苦しい霧島、大熱戦も 名古屋場所・8日目

朝乃山が今日から休場。
「左上腕二頭筋部分断裂で4週間の局所安静を要する」との診断書を提出。昨日・7日目の関脇豊昇龍戦で負傷。左腕を抑えながら花道奥を下がっていく姿に不安を覚えていたが、休場を要するケガとなってしまった。

霧島ー翠富士

途中出場。万全ではない中、苦しい星勘定が続いている新大関・霧島。
今日は難敵・翠富士が相手。
右四つで潜り込んだ翠富士に対し、霧島は左から抱えて応戦。強烈な小手投げを打つもこらえる翠富士。右はのど輪で押し込もうとした霧島だが、これをしのいだ翠富士が再び頭をつけて右差しの体勢を取った。ここでまわし待ったが入る。行司・伊之助が締め直すのだがうまくいかず、呼出しの耕平が入り締め直し完了(3分近く要したか)取組再開。翠富士、しばらく組み合った後の渾身の下手投げで決めた。

霧島が良くない。昨日と今日(実力者であれど)今場所ここまで振るわない御嶽海・翠富士に連敗したことはマイナスな印象である。厳しいか。

錦木ー翔猿

昨日の7日目で初黒星を喫するも、今場所ここまで十二分に話題を提供している錦木(東筆頭)に翔猿(西筆頭・4勝3敗)
左から強引気味の小手投げで崩しておいての押し出して錦木。

昨日で三役との対戦が全員終了した錦木。今日から幕内勢との対戦になるが、果たして後半戦の錦木にはどんな展開が待ち受けているのか。

琴ノ若ー若元春

7日目まで全勝の錦木に黒星をつけたのを皮切りに、実力者・うるさ型を撃破している琴ノ若に3関脇の一角・若元春。左四つの体勢から危なげなく寄り切った(若元春)

伯桜鵬ー湘南乃海

新入幕対決。2敗同士の激突になった伯桜鵬に湘南乃海。
相撲巧者が制するのか、湘南乃海が防波堤になるのか、なれるのか。
伯桜鵬が差し手争いの中、出し投げで湘南乃海の上体を崩して寄り切り。

今日もやっぱり巧かった伯桜鵬。どこまで勝ち星をのばしてくれるのか。

中日・8日目を終えて幕内は
1敗で 豊昇龍・錦木・北勝富士となっている(玉鷲2敗に後退)

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星の行方が見えません 名古屋場所・7日目

 昨日(6日目)終了時点で全勝は錦木一人。
一敗で6人が追う展開で迎えた7日目。今日も激しい星の潰し合いがあった。

琴ノ若ー錦木

何と言うあっ気なさだ。琴ノ若が右を差しそのまま寄り切った。
錦木左から強引に小手に振ろうとしても、琴ノ若の圧力と勢いに飲まれるように寄り切られた。全勝(無敗)がいなくなる。錦木のこれまでの良さがかなりかき消されるような、今日の相撲っぷりだった。

豊昇龍ー朝乃山

大関獲りのかかる3人の中の豊昇龍、今日は元大関・朝乃山を迎え撃つ。
立ち合い右差しから前に出る朝乃山が寄って出るも、豊昇龍は左四つ右上手の形になる。
続けざまに強烈な投げを繰り出すも朝乃山は残した。寄り返されたところで上手投げがズバリと決まり1敗を守った。

豊昇龍らしい叔父・朝青龍の如く(いい意味での)荒々しさが昨日・今日と見られた。
明日は宇良。これも楽しみだ。朝乃山は今日に関しては何か突きつけられるような負け方になったが、まだまだ色褪せない。8日目(明日)は大栄翔戦。立ちはだかることができるか。

北青鵬ー玉鷲

昨日(6日目)の宇良戦では、棒立ちスタイルで場内を大いに沸かせた「令和の曙(北青鵬)」今日(7日目)は、38歳でも第一線で活躍し続ける人気力士・玉鷲との対戦。
もろ手突きの立ち合い、強いのど輪で北青鵬をのけぞらせながら、両まわしをしっかりと引きつけて文句なしの寄り切り。玉鷲も1敗を守った。

