納谷 大波 幕下

 納谷家と大波家の出世争い・幕下15枚目以内から。

さぁ、夢道鵬が自己最高位となる西幕下15枚目まで上げてきた。
あの貴闘力の4男、そして幕内優勝32回を誇る第48代横綱・大鵬の孫でのある。
おととしの5月場所に幕下20枚目を経験するも、負け越し。その後、右肩の故障などもあり、最大で三段目22枚目まで番付を落とした。

回復と共に、番付も再上昇中。三兄は、同部屋の幕内・王鵬。次兄は三段目の納谷幸林。
夢道鵬は4人兄弟の末っ子。長兄はプロレスラー。
上に下に新番付を見渡せば、当然の如く実力者揃い。いよいよ十両を射程圏に見据え突き押し相撲にも更に関取仕様へと磨きをかける。

大波家は次男・三男が周知の通り「関取」として活躍中だが、長男・若隆元だけは関取未経験である。

現在31歳。最高位は5年前、2018年9月場所の東幕下7枚目。
左肩の故障などで、番付を大きく落とした時期もあったが(弟たちに先を越される屈辱を味わいながらも)西幕下13枚目まで再び這い上がってきた。
夢道鵬同様、こちらも押し相撲に勝機を見い出す。

夢道鵬21歳、若隆元31歳。

土俵人生の集大成を賭けた勝負が始まる。

荒汐部屋の有名・人気者↓↓↓



三賞と各段優勝の顔ぶれ・令和5年夏場所

 4場所連続休場明けの照ノ富士の優勝で幕を閉じた大相撲夏場所。
「横綱」の威厳と安定した強さを見せつけ、次々に難敵を攻略。見事6場所ぶり8度目の優勝を果たした。
一日明けた今日は、三賞受賞と各段優勝力士(幕内十両を除く)のご紹介。
敢闘賞は該当者がなかった。

~三賞受賞力士~

殊勲賞・明生 立浪部屋 東前頭6枚目 8勝7敗

初日から破竹の勢いで7連勝。一時は優勝争いのトップい立つ。
9日目、横綱・照ノ富士を見事寄り切りで破った相撲が大きく評価されたようだ。
終盤に足を痛めた様子が感じられたが、最後まで大健闘の戦いっぷりだった。 

明生関にエールを送ろう↓↓↓

技能賞・霧馬山 陸奥部屋 東関脇 11勝4敗

大関獲りのかかった今場所、その重圧からか立ち合いの変化や(寄られて)後退し、危ない場面も見受けられたが、後半戦を過ぎた頃から日増しに改善。スピードと(投げの)キレ、力強さが戻ってきた。来場所はいよいよ大関。全てにスキルアップし、今度は下位力士たちにその力を示してほしい。

技能賞・若元春 荒汐部屋 西関脇 10勝5敗

ここ数場所でメキメキと力をつけてきた大波3兄弟の次男、若元春。
今場所は初日から5連勝。最終勝ち星・10勝の内訳も、正代・豊昇龍・北青鵬・貴景勝らを撃破。横綱・照ノ富士をすんでのところまで追い詰めた。来場所は、豊昇龍・大栄翔と共に大関獲りを懸ける。期待したい。

~各段優勝力士~

幕下優勝・木竜皇 立浪部屋 西幕下26枚目 7勝0敗

あの元幕内・時津海(先代時津風親方)の長男である。
小学校1年から相撲を始め、アマチュアで数々のタイトルを獲得。
今場所は6番相撲でウクライナ出身の獅司、7番相撲で元幕内・大翔丸を破った。
人の良さそうな優勝インタビューでの受け答えが印象的。
来場所は幕下上位に食い込み、新十両への足掛かりを築くことができるか。

三段目優勝 漣 伊勢ノ海部屋 東三段目42枚目 7勝0敗

四股名は漣(さざなみ)と読む。
7番相撲では、豊翔(28=境川部屋)に勝ち、全勝優勝を決めた。
「土俵際の粘りは持ち味」と語り、自信を持っている。15歳で入門して初めての各段優勝。
岩手県奥州市出身の23歳。メジャーリーグで活躍する大谷翔平は奥州市立水沢南中の先輩にあたるそうだ。

序二段優勝 聖富士 伊勢ケ濱部屋 東序二段60枚目 7勝0敗

こちらの四股名は聖富士(さとるふじ)
序二段は7戦全勝同士による優勝決定戦が行われ、欧勝竜 鳴戸部屋 西序二段7枚目 に上手投げで勝ち、優勝を決めた。
この欧勝竜、一時は幕下7枚目まで番付を上げた強者。昨年秋場所後に右肩を手術して3場所連続の全休明けで臨んでいた。
聖富士は、静岡・飛龍高出身で2学年先輩は同部屋所属の熱海富士である。

序ノ口優勝 春山 尾上部屋 西序ノ口22枚目 7勝0敗

アマチュアの強豪である埼玉栄高校から日大に進み、主将を務め、全国学生選手権の団体で優勝した経歴を持っている。
黎大丸(れおんまる・式秀)との全勝対決を一方的に寄り切った。
高校の同級生には十両北の若らがいる。
「前に出る相撲を取りたい」と将来像を語り、押し相撲の磨きをかける。

