新十両大の里に黒星をつけた男

 9月場所12日目、十両優勝争い一山本とともにトップを走っていた大の里が北の若に敗れて2敗に後退した。大の里は話題沸騰のプロ3場所目で新十両のこの場所も破竹の9連勝、一山本との直接対決で悔しい初黒星、翌日美ノ海に勝ったあと(12日目)の対戦だった。

大の里に2敗目の黒星をつけた北の若って・・・。

山形県酒田市出身、大の里と同い年・同じ学年の22歳。八角部屋所属(師匠は相撲協会理事長でもある元横綱北勝海)高卒からのデビューのため、力士経験・所要場所数は大の里よりも上・多い。

~簡単な経歴を~
相撲は小学3年の時に始めた。早くも小学校・中学校と全国大会で入賞や優勝の実績を残している。やはり相撲の資質があったのか、高校は名門・埼玉栄に相撲留学。3年次に高校横綱のタイトルを獲得するなど3年間を通して活躍、実績を残す。

高校卒業後に八角部屋に入門。選んだ理由は、わんぱく相撲出場のため同部屋に宿泊した際に、同郷の大岩戸ら部屋関係者に良くしてもらったり、酒田市にある北の富士の親族が経営するちゃんこ料理店で(北の富士直々に)声をかけられたことが入門理由だそうだ。
因みに北の富士は北の若の入門の際に酒田市役所への表敬訪問に同行した。そのようなことから北の若は「北の富士の秘蔵っ子」と目されている。

~入門後~
「高校横綱」という肩書ほど順調・スピード出世という訳にはいかず、新十両まで3年近くを要した。そこからは上がったり下がったりして、先場所(9月場所)では東十両2枚目で8勝7敗とようやく幕内をはっきりと射程に捕らえるところまで上昇してきた。

自ら進んで稽古するタイプではないのか、「大師匠」の北の富士氏からも厳しい檄が飛んでいるようだ、「稽古不足」だと。

現在、八角部屋には北勝富士とこの北の若の2人。
長らく活躍した隠岐の海も引退し、年寄・君ヶ濱を襲名。つい先日に断髪式・引退相撲をしたばかりだ。これからは部屋の看板力士ということを自覚・意識した上で、活躍・番付上昇を期待したい。

北の若が母校・埼玉栄高校から寄贈された「今日学べ」と書かれたオレンジ色の化粧廻しを締めて幕内土俵入りするのはいつの日か。

コーヒーやお茶を相撲に浸りながら↓↓↓



東大卒力士と立浪のホープ2人の秋場所

 東大卒力士・須山が頑張っている。
今場所三段目に復帰して(東三段目72枚目)ここまで5勝1敗の好成績。
唯一の一敗を調べてみたら、武蔵川部屋の「庄司」という力士で埼玉大学中退の経歴を持つ。16年ぶりの国立大対決ということで、ネットニュースにも掲載されていた。(須山の)取り口や得意技はまだわからないが、力士として本当によくやっていると思う。7番相撲が明日かあさってのどちらかに組まれるのか。もうひとつ・あとひとつ勝利を重ねたい。
今場所初日の和歌桜戦の動画を見つけました。向かって左が須山です。

今月の4日に、「十両射程圏内・立浪のホープ2人」というタイトルで上戸(西4枚目)と木竜皇(西5枚目)を紹介した。

ここまでの2人の成績
上戸  1勝5敗
木竜皇 3勝3敗 である。

上戸、3回目の自己最高位で早くも負け越してしまい、今場所もこの壁を破ることができなかった。8日目には十両の土俵に登場。紫雷との取組は抵抗を見せたが、寄り切りで敗れた。
今日このあと割が組まれており竜勢(伊勢ノ海)との対戦。この竜勢は元多賀竜(鏡山親方)の長男である。今場所最後の7番相撲、勝っておきたい。

先々場所の幕下優勝者・木竜皇は、今場所3勝1敗のあと2連敗で3勝3敗。
こちらも今日7番相撲を控えており、十両の土俵で志摩ノ海と自身の勝ち越しをかけ激突する。十両との(来場所)入れ替えも(木竜皇にとって)微妙・厳しい状況であるが、何が何でも気合で勝ち取れ!先代・時津風の息子(長男)よ!

