再入幕ならず悔しさ胸に、熱海富士

 名古屋場所、西十両筆頭で迎える熱海富士。

先場所東十両8枚目で13勝2敗で勝ち越し11を記録するも、番付運に恵まれず、十両据え置きとなった。

取組(15番)を振り返っても、(好調だった要因として)概ね前に出て、積極的で攻撃的な相撲が取れていた気がする。ケガや相撲に影響する体調不良がなかったのではないか。

来たる7月場所は(番付上)何番か幕内の土俵に登場するはず。

先場所同様、積極的な攻め、勝利に対して貪欲で意欲的であってほしい。
そうすれば、相撲の神様が微笑んで(熱海富士を)幕内のステージへと導いてくれるのではないか。

十両に陥落して4場所目となる。

熱海富士の相撲に対するひたむきな姿勢
個性豊かなキャラクター
人柄がこちらに伝わってくるかのような満面の笑み
を、多くのファンが幕内の土俵で見たいと待っている。

残念にも幕内復帰は持ち越しとなったが、悔しさを発奮材料に変えてほしい。

名古屋場所での奮闘を楽しみにしている、待ちきれない!

期待してるぜ!!

本編とは全く関係ありませんが、いい写真だったので拝借させていただきました。
※因みに熱海富士関は、9月3日生まれです。

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藤島部屋期待のホープ、富士の山

 元大関武双山が師匠の藤島部屋。
両国からも程近く、住所は荒川区東日暮里。
最寄り駅は山手線鶯谷駅より徒歩6分のところ。

現在、関取は2人。
武将山 虎太郎・・・(西前頭16枚目・1場所で幕内返り咲き)

藤星雲 龍輝・・・・(東十両6枚目・新十両で見事勝ち越しを決め、十両2場所目)

この2人に続けとばかりに、幕下上位に躍進してきた若者がいる。

富士の山 優斗である。

最新番付では、西幕下13枚目。
静岡県富士市出身。 今年初場所(1月)から四股名を本名の鈴木から富士の山に変えた。
愛する地元の意を込めたであろう簡素な力士名には高く・大きく・雄大・壮大に生きる・目指すなどの願いが注ぎ込まれているのか。

経歴を簡単に振り返る。
小学校4年から相撲を始め、わんぱく相撲全国大会3年連続で出場、6年次にはベスト8まで進出。
中学では柔道部に活動しながら、相撲道場に通っていたそうなので、この頃は二刀流で活躍していた。
高校は沼津市にある飛龍高校(OBに翠富士・熱海富士・熱海富士妹(女子相撲で活躍))に入学、全国大会・高校総体で活躍した。
高校卒業を待たずして、中学2年時に稽古をする機会があった藤島部屋に入門を決意。

今年から改名したこのシンプルな四股名と押し相撲で関取射程圏内に登り詰めてきた。

藤島部屋現役3人目の関取誕生なるか、十両昇進へ向けて待ったなしである。

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東幕下51枚目・黒姫山??

 番付発表より。

ネットニュース・スポーツ新聞記事で散見された「黒姫山」の記事。

ん??

東幕下51枚目・境川部屋、黒姫山虎之介。

来場所・7月場所より 「田中山」から「黒姫山」に改名をする。

なんか、聞き覚えのある四股名だなぁと思いつつ、調べてみたところ、

先代の黒姫山は立浪部屋の力士として、70年代に幕内上位で活躍。初土俵の同期には渡辺大五郎氏(元関脇高見山)らがいる。最高位は在位8場所の関脇で三賞は8回受賞し、金星も6個獲得。立ち合いの破壊力ある、頭から当たるぶちかましの威力から、蒸気機関車(SL)の代名詞ともいえる「デゴイチ(D51)」の異名を取った。82年1月の初場所を最後に現役を引退。その後は親方として後進の指導に当たり、13年11月に停年退職。19年4月25日に70歳で亡くなった。

この黒姫山の孫であることが発覚した。

正直、私は(祖父の)現役(全盛期)を見た世代ではない。失礼だがキャリア末期に少しお見かけしたぐらいである。

引退後は1999年2月、当時準年寄であった旭豊が立浪部屋を継承したため、長男の羽黒灘と次男の羽黒國を連れて立浪部屋から分家独立して武隈部屋を創設した。年齢も最高位も7代立浪を上回る年寄が部屋にいては旭豊がやりにくいだろうという配慮で立浪部屋を離れたのだと、当時は受け取られていた。新弟子は一切取らず、羽黒國が引退して所属力士が不在となった2004年3月場所後に部屋を(わずか5年で)閉鎖して、自身は友綱部屋へと移籍し、長く部屋付きの年寄・親方だった。