「目標」が明確になると、相撲に「心」が乗り移る・12日目

 「優勝争いや番付1枚でも上に行くんだという思い」

本場所も最佳境に入ると、取組の中にも相撲にかける気迫、優劣や甲乙みたいなものが画面越しにより一層伝わってくる。

12日目の今日は、筆者目線にそう映った5番を厳選してお伝えする。

~一日一番、隙なし油断なし~

今日の怪物、128㎏の体重で十両の土俵に立ち向かう玉正鳳との一番。

左四つに組み止める落合、右上手を力強く引きつけ、危なげなく寄り切った。
連敗を喫することなく、変化や土俵際のどんでん返しが考えられる相手に着実に白星を積み重ねた。落合の明日は湘南乃海。

~2敗同士の生き残りをかけて~

熱海富士は十両陥落後、3場所目。2敗でここまで駆け抜けてきた。
一方の湘南乃海は、新十両後3場所で西筆頭まで登り詰めた。1勝でも多く白星を重ねたい。十両優勝という目標もある(お互いに)

立ち合い当たってすぐ右にいなす湘南乃海。寄って出る湘南乃海。一転して突っ張り合い。
突き合いに勝ったのは熱海富士。決まり手・突き出し。相手の出方をよく見ながら丁寧に勝利を掴み取った。2敗対決は熱海富士に軍配。

~横綱の威信にかけて~

休場明けの照ノ富士。いろんな重圧に耐えながら、優勝戦線を引っ張っている。
対する若元春は、ここ数場所で実績と自信をぐーんとつけてきている。 そんな2人の激突。

右差しの照ノ富士。若元春その右下手を切って寄るも、横綱が左下手投げから豪快に寄り倒した。若元春は最善を尽くしたと思うが、照ノ富士が「横綱」という名の「ぶ厚い壁」で跳ね返したように見えた。1敗堅持。明日は朝乃山との豪華対決。

~大関獲りへ向けての最終章~

大関へ翔べ、霧馬山。ラストスパートに入った12日目は、大関・貴景勝。

立ち合い激しくぶつかり合うも、霧馬山すぐの右差し。電車道で突っ走り、無欠の寄り切り霧馬山。12日目で10勝にのせた。膝にケガを抱えた状態での貴景勝は相手にならなかった。
カウントダウン進む13日目の霧馬山は北青鵬と。貴景勝は勝ち越しかけて明生と。

~大関獲りへ向けて元大関に牙をむく~

成績(勝ち星)次第ではとこちらも大関獲りの有資格者とされている大栄翔。
今日は東14枚目・元大関朝乃山が大栄翔に挑む形で後半戦の土俵に乗り込んできた。

回転のいい突き押しで朝乃山を突き放す大栄翔。腰を落として前へ出る大栄翔の圧力を受け、あてがうだけの朝乃山。たまらず引いて右に回り込もうとしたが、大栄翔の突進を止められず押し出された。12日目にして勝ち越しを決めた。大栄翔は持ち味を存分に発揮した会心で理想的な相撲。明日は御嶽海。

優勝争いの行方は
幕内 1敗 照ノ富士
   2敗 霧馬山・朝乃山

十両 1敗 豪ノ山・落合
   2敗 熱海富士

12日目終了・第4コーナーを回って、最後の追い込みに入った。
「優勝争い」に関しては、突出した存在がなく、まだ奇跡があるかもしれない。

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お家芸2番と話題の2番・11日目

~11日目の規格外~

 夏場所の中心人物の一人、北青鵬。
奇抜・型破りな相撲がウケて、話題になる事が多くなってきた。
今日は若元春との好取組が用意された。

北青鵬、長い腕を伸ばして右上手。その上手をすぐに切った若元春。
左四つがっぷり続く。痺れを切らしたかのように若元春が寄って出る。が、体を入れ替え今度は北青鵬が寄って出た。土俵際、逆転のうっちゃり決まる!204cm、21歳の野望を見事に打ち砕いた。やりにくい事この上ない難敵を沈めた若元春の12日目は横綱・照ノ富士。
一方の北青鵬は豊昇龍。

~照ノ富士の極め技~

9日目に不覚の一敗を喫した照ノ富士。
そのあと2連勝で立て直してきている。豊昇龍との一番。

左上手の豊昇龍。照ノ富士は右差しを解いて、左おっつけと共にギューっと極めにかかった。
豊昇龍、何も抵抗できずに極め出しで敗れた。本当に痛かったのだろう、左腕を気にする仕草があった。横綱はお家芸の極め出しで勝って2ケタ10勝目。豊昇龍は4敗に後退。

~本日の宇良劇場~

宇良は中盤の5連敗が響き、ここまで4勝6敗。
対して、今月10日に挙式した錦富士、2勝8敗。
ちなみにこの対戦、今年初場所で宇良が「空中はたき込みのような」と謳われたパフォーマンスがあったが今回は。