※因みに、3歳年下の弟・春雷も自己最高位・初の幕下で(西52枚目)1勝5敗と苦労している。

左から、上戸・木竜皇・春雷↓↓↓

部屋単位で応援しよう↓↓↓

成績優秀者に動きが 秋場所10日目

 タイトルにある通りだが、直接対決が幕内と十両であった。2大関の取組と合わせて。
まず今日一番の幕内好取組、髙安・熱海富士戦。
熱海富士が低く当たったが、すぐに突き放し抵抗を見せた髙安。しかし次の瞬間に髙安は、自らの方に引いてしまった。熱海富士ここにつけ込み押し倒し。髙安、無様に負けてしまった。倒れた際に腰を強打したらしく、起き上がるまで時間を要し、花道から支度部屋へ引き揚げるときは付け人の肩を借りたそうだ。明日以降に影響がないか心配。
優勝は遠くなったか、やっぱり縁がないのか。

なんと熱海富士が一敗で単独トップに躍り出た。今日を境にこの先上位・強敵にぶつけられそうな気配だが、今場所ここまで見せた積極的な相撲・圧力で上位陣に立ち向かってもらいたい。熱海富士 明日は翔猿、髙安は大栄翔。

~大の里・一山本~

十両の土俵でも、全勝と一敗の激突があった。
一山本がのど輪で大の里の上体を起こす。大の里、右からのはず押しで一山本を後退させたが、一山本のはたき込みがズバリと決まった。
この一番を前に大の里が今場所の相撲内容から完勝に終わるのではと読んでいたが、ここに落とし穴があった。切り替えて終盤戦を力強く戦い抜いてほしい。一山本もさらに勢いが増していくのか。明日の大の里は美ノ海、一山本は天照鵬。

~貴景勝と豊昇龍の2大関は~

幕内に戻る。
おとといの翔猿戦は心配な負け方だったが、昨日の豪ノ山戦はそれを払拭するような快勝。
今日の宇良戦はどんな戦いを見せてくれるのか、貴景勝。
凄い当たりからの電車道だったが、土俵際でもつれて物言いに。結果「取り直し」
その取り直しの一番は、貴景勝が一瞬ではたき込み。綺麗にはたきが決まったが、意外な結末だった。おととい取組後の影響はないのか、本当の状態はいいのか悪いのか、明日からの終盤戦はまず若元春戦が組まれた。

苦しい土俵が続いている新大関・豊昇龍は若元春に左の張り差しから一気の寄り倒し、会心の相撲!やっと豊昇龍本来の相撲が見られた気がしてうれしい気持ちになってホッとした。明日は隆の勝。一日一日「らしさを」取り戻してほしい。

10日目を終えて
幕内 1敗 熱海富士
   2敗 髙安
   3敗 貴景勝を筆頭に5人

十両 1敗 一山本と大の里
   2敗 美ノ海  

好取組をありがとう↓↓↓

貴景勝快勝 豊昇龍惜敗 秋場所9日目

 無人の野を行くがごとく、十両で全勝を続けている大の里。
今日も文句なしの圧勝劇を見せてくれるのか、千代丸戦。
もろ手突きでけん制・機先を制する意図なのか千代丸。そんなことは大の里の抑圧の前にすぐさまかき消されてしまった。休むことない怒涛の如く寄り切り、大の里が全勝を守った。
5月夏場所のプロ初日(当時の石崎=現在の朝紅龍に)黒星デビュー。先場所(7月)は東幕下3枚目で4勝3敗と鳴り物入りでの入門時を振り返れば、ようやくプロの水に慣れてきたのか、15日制の方が合っているのか(⇦これは勘ぐりすぎか)明日は1敗の一山本と大一番だ。

