安青錦、今日の技術 2025名古屋9日目

 本日の安青錦関。
表面上(今場所の)成績・内容を取ると安青錦(有利)だが、対戦相手の若元春は実績十分。
さてどうなることやら、と思った。
ややふわっとした立ち合い。若元春の左差しを右おっつけで許さない安青錦。
そこを頭をつけながら下手ひねりで一閃!
今日も抜群のタイミングと高いスキルを見せてくれた。
明日は金峰山、過去2戦して勝てていない。
どんな相撲を見せて攻略してくれるのか!?

昨日の失態から一夜明けどこまで心と体を切り替えられるか、一人横綱・大の里。
ほぼ五分の立ち合いに見えたが(対髙安)すぐに右差し左おっつけ電車道。
同じ轍は踏まなかった、明日も難敵が控える。今日は負けてしまったが玉鷲(が対戦相手)
焦らず、叩かず、通常運転。
これが出来れば、ひとまず勝ち越し。自分を見失わないように。

霧島がここで足元をすくわれるとは思わなかった。
4度目の立ち合い成立だったらしいですねぇ。
伯桜鵬の踏み込みをいなして逃がしたが、それでも猛牛の如く強い前進に思わず引いた。
その先にあったのは2敗目(黒星)だった。
大関復帰に向けて、優勝争いに向けて、ひと踏ん張りしたい。

今日の草野、いいところなく惨敗。
実績十分の隆の勝にのど輪で起こされ、矢継ぎ早に押されるがまま。
明日は宇良。アクロバットに惑わされず、積み上げた自分の相撲を取りたいところだ。

一山本が単独トップに躍り出た。
なかなか個性を感じるインタビューのやり取りをしますね。



安青錦の手堅い6勝目と大の里の大失態 2025名古屋8日目

 大の里の2敗目よりもやっぱり安青錦でいきます!
王鵬にだって大の里を下がらせた重たそうな突き押しを持つ(これは私のXにも書いたが、ABEMA若乃花の解説より)安青錦が王鵬に突っ張らせないためののど輪を効果的に繰り出し、徐々に距離を潰した。右前まわしを引き、腰を落とし、王鵬に体を預け寄り切った。
明日は西の筆頭・若元春。今場所、星は上がってないが地力あり。油断ならない相手(なんと初顔である)

どうしてこんな形で2敗目を喫したのであろう。
結びの横綱は(いい立ち合いを見せた伯桜鵬だったが)あっさりと引いてしまい、自ら7勝目を手放した。
番付・実績・今場所ここまでの相撲内容・体格など何ひとつ劣るものはないのだが、4日目の王鵬戦と同じ過ちを犯してしまった。その王鵬戦以降は改善が見られたていただけに、今日の大の里のやらかしにはさすがに悲しくなった。

今日も誠に強かった玉鷲。
阿炎のもろ手突きをものともせず、あてがいながら前へ出る。阿炎も引いていたようだが、玉鷲の白星を助長しただけ。今日の玉鷲の相撲っぷりは(それこそ)いい時の大の里のようだった。

中日・8日目を終えた名古屋場所。幕内成績トップは1敗になる。

霧島
玉鷲
一山本
草野

という顔ぶれ。

「碇ブラザーズ」の上等な前半戦

 「藤ノ川」という四股名にまだ私は耳と意識に馴染んでこない。
先場所までの若碇は新入幕で迎えた今場所、連日大健闘である。
ここまでの相撲を見直してみた。
目の付いたところでは、初日の新入幕決戦・対草野を(負けはしたが)土俵際まで追い詰め、4日目(取り直しまでもつれたが)琴勝峰の重たそうな突っ張りにもめげず(目尻を切り流血までした)翌5日目には翠富士を吊り上げ、6日目・琴栄峰を首投げで切って落とし豪快さを見せつけ、6連勝できていた御嶽海に土俵際ギリギリで突き落とし逆転勝利。
本当によくやっている。
この必死さ・懸命さが良い。
伊勢ノ海部屋伝統の四股名を受け継いだ新入幕。
どこまで勝ち星を伸ばし、存在感を発信し続けてくれるか。

