充実の阿炎と豊昇龍、一方ケガ人も出た・4日目

 両国まで赴き、2階席で現地観戦してきました。
有力力士が白星を積み上げた一方で、ケガ人も・・・?。
4日目の報告である。

先場所優勝の阿炎に、先場所まで大関に君臨していた正代の対決。
もろ手突きからののど輪連発で、阿炎が難無く4連勝。
勢いが違う、意識が違う。

豊昇龍は、こちらも3連勝のジェントルマン玉鷲。
頭で当たって立ち合いは玉鷲だったが、豊昇龍が左を差し、もろ差しになって寄り切り快勝!
挽回の余地、付け入る隙を与えなかった。

髙安は翔猿を突き出し (速い相撲)
若元春は明生を押し出し(速い相撲)
注目・話題の2力士に初日が出てスッキリ!

霧馬山‐琴ノ若の小結対決。
左ののど輪霧馬山、右四つ左上手十分の霧馬山、その霧の上手を切った琴ノ若が勝負に出る。土俵際、投げの打ち合いはすくい投げの霧馬山が勝った(まさった)琴ノ若4連敗。

栃ノ心と宝富士に異変が

琴勝峰との一番で、寄り切られて土俵を割った直後に左肩の辺りに指先をあて、左腕をくの字に曲げ、右手で支えていた栃ノ心。その姿はまるで、脱臼癖に苦しんだあの千代の富士と重なった。
大事に至らない事を祈るが・・・。

幕内最初の一番は宝富士と水戸龍。
のど輪で攻め込む水戸龍。そののど輪をたぐり気味に外し、水戸龍がぶちかましてきた時に何か痛みを感じたのか、相撲を止めてしまった。勝負は押し出して水戸龍。明日以降の影響がないか、こちらも心配だ。

~これより十両~

今日も朝乃山の完勝である。對馬洋を寄り切り4連勝!
1日ずつ関取としての土俵の感覚が戻ってきているか。

炎鵬は荒篤山に右に変わりぎみの立ち合いから、下に潜るような形で中に入り、寄り切り3勝1敗。

東9枚目・ロシア出身の狼雅、3連勝で迎える相手は先々場所、新十両で優勝を遂げた栃武蔵との一番。
狼雅がすぐ上手を取る(左)栃武蔵、苦し紛れの巻き替えに出たところを寄り切り狼雅。
相撲が安定している、4連勝。

~現地観戦を終えて~

現地で見ていて、いろんな規制が解除された。
声出しもOK、飲食もできた。修学旅行生も帰ってきた。外国人客も多数来場。
筆者の買物は、ちゃんこ鍋1杯と、相撲あんぱん。
お土産はあんみつ。
酒・アルコールは、迷った末に止めといた。

名物「国技館焼き鳥」は、製造工場の従業員寮で、新型コロナウイルスのクラスターが発生したらしく、これにより作業できない状況とかで販売中止となっていた…。残念。

4日目、前半戦の週の真ん中でも客足が戻ってきた。
楽しかった、また行こう!

群雄割拠、日々混沌・3日目

 令和5年初場所3日目を迎えた。

関脇と小結、合わせて8力士のうち豊昇龍を除く7力士は、2日目まで土がついている。
群雄割拠という言葉は、いい意味で当てはまるのか、悪い意味で当てはまるのか。
今日もダイジェストで振り返る。

朝青龍を叔父に持つ豊昇龍、今日は元大関・御嶽海との一戦。
豊昇龍がすぐさま御嶽海の顔の下につける立ち合い、両まわしがっちり引きつけ丁寧に寄る。
腰を落としながらの寄り切り、3連勝。

先場所優勝の阿炎、3日目の今日は小結明生と。
立ち合い、突き放そうとする阿炎の右腕を手繰るが体勢に影響はない。
直後、突いて突いて阿炎押し出しの勝ち。

小結同士、霧馬山‐若元春の一番。
霧馬山の強烈なのど輪に、たじろぐ若元春。その反動を利用してはたき込みで霧馬山。

大関の地位を失い、関脇に陥落の正代。
2連敗スタートのあと、初勝利に向けての琴ノ若戦。
左四つからの押し出しで正代に初日。明日の4日目は阿炎と組まれた。

先場所3勝12敗で、幕尻16枚目に番付され後がない宝富士は、幕内最初の相撲で西14枚目東龍との対決。もろ差しになった宝富士、迷うことなく一気に寄り切り3連勝。先場所の名誉挽回といきたいところだ。

