金峰山、元大関に負けても色褪せない将来性・13日目

 令和5年大相撲初場所は、13日目となった。
やはり、筆者としては幕内よりも十両の方に、優勝争いは興味を注がれる。
主観以外の何物でもないのだが、今日も十両の優勝争いからお伝えしたい。

1敗同士の大一番、金峰山‐朝乃山
のど輪から突き放そうとするも、体を壁がわりとして止める朝乃山。
それでものど輪から攻め立てる金峰山。そこを冷静に見計らった朝乃山が、右からの突き落とし。朝乃山が1敗で単独トップに立った。

6日目から7連勝で2敗を堅持する大翔鵬、今日の対戦相手は、新十両で3敗と大健闘の湘南乃海との”潰し合い”となる一戦。
大翔鵬ののど輪から右四つ。右下手投げの寄り切り。最後は腰を使ってまでも寄り切り。
大翔鵬2敗から脱落。明日の対戦相手、湘南乃海は炎鵬、大翔鵬は東白龍。

3敗力士もう一人、ベテラン千代の国は高田川部屋の白鷹山との13日目。
白鷹山激しい突っ張り、よく見る千代の国がいなして、押し出し千代の国!
千代の国の明日は朝乃山。最後に一泡吹かせるか。

改めて十両を整理する。
1敗 朝乃山
2敗 金峰山
3敗 大翔鵬・千代の国・湘南乃海
となっている。

幕内優勝争いトップに立つ阿武咲、1差で追いかける大関貴景勝と運命の決戦。
左からいなす貴景勝、果敢に突き返す阿武咲、強烈な張り手を見舞う貴景勝、阿武咲のお返しの張り手が空振りになったところを、貴景勝押し出し。今日も鼻と唇から出血。

13日目、各段優勝が序ノ口以外で決まった。
中でも、幕下優勝の落合はアマチュア時代の実績が認められ、今場所幕下15枚目格付出でのデビュー。風賢央(押尾川)との6連勝同士で迎えた一番を突き落としで制し、見事、幕下優勝を飾った。
左を差して、風賢央に右上手取らせない。風賢央が仕掛けてくるところを突き落としが見事に決まった。スピードとキレが違う。最後の突き落としに至る場面、「バシッ」と音がして、小気味よかった。
慣例からすると、幕下15枚目以内で優勝すれば翌場所の十両昇進が確定の流れになるが、こればかりは番付編成会議を待たないとわからない。宮城野部屋にまた一人、新星誕生なるか。

               あの白鵬の誘いを受けて入門。
               所要1場所の十両昇進なるか。
                   落合哲也

朝乃山、新鋭を撃退!白熱の十両優勝争い・12日目

 さぁ終盤戦、12日目。
やはり、横綱不在の場所は締まりがない。
見ててピリッとしない。図抜けた存在が出て来ない。

十両にも同じようなことは当てはまる部分もあるが、ハイレベルでの拮抗した戦いは見入るものがある。今日も十両の動きから。

毎日名前の聞かない日がない元大関・朝乃山は、十両最初の取組で、新十両・湘南乃海と対戦。
湘南乃海が右上手引くも、朝乃山が左下手で振り回す。腰を落としての寄り切りで、朝乃山が地力を見せつけた。明日は1敗同士の激突、金峰山戦を迎える。湘南乃海は2敗の大翔鵬と。

1敗で並走する金峰山に、こちらも好調・十両2場所目の狼雅との一番。
左前回しの狼雅をすぐに切る金峰山。巻き替えにいく狼雅。そこを電車道・寄り切った金峰山。余裕が感じられ、相撲を支配していた金峰山。明日の大勝負も楽しみだ。

2敗で追走する大翔鵬。今日は西筆頭の武将山戦。
武将山やや低い立ち合いだったが、大翔鵬の圧力が勝り、2敗を堅守。

十両優勝争いは
1敗 朝乃山・金峰山
2敗 大翔鵬
3敗 千代の国・湘南乃海(頑張ってる)

この辺りでの争奪戦になるか。十両の土俵に、心躍らせる。

朝乃山に土!先が見えない、幕内・十両の優勝争い・11日目

 最終コーナーを回って、初場所も終盤戦である。ここからが本当の勝負、せめぎ合いである。波乱があったようだ。

十両の優勝争いの行方から。
今日の朝乃山は、大翔鵬との対戦。

左上手取った大翔鵬が主導権を握る、右四つの形でグッと引きつけて寄り切り。朝乃山の連勝、10でストップ!朝乃山の連勝がついに止まった。しかし1敗をしただけ。下を見ることはない。勝った大翔鵬、明日は武将山。朝乃山は湘南乃海と。

