踏ん張りどころの19歳 大辻(高田川)

 「大辻」 小ざっぱりとした名前・姓だが、19歳の幕下ホープである。

先場所(7月)の成績 
大辻 理紀(おおつじ りき) 東幕下9枚目 高田川部屋 3勝4敗とあった。

高田川部屋・・・現在は第9代となる元安芸乃島が引き継いで14年となる。
現在の関取は、湘南乃海・竜電・輝・白鷹山と豪華なメンツ。
大辻はこの諸先輩に次ぐ5番手の高田川力士だ。

兵庫県加古川市出身。(入門に至るまでの)素養がやっぱりあった。
幼少期から柔道、体操と経験した後に、小学校3年から相撲を始める。
わんぱく相撲全国大会では、小学校4年から3年連続で出場し、5年次には8強入りした。
中学時代は、全国大会で個人・団体で軒並み入賞。

中学卒業後に母親と安芸乃島の娘が知り合いという縁で勧誘を受け、高田川部屋に入門。

初土俵は2019年3月。同期生には、時津風のホープ・吉井など。
その後すぐに、脱臼癖のある左肩を手術をしたが、土俵復帰後は勝ち越しを重ねる。
僅かな負け越しが数回あったが、じりじりと上昇を積み上げた。

中卒から成り上がろうとする姿勢にロマンを感じる。
ここまで来たら、「遠藤」のごとく本名で大成してほしい気持ちもあるが、これは早合点か。

ここ数場所は、勝ち越しと負け越しが交互に繰り返され、多くの力士が直面する幕下上位の壁・十両直前の壁の前にいる状態だろうか。この壁を何としてでも突き破ってほしいものである。

高田川スペシャルだ!↓↓↓


序ノ口・35歳以上

 名古屋場所(7月)の序ノ口番付、東西合わせて43人いた中で35歳以上で絞ってみると、出てきたのがこの5人。西筆頭霧丸以外は残念ながら負け越しを記録した。

西筆頭 霧丸 4勝3敗 (陸奥・38歳) 

東2枚目 潮来桜 2勝5敗 (式秀・44歳) 

東3枚目 輝の里 3勝4敗 (田子ノ浦・45歳)

西6枚目 澤勇 1勝6敗 (式秀・46歳)

西21枚目 肥後光 0勝7敗 (木瀬・35歳)

全員生涯戦歴20年以上、輝の里以外の4人は、「序二段」が最高位であった。

序ノ口といえば、本場所興行のおおよその時間割に当てはめると、遅くても午前10時前後には取組が終了しているか。

良いも悪いもない。

新序出世披露していく若者と取組を通して、自分の居場所と存在を発信し続ける。

左から、霧丸・潮来桜・輝の里・澤勇・肥後光↓↓↓

来場所頼みますよ!新大関!!↓↓↓

大の里・高橋に続く二所の次鋒

秋場所の番付編成会議で二所ノ関部屋からは大の里と高橋の新十両が決まったと発表された。

(二所ノ関部屋から)次なる関取を目指せるホープと言われれば、宮城(写真・左)と嘉陽(同・右)を推したい。

名前(名字)が示す通り、2人とも沖縄出身(嘉陽自身は千葉県市川市出身だが(嘉陽の)両親が沖縄出身だそうだ)年齢も同じ24歳だが、1999年の早生まれである宮城が1学年上。出身大学も日本体育大学同士と偶然が重なる。

宮城は学生の頃から「ひねり技」で勝負を決めることがあったそうだが、目指すところは前みつを取って前に出る相撲らしい。
対する嘉陽は、突き押し相撲に勝機を見出す。

ここまでの出世状況・比較であるが、
宮城は序ノ口から初土俵を踏み(2021年5月場所)ここまで14場所中、負け越しはたった2場所。最新の名古屋場所では西幕下20枚目で4勝3敗。
嘉陽はアマチュアの実績が認められ、三段目付出(90枚目)でデビュー(2022年5月場所)ここまで8場所戦って、負け越しがこちらも2回。直近の名古屋では西幕下37枚目で5勝2敗。今年は1月から負け越し⇒勝ち越しを順繰りにきているが、秋場所はその壁を打ち破れるか。