~これより十両~

炎鵬‐欧勝馬は、駆け引き・探り合いが続いたあと、足を取る・(切り返しぎみに)掛ける。最後は下手投げ決まる。勝利を掴むまで何手も繰り出し、小兵力士の苦労のようなものを感じるが、そこがまた魅力で惹きつけられる所以である。

朝乃山の3日目。4場所ぶりに十両復帰の白鷹山。
右差し・左上手の朝乃山の寄り切り、安定した相撲。

十両からの再出発、照強は島津海の足を取りにいくべく、かなり低い立ち合いで仕掛けたが失敗。押し出されて止まらぬ照強はマス席手前までかけてゆくのであった。

明日もよろしくお願いします。

目まぐるしい速さ、取組とインタビュー!翔猿 2日目

 今日は結びの一番で登場した、貴景勝に挑戦した翔猿から。
立ち合い両者突き押しで、お互いの出方を見る。翔猿が引きながら、右へ回る。
2度目3度目引いたところで、貴景勝バッタリ。翔猿の勝ち。
貴景勝、口の中を切ったようで、出血が見られた。大丈夫か。
ヒーローインタビューでは、今日も「高速インタビュー」が聞けた。
お馴染みになりつつある、面白い。

昨日、素晴らしい相撲で初日を飾った豊昇龍は、小結・琴ノ若との対決。
頭で当たり、押し込む豊昇龍。左からいなす琴ノ若が右四つの体勢から寄って出ると、豊昇龍がその寄ってきた反動を活かして下手投げ決まる。下半身の柔らかさというか、臨機応変に対応できているところが、今後の期待を抱かせてくれる。

38歳の玉鷲、今日も明生相手に素晴らしい相撲だった。
頭からの強烈な立ち合いから一気の「電車道」が見られた。玉鷲自身も頭(おでこ)への痛みを感じたみたいで、顔をしかめていた様子があった。明日は髙安。

その髙安は霧馬山との2日目。
今日も右からのかちあげから入る。威力はさほどないようだ。
左に左にいなす霧馬山。髙安の左差しを許さないような右のど輪、体を突いて押し倒して霧馬山。髙安は足を気にしたかのような引きずった感じがあったが、明日以降の取組の影響が出ないことを祈る。

今場所も番付据え置き西前頭3枚目の翠富士。
今日は東5枚目まで再び這い上がってきた竜電との取組。
立ち合い、やや低めに当たった翠富士。
左差しから左に回りつつ、伝家の宝刀「肩透かし」が見事に決まった。
171cm 117kg の静岡県出身が場所を盛り上げ、同部屋の熱海富士とともに地元静岡を活気づける。

~これより十両~

元幕内で人気者同士の熱海富士‐炎鵬。
低く立ち、頭をつけ、下手投げで崩しながら足を取ったり炎鵬。
動きの中で左上手を引きつけ、そのまま上手出し投げで炎鵬の勝ち。
終始、頭を熱海富士の胸につけ、廻しを引かせない型が功を奏した。

島津海が貴健斗に「後ろもたれ」という決まり手で勝利。
調べたところ
※後ろもたれ・・・相手に背を向け、もたれ込むように土俵から相手を出す。または倒す。
とあった。

動画でどうぞ(^_^)

https://www.youtube.com/watch?v=UxyFnNpz6dc

期待感増す、豊昇龍の完勝劇と玉鷲の粘りと執念。初場所初日

令和5年初場所初日を迎えた。本場所開催は、原則第2日曜日からの15日間。

今年1月の第2日曜日は、正月・松の内が明けた翌8日。

正月気分が完全に抜けきった訳ではないが、新年初の熱戦の模様をお伝えする。

先場所11勝、優勝争いを最後まで盛り上げた豊昇龍が強かった。

掴みどころが難しい翔猿を、立ち合い右下手から何もさせず一気に寄り切り、完勝。

前途を期待させるような相撲で初場所初日を飾った(1秒6)

霧馬山‐玉鷲のモンゴル人・実力拮抗の対決は、玉鷲の俵伝いの足が出るのと、霧馬山の足が返るのが同体と見なされ、取り直しとなった。

仕切り直しの一番は、霧馬山がすぐにもろ差しとなり、一気呵成に勝負に出たところを、玉鷲が土俵際で逆転の突き落とし。玉鷲の若い衆を交えた1対2の稽古の鍛錬がものを言ったと思う。横綱不在、優勝争いが混乱しそうな今場所も、この38歳の大ベテランが面白くしてくれそうである。

若隆景も良い。
小結四天王の一角、明生に立ち合いすぐの右上手、すくい投げで抵抗する明生をものともせず、腰を落としながら寄り切った。今場所はまた勝ち星を2ケタにのせ、新たに大関への歩みを築きたい。