・4日目から途中出場している霧島。初日から6連敗中の御嶽海にいいところなく、あっ気なく敗れ2勝3敗2休と苦しい星勘定だ。
・新入幕同士の一戦、豪ノ山湘南乃海は、はたき込みで湘南乃海。豪ノ山連敗。
・もう一人の新入幕、伯桜鵬は今場所ここまで好調な感じの遠藤をスピードと迷いのない取り口で寄り切りで完勝した。

名古屋場所・幕内は全勝力士がいなくなり、一敗が
豊昇龍・錦木・玉鷲・北勝富士となっている。

混沌としているが、まだ8日間名古屋場所は続く。



 

錦木の全勝街道続く、宇良の死闘など 名古屋場所・6日目

 錦木ー阿炎

どこで何を掴んだのか、何が覚醒したのかわからないが、錦木の連勝が止まらない。先場所から続いている連勝の数が「13」今日はどうなったのか阿炎戦。
先手は阿炎。もろ手で錦木の上体を起こすもすぐに反撃を許した。下からあてがうように寄っていきそのまま押し出した。

錦木の快勝だった。今日も腰の重さを存分に生かして6連勝!先場所からの連勝も「14」に伸びた。明日は小結・琴ノ若と。

豪ノ山ー伯桜鵬

話題の新入幕同士の対決があった。豪ノ山はここまで5連勝と波に乗る。今日も突き押し相撲冴えるか。伯桜鵬は昨日5日目竜電に2敗目を喫した。今日から巻き返す一戦にしたい。
両者激しく当たったあと、豪ノ山が叩いてしまった。体勢立て直して突き返し、もろ手突きにいったところいいタイミングで伯桜鵬が叩いた。はたき込みで伯桜鵬の勝ち。

豪ノ山にも一敗がついてしまった。6日目にして土。
伯桜鵬、その時々で自分の置かれた状況がわかっているというか、切り替えの早さに驚かされる。それを成し遂げた見事なはたき込みだった。

豊昇龍ー翠富士

大関昇進のかかる3関脇の中では東関脇・豊昇龍に昨日5日目に初日の出た翠富士。
立ち合いから攻防の続く中、翠富士がもろ差しに。抱え込んだ豊昇龍が極めて出ながら右からの外掛けが決まり、豊昇龍が一敗を守った。

翠富士の左足首付近への絶妙な外掛けだった。あれを持ちこたえられる力士はいないだろう、見事!!
今日の3関脇、6日目の取組を終えて1敗 豊昇龍 2敗

北青鵬ー宇良

「令和の曙」のフレーズで先場所華々しく新入幕を果たし、今場所東11枚目に番付された北青鵬。対して西4枚目、「21世紀版技のデパート」こと宇良。身長差約30センチ対決。
立ち合い左手で宇良を惑わすような素振りの北青鵬、肩越しの右上手をすぐに取る。潜り込んだ宇良は左を差して後ろ立てみつと右前みつを引き、外掛けをしながら寄るも効き目がない。北青鵬は棒立ちのまま上手投げで崩して寄って出るもこれは宇良がこらえた。最後は北青鵬の後ろに回り込んだ宇良が一気に前に出て、粘る北青鵬を土俵の外へと持っていった。

決まり手・宇良の送り出し!40秒に渡る身長差30センチ対決は宇良が制した。
振り返ってみると今日一番場内が盛り上がった取組だった。

6日目が終わり、全勝が錦木のみ。一敗で豊昇龍を含めた6人で競う展開になっている。




 

大の里、今場所3番

 アマチュア時代の実績(2年連続アマチュア横綱など複数の大会で優勝・横綱の肩書を手にしている)や話題性では決して落合(現・伯桜鵬)に引けを取らない。

プロ2場所目となる今場所、東幕下3枚目に番付されここまで3番取り終えた二所ノ関部屋の大の里。関取目前に迫った3番を振り返る。

2日目・向中野戦

こちらも宮城野のホープとして早くから注目されてきた力士。鳥取城北高校卒業後プロ入りの西幕下3枚目
右からかちあげ気味の立ち合いを見せた大の里。突き返す大の里。耐えながら右を差した大の里が素早く電車道で寄り切った。

