名古屋場所・12日目は奇想天外!?

 今場所を迎えるにあたって「3関脇の(誰が)大関昇進を果たすか」「(話題性のある)新入幕3人がどこまで通用するか」が主な話題・焦点だったように思う。

今日は、この大関獲りのかかった3人にいずれも土がついてしまった。
混迷極める名古屋場所12日目をハイライトでお届けする。

錦木ー湘南乃海

立ち合い左差しの錦木。そのあと右をねじ込もうと巻き替えを試みる錦木。ちょっと無理があった。寄っていくと見せかけて右からの小手投げ一閃!新入幕に軍配!

ここまで上位陣を手玉に取り、優勝争いのトップになった錦木がまさかの(失礼)伏兵に足元をすくわれる結果になるとは、ほとんどの人がそうは思わなかったはずだ。三役上位陣との対戦も終えていたので。2敗に後退した錦木、明日も「新入幕」伯桜鵬と対戦。

豊昇龍ー北勝富士

2敗同士の重要な意味を持つ一戦、豊昇龍に北勝富士。3関脇の中で2敗を守ってきた豊昇龍。対戦相手の北勝富士に対しては過去5戦全勝にしている「カモ」だったが・・・。
立ち合いからペースを奪われた。強烈な突き押しで体を起こされ、まわしに手にかけられず左足が土俵外に飛び出して完敗に終わる。

これは北勝富士の「気迫・作戦勝ち」だった。対戦成績の悪さを踏まえ「どうしたら回しを取られないか」「どうしたら勝ちに持ち込めるか」動画を繰り返し見て、朝の稽古・取組前の調整でいろんな想定を膨らませていたのではないか。豊昇龍は目安の勝ち星から鑑みると負けられなくなった。

伯桜鵬ー阿炎

初の三役との対戦を迎えた伯桜鵬。片や今日負けたら負け越し、三役の座を明け渡すことになる阿炎、負けられない。(新入幕の)勢いを止めたい。三役の矜持を守りたい。その思いは3度の立ち合い待ったという形で現れたのか。4度目で成立した立ち合い。もろ手突きを見せる阿炎に伯桜鵬はすぐに引いて呼び込んでしまったが、逆襲に出る。相手が連続していなしてきたところにつけこみ、最後は体当り・タックルするかの如く押し出した。

勝敗が決した直後に伯桜鵬がテーピングを施している左肩付近を強打したらしく、なかなか立ち上がれずに心配な場面があった。明日は錦木に挑む。

・結びに組まれた若元春ー霧島戦は、若元春いいところなく完敗。場所後の大関への夢は潰えたか。
大栄翔も気合が空回りした形になり、玉鷲に(余裕気味に)見切られはたき込みで4敗に後退。もう本当にひとつも負けられなくなった。

豊昇龍=名古屋=ドラゴンズで掛け合わせてみました。

錦木単独トップと大関の地力証明 名古屋場所・11日目

 やはり横綱・大関がビシッと睨みを利かせてないと、本場所の締まりが悪くなるのか、優勝争いがその日ごとに変化が生じる。それがいいのか悪いのか、受け取り方は人それぞれ。

大栄翔ー霧島

大栄翔。大関獲りへの星取の目安「33」へとするならば、今場所11勝が求められる。
すでにここまで8勝をあげているのであと「3」となる。本人からしてみれば、毎日薄氷を踏む思いだろうが、迎えた大関・霧島戦。
もろ手突き・のど輪を中心に攻める大栄翔だが、霧島は終始落ち着いていた。動きをよく見てはたき込み、霧島。

ケガが完全に癒えてはいないだろうが、やはり伊達に大関へ登り詰めた訳でない。キチンと地力を証明してみせた。大栄翔3敗に後退。

錦木ー遠藤

1敗の錦木、今日の対戦相手はケガの影響で東16枚目まで番付を下げたが、2敗と好成績の遠藤戦。左差しから冷静に寄り切った。

(今場所の)好調さとそれを支える自信、腰の重さの3点が遠藤をも打ち砕いた。
(優勝へ向けて)本命視する声も聞こえ始めているが、まだ気が早いか。
錦木の明日は湘南乃海。3敗に後退の遠藤は琴ノ若。

