幕内・十両のつばぜり合い 九州場所10日目

 幕内優勝争い、上の方から。
琴ノ若は新鋭・豪ノ山に対して、終始落ち着いていた。
左上手をすぐ掴み、豪ノ山をコントロール。その左からの上手投げで2敗を守った。
勝ち越しインタビューに呼ばれ、この一年どんなところが成長したかと問われ「三役に上がって、上を目指す気持ちをしっかり持ってやれたのがよかったのかな」と浮かれる様子なく淡々と答えていた。明日の琴ノ若は貴景勝。2敗を維持して終盤戦へと向かう。

一敗で優勝戦線のトップに立っている一山本は、3連敗スタートのあと6連勝で頑張りまくりの平戸海。立ち合いは一山本に分がありと思ったが、平戸海とにかく前に出て距離を封じて最後もろ差しで寄り切り。一山本に何もさせなかった。2敗に後退の一山本、明日はようやく「関脇」大栄翔に挑む。

霧島は結び前で錦木と、要注意だ。
(霧島が)どういう風に持っていくのかなと思ったが、立ち合いに少しのど輪を見せておいていなし、まんまと餌食になった錦木をそのまま後ろから送り出した。霧島がうまく戦い2敗を守り勝ち越し、明日は若元春。

今日の熱海富士は回しを求めず、頭をつけながら左からのはず押しで湘南乃海を押し出した。
相撲に対する柔軟性、幅を広げてきたか。ここ数場所の好成績に対して頷ける相撲を今日も見せた。明日は3敗の美ノ海と。上位戦はその先か。

~今日の大の里・明日の北磻磨~

本日の大の里、島津海にしてやられた。立ち合いで左が深く入り(島津海)ややもろ差し気味となり(大の里の右上手を切り)一気に勝負を決めた押し出し。大の里に間を与えなかったのが勝因か。明日の大の里は武将山、十両優勝争いもまだまだわからない。

・明日(幕下)北磻磨出場。5戦全勝同士で鳴滝(伊勢ノ海)と対戦。
因みに聖富士(伊勢ヶ濱)と大喜翔(追手風)の「幕下全勝同士」の潰し合いもあり、こちらも目が離せない。

10日目終わって優勝争いを整理すれば

幕内
2敗 霧島・琴ノ若・熱海富士・一山本

十両
2敗 琴勝峰
3敗 大の里・玉正鳳・志摩ノ海・紫雷

幕下は上述の通り5勝(全勝)が4人で並び、その潰し合いが明日組まれている。

琴ノ若を離さない↓↓↓

東大卒・須山の九州場所

 東大卒力士・須山を度々取り上げているが、今場所はここまでどうかなと思ったので調べてみた。(九州場所10日目現在)

須山 穂高(すやま ほたか) 木瀬部屋

西三段目39枚目 (自己最高位) 2勝3敗
と出てきた。力士としても10場所目を数えた。
負け越しはここまで2場所のみ。よくやっている。

今場所3日目に押尾川部屋の風栄大(かぜえいだい)という埼玉栄出身力士のかち上げを食らって鼻血が出る熱戦もあったとか。後がない星になった。最後まで諦めず頑張ってほしい。

2勝の内訳

日向龍(武蔵川)柔道12年、ラグビー4年のスポーツ歴
土佐清水(時津風)高知県土佐清水市出身 下の名前(四股名)は万次郎

左・日向龍、右・土佐清水↓↓↓

3敗の内訳

風栄大(押尾川) 若碇(元幕内・大碇の息子、伊勢ノ海部屋所属)に1勝している(押尾川部屋のHPから)
濱豊(時津風)最高位幕下8枚目
庄司(武蔵川)埼玉大学出身・好きな食べ物 魚卵

左から風栄大・濱豊・庄司↓↓↓

応援し続けるぞ↓↓↓

相撲土産のテッパン↓↓↓

特選 大相撲 力士人形 チョコレート

https://amzn.to/3NgXgwB

北磻磨、偉業への序章 九州場所9日目

 北磻磨が偉業へ向けて、また一歩前進した。
37歳で三段目に陥落し、そこから再十両を目指してまたひとつ白星を重ねた。
今日は先場所までバリバリの十両力士で今場所・東幕下筆頭の白鷹山(高田川)との全勝同士の一戦。
白鷹山が突き放して先制するも、懐に潜り込み危なげなく押し出して見事5連勝!
先場所の三段目優勝に続き、今場所も奇跡の(幕下)優勝を成し遂げ、ひとっ飛びで念願の再十両昇進なるか。このあと(おそらく)一日おきの出場で13日目(金曜日)の北磻磨の運命やいかに。

6連勝から2連敗と後退した琴ノ若は大関・豊昇龍戦。
右のど輪で琴ノ若をのけぞらせるも、すぐに四つへ。右差しから左上手を引いた琴ノ若。
しっかり引きつけて盤石、逆転と奇襲を封じた上で寄り倒した。
豊昇龍3敗、前を向いて明日は若元春と。琴ノ若は豪ノ山、これは絶対見もの!

朝乃山復活第2戦は、霧島戦。
この元大関は連日の風雲を巻き起こせるか。
朝乃山、左差しから主導権を握る。霧島回り込み(朝乃山の)圧力を逃すのに懸命。
勝負は土俵際へ。物言いがついたが協議の結果、霧島のはたき込みで決着がついた。
霧島は2敗を堅持。大関唯一の2敗力士、この先も場所を引っ張り盛り上げてほしい。

貴景勝は錦木との一番。連日生き残りがかかっている。
立ち合いから細かく早く回転で突いていく貴景勝。左のど輪でぐいーっとのけぞらせ、それが功を奏したのか、引き落としがズバっと決まった。その反動で錦木が飛ぶように土俵に這った。連日、必死の土俵が続く貴景勝の明日は阿炎。ひとつずつ積み上げるしかない!

