引退力士・幕下以下から

  相撲協会は30日、九州場所中に引退した元小結・千代大龍(九重)、元前頭・豊山(時津風)ら、8人の引退を発表した。

一木(玉ノ井)
西園寺(式秀)
天王山(阿武松)
玄界鵬(大嶽)
宮乃富司(入間川)
沢田(陸奥)
2022年11月30日 日刊スポーツから引用

幕下以下の引退にスポットを当てて、紹介する。

一木隆冶(いちき・りゅうや)

アマチュア実績を引っ提げて、玉ノ井部屋から2016年1月場所初土俵。
171㎝・120㎏(相撲協会サイトには97.5㎏)とある。
炎鵬に近い見た目か。

初土俵以来1年と経たずに、幕下昇進。その後、幕下中位~下位を行ったり来たりすることが多かった。
この辺りは、関取昇進を目前とした幕下上位陣の実力・厚い壁を思い知る事になったか。
はたまた、軽量力士としての悲哀をイヤというほど味わったか。

所属する玉ノ井部屋のコロナ集団感染や、自身の左足首のケガなどが災いし、「関取昇進」という日の目を見ることなく、引退となった。

最高位 西幕下6枚目


通算成績 145勝117敗18休
通算在位 41場所

天王山 開(てんのうざん かい)

わんぱく相撲2位入賞、地元有名道場で腕を磨き、兵庫県洲本市柳学園高校で、相撲部へ入部。3年時にインターハイ個人戦出場を果たし、当時、元益荒雄が親方だった阿武松部屋に入門(2012年1月場所)

序ノ口・序二段を1場所ずつで通過。三段目に上がってからも、コツコツと勝ち越しを積み重ね、9場所の在位で幕下昇格。アマ相撲経験者でも、この辺になってくると壁が厚く、4場所で再び三段目へ。自身の相撲スタイルを見つめ直し、磨きをかけた結果、陥落後2場所目で三段目優勝を成し遂げ再び幕下復帰。

しかし、相撲の神様は再び試練を与える。2019年7月場所前に右肩腱板断裂で2場所連続休場。ここでも立ち上がり再起を果たし、2021年11月場所には、自己最高位の西幕下16枚目まで上り詰めた。

2013年からの2年間、同部屋の若山と初っ切りをしていたことでも知られる。

天王山よりも、個人的に篠原の方がピンとくる感じです。

通算成績 226勝197敗27休
通算在位 65場所

両力士、本当にお疲れ様でした。

ユニークです↓↓↓


九州場所・砂かぶり席、あれ、だぁ~れだっ!?

 九州場所が終わって、日数が経ちましたね。

私はかつて、プロ野球・ソフトバンクホークスの前身、ダイエーホークスと南海ホークスの熱烈なファンでありました。

(その絡みで)砂かぶり席に気になる人物がいた。

それは、有名人・溜席の妖精でもなく、着物美人でもない➡✖

でも、その着物美人が座っていた向正面の控え行司のすぐ右ななめ隣辺りに、福岡ダイエーホークス初期の頃(ガッチャマンヘルメット時代)のオレンジ色のグランドコートを着て、南海ホークスのチームカラーだった深緑のリュックを(下の方にNHと当時のロゴマークが入った)男性客が気になった。(別にそっち系の人間ではありません)

10日目ぐらいまでいたような・・。

地元在住の熱心な相撲ファンであり、ホークスファンなんでしょうね。

平和台球場
加藤伸一
山本和範
バナザード
アップショー
井上祐二

懐かしい名前を思い出しました。

弓取り式は45歳!

  弓取り式は、大相撲の本場所で結びの一番の勝者に代わり作法を心得た力士が土俵上で弓を受け、勝者の舞を演ずることである。全取組終了後、打ち出し前に行われる。 とある。

                             wikipediaから引用



その弓取り式を行っている力士は現在、45歳だということをご存じだろうか。

聡ノ富士 久志(さとのふじ ひさし) 伊勢ヶ濱部屋 群馬県北群馬郡吉岡町出身。

高校時代、柔道部に所属していた時に、部屋後援会からスカウトされ入門を決意。1996年1月場所初土俵で、同期入門は栃乃洋・海鵬・燁司・芳東・増健ら豪華な顔ぶれ。

~弓取り力士になったきっかけ~

同じ伊勢ヶ濱部屋の日馬富士が横綱に昇進したので、同部屋から弓取り力士を出すことになり、お鉢が回ってきた。

2012年秋巡業から2018年1月場所まで5年以上に渡り務めた。
2021年9月場所では、当時担当の将豊龍が右肩負傷により、急遽2日目から代役になり、現在に至る。弓取り力士最高齢記録も更新。

現役力士としては、2022年11月場所まで
力士在位 160場所
通算成績 535勝559敗19休
最高位  東幕下55枚目
三段目在位82場所は史上10位

~珍記録も~


決まり手・居反り(いぞり)で勝つこと、なんと16番。
居反りとは・・・腰を低く落とし、相手が上にのしかかるようにしてきたとき、両手で相手のヒザのあたりを抱えるか、押し上げて後ろに反って相手を倒すこと。

とあり、軽量・小兵力士が一発逆転を狙って繰り出す技と言ったら言い過ぎか。

直近の九州場所は、東序二段89枚目で3勝4敗。

伊勢ヶ濱部屋、最古参力士の45歳。

今や相撲興行に欠かせない存在である。

各段優勝から2人ピックアップ!

