新時代への序曲、尊富士の4番

 110年ぶりの新入幕優勝の快挙を成し遂げた尊富士(伊勢ヶ濱)
14日目の朝乃山戦で取組中に右足を痛めた。診断結果は「右足首靱帯(じんたい)損傷」
靱帯が伸び切っていた。

尊富士本人も(優勝のかかった)千秋楽の出場は「無理です」と断念する意向を口にして、気持ちも切れかかっていたそうだが、同部屋所属の横綱・照ノ富士と顔を合わせ「お前ならできる」の一言で奮い立ち勝ち取った栄冠。今場所の取組をダイジェストで4番振り返る。

10日目・大の里戦
かなりの早合点だが、将来の相撲界はこの2人に導かれてゆくのか。両雄の初顔合わせとなる「歴史的な」一番。

12日目・豊昇龍戦
左差しから尊富士が一気に決めにいくが、待っていたのは流れの中での「豊昇龍スペシャル」とでもいうべきか、豪快にタイミングよく大関の投げ(小手投げ)で連勝を11で止められた一番。

14日目・朝乃山戦
完全に朝乃山主導で展開した相撲。右差し左おっつけに体を密着させ、尊富士の抵抗を許さなかった。

千秋楽・豪ノ山戦
110年ぶりの快挙を引き寄せた渾身の一番。

語り継がれる歴史を刻んだ場所も終わった。
まずは、激闘を耐え抜いた心身をゆっくり休めようか。

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注目!十両5枚目コンビ!!

 新番付の十両5枚目は、東・大の里に西・獅司。

まずは学生横綱からプロ入り、幕下10枚目格から華々しくデビューした大の里。
プロ4場所目を迎える。初土俵前の期待・注目の大きさから、すぐに7戦全勝優勝をかっさらって、幕下を1場所で通過するのかなと思っていた。フタを開けたら6勝1敗、4勝3敗と2場所を要した。「大の里って(実力は)どうなのかな」「今後の出世街道は?」とひとりで勝手に思っていた。迎えた3場所目(新十両の場所で)ようやく本領発揮してきたと理解している。
初日から内容を伴う9連勝で度肝を抜かされ、千秋楽まで十両優勝争いを繰り広げて12勝3敗。敗れた3番だって積極的に前に出ていた。しかしまわしを引いてなかった為、そこを見事に突かれ逆転を許す結果になった(3番とも)
プロの水にまた少し慣れたか、今場所も先場所同様、圧倒的な差・レベルの違いを見せるような内容で(気が早いが)新入幕を掴み取ってほしいものだ。11月もざんばら髪で登場か。

西方・獅司も手堅く勝ち越しを続け、先場所から番付を3枚上げて5枚目に。
先場所15番を動画で振り返り見直したが、触れ込み通り(基本形は)左四つのようだ。左右どちらでも上手を取れば、勝利を引き寄せる確率が高くなる。立ち合いからの突っ張りも何番か見せており、相撲の幅が広がってきているか。母国の情勢は報じられている通り。本場所の歓声も上がっているが、実力だって上がっている。
ミニ把瑠都こと獅司 大(まさる) この九州場所では四股名の「獅」の字に込められた「百獣の王」になれるのか。

やっぱりコレだ↓↓↓

新十両大の里に黒星をつけた男

 9月場所12日目、十両優勝争い一山本とともにトップを走っていた大の里が北の若に敗れて2敗に後退した。大の里は話題沸騰のプロ3場所目で新十両のこの場所も破竹の9連勝、一山本との直接対決で悔しい初黒星、翌日美ノ海に勝ったあと(12日目)の対戦だった。

大の里に2敗目の黒星をつけた北の若って・・・。

山形県酒田市出身、大の里と同い年・同じ学年の22歳。八角部屋所属(師匠は相撲協会理事長でもある元横綱北勝海)高卒からのデビューのため、力士経験・所要場所数は大の里よりも上・多い。

~簡単な経歴を~
相撲は小学3年の時に始めた。早くも小学校・中学校と全国大会で入賞や優勝の実績を残している。やはり相撲の資質があったのか、高校は名門・埼玉栄に相撲留学。3年次に高校横綱のタイトルを獲得するなど3年間を通して活躍、実績を残す。

高校卒業後に八角部屋に入門。選んだ理由は、わんぱく相撲出場のため同部屋に宿泊した際に、同郷の大岩戸ら部屋関係者に良くしてもらったり、酒田市にある北の富士の親族が経営するちゃんこ料理店で(北の富士直々に)声をかけられたことが入門理由だそうだ。
因みに北の富士は北の若の入門の際に酒田市役所への表敬訪問に同行した。そのようなことから北の若は「北の富士の秘蔵っ子」と目されている。

~入門後~
「高校横綱」という肩書ほど順調・スピード出世という訳にはいかず、新十両まで3年近くを要した。そこからは上がったり下がったりして、先場所(9月場所)では東十両2枚目で8勝7敗とようやく幕内をはっきりと射程に捕らえるところまで上昇してきた。

自ら進んで稽古するタイプではないのか、「大師匠」の北の富士氏からも厳しい檄が飛んでいるようだ、「稽古不足」だと。

現在、八角部屋には北勝富士とこの北の若の2人。
長らく活躍した隠岐の海も引退し、年寄・君ヶ濱を襲名。つい先日に断髪式・引退相撲をしたばかりだ。これからは部屋の看板力士ということを自覚・意識した上で、活躍・番付上昇を期待したい。

