神崎は豪刃雄になっていた

 先程の取組から。
チャンネルを(相撲中継に)回せば、大柄な力士が対戦相手の対戦相手の両腕をギューッと極めて攻め立てていた。そのまま極め出して勝負あり。

勝ったのは豪刃雄(ごうじんゆう)
豪刃雄??

ピンとこなかったので、調べれば昨年7月まで「神崎」で取っていたあの力士だと判明。
5歳から相撲を始め、ずっと小・中・高・大学でアマチュア大会で実績を上げてきたあのエリート力士。

3年前の春場所に三段目付出でデビュー。
すぐに幕下上位まで番付を上げてきたが少し足踏みが続いている。
189㎝・152㎏の立派な体格を活かしてこの壁を打ち破ってほしい。

現在、所属力士12名を数える元大関・豪栄道師匠の武隈部屋。
12名のうち
9名が「豪」の字
3名が「隈」の字
の内訳。

徐々に部屋のカラーが出てきた。

頑張れ豪刃雄!
頑張れ武隈部屋!!




安青錦と若碇・弟のデビュー戦、横綱大関2名が黒星発進

 注目のウクライナ出身・安青錦(安治川)
先場所の新十両での2ケタ勝利(10勝)をフロックでなかったと証明したい。
初日は志摩ノ海(木瀬・逆鉾の娘婿)
今日は押し相撲を選択した安青錦。引きのような(いなし)からスパッと左上手。
頭をつけ距離を置き(相手に)何もさせずに押し出して完勝。
解説の甲山親方(若碇・父)も「前傾姿勢」がよかったと褒め称えていた。
私は今場所で一気に次のステージ(新入幕)へと歩を進めてもらいたいと強く思っている。
明日は友風(シルバーの廻し)

上述した甲山親方の次男(若碇の弟)本名・斉藤忠剛が四股名を「碇潟(いかりがた)」として初日よりデビュー(三段目最下位付出)序二段筆頭の関塚(田子ノ浦)を難なく押し出しに破って白星発進した。
※この四股名、京都相撲の強豪として知られ1900年代初頭に活躍した力士から付けたようである。
注目力士として今後も押さえておきたい。
動画を貼りつけました。

3場所ぶりに復帰した横綱・照ノ富士。
若隆景の肩透かしにあっけなく敗れ、初日黒星スタート。
まぁ、若隆景を褒めるべきか(事前の作戦通りにだったか)
明日は(対戦成績で分が悪い)隆の勝。
プレッシャーが半端でないと思うが、横綱相撲を見せられるか。

大の里も初日躓いてしまった。
どうしたのだろうか。
翔猿に合わせてしまったのか、つき合わされたのか。
後出しで言うのも悪いが、もう少し(大関として)どっしりとした相撲が見たかった。
あっさりと引き落としを食ってしまった。
ここからどう立て直すか。

「鋼」なしにいられない by音羽山

 鋼 一幸

 相撲部屋にはだいたいどこの部屋でも「ちゃんこ長」と呼ばれる幕下以下で相撲経験の長い力士=ちゃんこ番をやった回数・その優れた腕(料理技術)を持つ者がいる。ここで身に付けた調理の技術を活かして、引退後にちゃんこ料理屋を開業する者も多くいるのは周知の事実だ。それに加えて人柄・人間性が評価されれば、明確な肩書こそないが、新しく入門してくる新弟子の「教育係」的な役割も担わされる。

第71代横綱・鶴竜でさえも取得困難な年寄株をやっとの思いで「音羽山」襲名と同時に部屋を興すことができたのが、おととし2023年年末のこと。
現在は陸奥部屋から移籍してきた元大関(初場所・西前頭筆頭)の霧島を始めに、6名の所属力士を数える。
なかでも、親方(鶴竜)の井筒部屋入門(新弟子)から引退までずっとそばに寄り添い、負けては(取組の)相談にのり、ちゃんこ長として鶴竜に細かく気配りするなど、長年の間、全幅の信頼を置かれているのがこの大ベテラン「」である。

その鋼の現役生活の略歴

15代井筒時代に入門(2000年3月場所、当時18歳高卒)今なお「逆鉾魂」を受け継いでいる。アマチュアでの相撲経験はないようだ。
2003年3月場所から井筒部屋に由緒ある四股名「鶴嶺山」を襲名。
部屋の大きな期待を集めたが、ここまでの最高位は東幕下16枚目(2005年11月場所)
自ら「『鶴嶺山』なんて顔じゃない」とばかり2011年7月から現在の四股名である「鋼(はがね)」に改名。
師匠や後援者から付けられたものかと思いきや、自分で考えて決めただそうで「鍛えることでいろんな形になったり切れ味を増す鋼のように、気持ちが折れてもまた一から鍛え直して研ぎ澄ませばいい」との思いが込められたセンスや機知に富んだ粋(いき)な四股名だ。