 九州場所・各段優勝は以下の通り。

幕下 東23枚目 玉正鳳(たましょうほう)片男波部屋 7戦全勝

三段目 東28枚目 日翔志(ひとし)追手風部屋 7戦全勝

序二段 西60枚目 朝志雄(あさしゆう)高砂部屋 7戦全勝

序ノ口 西15枚目 尊富士(たけるふじ) 伊勢ヶ濱部屋 7戦全勝

となった。

NHKインタビューで印象的だった2力士を更に紹介したい。

幕下優勝 玉正鳳は、今場所の朝乃山に唯一土をつけた力士である。
何を隠そう、あの玉鷲の義弟である。

Wikipedia等でプロフィールを確認したところ、現在所属している片男波部屋が、自身にとって4つ目の所属部屋であるという、数奇な運命を辿ってきた苦労人。

2020年7月場所直前に、現在の片男波部屋所属となり、四股名も玉正鳳萬平と改名。

116㎏の体重が示す通り太れない体質だそうだが、1日4食から5食を食べ、加えてプロテインと夜食も摂るという壮絶ぶり。

インタビューから伝わってくる真面目で裏表のない人柄。
偉大なる義兄、敬愛する師匠への感謝の言葉を忘れなかった。
今回の優勝をもって、来たる初場所は再び関取昇進射程圏内へ。


玉正鳳萬平の相撲人生はある意味、これから本番を迎えるのかもしれない。

序二段優勝 朝志雄は、最高位十両13枚目の「元関取」である。
アマチュア時代の輝かしい実績を引っ提げ、三段目格付出デビューしたのが、2017年3月場所。みるみる頭角を現し、西幕下筆頭に番付された2018年7月場所の3番相撲で右膝靭帯損傷・部分断裂の大ケガに見舞われ、結果的に序ノ口まで転落したが朝志雄は諦めなかった。

2019年9月場所の序ノ口優勝を皮切りに、11場所連続勝ち越しで、2021年9月場所、念願の新十両昇進。

しかし、ここでも膝のケガ・手術により、わずか1場所で幕下へ陥落、つらい時期を経験する。


今年3月場所から4場所連続休場ののち、序二段優勝を勝ち取った。

辛酸を嘗め、屈辱に耐えてきた元エリート。

相撲の神様は、この男にまた必ずや微笑む日が来るだろう。

   

阿炎、初優勝!28年ぶりの優勝決定・ともえ戦を制す!!

 横綱休場、(2大関のうち)1大関不振となると、どうしても関脇以下が場所を通して話題になることが多かった。

優勝への布石を振り返る意味で、本割り+優勝決定ともえ戦を検証する。

髙安‐阿炎、直接対決!(髙安勝ったら優勝の一番)
髙安のかちあげをもろ手で封じる阿炎、髙安、相手の動きをよく見ながら突く。
阿炎、左へいなしながら猛烈に突き倒し!尻から崩れ落ちる髙安、3敗。
阿炎と並んだ。この時点で優勝決定戦へ。

貴景勝‐若隆景(優勝決定戦に食い込めるか貴景勝)
立ち合いから貴景勝のペースで、中に入れない若隆景。
叩きに出たあと、左から張り手を出す貴景勝がはたき込みで、優勝決定戦進出!
大関への足固めという位置づけだった若隆景は8勝7敗で今場所を終えた。

髙安・阿炎・貴景勝の3人による優勝決定・ともえ戦は、28年ぶり。

くじ引きの結果、初戦は髙安‐阿炎。
阿炎が左へ変化一発で、髙安下す。
髙安の様子がおかしい。土俵にうつ伏せ、頭をつけたまま起き上がれない。
しばらく時間が流れ、呼出し2人掛かりでようやく立ち上がり、一礼して土俵を降りた。
負け残りで控えに残る。

土俵上は続けて勝った阿炎に、大関貴景勝の一番となった。
もろ手突きの阿炎が、足を滑らせたが、構わず一気に決めた。
貴景勝のけぞり、あてがうだけが精一杯。

阿炎、見事に初優勝を決めた!

優勝インタビューでは、師匠(元関脇・寺尾)への感謝の言葉を口にし、出場停止処分を受けたつらい時期がよぎったのか感極まる場面もあった。

一方で、花道を下がる時にこちらは悔し涙が頬を伝った髙安、今回も初優勝の夢、叶わなかった。

貴景勝も満身創痍の体にムチを打ち、背中には吸玉と呼ばれる治療のあとが10数か所もありながら、最後まで場所を盛り上げてくれた。

初優勝おめでとう! 阿炎!!