朝乃山、貫禄の十両優勝!幕内は千秋楽相星決戦へ・14日目

 初場所は、最佳境の14日目を迎えた。
幕内では、霧馬山‐阿武咲などの星の潰し合いも見られたが、十両は、1敗でひた走る朝乃山を中心としたハイレベルな戦いが見られた。

では、その十両の土俵から。
1敗で突っ走ってきた、朝乃山。今日は幕内経験豊富の千代の国戦。
立ち合いのあと、すぐさま朝乃山を引く千代の国。突きに出たところを右を差して、千代の国の左をバンザイさせ、そのまま寄り倒して朝乃山の勝ち、1敗守る。

同じく1敗で並走する金峰山は、幕内の土俵に登場。
対戦相手は、東15枚目の剣翔。
剣翔が若干左寄りになり、左上手取り、態勢を変えて寄り切った。
金峰山、3敗に後退。これにより朝乃山の十両優勝が決まった。
金峰山は右腕を気にしている様子だったが、以前から痛めていたものらしく、昨日の朝乃山戦で悪化させたものらしい。明日の取組に影響がないといいが…。

新十両、早くも2ケタの勝ち星を上げている湘南乃海、今日は勝ち越しに王手をかけている。人気者・炎鵬(宮城野)との一番。
立ち合いの駆け引き、炎鵬が手をついて立ったあと左足を後ろに引き、間をおいたところで行司から仕切り直しを命じられる。2回目も同じような感じだったが立ち合い成立。
左の張り手から、潜ろうとする炎鵬をはたき込みで湘南乃海、堂々の11勝上げる。炎鵬の勝ち越し、明日の千秋楽に持ち越し。立ち合いの戦術・その後の間の取り方など、敗れたとは言え、炎鵬は今日も相撲の醍醐味を教えてくれた。

~幕内~

結びの一番・大関・貴景勝は、痛めた左足首をテーピングで固定しながら出場の関脇・豊昇龍。もろ手突きの立ち合い豊昇龍、そのあとの足がついていかず、あっさりはたき込まれた。
貴景勝3敗で、明日千秋楽は琴勝峰との相星決戦。豊昇龍7勝7敗で、阿武咲戦を控える。

昨日貴景勝戦で敗れ、3敗に後退したが、阿武咲にもまだチャンスはある。
今日は小結、本当に地力をつけてきた霧馬山戦。
頭からぶつかる立ち合い、霧馬山、体を左に開いて突き落とし。わずか1秒1の相撲で、阿武咲連敗。霧馬山は竜電との千秋楽。

幕内優勝争いは
3敗 貴景勝・琴勝峰

今場所の関取最上位である貴景勝が、大関の意地を見せつけるか。
あるいは、琴勝峰が4場所連続幕内優勝の栄誉を勝ち取るのか。

千秋楽、最後の最後まで目が離せない。

 

金峰山、元大関に負けても色褪せない将来性・13日目

 令和5年大相撲初場所は、13日目となった。
やはり、筆者としては幕内よりも十両の方に、優勝争いは興味を注がれる。
主観以外の何物でもないのだが、今日も十両の優勝争いからお伝えしたい。

1敗同士の大一番、金峰山‐朝乃山
のど輪から突き放そうとするも、体を壁がわりとして止める朝乃山。
それでものど輪から攻め立てる金峰山。そこを冷静に見計らった朝乃山が、右からの突き落とし。朝乃山が1敗で単独トップに立った。

6日目から7連勝で2敗を堅持する大翔鵬、今日の対戦相手は、新十両で3敗と大健闘の湘南乃海との”潰し合い”となる一戦。
大翔鵬ののど輪から右四つ。右下手投げの寄り切り。最後は腰を使ってまでも寄り切り。
大翔鵬2敗から脱落。明日の対戦相手、湘南乃海は炎鵬、大翔鵬は東白龍。

3敗力士もう一人、ベテラン千代の国は高田川部屋の白鷹山との13日目。
白鷹山激しい突っ張り、よく見る千代の国がいなして、押し出し千代の国!
千代の国の明日は朝乃山。最後に一泡吹かせるか。

改めて十両を整理する。
1敗 朝乃山
2敗 金峰山
3敗 大翔鵬・千代の国・湘南乃海
となっている。

幕内優勝争いトップに立つ阿武咲、1差で追いかける大関貴景勝と運命の決戦。
左からいなす貴景勝、果敢に突き返す阿武咲、強烈な張り手を見舞う貴景勝、阿武咲のお返しの張り手が空振りになったところを、貴景勝押し出し。今日も鼻と唇から出血。

13日目、各段優勝が序ノ口以外で決まった。
中でも、幕下優勝の落合はアマチュア時代の実績が認められ、今場所幕下15枚目格付出でのデビュー。風賢央(押尾川)との6連勝同士で迎えた一番を突き落としで制し、見事、幕下優勝を飾った。
左を差して、風賢央に右上手取らせない。風賢央が仕掛けてくるところを突き落としが見事に決まった。スピードとキレが違う。最後の突き落としに至る場面、「バシッ」と音がして、小気味よかった。
慣例からすると、幕下15枚目以内で優勝すれば翌場所の十両昇進が確定の流れになるが、こればかりは番付編成会議を待たないとわからない。宮城野部屋にまた一人、新星誕生なるか。

