九州場所 序二段力士の明と暗

「明」

今場所の序二段優勝は、荒汐部屋所属の大凛山(東61枚目)が優勝決定戦の末、城間(尾上)を押し出して勝ったものだ。
相撲経験なし。高校時代はラグビーに勤しみ、プロ1年半で日大相撲部出身・アマチュアエリートの城間(プロ4場所目)を押し出しに破った。
優勝インタビューでは、終始満面の笑みで「メチャクチャ嬉しいです」と強調し、「もっと立ち合いを強く、突き押しを磨きたい」「三段目で勝ち越すこと」「幕下に入れるように頑張りたい」と今後の課題と目標を明確に話した。

その優勝決定戦の動画↓↓↓

大凛山↓↓↓

「暗」

生涯戦歴147場所、40歳の大ベテラン・古参力士の霧桜(陸奥)の九州(11月)場所限りでの引退が(公式)発表された。
最高時でも、体重が100㎏に届かなかった小兵力士がご当地・九州(鹿児島県霧島市出身)で24年にも渡る土俵人生に幕を下ろした。

明と暗で言うのなら、今場所の陸奥部屋自体の明と暗にもなるのだが(明・霧島優勝、暗・霧桜引退)
最高位西三段目69枚目
三段目在位  20場所
序二段在位 116場所
序ノ口在位  10場所

しかし、よくよく調べれば九州場所は全休で(土俵に上がったのは)9月場所が最後であった。

10月1日に断髪式も終えている。
失礼しました。

ちょうど5年前の動画になりますが、謙豊(時津風・228㎏)との対決を見つけました。

 

大の里、3敗のうちの2敗

 今場所、十両優勝こそ成らなかったものの、最終成績12勝3敗と抜群の強さ・成績を見せつけた東十両5枚目・大の里 泰輝(二所ノ関)
来場所は、おそらく新入幕昇進を果たすものと思われる。

スピードあふれる取り口・チャンスと見たら一気に仕留めにかかる決断力と攻撃力が良い。

九州場所に敗戦を喫した3回(本割り)のみ。
この3敗のうち(ほぼ)一方的完敗を喫したのは、島津海戦(10日目)だけだった。

他の2敗を振り返れば・・・。

5日目・玉正鳳戦 9割方勝っていた展開だと思ったが、体が柔らかく土俵際に余裕があった玉正鳳の上手投げを食った形になった。

8日目・琴勝峰戦 これも大の里ペースで進めていた相撲。詰めの部分で(大の里)上手を切られ、琴勝峰の上手出し投げに崩れた惜しい相撲。

う~ん、この2番に限って言えばどうにも詰めが甘かった。
他のほとんどの取組は際立っていただけに・・・。

今場所前の連合稽古では、一門の大先輩である玉鷲から腰高を指摘され、何度も転がされ続けたそうだが。

詰めの甘さと腰高をどれだけ矯正できるか。
来場所に向けて、実のある稽古・調整をしてほしい。

伯桜鵬と同じような新入幕での活躍を期待しているだけに。

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ご当地力士の活躍・島津海編

 ご当地を自己最高位(西十両2枚目)で迎えた島津海(種子島出身)
新入幕を視野に入れ、心に期すものがあったはずだ。
結果は9勝6敗という堂々たる成績。二所の新鋭2人(大の里・高橋)にも完勝してみせた。

大の里戦↓↓↓

父親が若嶋津と知り合いだったことが縁で、中卒で入門。
長い下積み生活があったが、今場所のこの成績で悲願の新入幕を決めたのではという見方が多いようだ。11月場所の9勝を振り返ってみると、勝機と見るや一気に勝負を決めにいく姿勢がよかったか(水戸龍戦の力づくで極められたが耐えて力勝負で勝ったなんてこともあったが)