先場所優勝、阿炎の初日。
対戦相手・琴ノ若。もろ手突きの立ち合いから右のいなしが有効。
突き出して初日白星スタート、明日は若元春。

先場所、わずかな差でまたもや優勝を逃した関脇髙安(元大関)、大栄翔との一番。
右から髙安がかちあげるが、大栄翔動じず、下から下から押し出した。あっけなく土俵を割る髙安。先場所優勝決定戦での首の痛みの影響があるのか、冬巡業を休場したと聞いている。心配になる負け方だった。

~これより十両~

元大関・朝乃山の6場所ぶりの関取復帰の初日は、貴健斗(常盤山)相手に立ち合い押し込まれるも、左に回り込み突き落としで599日ぶりの関取での白星を掴んだ。いい相撲とは言いにくいがこれからだ!

新十両・湘南乃海、白星発進!
赤とピンクの中間色なのかな?締め込みで登場の新十両。
浅香山部屋・魁勝に対し、すぐ右上手がっちり。慎重に寄って出て、寄り切った。
まずは、おめでとう!

そして、我らの熱海富士。
先場所新入幕するも4勝11敗と負け越し。迎えた初場所は、東十両3枚目からの出直しになった。初日対戦相手は、先場所十両優勝の勢いにのる欧勝馬(鳴戸)
両者探り合いの中から、熱海富士右の上手からじわじわ攻める。最後は頭をつけて寄り切り。
良かったなぁ、熱海富士。今場所もテレビ桟敷で応援してるぜぇ!

板井圭介、歴史に残る連勝記録と連敗記録と・・・。

 去年11月、一年納めの九州場所で、相撲史に残る記録が刻まれた。

それは、名誉なものでなく不名誉なものとして、31年ぶりの記録と報じられた。

幕内15敗(一場所皆勤の15連敗)

この現実と並行して、久しぶりに聞こえてきた四股名があった。

板井圭介

実業団からプロ入り、激しい突き押しで小結まで上り詰めた。引退後、良からぬことで世間を騒がせたあの板井である。

この板井、屈辱的な連敗記録だけでなく、デビューから26連勝という輝かしい記録もある。のちの常幸龍(記録達成時・佐久間山)に塗り替えられるまで、33年もの間保持していた。

~板井圭介プロフィール~

1956年3月21日、造船や醤油、石仏の製造で知られる大分県臼杵市に5人兄弟の末っ子として生まれる。



相撲を本格的に始めたのは、大分水産高校(現・大分県立海洋科学高等学校)に入学してから。(高校時代の)アマチュア時代の詳しい実績や戦歴は不明だが、地元大分・九州地区では、その名を知られた存在だったそうだ。

卒業後、黒崎窯業に就職し、相撲部で活躍。国体青年の部で2回優勝の実績がある。

1978年、当時の大鳴戸親方(元関脇・高鐵山)に勧誘を受け、角界入り。
連日の稽古では、当時三段目のちの十両維新力を圧倒、また幕内・蔵王錦とも互角に渡り合い、まさに鳴り物入りで初土俵を迎えた。実業団時代の実績が足りないとの理由で、序ノ口からのスタートになったが、そんな事はどこ吹く風…。

そして、序ノ口・序二段・三段目、3場所連続7戦全勝優勝を飾り、初めて幕下で迎えた6番相撲で敗れるまで、33年間塗り替えられなかった怒涛の26連勝を記録した。

強烈な突っ張りを武器に、三賞受賞は殊勲・技能各1回(1989年3月場所に同時受賞)
金星は大乃国から3個記録している。

その大乃国キラーとして名を馳せた。

板井のWikipedia「大乃国との軋轢」の部分で、テーピングに細工がされていた云々の記載を見かけたが、これホントかな?

現役中は、常に膝の故障との戦いが続き、番付を大きく落としていた時期もあった。

1991年9月場所途中に廃業。当初は引退し、年寄襲名の予定だったが、相撲協会に申請を却下されたと言われ、相撲界と袂を分かつ。

以後、ちゃんこ屋を3店舗を経営するが、いずれも撤退。

そして、2000年1月21日、外国特派員協会の講演で、相撲界の八百長を告発、「証拠はこの私です」とまで言い切り、世の中を震撼とさせた。

大相撲に八百長は本当に実在したのか。

仮に板井がガチンコ力士(シロ)だったら、どれだけスケールの大きい力士に、小結以上の最高位を築くことができたか。

あの八百長告発の講演がなかったら、板井自身、どのような移ろいゆく人生を送っていたのであろうか。

板井圭介氏が逝去されて早や4年余りが経つ。

今となっては、その真相を知る由もない。

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