               あの白鵬の誘いを受けて入門。
               所要1場所の十両昇進なるか。
                   落合哲也

朝乃山、新鋭を撃退!白熱の十両優勝争い・12日目

 さぁ終盤戦、12日目。
やはり、横綱不在の場所は締まりがない。
見ててピリッとしない。図抜けた存在が出て来ない。

十両にも同じようなことは当てはまる部分もあるが、ハイレベルでの拮抗した戦いは見入るものがある。今日も十両の動きから。

毎日名前の聞かない日がない元大関・朝乃山は、十両最初の取組で、新十両・湘南乃海と対戦。
湘南乃海が右上手引くも、朝乃山が左下手で振り回す。腰を落としての寄り切りで、朝乃山が地力を見せつけた。明日は1敗同士の激突、金峰山戦を迎える。湘南乃海は2敗の大翔鵬と。

1敗で並走する金峰山に、こちらも好調・十両2場所目の狼雅との一番。
左前回しの狼雅をすぐに切る金峰山。巻き替えにいく狼雅。そこを電車道・寄り切った金峰山。余裕が感じられ、相撲を支配していた金峰山。明日の大勝負も楽しみだ。

2敗で追走する大翔鵬。今日は西筆頭の武将山戦。
武将山やや低い立ち合いだったが、大翔鵬の圧力が勝り、2敗を堅守。

十両優勝争いは
1敗 朝乃山・金峰山
2敗 大翔鵬
3敗 千代の国・湘南乃海(頑張ってる)

この辺りでの争奪戦になるか。十両の土俵に、心躍らせる。

朝乃山に土!先が見えない、幕内・十両の優勝争い・11日目

 最終コーナーを回って、初場所も終盤戦である。ここからが本当の勝負、せめぎ合いである。波乱があったようだ。

十両の優勝争いの行方から。
今日の朝乃山は、大翔鵬との対戦。

左上手取った大翔鵬が主導権を握る、右四つの形でグッと引きつけて寄り切り。朝乃山の連勝、10でストップ!朝乃山の連勝がついに止まった。しかし1敗をしただけ。下を見ることはない。勝った大翔鵬、明日は武将山。朝乃山は湘南乃海と。

1敗で追いかける金峰山、今日は3敗と好調を維持している東白龍との一番。
まるで阿炎の如く、立ち合いもろ手突きからののど輪、腕が伸びる突っ張りで、あっ気なく土俵を割った東白龍。決まり手、押し出し金峰山。1敗で朝乃山に並ぶ。

新十両・湘南乃海は、北の若を寄り切りに下し2敗守る。
北の若を相手に左差し、巻き替えに出るところをジワジワと寄り切り。
面白い存在だ。優勝争いのダークホース的存在かもしれない。

コツコツと白星を重ねて、7勝3敗まで上げてきた千代の国(九重)。勝ち越しをかけて、長身力士(2mの)北青鵬との激突。
高い位置にある首を目がけたのど輪で上体を起こし、後退させ、そのまま突き出して勝ち越し!3場所ぶりの勝ち越し決める。
最高位・前頭筆頭、32歳はまだまだ衰え知らず、初場所の土俵を盛り上げる。

十両の優勝争い
1敗 朝乃山・金峰山
2敗 大翔鵬・湘南乃海

あたみんこと熱海富士、インフルエンザ感染により休場。
寂しい限りである。

~これより幕内~

1敗でひた走る大関・貴景勝は、結びの一番で琴ノ若との対決。
大関の押しに怯まない琴ノ若。逆に押し返し、押し倒して琴ノ若の勝ち。
貴景勝2敗に後退。

2敗 貴景勝・阿武咲
3敗 玉鷲・琴勝峰

幕内優勝争い、今場所も混乱状態である。

優勝絶対候補・朝乃山を1差で追う、東5枚目の野心・10日目

 十両の優勝争いは、6場所ぶりに関取復帰した元大関・朝乃山が全勝で独走してる中、ピタリと1差で追う力士がいる。

東5枚目 金峰山(木瀬) カザフスタン出身

三段目付出でデビュー、力士在位8場所目となる今場所、この金峰山が見せる突き押しと四つ相撲の「二刀流」が冴えわたっている。今場所のここまでを振り返りたい。

基本的に突き押し相撲だが突っ張りの腕の伸びが良く、これで相手を後退させる。さらに腰もきちんと落ちているから、圧力が伝わり相手の反撃を食いにくい(偉そうですみません)

突き押しの巻

四つ相撲の巻

https://www.youtube.com/watch?v=cSzTh5xaxho

2日目の大翔鵬とは、(初日と)打って変わって、立ち合い左に変化しながらの左上手を取り、がっちりと引きつけながら寄り切り、堂々と四つ相撲で渡り合った。

ここまで唯一の黒星、4日目の北青鵬(宮城野)戦は、こちらも左上手からの四つ相撲。
1分40秒(ぐらい)にも及ぶ持久戦にも耐えた。

総論

本人のWikipediaにもあるように、「右四つでも左四でも。つっぱりでも」と話す万能型。

あの朝青龍の紹介で日本にやってきたというから、ただ者ではない。

優勝絶対候補の朝乃山の牙城を崩すべく、明日からの終盤戦に牙を剥く。