https://youtu.be/-vkVQ6X-q9w?t=80

3日目・風賢央戦

幕下上位ともなれば、元関取経験者や十両入りを目前に控えたアマチュア上がりの精鋭達が多く番付され、栄光を掴むべくしのぎを削る地位だ。
この日の対戦相手・風賢央(東幕下6枚目・押尾川)も小学校5年から相撲を始め、高校大学のアマチュアで数々の実績を上げてきた“エリ-ト”である。 その一番。
風賢央、思い切り当たり突き放す。大の里、上体を右へずらしタイミングよく上手投げで仕留めた。落ち着いている。

https://youtu.be/gGotbNB5omo?t=135

5日目・時疾風戦

先場所の新十両として脚光を浴びた時疾風(時津風)
最終成績は最終盤に5連敗を喫し、6勝9敗。残念ながら1場所で幕下へ転落。東幕下筆頭として巻き返しを図っている。
2度の待った(不成立)から3回目の立ち合いで右差しから一気に寄って出たが(大の里)時疾風がその右をたぐって送り出し。事前から相当に策を練っていたのか、時疾風が見事に勝利した。

https://youtu.be/-cPbpjsu5ZA?t=35

ここまで3番を振り返った。明日以降に残り4番を控える。
鳴り物入りでプロ入り。期待が大きいがゆえに「幕下優勝で決めてくれ」などさまざまな声が自然と入ってくるだろうが、ここは(わかっているだろうが)相撲に集中してほしい。
相撲内容だって特に悪いわけではないし、ケガや(体に)異常もなさそうだ。
自信を持ってこれまで通りの相撲を取り続けること。

十両昇進へ向け、見通し・視界良好だ。



 

錦木・豪ノ山らが幕内土俵を盛り上げる・名古屋場所5日目

 大関獲りのかかる話題の3関脇は、昨日までにそれぞれ土はついているが、懸命な土俵を見せ続けている。
今日はその中から大栄翔と若元春、新入幕トリオからは豪ノ山と湘南乃海の気合と気迫に満ちた相撲をお届けする。

大栄翔ー明生

昨日(4日目)錦木に黒星を喫したが、徹底した突き押し相撲を貫く大栄翔。
対するは先場所、照ノ富士を破り殊勲賞を獲得した明生。
頭から強く当たった大栄翔。昨日の反省を生かして突っ張り(手数)を出し、最後は左右ののど輪で丁重に押し出した。

今回の大関獲りへの強い思いは画面越しに伝わってくる。
かつての幕内優勝経験者は、押し相撲とともに目的に向かってひた走っていく。

錦木ー若元春

錦木の存在が何というか奇異である。先場所8日目から場所を跨いで昨日まで12連勝。
元々定評のあった腰の重さを武器に三役陣を大いに苦しめている。
若元春だって負けてない。左四つ右上手を取ったら盤石の強さを見せている。
その2人の激突!
立ち合いすぐに左下手を取った錦木。その下手を引きながら体を寄せて、若元春に何もさせないまま寄り切った。

錦木の圧勝劇だった。明日は小結・阿炎戦が組まれている。三役との対戦が終わったあとの幕内力士との対戦も注目であり楽しみだ。 若元春2敗となって6日目は明生。

琴恵光ー豪ノ山

例えが合ってるかわからないが、大栄翔のような突き押し相撲を貫き通し、溢れんばかりの気合と気迫は気持ちがいい新入幕・豪ノ山に、東11枚目・琴恵光(佐渡ヶ嶽)
強く前(琴恵光寄り)で立ち合い当たる豪ノ山は、のど輪を主にもろ手突きでの突き放しが強い。その圧力が強く(飲まれる感じで)琴恵光の足が揃い、バッタリと手を着いてしまった。

決まり手ははたき込み。
豪ノ山がいい。この気迫と突っ張り(スピード相撲)で25歳の新入幕は場所を盛り上げてくれる存在だ。

碧山-湘南乃海

こちらも新入幕・湘南乃海。大きな体を武器にここまで3勝1敗。
片やブルガリア出身の37歳、幕内69場所目を数える大ベテランの碧山。興味をそそられる「新旧対決」だ。
湘南乃海の左差しから突き合いになる。右前まわしを引き一気に寄り、最後は押し出して湘南乃海の勝ち。4勝1敗。
新入幕トリオ、話題性という部分では(大変失礼だが)豪ノ山と伯桜鵬に劣る印象があるが、相撲内容では決して引けを取らない。楽しみな力士だ。