去年6月、茨城県稲敷郡阿見町に1800坪の土地に2面の土俵とトレーニング室、建物の外には懸垂用の鉄棒や、半面のバスケットボールコートなども設置された今までにない斬新な部屋新設から丸1年が過ぎた。

大の里と高橋に次いで、大銀杏を結い、化粧廻しをつけられる十両に上がれるのはこの宮城か嘉陽か、他にも龍王と花房という幕下力士が控えている。

吉報が続く二所ノ関部屋の勢いは止まりそうにない。

お風呂・シャワーのあとは、このタオルでさっぱりと↓↓↓


掴み取れ、関取の座! 木竜皇

 今場所西幕下2枚目・木竜皇 博一(きりゅうこう ひろかず・立浪)

父は元幕内・時津海。先代(16代)時津風である。
弟は同じ立浪部屋所属の春雷(西三段目37枚目)

先場所、西26枚目で幕下優勝を果たした木竜皇が関取へリーチとも言えるこの番付(西幕下2枚目)まで登り詰めてきた。これまでのヒストリーを振り返る。

2002年10月31日、東京都墨田区生まれ。
両国小学校1年から相撲を始め、2年と4年時に白鵬杯で優勝、5年時にわんぱく相撲全国大会2位の実績を残した。
中学(千葉県柏市立柏第二中)3年時にも全国大会で団体優勝を経験。
高校は相撲の名門・青森県立三本木農業高校へと進み、相撲部主将を務める。

~時津風部屋入門予定が~

高校卒業後は父が師匠の時津風部屋に入門する予定が、皮肉にも父の時津海こと当時の時津風親方の不祥事が原因で木竜皇が高校を卒業する直前に父・時津風が相撲協会を退職。
この事態を受けて時津風部屋に入門するか再考した結果、立浪部屋に入門先を変更した。
2021年5月場所で初土俵を3歳年下の弟・正真(四股名:春雷)とともに立浪部屋に入門。兄弟で入門同期ということになる。

        弟・春雷

出世は早かった。
幕下中位まで7場所連続勝ち越し、そのあと2回負け越しを記録するも、先場所の幕下優勝で再び躍進。関取昇進へ向けて大勝負となる場所となった。

木竜皇 博一 入門時にはその時の流れで運命に弄ばれたが、立浪部屋で関取到達まであと一歩というところまで上がってきた。
先場所幕下優勝時の人柄の良さが伝わってきたインタビューは目と耳に焼き付いて離れない。

明日(初日)に十両経験者・栃武蔵(春日野)との一番が組まれている。
サバイバルの始まりだ。

一気に決めようぜ、木竜皇!!



尾上部屋の一番星

 北天海 葵(ほくてんかい あおい・東幕下28枚目)は、現在尾上部屋(師匠元小結・濱ノ嶋)の出世頭である。

あの元幕内・貴ノ岩を叔父に持つ⇒⇒

中学校までモンゴルで過ごし柔道を経験、得意技は内股だった。

高校は埼玉栄高校に入学(経緯は不明)
相撲部監督に勧誘されて、高校1年次から相撲を始めた。

同期には琴勝峰など。

高校卒業後は尾上部屋に入門。外国出身者に課せられる6ヶ月間の研修期間や、興行ビザ取得待ちがあったため、高校卒業から1年4ヶ月後の2019年7月場所に初土俵。

序二段と三段目で各段優勝を経験している。

幕下15枚目以内をここまで6場所経験。

目標・憧れの力士は元大関・北天祐。
四股名もやはり北天祐に由来していて、北天海の「海」の字には「モンゴルから海をわたって日本に来た」という意味が込められているそうだ。

部屋付きの音羽山親方(明るく元気な解説でおなじみの元・天鎧鵬)の見立てによれば、北天海は「離れてよし、組んでよし。両方磨いていけば関取が見えてくる」「一番はハートが強い」とのこと。

まだまだ奥底に眠っている才能があると受け止めた。

女性用扇子と憧れの「北天祐」が掲載されている雑誌です↓↓↓