誇らしい8勝7敗

 夏場所(5月)前の貴景勝の立ち位置・状況

大関在位23場所目。
綱獲りから一変、慢性的な膝や首などの痛みとの戦い、6度目のカド番で迎えた大関。
四股名(下の名前を)光信(みつのぶ)から貴信(たかのぶ・本名)に変更。

迎えた夏場所。
本来の押し相撲(自分のペースだと)危なげない相撲や、立ち合い少し変化して(相手の)間合いを崩したりなどで、前半戦を6勝2敗で折り返した。

しかし、(現状は)相撲を取るのがやっとなのか、取組が終わったあとの土俵を降りる時(一段一段そっと降りていく・時には躓きそうになるなど)の仕草には、満身創痍感が嫌でもわかった(伝わってきた)

9日目以降は苦闘が露骨となる。
上位陣(三役)、(その時点での)成績優秀者との避けられない対戦が続いたからだ。

四つ相撲になったら太刀打ちできず、勝った2番は機を見ての引き技(大栄翔戦)、立ち合い当たってすぐ左(横)に動いての送り出し(明生戦)でなんとかかど番を乗り越えた。

八角理事長は「見られた相撲じゃないけど…」などとコメントしたそうだが、彼(貴景勝)は、現状の持っているもの全てを出したのではないか。なんとしても勝ち星を8つ掴み取るんだ、大関を守り来場所につなげるんだという思いだけで夏場所に臨んだと思われる。

令和五年五月場所 西大関 貴景勝貴信 常盤山部屋 8勝7敗

(一部相撲ファンを除いた)世間は「大関」という地位・肩書に対して、(否応なしに)勝ち星・相撲内容を求める。冷たいものだ。
慢性的なケガや痛み、諸事情なんて見ない・知らない・わかってない。

それに対して貴景勝は、どんな時も変わらない。
⒈ いつも支えてくれる周囲の人達への感謝の気持ち
⒉ 相撲に対する謙虚な姿勢 稽古・(食事面を含めた)私生活・体のケア
⒊ 負けた相撲に対しては「負けたのは弱いからです」と全てを自らに抱え込み、一切の言い訳をしない。                

貴景勝だって、26歳の一人の若者である。
このような素晴らしい言動や心構えは、なかなか出てくるものではない。

家庭(所帯)だって持っている。
美しい妻・かわいい子供の存在は、何より励みになっているだろう。

来場所(名古屋場所)は霧島(霧馬山)が昇格して、大関2人体制になる。

貴景勝は「貴景勝式」を貫きつつ、突き押し相撲に更なる磨きをかけ、霧島に対して
・大関の地位を守り抜くのはこれだけ大変なんだ
・これだけの重圧と戦わなければいけないんだ
というような大関23場所で培った経験の厚みを伝承していくような存在でもあってほしい。

7月の名古屋場所は、丸一か月後の来月9日に初日を迎える。
まずはその時まで、痛めている膝や首のケアをしっかりと行い、状態を上げつつ調整を進めてほしい。 楽しみにしている。



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