北勝富士ー若元春

9勝1敗の北勝富士が、結び前の若元春戦に抜擢された。
「北勝富士」「優勝争い」で記憶を辿っていくと、去年の9月に初日から9連勝を記録するも、そのあと星が伸びず10勝5敗で場所を終えた過去があるが、今場所はどうなるか。
若元春もすでに3敗を喫しており、1番も落とせない。
北勝富士威勢よく突っ張るも、すぐに左四つ(若元春の展開)がっぷりとなり、若元春じっくりと落ち着いて寄り切り。

勝った若元春、明日は霧島。負けた北勝富士は豊昇龍戦が発表されている。サバイバルが続く。

・昨日痛根の2敗目を喰らった豊昇龍、38歳の大ベテラン玉鷲の一番は、豊昇龍が玉鷲得意ののど輪を封じるように下からのはず押しを多用して押し出した。連敗しなかったことが大きい。気持ちを切らさずにいきたい。


伯桜鵬は(5連勝のあと)5連敗中の髙安に対して、もろ差しからの送り出しで勝ち越しを早々に決めた。立派!19歳はいつだって冷静さときちんと深く一礼することを忘れない。

11日目を終えた幕内

1敗 錦木
2敗 豊昇龍・北勝富士

となっている。明日はどうなっていることやら。

大健闘の錦木、残り4日も応援しましょう↓↓↓

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取り付く島もない灼熱の名古屋 10日目

 大関獲り・優勝争いに焦点を絞ろうと思い、この4番を選びました。

豊昇龍ー琴ノ若

 1敗を守っている豊昇龍、今日は実力者たちを相手に5勝を挙げている小結・琴ノ若戦。
立ち合いでもろ差しになった琴ノ若。すぐ巻き替えにいく豊昇龍に対して琴ノ若寄って出る。のど輪から一気呵成に決めにかかった。防戦一方の豊昇龍。最後は押し出された。

豊昇龍は支度部屋で取材に応じなかったという。対戦成績10連勝中と得意な相手だっただけに、悔しさは相当なものだったであろう。優勝争いからも一歩後退した。大関獲りへは今日時点では判断がつかない。

阿武咲ー若元春

その大関獲りへ向けて若元春は、今日は阿武咲。
立ち遅れ気味の若元春は押し込まれ、土俵際ではたきを見せたが無策で焼け石に水だった。

大関昇進の目安とされる「直近3場所を三役で33勝以上」とされ、若元春と豊昇龍は12勝が必要条件となってくる。3敗目を喫した若元春は後がなくなった。

錦木ー明生

ここまで名古屋場所、幕内主役の一人と言える錦木。
先場所殊勲賞の明生に対して、立ち合い直後にもろ差しを許す。錦木が巻き替えて重い腰を預けるように寄り倒した。

32歳、錦木徹也への追い風はとどまるところを知らない。いや失礼、ここまで蓄えてきたものを爆発させていると理解する。明日は遠藤戦。好取組だ。

大奄美ー輝鵬

十両から優勝争いに絡む一番。
1敗と十両優勝争いトップに立っている大奄美(追手風)に今場所新十両の川副改め輝鵬(きほう・宮城野)
左からの強烈なおっつけからもろ差しになった輝鵬がなんと70㎏以上も重い大奄美を吊り上げて最後は寄り切って輝鵬の勝ち!!

https://youtu.be/57ThkTcXOhA?t=61

恐れ入った、何たる怪力か⁉
見事に大奄美を2敗に引きずり落とした。今場所新入幕の伯桜鵬と同じ宮城野部屋所属。
輝鵬の方が2場所入門が早いが、こちらも引けを取らないエリート力士。
宮城野新世代は決して伯桜鵬(落合)だけではないと再認識した次第だ。

奮闘続ける琴ノ若の応援タオルとトートバッグです↓↓↓

幕内一敗を守ったこの3人 名古屋場所・9日目

豊昇龍-平戸海

 大関獲りへ向けて
今日の豊昇龍(1敗)は、平戸海(東5枚目)と。
立ち合いから押し込めずに引いてしまった。平戸海に懐に入られるところを右から小手にふり足を掛けて掛けて掛け投げで決着をつけた。

持ち味を存分に生かし、勝ち越し到達。明日は琴ノ若との一番が組まれている。
その先に2関脇・1大関との白熱した取組が組み込まれるのではないかと予想。

錦木ー御嶽海

おととい7日目に小結・琴ノ若に黒星を喫したものの、昨日の翔猿戦に勝ち、8勝に大手をかけた錦木。今日はここまで不調の元大関・御嶽海。
立ち合いからもろ差しとなり、御嶽海が寄って出るも、錦木外四つから豪快に力強く寄り切って見せた。錦木、勝ち越し・給金直し!!