1敗で追いかける金峰山、今日は3敗と好調を維持している東白龍との一番。
まるで阿炎の如く、立ち合いもろ手突きからののど輪、腕が伸びる突っ張りで、あっ気なく土俵を割った東白龍。決まり手、押し出し金峰山。1敗で朝乃山に並ぶ。

新十両・湘南乃海は、北の若を寄り切りに下し2敗守る。
北の若を相手に左差し、巻き替えに出るところをジワジワと寄り切り。
面白い存在だ。優勝争いのダークホース的存在かもしれない。

コツコツと白星を重ねて、7勝3敗まで上げてきた千代の国(九重)。勝ち越しをかけて、長身力士(2mの)北青鵬との激突。
高い位置にある首を目がけたのど輪で上体を起こし、後退させ、そのまま突き出して勝ち越し!3場所ぶりの勝ち越し決める。
最高位・前頭筆頭、32歳はまだまだ衰え知らず、初場所の土俵を盛り上げる。

十両の優勝争い
1敗 朝乃山・金峰山
2敗 大翔鵬・湘南乃海

あたみんこと熱海富士、インフルエンザ感染により休場。
寂しい限りである。

~これより幕内~

1敗でひた走る大関・貴景勝は、結びの一番で琴ノ若との対決。
大関の押しに怯まない琴ノ若。逆に押し返し、押し倒して琴ノ若の勝ち。
貴景勝2敗に後退。

2敗 貴景勝・阿武咲
3敗 玉鷲・琴勝峰

幕内優勝争い、今場所も混乱状態である。

優勝絶対候補・朝乃山を1差で追う、東5枚目の野心・10日目

 十両の優勝争いは、6場所ぶりに関取復帰した元大関・朝乃山が全勝で独走してる中、ピタリと1差で追う力士がいる。

東5枚目 金峰山(木瀬) カザフスタン出身

三段目付出でデビュー、力士在位8場所目となる今場所、この金峰山が見せる突き押しと四つ相撲の「二刀流」が冴えわたっている。今場所のここまでを振り返りたい。

基本的に突き押し相撲だが突っ張りの腕の伸びが良く、これで相手を後退させる。さらに腰もきちんと落ちているから、圧力が伝わり相手の反撃を食いにくい(偉そうですみません)

突き押しの巻

四つ相撲の巻

https://www.youtube.com/watch?v=cSzTh5xaxho

2日目の大翔鵬とは、(初日と)打って変わって、立ち合い左に変化しながらの左上手を取り、がっちりと引きつけながら寄り切り、堂々と四つ相撲で渡り合った。

ここまで唯一の黒星、4日目の北青鵬(宮城野)戦は、こちらも左上手からの四つ相撲。
1分40秒(ぐらい)にも及ぶ持久戦にも耐えた。

総論

本人のWikipediaにもあるように、「右四つでも左四でも。つっぱりでも」と話す万能型。

あの朝青龍の紹介で日本にやってきたというから、ただ者ではない。

優勝絶対候補の朝乃山の牙城を崩すべく、明日からの終盤戦に牙を剥く。

元気ハツラツ!今場所も翔猿劇場・9日目

 令和5年初場所は9日目を迎えた。
幕内はここまで全勝がなく、8日目まで1敗で貴景勝と琴勝峰がトップで並走しており、今場所もここまで図抜けた存在がいない。なので、今日は嗜好を変えようと思う。

元気ハツラツのイケメン力士、翔猿の9日目までにスポットを当てようと思う。
東前頭筆頭で迎えた今場所、昨日まで全員三役との対戦。勝っても負けても、場内を沸かす人気者である。今日に至るまでをプレイバック。

初日は関脇・豊昇龍に寄り切りで敗れる(1秒6)
2日目・大関貴景勝戦はクセ者をぶり発揮し、はたき込みで勝利する。

闘牛士のようにひらりひらりと貴景勝の猛進をかわし、大関戦勝利!
取組直後のインタビューも秀逸であった。

5日目・霧馬山戦は、まともにいくかと思いきや、右に変化で突き落とし。
何が言いたいかって、翔猿の変化の速さ、まんまと術中にはまってしまった霧馬山の西方に走り去っていくさまの速いこと速いこと(◎_◎;)

8日目・琴ノ若戦では、足技を繰り出す。
左差しの翔猿、小手投げで崩しにかかる琴ノ若。これがすっぽ抜けて、翔猿くるりと回る。
互いの動きを牽制しあう中、翔猿の右足が琴ノ若の右足を襲い、蹴返しで勝利!場内大歓声に包まれた。

174cm・130kgは、いつも懸命で必死である。
多彩な技とスピードでファンを魅了してくれる。
加えてインタビューのやり取りが絶品である(高速)

今場所もまだ6日ある。
一瞬たりとも目の離せないスピード相撲をもっと見せてくれ。