最後に笑った貴景勝V3、感動インタビューと一緒に・千秋楽

今日は幕内最高優勝の行方から。

結びに組まれた、貴景勝‐琴勝峰戦。
一人、最高位の重圧に耐えていた大関と、東13枚目から平幕優勝を狙う構図だ。
立ち合いぶちかましていく貴景勝、左を深く差して琴勝峰の右が浮く感じに。
容赦なくすくい投げ!鮮やかに決まり、貴景勝3回目の優勝!終盤で連敗するも、最後は大関の意地を見せた。

気迫あふれる、琴勝峰との優勝を決めた一番もよかったが、そのあとのインタビューも素晴らしかった。「感謝」「謙虚」という言葉を織り込み、周囲の人たちへの配慮も忘れなかった。

今場所一時は優勝争いトップに立つなど、大いに場所を盛り上げてくれた一人、阿武咲は関脇・豊昇龍との千秋楽。立ち合いから豊昇龍を押し込み、一気に勝負を決めにかかる阿武咲。その反動をつけ引き落としで、勝負がついたように見えたが物言いがつく。協議の結果、阿武咲が豊昇龍のマゲを掴んでいて、「反則」で豊昇龍の勝ち。阿武咲は3連敗で10勝5敗で初場所を締めくくった。豊昇龍は足の痛みで1日休むも、8勝7敗で来場所につなげた、立派!

初の技能賞獲得が決まった霧馬山、千秋楽・竜電にも勝って、有終の美を飾りたいところ。
少し左に変化気味の霧馬山、左上手を取り、竜電を半身にさせる。右前みつも引く。左巻き替えて、竜電の上手を切る。出し投げで崩して寄り切った。1分23秒の長い相撲(この相撲に限って言えば)頭をつけて竜電との距離を置き、巻き替えて廻しを切り、出し投げを利用して寄り切るあたり、「技能賞」に相応しい相撲に見えた。来場所も中心力士の一角を担う存在となりそうだ。

~これより十両~

14日目に優勝を決めた朝乃山以外にスポットを当てる。

金峰山に新十両・湘南乃海の3敗同士の楽しみな一番。
のど輪で攻める金峰山、湘南乃海も負けじと押し返す。いなし(叩き)にも落ちない金峰山、左が入った湘南乃海、腰を落とししっかりと寄り切った。
湘南乃海12勝3敗、金峰山11勝4敗。両者とも目覚ましい活躍だった。

3敗力士もう一人、6日目からの7連勝などで11勝3敗で千秋楽を迎えた大翔鵬。
対するは5場所ぶりの再十両で9勝を挙げている白鷹山。
両者激しい突っ張り、大翔鵬左上手切られ、白鷹山ののど輪をいなし気味に突き落とし。
大翔鵬も優勝次点となる12勝3敗で初場所を終えた。

※十両2番目の取組、東幕下筆頭の玉正鳳は、西十両10枚目の照強(伊勢ヶ濱)にはたき込みで勝ち、念願の十両昇進をほぼ確実なものとした。

~15日間を終えて~

貴景勝、3度目の優勝で幕を閉じた初場所。
本人にしかわからない相当なプレッシャー・重圧の中で、最終的に優勝を勝ち得たことに関しては、十分な評価に値する。ただ、本人が更に上(横綱)に目標・照準を置いていたら、見方は厳しいものに変わってくる。綱取りとなれば、来場所は1敗以内の成績・優勝を収めなければ周囲は納得しない。

霧馬山、今年は一層の飛躍があるかもしれない。相撲に幅が広がってきているように見える。

大波兄弟もよくやった。若元春は終盤3連勝で9勝にのせたあたり地力がついた証拠か。
若隆景は6場所連続関脇として勝ち越しているが、大関を目指すなら、(欲を言えば)もう少し体重増量・それに伴うパワー・勝ち急ぐようなところを感じるので、相手の動きをじっくり見る目も養ってほしい(臨機応変さ)

来場所も楽しみである。
照ノ富士は帰って来るのかな、まだ難しいか。

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