新大関が苦しい。ここまで3勝5敗で迎えた今日・9日目は関脇・琴ノ若。
豊昇龍わずか右に移りながら右上手。すぐに切られるも攻めの姿勢を緩めずに寄って出た。軍配は豊昇龍に上がったが物言い。協議中に何度も土俵際の場面が再生され、取り直しが妥当かと思ったが結果は「豊昇龍の足の甲がかえっており」が理由で琴ノ若の勝ち。豊昇龍、悔しい惜敗で驚きの6敗目。どうしたことか明日は若元春。

売り出し中の豪ノ山、今日は大抜擢で貴景勝戦。
昨日の取組直後の表情と振る舞いから、かなり気がかりではあったが、終わってみれば貴景勝の圧勝!今場所一番と言っていいほど会心の一番・明白な勝利だった。とりあえず昨日とは別人だった。明日は宇良。

一敗の人気者・熱海富士は、金峰山を相手に左前回しから一気の電車道で寄り切った。
直後のドヤ顔は自信の証。今日もひたむき熱海富士が一敗を守った。明日は剣翔。
※付け人の蒼富士が9日目の自身の相撲で左膝を負傷したそうで担架で搬送されたそうだ。熱海富士を花道奥で見守る姿は見られなかった。心配なニュースである。

貴景勝へ念送り↓↓↓

大の里が止まらない 秋場所8日目

 無双の強さで全勝のまま突っ走る、新十両・大の里。
今日は勝ち越しをかけて、ここまで2敗の再十両・時疾風(今場所の相撲内容が良い)
立ち合いもろ手突きで時疾風の上体を起こし、圧力かけて腰落として押し出し。勝ち越し決める。今日も隙がなく、無駄がなかった。このまま突っ走りそうな安定感。明日は元幕内経験者・千代丸。

~3大関、揃って敗れる~

「大関陣」がどうにも歯痒い、釈然としない。
3大関ともに惨敗を喫してしまった。

「心配順」で言えば、まず貴景勝か。短くまとめるなら翔猿の運動量とそれを実行するだけの体力・タフネスにしてやられたか。心配なのはこのあと。押し出された勢いで土俵下に落下した際にどこか痛めたのか打ちつけたのか、なかなか立ち上がれなかった。さらに土俵に戻れなかった。花道からさがる時もずっと顔をしかめたまま。明日も出てこられるのかレベルで心配である。

次に豊昇龍が不甲斐ない。
(宇良に対して)立ち合いからやや左に動き叩きにいったのが、完全な失敗。自ら悪いペース・流れに誘因したとでもいうか。そのままはたき込みで敗れた。取組後も厳しく難しい表情が続いた。

最後に霧島。
対戦成績が悪く苦手としている隆の勝戦。霧島の立ち合いは良かった。しかしすぐさま引いてしまいその時点で勝負が終わった。殊勲インタビューでは久々・隆の勝の「おにぎり君スマイル」を見ることができた。明日の霧島は今日豊昇龍を破った宇良。立て直せるか。

~新世代の2人~

1敗の再入幕・熱海富士は37歳・碧山と。
碧山が小刻みな突っ張りを浴びせ続けたが、熱海富士重心を落とし、アゴを引きながら前へ出て圧力をかけながら押し出した。一日一番取り切るひたむきさが伝わってくる。

豪ノ山、今日も立ち合いのスピードとプレッシャーで一気に琴恵光を押し出した。どこまでも清々しく、未知なる可能性を感じる25歳の明日はいよいよ大関・貴景勝に挑む。波乱かあるのか。

大相撲秋場所は中日・8日目を終えて、
幕内 1敗が髙安と熱海富士
   2敗で若元春・豪ノ山・妙義龍・剣翔

十両 全勝 大の里
   1敗 一山本
   2敗 友風・美ノ海・天照鵬 となっている。
   

新世代が盛り上げる↓↓↓