今場所、幕内優勝争いを盛り上げた一山本と同じ放駒部屋所属。
バラエティ番組出演で人気もジワリと沸騰中か。
(気が早いが)来場所はこの2人「放駒勢」にも注目だ。

場所前には、こんな感じで島津海を扱わせていただきました↓↓↓

放駒部屋の機運を高めよう↓↓↓

ご当地コンビ 東西幕内11枚目 境川部屋

今場所の佐田の海の何が凄いって、6・7日目と11月場所の優勝争いを最後まで牽引した2人(熱海富士と一山本)に完勝したこと。
今場所8勝7敗。何も秀でた数字ではないが、存在感と地力をきちんと見せた。
その熱海富士戦。

まだまだ幕内上位で見たい顔だし、39歳で奮闘を続ける玉鷲のような存在であり続けてほしいと思うのだが。
佐田の海 貴士(境川)東前頭11枚目 熊本県熊本市出身 

平戸海は、長崎県平戸市出身。去年秋場所(新入幕)からの連続在位は8場所。7月の東前頭5枚目がここまでの最高位。この平戸海も佐田の海同様、今場所は熱海富士と一山本、元大関の御嶽海に勝っている。

一山本戦(快勝を)振り返る。

一山本の消極的な引きを見逃さず、一気に勝負を決めた。
突き押し相撲を軸にしているようだが、四つでも組んでも十分にいけそうだが。

平戸海 雄貴 (境川) 西前頭11枚目 長崎県平戸市出身
今場所9勝6敗。
こちらはまだ23歳。この若さに地力と経験を装備させている最中だ。

今場所もお疲れ様でした↓↓↓

 

霧島が1年を締めた、2度目の優勝! 九州場所千秋楽

 結局、幕内優勝は大関・霧島で幕を閉じた。
熱海富士が勝って霧島が負ければ決定戦の可能戦もあった訳だが、まずは本割りに組まれたのは琴ノ若戦。
熱海富士が低く頭から当たっていった立ち合い。回しが取れず、琴ノ若はタイミングを見透かしたように引き落とし。土俵にバッタリ熱海富士。この瞬間に霧島の優勝が決まった。
熱海富士、今場所も一歩及ばずの結果になったが、計り知れない悔しさと引き替えに、また貴重な経験と更にぶ厚い壁を乗り越えないと優勝にたどり着けないと実感できたことが、何よりの財産になる。

優勝が決まったあとの霧島は貴景勝との結び。
こちらも、上述の熱海富士・霧島戦と同じような相撲・流れで霧島が貴景勝を突き落としに破った。
7月に大関になり途中休場、先場所(9月)も2ケタ勝利すら上げられなかったが、優勝インタビューで本人が語っていた通り、場所前は充実した稽古を積み、その積み重ねが優勝という花を咲かせたようだ。今年は小結から大関にまで昇進した。来年は良い年にできるだろうか。
反対に「綱取り」と注目を集めていた貴景勝は9勝6敗に終わる。・・・、厳しいか。

・宇良が念願の三役入りを果たせそうである。右からの投げで崩し、渾身の押し倒し。厄介な北青鵬を下し、31歳は小さくガッツポーズをした。

・豪ノ山ー湘南乃海は立ち合い嚙み合わなかったが、成立後は豪ノ山が積極的な突き押し、最後ははず押しで押し出した。幕内3場所目の豪ノ山、東4枚目で勝ち越してみせた。

・十両では本割りでここまで3敗の琴勝峰と大の里がともに勝利し、決定戦へ。
琴勝峰の左上手がものをいい、上手投げで仕留めて十両優勝。早い攻めにプラス(プロ)経験が上回ったのでしょうか。両者の最終成績は12勝3敗で来場所はお互い幕内力士で、この続きが見られるのか。

来年は霧島と琴ノ若が更にステップアップできるのか、熱海富士・豪ノ山・大の里辺りが上位を脅かす存在になれるのか、展望が尽きることはない。

霧島で乾杯!↓↓↓