初場所は東三段目29枚目(三段目20枚目台以上に番付されるのは)ちょうど5年ぶりとなる。現在3場所連続勝ち越し中。ベテランの味を見せつけることができるか。

(現在43歳という年齢から)僭越ながらこの好漢に、引退後「若者頭」や「世話人」といった協会の(縁の下の力持ち的な)要職(ポスト)を与えることはできないのであろうか。


新年に輝く星、安青錦と安大翔

 新年あけましておめでとうございます。

本年も「相撲、日々一考。」ブログをどうぞよろしくお願い致します。

さて、新年一回目の当ブログは、再興されてまだ2年余りの元関脇・安美錦率いる安治川部屋の二強(初場所番付より)西十両5枚目の安青錦と東幕下32枚目の安大翔に着目。

まずは安青錦
新十両として登場して登場した先場所(九州場所)は10勝5敗(優勝次点)と素晴らしい成績を残した。
破竹の4連勝スタート、そのあと黒星を重ねるも挫けることなく、終盤にもう一度4連勝してみせた。

何がいいって、相撲に対するひたむきさがすごく伝わってくる感じがある。
鼻にかけたり、天狗と感じられるさまが全くない(20歳の若者である・類まれな好青年とみた)
技術面でも125㎏の体重ながら、がっぷり四つになっても十分に渡り合える力強さ(11月の欧勝海戦)や足技を絡めてきたり、押し相撲でも展開を切り拓いていける技能を合わせ持つ。

(おととし)2023年9月からデビュー(初土俵)後、ここまで48勝9敗という驚異的な戦績。
懸念されるは油断や自信過剰か。
先場所のような精神状態で挑めば(この番付から)一気に新入幕を掴み取れそうな気もするが。
頑張ってくれ!

続いて安大翔
宮城県栗原市出身の19歳。青森県立三本木農業高校に相撲留学。全国大会レベルで実績残す。
安青錦の2場所前、おととし5月に初土俵。(偶然ではあるのだが)のちに入門してきたその安青錦の先陣を切るかのように安青錦が決めた序ノ口・序二段優勝の2場所ずつ前に安大翔の快挙(序ノ口・序二段優勝)の記録がある。
昨年1年間は幕下中位から下位で勝ち越したり負け越したりしていた。この幕下で揉まれた経験を必ずや今後の礎としてもらいたい。(自分勝手なファン目線で言わせてもらうなら)今年(2025年)中に1段上のステージに上がっていく安大翔を見てみたいものだ。

見た目とキャラクターが熱海富士に近いものを感じ、親近感を覚えている。


オヤジと息子 大碇と若碇、斎藤忠剛

ーオヤジー

 元幕内・大碇(現在の甲山親方)は、高校から大学とアマチュアを経験。
複数の全国大会出場などで確固たる実績を作り、大学の1年先輩であたる土佐ノ海所属の伊勢ノ海部屋に入門。突き押し相撲で活躍した。
最高位は東前頭11枚目。2004年11月場所限りで引退、年寄・甲山を襲名している。
NHKの相撲中継(BS)三段目上位から十両土俵入り前までの解説者としてはおなじみの顔である。
そんな甲山親方には3人の息子さんがいらっしゃって、長男は若碇、次男は初場所デビュー予定の斎藤忠剛、三男も中学生ながら自宅近くにある相撲道場で稽古に明け暮れてるという(いずれはプロになるのか)
ちなみに妻・直美さんを病気で亡くされてるとのこと(2014年・この時、若碇は小学3年生)とある。オヤジは苦労して3人の息子を育てたのであった。

ー息子ー

先場所(11月)で新十両だった長男若碇(伊勢ノ海)

九州場所を振り返る。
ふたを開けてみて、これはキツいなと。
(6日目までが)1勝5敗(この1勝は不戦勝によるもの)で序盤は最悪とも言えるスタートだったが、その直後に5連勝として気を吐き、6勝5敗とした。残る4日間を1勝3敗で結局は7勝8敗で終わり勝ち越しには手が届かなかった。

(動画で)見直してみたが、序盤はやはり体重(パワー差)で星を落とした相撲がいくつかあったように思う。そのあとの5連勝はスピードを軸にきびきびとした動き、休まない攻めがうまく嚙み合った(理想的)最後の3敗は(実力者・新鋭に)やっぱりパワーでねじ伏せられたかなと。

今度の初場所の番付は、先場所のまま(据え置き)で東十両13枚目。
スピードと若さ、闘志あふれる相撲で活路を見いだしてもらいたい。

今度は次の初場所で次男斎藤忠剛が三段目付け出しでデビューするそうだ(兄・若碇と同じ伊勢ノ海部屋から)
「湊川親方(貴景勝)のような気合の入った相撲を取りたい」と早くも高い目標を掲げ意気込みを語っているそうで非常に今後が楽しみだ。