北勝富士ー王鵬

4場所連続負け越しで今場所西9枚目の「ほっくん」こと北勝富士。
対して今場所ここまでの結果だけで語るにいまいち殻を打ち破れてない感の西6枚目・王鵬。
右のど輪で王鵬の上体を起こし、腰を落としながら丁寧に押し出した。北勝富士勝ち越した。
このあとも優勝戦線に食い込んでいけるか、明日は玉鷲戦。経験豊富なベテラン。大きな意味を持つ一戦となりそうだ。

輝ー玉正鳳

十両から一番。玉正鳳のスピードと勘のよさが光った一番を紹介したい。東十両筆頭・輝戦。
輝が立ち合いからもろ手突きで突き放そうとするも、玉正鳳が左上手を取り、流れの中から鮮やかに上手投げを決めてみせた。勝ち越しまであと1勝!遅咲きの30歳が少しずつ進化を遂げている。

名古屋場所・9日目を終えて、

幕内 1敗 豊昇龍・錦木・北勝富士

十両 1敗 大奄美
   2敗 玉正鳳・友風

幕下以下では、十両から陥落した時疾風(時津風)が5勝目を飾り、十両復帰間違いなし。
東3枚目の大の里(二所ノ関)が3勝目を挙げている。

暑い夏の一助に↓↓↓


苦しい霧島、大熱戦も 名古屋場所・8日目

朝乃山が今日から休場。
「左上腕二頭筋部分断裂で4週間の局所安静を要する」との診断書を提出。昨日・7日目の関脇豊昇龍戦で負傷。左腕を抑えながら花道奥を下がっていく姿に不安を覚えていたが、休場を要するケガとなってしまった。

霧島ー翠富士

途中出場。万全ではない中、苦しい星勘定が続いている新大関・霧島。
今日は難敵・翠富士が相手。
右四つで潜り込んだ翠富士に対し、霧島は左から抱えて応戦。強烈な小手投げを打つもこらえる翠富士。右はのど輪で押し込もうとした霧島だが、これをしのいだ翠富士が再び頭をつけて右差しの体勢を取った。ここでまわし待ったが入る。行司・伊之助が締め直すのだがうまくいかず、呼出しの耕平が入り締め直し完了(3分近く要したか)取組再開。翠富士、しばらく組み合った後の渾身の下手投げで決めた。

霧島が良くない。昨日と今日(実力者であれど)今場所ここまで振るわない御嶽海・翠富士に連敗したことはマイナスな印象である。厳しいか。

錦木ー翔猿

昨日の7日目で初黒星を喫するも、今場所ここまで十二分に話題を提供している錦木(東筆頭)に翔猿(西筆頭・4勝3敗)
左から強引気味の小手投げで崩しておいての押し出して錦木。

昨日で三役との対戦が全員終了した錦木。今日から幕内勢との対戦になるが、果たして後半戦の錦木にはどんな展開が待ち受けているのか。

琴ノ若ー若元春

7日目まで全勝の錦木に黒星をつけたのを皮切りに、実力者・うるさ型を撃破している琴ノ若に3関脇の一角・若元春。左四つの体勢から危なげなく寄り切った(若元春)

伯桜鵬ー湘南乃海

新入幕対決。2敗同士の激突になった伯桜鵬に湘南乃海。
相撲巧者が制するのか、湘南乃海が防波堤になるのか、なれるのか。
伯桜鵬が差し手争いの中、出し投げで湘南乃海の上体を崩して寄り切り。

今日もやっぱり巧かった伯桜鵬。どこまで勝ち星をのばしてくれるのか。

中日・8日目を終えて幕内は
1敗で 豊昇龍・錦木・北勝富士となっている(玉鷲2敗に後退)

酷暑の夏の汗を拭き取ってください↓↓↓