芝田山部屋、凋落傾向の現在地

 師匠は、おなじみ62代横綱・大乃国(愛称・スイーツ親方、キングオブスイーツなど)

引退後、しばらくは自身が現役時代を過ごした放駒部屋付きの親方をしていたが(8年)その後独立、部屋創設は27年を超える。

そんな芝田山(大乃国)も年を取り、65歳(定年)まで1年ちょっと。
現役力士の所在などを追ってみた。

力士数:5名(三段目と序二段に各2名と番付外1名)
年齢層:40代・1名 30代・3名 20代・1名 と「?」マークがつき、将来有望な力士は少なくとも「いない」と言い切っていい。

元大関・魁傑時代の放駒部屋
元前頭・三杉磯の峰崎部屋
などが部屋閉鎖の際に力士や裏方が移籍し、その都度、部屋の勢力を上げたはずだが、抜きんでた力士や関取を育成しきれていない。

力士育成を「社会に通用する人間であれ」を親方としての信条とし
相撲取りとしての理想を「穏やかで柔和な表情の下に闘志を隠して、ここぞというときに勝負をかける」と述べていたとか。

ということで、強豪力士の育成にはあまり主眼に置いていないのか、アマチュアからの勧誘(スカウト)も(部屋所属の)現役力士の経歴からすると行っていないようだ。

芝田山部屋が輩出した関取は以下の通り

若乃島
大勇武(だいゆうぶ)
魁(さきがけ)
の3名のみ。
最高位はいずれも十両だが若乃島と魁は放駒からの移籍組。
大乃国が育てた生え抜きの大勇武に至っては1場所のみの十両(関取生活)という有様。

かつて隆盛極めた
初代・若乃花師匠の二子山部屋
元前頭・大ノ海師匠の花籠部屋
が所在した東京都杉並区からいよいよ相撲部屋が消滅してしまうのかと「風前の灯火感」漂う、現在の芝田山部屋である。


川副楓馬、ここにあり

 川副 楓馬(かわぞえ ふうま)

川副と言えば、どうしても、現・花の富士(=一時期の輝鵬)を思い出してしまうが(宮城野→伊勢ヶ濱所属(現在))そうではない。

しかしこの花の富士のいとこ(一族)なのである。

花の富士の日本大学相撲部出身に対して、
川副は早稲田大学相撲部出身。
且つ、学業にも力を入れた学生を表彰する早稲田アスリートプログラムの優秀学業成績個人賞を3回受賞という秀才・凄腕。

(アマチュア経歴は)小学生時には全日本大会優勝に始まり、高校では総体団体優勝メンバー、個人総体ベスト8、早稲田大学相撲部団体Aクラス入りに貢献したのち、
今年3月、安治川部屋から初土俵(プロデビュー)
2場所連続6勝1敗と順調な滑り出しを見せ、一足飛びに番付を駆け上がっている。

また、出身地も花の富士と同郷となる熊本県宇土市。
この度、震災に見舞われた多くの方々に、今後の出世と活躍で「活力」という名のメッセージを送り続けたい。

押し相撲に磨きをかけ
「全身全霊」を信条に心に秘め
敬愛する安青錦から「相撲道」という名の生き方を学ぶ

川副 楓馬、前途の視界は良好か。



嵐富士、十分な嵐を呼んだ

 7月名古屋場所(唯一)新十両だった嵐富士(伊勢ヶ濱)
初日から7連勝と驀進。これは「どえらいやっちゃ」と感じた。

翌、中日(8日目)に西ノ龍(境川)戦で完勝と思いきや、僅差で嵐富士の右足が先に土俵から出ていて「勇み足」による負け(初黒星)

しっかりと切り替えもできて、翌日から3連勝で勝ち星を2ケタ(10勝)に乗せた(素晴らしい!)
しかし次の日(12日目)から今度は3連敗、対戦相手は(順に)湘南乃海、出羽ノ龍、朝翠龍。
やはり、終盤にきてメンタルと(初の15日皆勤による)肉体的な疲れなどが重なったか。

しかし、千秋楽の旭海雄戦は(気力における)すんでの差で(肩透かしを決め)11勝目を掴み取り優勝決定戦に進出するのだった
(負けじ魂を発揮したこの一番(本割)は)次の通り。

決定戦では初戦に寿之富士(伊勢ヶ濱)を呼び込むような感じに引いてしまい、あっさりと墓穴。

嵐富士 奏凪人の新十両場所は、
東十両13枚目 11勝4敗(優勝同点)と見事な結果を残して幕を閉じた。

「新十両なので、派手な色にした」と話し、真っ赤な締め込みがよく映えた嵐富士。
番付を大幅に上げるであろう来場所も、その先(将来的にも)スピードを主軸にした気合溢れる相撲で会場内とテレビ桟敷を大いに沸かせてほしいものだ。

時不動の花が咲いた

 吉井の心は折れなかった、変わらなかった。
29日に行われた番付編成会議で、新十両に時不動(時津風)と丹治(荒汐)、再十両で生田目(二子山)と発表された。

「時不動」と聞いたところで、やっぱりピンとこない。
そりゃそうだ、2場所前の5月夏場所から「吉井」から「時不動」に改名したばかりなのだから。

随分と長く幕下に居座ってんなぁと思い、数えた在位は36場所(1度、三段目に陥落あり)

簡単なプロフィール。
中学生横綱のアマチュアタイトルを手土産に中川部屋に入門(当時の師匠は元幕内・旭里)
昨今に入門してくる新弟子は「高卒以上」や「18歳以上」が多くを占めるが、この吉井少年は、小学校5年時には既に中学校卒業後に入門する決意を固めていたという相撲一直線。
出世は順調、1年で幕下昇進。
しかしその頃、師匠が起こした不祥事が原因で所属する中川部屋が閉鎖となり(現在、所属している)時津風部屋に移籍という苦労も経験している。
去年秋場所より6場所連続幕下10枚目以内。コツコツと勝ち越しを重ねて念願叶う。

「吉井」から「時不動」に改名したきっかけは、なかなか幕下生活から抜け出せない自分を鼓舞するといった意味合いがあるそうだ(本当は十両昇進時に改名する予定だったとか)

同期には、時疾風・北の若・大辻らがいる。

「『不動』の字の通り、重さを生かしてどっしりした相撲を取りたい」と新十両を決めた抱負を語ったという。

長い眠りから目が覚めて、本領発揮する舞台が整ったか。

その時不動 虹↓↓↓

裏・旭富士の三段目優勝

 三段目優勝は幕下優勝の旭富士と同期で、玉ノ井部屋の天昇山が(東三段目3枚目)7戦全勝で決めた。

高知の明徳義塾高校から東洋大(アマチュア経験)を経て、プロ入り。

旭富士は無敗のまま、序ノ口・序二段・三段目と3場所連続(全勝で)各段優勝をかっさらっていった。

こちら天昇山は、その陰に隠れるように3場所連続✕6勝1敗とはいえ好成績。負けずに番付を駆け上っていく。
今場所は7連勝で場所を駆け抜け、優勝決定戦にこぎ着けた。(6番相撲で三田、決定戦で栃武蔵と十両経験者を堂々と撃破している)

こちら、三段目優勝決定戦の模様↓↓↓

197㎝・172㎏と立派な体格を有するも、あまり余分な脂肪・贅肉が見られない。
四つ相撲に突き押し相撲、大きな偏りはなく万能型タイプでしょうか。

来場所の幕下上位進出確実、今度は旭富士とどちらが早くに新十両を決められるか、ハイレベルで刺激的、画期的な両雄のポスト争いが見られそうである。

趣味はアニメ鑑賞らしい。