浮き沈み、それを乗り越えたことによって(力士・人間としての)強さ・厚みが増し、多数のファンからの支持を受けることができたのか。引退を決意して相撲界に残らないのか、残れないのかはわからないが(実績と人柄から)快く相撲界から送り出してもらえたのではないかと思う。

週刊誌報道によると、母国・ジョージアで父親のためにワインを生産するブドウ農場を作ろうとしているという話もあれば、祖国で歯科技工士の資格を取得しているなんて話も。

日本人よりも日本人らしいかもしれない。
どの道を進むにしても、私は応援する。

最後に同郷の親友、元小結・臥牙丸からの引退に寄せてのメッセージと、引退を決めた日の栃ノ心本人からの報告です。

17年間の土俵生活、本当にお疲れ様でした。

栃ノ心さん、お疲れ様でした↓↓↓


珍・栃丸

 もう4日も前の話だが(5月17日・夏場所4日目)

元十両の西幕下16枚目・栃丸(春日野)と西幕下15枚目・東俊隆(玉ノ井)の一番で、異例の“さがり待った”があった。立ち合いから強烈な突っ張りの応酬。栃丸は、前みつに手を掛けられると、そのままさがりが抜け、自身のマゲに絡まった。激しい攻防は続き、腕を手繰られて体が泳いでも、絡まったさがりは落ちず。お互いに手をつかんで組み合ったところで、すかさず行司の木村千鷲が勝負を止め、さがりを取り外した。(スポーツ報知より)

「驚愕」とも言えるシーンがこの動画の中にある。

「まわし待った」や「水入り」以外でこうしたケースはちょっと見たことがない。初めてである。

栃丸は「まげが絡まっておもしろかったので笑いをこらえるのに必死でした」と冗談交じりに笑顔で振り返ったそうだ。

あと、対戦したこの二人は、東京・足立新田高の先輩後輩の間柄らしい(栃丸が7コ上)

十両陥落後4場所目の栃丸はここまで2勝2敗。
回転の速い突っ張りで来る日も来る日も勝負する、一途なまでの突き押し力士。
十両復帰へ向けて、突き押し相撲一筋で白星を積み重ねる。

春日野部屋記念グラス↓↓↓

元大関・栃ノ心、引退。

 

大関経験者で東十両5枚目の栃ノ心(35=春日野)が夏場所6日目の19日、引退届を提出し、17年間の力士人生に別れを告げた。国技館で会見し、「2023年5月19日、引退することを決めました。これまで、皆さん、ありがとうございました。1月場所でケガして、そこから自分の相撲が取れなかった。今場所も、乗り越えられると思っていたけど、残念です」と無念さを募らせた。

けがに泣いた。1月の初場所4日目に左肩を脱臼、途中休場。十両に陥落した春場所は5勝10敗。徐々に番付を下げる中、今場所は現時点で5戦全敗と悔しい内容が続いた。左腕に思うように力が入らず、生命線の左上手を引けない状況。「こんな相撲を取っていて恥ずかしい。お客さんに申し訳ない」などと唇をかみしめていた。(日刊スポーツより)

今場所は一方的な内容での負けが目立っており、正直、厳しいかな難しいかなと思っていたのですが、この決断に至ったのですかね。

親方になるための日本国籍は取得しておらず、協会には残らないそうです(残念)

2018年1月場所の幕内優勝を遂げた松鳳山戦です。

実直さが伝わってくる引退ごあいさつがこちら。

通算成績:681勝615敗106休(102場所)
幕内最高優勝:1回
殊勲賞:2回 敢闘賞:6回 技能賞:3回
金星:2個 (日馬富士と稀勢の里から各1個)

ジョージア出身の力士としては、一番の出世頭になり大関まで登り詰めた栃ノ心。

17年間の土俵生活、本当にお疲れ様でした。

栃ノ心ファン垂涎もの↓↓↓