大栄翔・好調、若隆景・不運な星落とす・5日目

 大相撲春場所、序盤5日目を迎えた。

綱取りで迎えた、貴景勝を含めた関脇以上が今ひとつ煮え切らない感じだ。幕内全力士を見渡してみて、光の見える・見えそうな存在はいるのか。5日目を検証する。

ここまで4連敗スタートの若隆景は、元大関・御嶽海との一番。

若隆景、立ち合い左上手を引くも寄って出る御嶽海。こらえる若隆景、右からすくう御嶽海。
若隆景、左から上手投げ!決まるも、直後に物言いがつく。協議の結果、最初御嶽海が寄って出た時、若隆景の右ひざが土俵にふれたとの判断で、若隆景の「つきひざ」という裁定がくだり、御嶽海の勝ち。若隆景、今日もするりと白星を逃した形となった。5連敗の若隆景、明日は竜電と。御嶽海は貴景勝と。

*「つきひざ」とは・・・相手の力が加わらぬまま、ヒザをつく。

⇧ということなので、若隆景は不運で気の毒な星を落とした(4:30あたり)

結びの一番、大関・貴景勝は、竜電と対戦だ。
思い切りのいいぶちかましから、一気に押し出し!貴景勝。
相撲内容はよかったのだが、勝ち名乗り直後の土俵から降りる時の足取りがぎこちなく見えた。大丈夫か。

4連勝と好調の出だし、小結・大栄翔は、荒れる春場所を盛り上げてる一人、正代戦。
大栄翔、もろ手突きからの迷うことない電車道で、正代に何もさせることなく押し出し、5連勝!

新入幕・北青鵬、1分15秒の長い相撲の末、今場所東十両3枚目の逸ノ城に寄り切りで敗れて初黒星。

~これより十両~

今日の十両では、元大関同士の対決があった。 朝乃山ー栃ノ心。

朝乃山はいい相撲だったが、栃ノ心は元気がない。
先場所、痛めた左肩脱臼の影響があるのか、な。

なんてったって今日も落合、いつも落合。
今日の対戦相手は、大ケガの末、序二段から不屈の闘志で再び這い上がってきた男・友風(二所ノ関)
落合、頭ひとつ低い立ち合い、友風、圧力を感じたのか引きが容易だった。
そこを一気に押し出して落合4勝1敗。明日は美ノ海戦。

幕内5連勝が、小結・大栄翔・翠富士・錦富士・髙安の4人となった。
小結、平幕陣が盛り上げて、明日から中盤戦と移る。

貴景勝・2敗目、ガムシャラ正代、新入幕4連勝など4日目

大相撲春場所4日目。今場所の注目は大関・貴景勝の綱取りなるかが一番ではあるが、正代の復調や、新十両・落合など話題めじろおしである。今日も注目・話題の取組をお伝えする。

それでは、今場所の主役・大関貴景勝の相撲から。

昨日の正代戦で、勝ちはしたものの足(ヒザ)を気にしてる様子だったが、その不安が結果的に的中した形になった。
阿炎がもろ手突きから、引きながら右への動きに貴景勝はついていけず、あっ気なく2敗。
花道から下がる貴景勝、やはり左足を気にかけてる様子だった。明日は竜電と。

復調気味というか、本領発揮というか、元大関正代もこの荒れる春場所を賑わせてくれている一人である。今日はまだ初日の出てない関脇若隆景。

立ち合いは若隆景がよかったが、正代、左から起こす。そこからやや強引ぎみに一気に出る。
最後は、若隆景がもろ差しになってたかもしれないが、委細構わず腹を使って押し出し正代の勝ち。ここ数場所、正直不甲斐ない取組が多く見受けられたが、今場所は何か吹っ切れたように見える。

新入幕の一人、ここまで勝ちっぱなしの身長204cmの北青鵬は、幕内最初の取組で水戸龍(錦戸)と。
水戸龍、左前回しを引く。が、北青鵬も左上手。お互い仕掛けるが残した。
北青鵬腰を振り、水戸龍の上手を切って寄り切り。新入幕4連勝。何か飄々として、堂々とした振る舞いは大物の予感をさせるが、まだ気が早いか。

~これより十両~

今日の落合は、幕内優勝経験者で且つ今場所十両に復帰した徳勝龍との一番。

頭で当たって左四つ落合、圧力かけながら寄って出る徳勝龍。左下手から右前みつ、寄って出て寄り切り落合。今日もベテランの経験に飲み込まれず、最後まで主導権を握っていた。

先場所新十両の湘南乃海、今場所も出だし3連勝といいスタートを切っている。
今日は対戦相手はロシア出身の狼雅(二子山)
湘南乃海、左をしぼって狼雅の右差しを警戒。狼雅、その右で上手を取ろうとするが失敗。続けて、巻き替えにいこうとしたところをきめ出した。
いい意味で勝機を急ぐことなく、自分有利な状況になって、じっくり決めた。
先場所新十両で12勝、今場所ここまで4連勝と、それまでの長年の苦労が報われるかのように、湘南の波に乗っている。