弟・碇潟(いかりがた)も昨日の7日目で早々と4連勝で勝ち越しを決めている。
プロ4場所目。25戦して6回しか負けてない。
先場所、初の幕下で3連勝のあとの4連敗。少し番付を下げたが、昨日、勝ち越しを決めた相手は貴闘力次男の納谷であった。

父・元前頭大碇の血を受け継ぐサラブレッド。
前半戦好成績のもと、明日からの後半戦に挑む。

安青錦、三役勢に5勝の快挙! 2025名古屋7日目

 さて、今日の安青錦。
欧翔馬が細かい突っ張りを(張り手を交えながら)与える。
食い下がる安青錦も怯まずに突き返し、中に入り低い体勢になる機会を伺う。
そうこうしているうちに欧翔馬はもどかしくなったのか、引いてしまった。こうなったら一気に出て行くだけ、押し出して安青錦。欧翔馬、対戦相手の執拗な前進に根負けしたか。

安青錦は今日で三役と取り終えた。
だとしたら、明日からは手のつけられないことになってしまうのか。
(まぁ、これは言い過ぎだが)早合点し欲張ってしまう自分がいるのだが、今まで通りの心技体で臨んでほしいものだ。

霧島‐髙安戦にかける期待が大きかったが、実際の取組は…。
やや低い立ち合いの霧島「いける」と思ったのか左から叩いた。あっ気ない展開の幕切れに少し興覚めしてしまった。霧島が1敗守り、髙安が2敗に後退している。

大の里、万全・盤石・危なげなし。
先場所好調時の相撲を取り戻している、それを見ているようだ。
一番の隙・要注意点は、油断(メンタル)か。
明日は伯桜鵬。かつては出世争いをした相手である。

昨日、当ブログで取り上げさせていただいた元大関・御嶽海。
何とも間が悪いとしか言いようがないのだが、連勝がストップし、黒星を喫してしまった。
藤ノ川(小兵)が百戦錬磨で好調の古豪を迎え撃つには、これが有効な抵抗策だったのかもしれないが、右に変化し圧力逃がし、委細構わず突進してくる元大関を土俵際で突き落とし。全勝力士が消えた瞬間になってしまった。

御嶽海の敗戦を受けて、一敗力士が6人が並んでいる。

安青錦 教えを乞うた 高安に 2025名古屋6日目

 まぁ今日の安青錦の黒星を表現するなら、こんな言い方(タイトル)もできるでしょうか。安青錦の接近戦を阻みたい高安が鬼の形相で突き放し、それを掻いくぐり左差し、頭をつけていよいよ「安青錦タイム」の始まりか。4秒後ぐらいに内無双を炸裂(予防線を張っていたと思うが)すんでのところでこれを回避(髙安)少しの探り合いのあと、髙安が肩越しの右上手を取った。勝負に出た安青錦に対し、この右上手で投げ飛ばした(決まり手・上手投げ)
無念そうな表情を見せた安青錦。
対して「元大関」の肩書と今場所ここまでの好調さは伊達じゃなく、あの上手投げを通して「そう簡単に白星を提供してなるものか」というメッセージを送ったのか。

2敗に後退した安青錦、明日は欧翔馬。
1敗を堅持した髙安の明日は霧島(これ面白そう)

大の里は日体大時代の同級生だという阿武剋との対戦だったが、難なく押し出しに破り5勝目。
しかし番付が物語る通り、現時点では歴然とした差があると見受けられた。
明日は今年初場所に優勝決定戦まで進出した陰の実力者・金峰山。

先場所、十両まで陥落してしまった元大関・御嶽海。
辛酸をなめたが1場所で幕内復帰。
(対戦相手)こちらも元大関の正代という趣深い対決は、御嶽海の右おっつけが効果的。正代のもろ差しを許すことなく寄り切った。
初日からの連勝を「6」に伸ばし、何気に幕内トップを走っている。