立ち合いの攻勢から決めにかかる錦富士、残した宇良。土俵中央で左四つ。引きつけ合いから出し投げで錦富士が崩しにかかるも、崖っぷちで宇良のとったりが決まった。
(今回は)腰を反るようなパフォーマンスを見せた宇良。なんともユニークで楽しませてくれる男だ。

~落合の〇〇~

十両に移って1差で優勝争いを繰り広げてる2人の直接対決。
無敗の落合に、昨日9連勝のあと1敗を喫した豪ノ山。

左を差した落合、右を巻き替えた豪ノ山。出し投げの落合。こらえた豪ノ山が寄って出た。
圧力に屈した落合が土俵に倒れた。決まり手は押し倒し。落合の連勝が10でストップした。
昨日の熱海富士戦で足を引きずる振る舞いがあったので、どうかなって思ってたのだが、そんな(こちらの)不安を吹き飛ばすかなのような豪ノ山の快勝だった。
明日の落合は玉正鳳。豪ノ山は白鷹山。

大相撲夏場所は11日目が終わり、

幕内 1敗 照ノ富士・朝乃山
   2敗 霧馬山

十両 1敗 豪ノ山・落合
   2敗 湘南乃海・熱海富士 

と移り変わった。

筆者の明日の楽しみ
照ノ富士-若元春
正代-金峰山
熱海富士-湘南乃海(十両) です!

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今日も魅惑の相撲へようこそ・10日目

 昨日で全勝がいなくなった幕内。
今日も星の潰し合い・移り変わりがあった。
十両と合わせて4番、手に汗握る取組を選んだ(順不同で)

~分類種別・不可 北青鵬~

素通りできなくなりました、幕内力士・取組を語る上で。
東前頭11枚目・北青鵬 治(宮城野)
昨日、大殊勲の星を上げた明生との一番です。

(北青鵬)立ち合い変化して右上手を取ったが、うまく切りもろ差しになった明生が寄って出る。右上手一枚(棒立ち)でこらえる北青鵬。こらえてこらえて、こらえながら上手投げでねじ伏せた。これ・・・、なんじゃぁこりゃぁ。今日も規格外の相撲で勝った北青鵬。明日は若元春。敗れて無念の表情が印象的だった明生の11日目は、朝乃山とのこれも大一番である。

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~もう一枚、あと一歩~

9日目、まさかの一敗を喫した横綱・照ノ富士。
仕切り直しの今日は、小結・琴ノ若。 波乱が起きるか。

立ち合いの圧力は照ノ富士。だがしかし、琴ノ若のもろ差しを許してしまう。
照ノ富士、得意の極めで戦意を削ぎ落としにかかるが、琴ノ若懸命に残した。
反対に照ノ富士の巻き替えに乗じて、今度は琴ノ若が果敢に寄って出た。その時、琴ノ若は左上手一枚回しだった。照ノ富士の重さもあったのだろう。寄り切ることができなかった。
次は横綱が意地でこらえる。がっぷりで土俵中央。お互い引きつけあって、力を出し尽くして、寄り切ったのは照ノ富士。琴ノ若あと一歩で勝利を掴み損ねた。48秒の大熱戦。
1敗守った照ノ富士の明日は豊昇龍。健闘及ばず敗れた琴ノ若は翠富士。

~霧馬のキレ~

序盤戦の「危なっかしさ」が徐々にではあるが、矯正されつつある霧馬山。
対するは新関脇、休場中の弟(若隆景)の分も頑張りたいと意気上がる若元春。

両者突き放しにかかる。小手に振る若元春を外掛けで切り崩しにかかる霧馬山。
凌いだ若元春。次の瞬間の霧馬山、右からの小手投げがズバッと鮮やかに決まった。
2敗同士の対戦、勝ったのは霧馬山。明日の11日目は今場所頭角を現してきた平戸海。

~これは神の領域突入か、落合~

ひとつずつ白星を重ねること10連勝、負けなし。今日も怪物ぶりを見せてくれるのか、落合。対してここにきて2連敗。でも7勝3敗と好成績の武将山。

突き押し相撲の武将山がペースを握った立ち合い。それも束の間、落合の左が入る。
静寂した間合いの中、何を考えているのか落合。その間を崩しにかかった武将山が仕掛けて前に出た。土俵際の攻防。圧力に耐える落合残しながら、左足を武将山の右足にちょんと「蹴返す」ような感じで上体を崩し、突き落としで勝負あり。全勝を守った。

極限まで攻め込まれながら、その領域で2~3手を打ってくる能力みたいなものがあるのかなぁ。まさに神がかってる感じがします。ポテンシャル凄すぎ!
全勝守って明日は豪ノ山(今日熱海富士に負けた際に足を引きずっていたが影響がないことを祈る)惜しくも敗れた武将山は狼雅戦。

夏場所10日目が終わった優勝戦線の確認。

幕内 1敗 照ノ富士・朝乃山
   2敗 霧馬山・明生・北青鵬

十両 全勝 落合
   1敗 豪ノ山
   2敗 湘南乃海・熱海富士

となっている。
北青鵬-若元春、明生-朝乃山なんてたまらないな!
それでは。