(孫・虎之介は)わんぱく相撲の墨田区大会で優勝したことはあったものの本格的な相撲経験はなく、両国中では吹奏楽部でチューバを担当していたことも判明。

2018年7月場所初土俵の21歳。
幕下在位8場所目でのこのタイミングの改名は、何を意味するのか。

より一層の奮起を促すものなのか。

力士になって丸5年。この辺りで一段と真剣に本気で相撲と向き合い、関取の座を手元に引き寄せてほしいものだ。

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苦手力士克服法・ウルフ編

 ウルフこと千代の富士の平幕時代、苦手にしていた力士が琴風(現・年寄尾車)で、初顔から5連敗したのは有名な話。

そこから毎日のように琴風の佐渡ケ嶽部屋へ出稽古に訪ね、琴風が別の部屋へ行けば、そこへ行き胸を合わせた。

毎日毎日繰り返し、(琴風との)三番稽古に明け暮れた。

ついに6度目の対戦では初勝利を挙げ、それを機にその後はほとんど千代の富士が勝利した(通算で千代の富士の22勝6敗)

琴風戦の中でも出色の一番。

~ウルフ式・横綱になるには、居続けるには~

「負ければ、不安なんだよ。もう勝てないんじゃないかと思うぐらい追いつめられるんだよ。」
「負けた夜は食事に行っても気持ちはうわの空で、明日、勝てるのか。オレはこのまま終わってしまうんだろうか。そんなことばっかり頭の中をグルグル回ってるんだよ」

この相撲に対する意識・考えが通算勝利1045勝の礎だった。

「だから(稽古を)やるんだよ。やるしかないんだよ。不安を打ち消すには稽古しかない。自分を追い込んで納得するまでやる。そうすると、ここまでやったんだから負けるはずないって、思えるようになる。そこまでやらないと土俵には上がれない」

ぐうの音も出ない、出来そうで出来ないシンプルで完璧な理屈。

小錦に対しても同様。

1984年9月場所の初対戦では完敗している。当時不振が続いていた千代の富士は目が覚めたかのように、場所後に「小錦対策」として高砂部屋に出稽古を開始し、翌場所から対小錦戦で8連勝を記録した(通算でも20勝9敗)

これだけの稽古量で苦手力士の対策を体に擦りこませ、大胸筋や上腕三頭筋も鍛えることが出来ると言われる腕立てを1日500回。失敗や挫折から学んだ健康管理意識も高かったのだろう。

幕内優勝31回(歴代3位)、53連勝(昭和以降歴代3位)、角界初の国民栄誉賞を受賞した昭和最後の大横綱の積み重ねた努力、血と涙と汗の結晶は常人には想像もつかない段階だった。

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F1琴錦、新弟子集めの苦労と悲哀

 大相撲の新弟子の減少傾向が続いている。学校の卒業時期と重なる春場所は「就職場所」とも呼ばれ年6場所で最も入門者が多いとされるが、今回(今年春場所に)受検したのは34人。義務教育修了が受検資格に定着した1973年以降では2012年と並び最少だった。3代目若乃花、貴乃花による「若貴ブーム」で最多の160人を記録した92年から約30年。最盛期の4分の1以下にまで落ち込む事態に関係者たちも頭を悩ませている。(4月19日・日刊スポーツより)

資金力があって、(大学・高校)強豪相撲部関係者との有力なコネやツテ(柔道やレスリングなども含む)があり、そこから定期的に新弟子(志願者)を紹介・斡旋していただいたり、(外国人枠の問題もあるが)モンゴルを中心とした諸外国に太いパイプがあればいいが、そういったものがない・乏しいと、苦労が絶えないし、下手すると部屋運営に関わってくる問題に発展しかねない。

わんぱく相撲の全国大会(両国国技館開催)では、相撲協会が宿舎に各相撲部屋を割り当てられ、それをきっかけに・・・、なんてこともあるそうだが。

千葉県鎌ケ谷市に部屋を興して7年、元関脇・琴錦、朝日山親方の新弟子獲得への涙ぐましい奮闘ぶり・裏話をご紹介しようと思う。

朝日山部屋の力士数は現在8名。
(5月・夏場所番付)東三段目38枚目・悠錦(はるにしき)を筆頭に日々の稽古や出世争いにしのぎを削っている。

そんな中、親方は暇さえあれば最寄りの駅などで行き交う若者たちを観察しては声をかけて運動経験があるかどうか確認するという。ある時は焼肉店などで偶々近くのテーブルに座った体格の良い若者にも声をかけ、時には夜中にコンビニ前にたむろする若干柄の悪そうなグループに「仕事してるの?ブラブラしているならウチの部屋に来ないか」と勧誘を行うことがあるそうだ。

今の相撲界は元白鵬の宮城野部屋、元稀勢の里の二所ノ関部屋が新興勢力を伸ばす一方で、かねてからの名門・老舗の部屋も次々に土俵を沸かす力士を関取へと送り込んでいる。

朝日山部屋には大変失礼な言い方になるが、町を歩く体格の良い若者に声を掛け、一か八かの可能性にかけ、成りあがる未来・ロマンに賭する育成方法にも興味がある、面白い。

現在、相撲部屋の数は44を数える。
今日は一例として朝日山部屋を挙げたが、新弟子探しに同じような苦労をしている部屋は他にもあるはずだ。

将来を担える素晴らしい若者とのいい出会い・縁が各部屋平等に訪れることを祈りたい。

暑い夏のお役に立てれば↓↓↓