北の若が母校・埼玉栄高校から寄贈された「今日学べ」と書かれたオレンジ色の化粧廻しを締めて幕内土俵入りするのはいつの日か。

コーヒーやお茶を相撲に浸りながら↓↓↓



将来の横綱へ向けて 大の里の秋場所を検証

 今場所の新十両は4人いた。皆、アマチュア上がりのエリートとして入門してきた。
中でも別格だったのは、大の里(二所ノ関)である。主に2年連続のアマチュア横綱の実績が認められ、今年5月、鳴り物入りで幕下10枚目格付出からデビューした本格派・逸材である。

その大の里の秋場所最終成績は12勝3敗で準優勝・優勝次点と誠に立派なものだった。
大の里・9月の躍動を振り返る。

初日から無傷の9連勝を果たし、これ以上ない滑り出しをみせた。
積極的に突き押して「押し出し」しっかりと受けとめ「寄り切り」
がっちり当たった上で相手の動きを見極め、タイミングよく「はたき込み」も見せた。

初黒星を喫したのは、10日目・一山本戦。
一山本の左のど輪で上体を起こされ、大の里こらえたが、直後に一山本のはたき込みが決まった。大の里も足がついていかなかった。

12日目に組まれた同い年の北の若戦では、相撲内容は完全に勝っていたが、土俵際で逆転の上手投げを食ってしまった。回しを引いているか・いないかの違いで、最後、北の若に逆転を食らった悔しい負けだった。

千秋楽の狼雅戦は勝ち急ぎが敗戦を招いたのか、狼雅は回しは取っていなかったが、左に回りながら「グルン」という感じの威力がまさったのかすくい投げが決まり、千秋楽に痛すぎる星を落としてしまい、十両優勝を逃してしまった。

振り返ってみるとこの敗れた3番は、あと少しの詰め・足の動きとの連動がうまくいかずに(難しいもので欲張りだが)白星を取り損ねたか。つまり、実質勝っていたように思う。

12勝の勝ち星の内訳を調べたら
押し出し  6勝
寄り切り  3勝
はたき込み 2勝
押し倒し  1勝 でした。

圧倒的内容で勝つことが多かったが、先輩力士(プロ)はちゃんと課題も与えてくれたのでは。
半年経って、1年経って、3年5年経った頃、どんな力士に成長しているのか。
相撲を見る楽しみがまた増えた。

定番の相撲みやげをどうぞ↓↓↓






優勝争い、かけめぐる興奮 秋場所14日目

 熱海富士の毎日の奮闘は感動レベルだ、勝ち負けを超えている。
今日はどんなドラマを見せてくれるのか、阿炎戦。
立ち合い阿炎は左からの張り差し、熱海富士は出足よくそのはずみで土俵を割りそうになったがこらえる・持ちこたえた(よく稽古してる証だろう)左上手を取った熱海富士。阿炎も同じように左上手を取るが、熱海富士委細構わず寄って出た。阿炎の上手を切って最後はがぶって寄り切り。鼻血が滴り落ちたが、花道奥で(恒例となったが)付け人と喜びを分かち合った。日頃からの豊富な稽古量と相撲道に対する一途さが勝利を呼び寄せたか。明日は朝乃山戦。勝てば幕内優勝を手に入れる。

同じく3敗の貴景勝は結びで豊昇龍との大関対決。
貴景勝が突き放し豊昇龍に対して右上手を遠ざけていたが、豊昇龍が右に重心をずらしながら上手を取ることに成功。流れのまま頭を抑えて上手投げ。貴景勝土俵にゴロンと転がされた。貴景勝のいい展開だったが、上手を取られた時点で自由を奪われた感じになった。突き押しきれなかったし。痛恨の黒星で4敗に後退。反対に新大関も必死だ。7勝7敗の五分に星を持ち直し、千秋楽に勝ち越しをかける(北青鵬戦)

正代・朝乃山の元大関同士の対決は、正代が立ち合いスパッともろ差しになり一気に寄り切った。興味深い一番だったが、決着はあっ気なかった。正代(東前頭3枚目)は明日の千秋楽、宝富士戦に勝ち越しをかける。朝乃山8勝6敗とし、熱海富士の「最後の壁」として明日立ちはだかる。

~十両の優勝争い~

2敗で追いかける大の里は東白龍をほぼ左のど輪1本で押し倒し、圧勝。明日は東筆頭の狼雅。
1敗トップの一山本・北の若戦は突き落としで北の若。相手の指が目に入ったのか、目を痛がる表情・仕草が何度もあった。悔やまれる2敗目で千秋楽は大奄美と。
十両は一山本と大の里が2敗で並び、この両雄に優勝争いが絞られた。

明日の千秋楽、幕内では21歳の若者(熱海富士)がその若さと破壊力、相撲に賭けるひたむきな姿勢で神様を振り向かせることができるのか。
十両は緊張と重圧の中で、栄冠を手にするのは一山本か(未完の大器)大の里か。

千秋楽の大一番が待ちきれない。

熱海富士に念が届け!↓↓↓