貴景勝・気迫の2勝目、足を気にしてる様子があったが・3日目

綱取りへ・・・、期待かかる貴景勝。

3月・春場所は3日目を迎えた。

その大関・貴景勝、今日の対戦相手は元大関・正代である。

立ち合い、貴景勝の圧力・踏み込みに分あり。
突き放す。正代も必死に抵抗するも、貴景勝の気合い・背負ってるものの違いを感じさせられた。押し出して貴景勝の勝ち。
直後、勝ち名乗りを受ける時に、何か足をかばっている様子。土俵から降りる時も足の運びがスムーズじゃなかった。カメラもずっと追っていた。明日以降の取組、綱取りに影響しないか気になるところだ。
明日の貴景勝は、阿炎である。


こちらは、大関への足固めとしたい今場所の霧馬山、玉鷲戦。
一気に決めにいく玉鷲、脇が開いたところを霧馬山すくい投げ。



豊昇龍に初日。小結・琴ノ若戦。
上手を引く琴ノ若、仕掛けた琴ノ若、掛け投げにいく豊昇龍、のど輪がすっぽ抜けた琴ノ若、もろ差しになった豊昇龍が寄り切って初日が出た。

話題の新入幕対決、金峰山‐北青鵬
立ち合いすぐの左上手、引きつける力強すぎ。ジワジワ寄ってこの対決制す。
金峰山も見劣りしない体格だが、何も出来ずに力負けした印象。

~これより十両~

鳴り物入りで入門。新十両・落合の3日目は貴健斗との一番。

https://www.youtube.com/watch?v=KdNz-LT54Ss&t=185s

両者頭で当たる立ち合い、突き放しにかかる貴健斗。左を深くねじ込み、相手の上体を起こし寄り切った。慌てる様子なく、落ち着いて高校の先輩を寄り切った。明日の対戦相手は徳勝龍。

朝乃山の3番目、今日の対戦相手は東白龍(玉ノ井)
東白龍、一気にのど輪で攻め立てる。叩きに出たところで形勢逆転。
朝乃山の右腕をたぐるも、左上手を引かれ、送り倒し朝乃山の勝ち。

幕内上位の星の潰し合いも面白い。図抜けた存在もいないが。
貴景勝の足の状態が気になる。
新入幕・北青鵬、新十両・落合と玉正鳳、場所を大いに盛り上げてくれている。

勝利の風を送る↓↓↓

貴景勝、着実に勝利!元大関、ここにあり・2日目

 綱とりのかかっている大関・貴景勝、初日は翔猿のはたきに苦杯を嘗めたが、一日経ってリフレッシュできたか。2日目を振り返る。

その大関・貴景勝は、昨日若隆景を逆転の突き落としで勝った、玉鷲との一戦。

今日は立ち合い低く当たり、腰を落としながらの押し出し。慎重な攻め、3秒5で玉鷲を押し出した。

元大関・今場所西前頭筆頭の正代は、大関取りへ向けて確かな足固めの場所にしたい、関脇・霧馬山との対戦。

立ち合い両者の突っ張り合いから、正代が左を深く差し入れ、下手回しを取った正代が一気に勝負を決めた。変な迷いのない会心の相撲。昨日今日の相撲内容に正代は自信を持ってほしい。

新入幕同士の対戦、北青鵬は武将山を右一本の引きつけで寄り切った。今日も余りある身体能力を見せつけてくれた。

こちらも新入幕・金峰山、今日は貴闘力の息子であり、大鵬の孫・王鵬との一番。
のど輪で突き上げる金峰山、そのまま突き出し金峰山。
二刀流の金峰山、今日は突き押しで決めた。

~これより十両~

宮城野の新星、プロ初黒星

なんてったって話題の新十両同士の取組、落合ー玉正鳳。

立ち合いやや低く当たった落合、玉正鳳はもろ手突きから右へ右へ動いてはたき込み。
落合の突進をかわした。
玉正鳳はこの作戦で決めていたのか、ズバリと決めてみせた。
落合は気にすることは全くない。前に出て一気に決めようとした寄りは責められるものではない。最後の足がついていかなかっただけ。
これも相撲だ。これも経験だ。

朝乃山、千代の国がもろ手突きののど輪から、引いたところを一気に押し出し2連勝。
千代の引きは、安易だった。

貴景勝タオル↓↓↓

62年ぶりの船出、雷部屋

 2月1日、旧入間川部屋から引き継ぎ62年ぶりに復活した「雷部屋」(いかずちべや)

継承して、初の本場所に船出した。

師匠は、元関脇・栃司から元小結・垣添が後を継いだ。

弟子は7人。

幕 下 獅司(しし)
    大元(おおもと)

三段目 毅ノ司(きのつかさ)
    龍 司(りゅうつかさ)
    西太司(さいだいじ)

序二段 雷 道(いかづちどう)
    鷹 司(たかつかさ)

である。

初日の結果、
勝ち 獅司・大元・毅ノ司
負け 龍司・西大司・雷道・鷹司

と偶然にも7力士全員出場。“歴史的一日”は、3勝4敗で終えた。

勝ったり、負けたり。白星と黒星を重ねながら、新生・雷部屋は62年ぶりの一歩を歴史に刻んだ。