「優勝争いや番付1枚でも上に行くんだという思い」
本場所も最佳境に入ると、取組の中にも相撲にかける気迫、優劣や甲乙みたいなものが画面越しにより一層伝わってくる。
12日目の今日は、筆者目線にそう映った5番を厳選してお伝えする。
~一日一番、隙なし油断なし~
今日の怪物、128㎏の体重で十両の土俵に立ち向かう玉正鳳との一番。
左四つに組み止める落合、右上手を力強く引きつけ、危なげなく寄り切った。
連敗を喫することなく、変化や土俵際のどんでん返しが考えられる相手に着実に白星を積み重ねた。落合の明日は湘南乃海。
~2敗同士の生き残りをかけて~
熱海富士は十両陥落後、3場所目。2敗でここまで駆け抜けてきた。
一方の湘南乃海は、新十両後3場所で西筆頭まで登り詰めた。1勝でも多く白星を重ねたい。十両優勝という目標もある(お互いに)
立ち合い当たってすぐ右にいなす湘南乃海。寄って出る湘南乃海。一転して突っ張り合い。
突き合いに勝ったのは熱海富士。決まり手・突き出し。相手の出方をよく見ながら丁寧に勝利を掴み取った。2敗対決は熱海富士に軍配。
~横綱の威信にかけて~
休場明けの照ノ富士。いろんな重圧に耐えながら、優勝戦線を引っ張っている。
対する若元春は、ここ数場所で実績と自信をぐーんとつけてきている。 そんな2人の激突。
右差しの照ノ富士。若元春その右下手を切って寄るも、横綱が左下手投げから豪快に寄り倒した。若元春は最善を尽くしたと思うが、照ノ富士が「横綱」という名の「ぶ厚い壁」で跳ね返したように見えた。1敗堅持。明日は朝乃山との豪華対決。
~大関獲りへ向けての最終章~
大関へ翔べ、霧馬山。ラストスパートに入った12日目は、大関・貴景勝。
立ち合い激しくぶつかり合うも、霧馬山すぐの右差し。電車道で突っ走り、無欠の寄り切り霧馬山。12日目で10勝にのせた。膝にケガを抱えた状態での貴景勝は相手にならなかった。
カウントダウン進む13日目の霧馬山は北青鵬と。貴景勝は勝ち越しかけて明生と。
~大関獲りへ向けて元大関に牙をむく~
成績(勝ち星)次第ではとこちらも大関獲りの有資格者とされている大栄翔。
今日は東14枚目・元大関朝乃山が大栄翔に挑む形で後半戦の土俵に乗り込んできた。
回転のいい突き押しで朝乃山を突き放す大栄翔。腰を落として前へ出る大栄翔の圧力を受け、あてがうだけの朝乃山。たまらず引いて右に回り込もうとしたが、大栄翔の突進を止められず押し出された。12日目にして勝ち越しを決めた。大栄翔は持ち味を存分に発揮した会心で理想的な相撲。明日は御嶽海。
優勝争いの行方は
幕内 1敗 照ノ富士
2敗 霧馬山・朝乃山
十両 1敗 豪ノ山・落合
2敗 熱海富士
12日目終了・第4コーナーを回って、最後の追い込みに入った。
「優勝争い」に関しては、突出した存在がなく、まだ奇跡があるかもしれない。
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