一山本が手練れの玉鷲をも、速攻・あっという間に突き出してしまった。
明日はご当地の平戸海と。どこまで快進撃を続け、伸ばすことができるのか。

九州を盛り上げる精鋭3力士 九州場所8日目

 今日は2大関3関脇が敗れた締まりのない日だった。
なので今日は、趣向を変えて九州場所を盛り上げている・頑張っているベテラン力士に視点を置いてお伝えしようと思う。

錦木が大関の一角、豊昇龍を破る!
先々場所(7月)の途中まで10勝1敗、先場所(9月)33歳での新小結の実績はフロックではない。今場所は2連敗スタートだったが、その後(成長株・湘南乃海、難敵・北青鵬を堂々と吊り上げるなど)5連勝と息を吹き返し今日は大関・豊昇龍戦。
突き放して出た豊昇龍(事前に考えた)作戦なのだろうか。錦木、後退するも慌てた様子はない。さらに突いて出ようとしたところ、足の運びが悪くなり自滅に近い形の星を落とした。「騒動」以降、何かが嚙み合わなくなってきてるように見える。考えすぎているのか。
一方の錦木(豊昇龍とは)逆にリズムが良くなってきて、明日も波乱を起こすかもしれない(貴景勝戦)

おととい熱海富士、昨日は一山本に初黒星をつけ、場所を盛り上げてる一人、佐田の海
今日の対戦相手は先月に双子が誕生して、意気上がる錦富士。
立ち合いにすぐ取った右上手から外掛けで崩して寄り倒し、万全の相撲を見せた。
連勝スタートのあと3連敗を喫したが、それだって完敗だったのは玉鷲戦だけで、竜電と御嶽海戦はそんなに内容は悪くなかった。明日は金峰山と。この36歳・佐田の海は伏兵的な活躍を見せてくれるかもしれない。

先場所の不信・不調は何だったのか(番付を大きく落としたが)39歳・玉鷲の活躍を見逃す訳にいかない。ここまでの対戦者は幕内10枚目代が主だが、経験豊富なベテランや新鋭を打ち破ってきた。中日の今日は、新入幕・東白龍。
張り手を交えて突き放す玉鷲。組み止めて豪快な小手投げ!
今日も「強い」玉鷲を見せてくれた。明日は1敗の一山本に襲いかかる。

・十両注目の大の里は、十両に陥落してきた琴勝峰に立ち合いから積極的に攻めたが、琴勝峰に上手を取られ、上手出し投げで敗れ2敗目。

・休場明けの朝乃山は復帰初日にいきなり貴景勝に当てられたが、土俵際の投げの打ち合いに勝ち、見事に撃破。明日は霧島戦。どこまで抵抗して実力を出せるか。

8日目を終えて、幕内は
1敗 一山本
2敗 霧島を含めて9人が並ぶ。

十両は
2敗 琴勝峰・大の里・紫雷が引っ張る展開になっている。

光る豪ノ山の気迫、幕内から全勝消える 九州場所7日目

 結びの一番で、綱取りかかる貴景勝は、新進気鋭の豪ノ山の挑戦を受けて立つ。
激しく当たりあったあと、貴景勝突いて出るも豪ノ山の圧力に吸い寄せられ、豪ノ山が寄り切って勝った。2日連続の大関戦勝利!今日も向うっ気の強さと徹底した突き押しで大関を撃破してしまった。「相撲」に対する意気込みと、普段の稽古の質と量が違うんですかね。思えば豊昇龍に心理戦を仕掛けられたことも、霧島に完勝したのも繫がってくる意味合いがあるのかもしれません。

琴ノ若、7日目にして土。
宇良が頭をつけて主導権を握る。琴ノ若の左腕を掴んで放り投げるかのように「とったり」が決まった。今場所のここまでの宇良の相撲を見るに(失礼だが)想像つかなかった結末だが、アクロバットを用いて今場所を面白くさせてくれる一番を見せてくれた。

佐田の海のいぶし銀ぶりが光る。
今日も全勝狩りをやってのけた。いつものように立ち合いから突き押しでけしかける一山本。
機を見て、一山本の左を引っ張り込む佐田の海。一山本が引きにきたところを迷うことなく寄り切ってみせた。今場所これで4勝3敗。白星と黒星の変遷を見ていると、佐田の海は若手力士にレッスンをつけているように見えなくもない。

8年ぶりの水入りになった北青鵬・翠富士戦は、肩越しの左上手でじっと構える北青鵬が自分からほとんど仕掛けず、最後は翠富士の投げにのしかかるような上手投げで仕留めた。
翠富士はなんとか停滞した流れを崩そうと足を飛ばしたり、内掛けからの投げに打って出たが、最後は北青鵬に押しつぶされるように上手投げに屈した。息も絶え絶え翠富士「腕がぱんぱん、右手が開かない」とコメントを残したそうだ。

・大の里、今日も危なげなく安全運転で貴健斗を寄り切ってみせた。

・2日連続出場の北磻磨。羽出山に突き放され土俵際に追い込まれたが、すんでのところで逆転し突き落として4連勝を決めた。「それはずっと思っています」と、関取復帰への意気込みをしたためているそうだ。

九州場所7日目を終えて、幕内に勝ちっぱなしはいなくなり、
1敗 豊昇龍
   琴ノ若
   一山本

十両
1敗 大の里 (1人)

となっている。