大の里の猛省相撲

 今場所の大の里。

新横綱で迎え、今まで以上の注目を浴び、かかったプレッシャーも半端ではなかったろう。
13日目で4敗を喫し、この時点で優勝圏外へ。
11勝4敗の最終成績。
4度の敗戦と勝ってもひやひやものの白星もあったりしたが(一山本戦)
常勝かつレベルの高い横綱であってほしいので、目についたポイントや修正点を洗い出したい(皆さん思ってることはほぼ同じだと思いますが)

7日目までは王鵬戦以外は、先場所の良かった点(圧力を活かしたスピード相撲)を引き継ぐことがほとんど出来ていたが、この日を境に「引きや叩き」が目に余るようになった。

4日目の王鵬戦にプラスして、8日目・伯桜鵬戦と(勝つには勝ったが)12日目の一山本戦(取り直し前も後も)の引きは「悪癖」と称されるぐらいの意味をなさないものだった。
恵まれた体格、それを土台としたあの圧力を持ってさえすれば、どう見ても不必要なもの。
更に言えば負ける相手ではなかったはずだ。
4敗は全て平幕(この部分は大分つつかれていたが)とは惜しまれる。

しっかりと反省して(これまでに)擦りこまれているのか安易に「引く・叩く」悪癖を矯正してほしいものだ、メンタル面の強化も必要か?

(いずれは)常勝かつレベルの高い横綱=13~14勝(平均・アベレージ)を求めたいところ。
それは歴代の名横綱、大鵬・北の湖・千代の富士・貴乃花・朝青龍・白鵬 階級辺りまで欲求したいのですが、それは高望みでしょうか。

藤ノ川の敢闘精神

 今場所の新入幕は3名。
草野
藤ノ川
琴栄峰

中でも、藤ノ川のここまでの活躍は、失礼ながら想像していなかった。
176cm・117kgのこの体格で、10勝5敗と敢闘賞受賞。
名古屋場所の活躍をスポットで振り返ってみた。

初日・草野戦。
今場所最後まで優勝争いを繰り広げてきた草野とは、初日に東西14枚目同士として対戦していたが、土俵際での逆転負け。

今場所の覇者・琴勝峰とは4日目に対戦。取り直しの末に勝った。
取り直し前も含めてだが、常に攻めていたのは藤ノ川。
あぁ、この一番でしたかねぇ。流血して3針縫ったのは。

内面・負けん気の強さが伝わってくるかのような、豪快な投げ技でも2つ白星を追加している(琴栄峰と時疾風戦)

何より自分から忙しく積極的に(左右前後に)動きながら、勝機を窺うあの姿勢が良い。
瞼の辺りを3針縫うようなケガをしたって、翌日からも臆することなく向かっていった「令和の牛若丸」

また個性派が、活きのいい若手・幕内戦士が一人加わった。
20歳の若武者である。

弟・碇潟も5勝2敗と勝ち越しを決め、頑張っている。

安青錦、届かなかった優勝 2025名古屋千秋楽

 最後に笑ったのは、琴勝峰。
直ちに今日の事実上の結びを振り返る(安青錦戦)
当たって
起こして
突き落とした。
この3段階に集約される訳だが、安青錦が阿炎戦辺りまで見せていた(ただでは負けない)強靭な足腰が機能せず、あっさりと土俵に這ってしまった。昨日の草野戦でもそう見えた。やはり、最終盤どこか痛めていたのか(力士全員何かしら大小抱えているが)優勝争いのプレッシャーで心身ともに疲れていたのか(これは琴勝峰・草野にも言える)
対する琴勝峰。
最後は驚異の10連勝で決めたが、振り返ると終盤11日目の隆の勝戦から、出足とスピード、状況判断的なものが冴えていたのかなと思う。結果として、前回の優勝争いをした経験が活きていた。
好素材・将来の大物と言われて久しいが、今後大きく花開くか。
来場所以降も楽しみな存在である。

幕内優勝を目前で見せつけられた形になった新入幕の大健闘を見せた草野。
勇躍、元大関に立ち向かっていったが、髙安がそれを許さなかった。
的確な突っ張りを胸と顔面に当てられ、最後まで中に入れず。
突き出しに敗れ、今場所11勝4敗に終わる。
しかし、好成績と頑張りを評価され敢闘賞受賞。胸を張ってほしい。
近い将来、必ず脅威となる存在だ。

大の里は、悪癖の引きや叩きが見られなかった。
右差しから一気に寄り切り。
(こういう感じ)圧力をかけながら前に出れば、まず負けない。
新横綱11勝は是か非か。
(振り返ってみると)やはり悪癖を徐々に修正してもらうことが最重要課題か。
欲を絶つとでもいうか(一番厳しく、難しい課題だが)
取りこぼしも少なくなり、批判や非難が減るはずだ。

今場所は執拗なまでに安青錦推しで通しましたが、優勝の夢かなわず。
まずは、ゆっくり休んで疲れを癒してほしいです。
来場所以降も変わらず注目していきます、もっと大きな存在になれるはずなので。

今場所も当ブログをご覧いただきありがとうございました。

安青錦関を最後まで信じます! 2025名古屋14日目

 2~3年後、早かったら1~2年後に相撲界を引っ張る存在になり得る安青錦(2敗)と草野(3敗)が優勝争いの浮沈を賭けて激突した。
突っ張り合いの中、左上手を取った草野。
ここからが速い。出し投げを打って、安青錦の体勢を崩して寄り切り。

(草野は)おとといの髙安戦の黒星で優勝争いも、上位戦にも厳しいだろうと思っていたが、昨日(霧島)今日(安青錦)と撃破。
幕下付出のデビュー、スピード出世に裏打ちされた理由がわかるような気がしました。
一方の安青錦。今日の相撲は完敗だったが、存在が色あせた訳ではない。まだまだ私は(優勝を)本命視している。
明日の草野は髙安、安青錦は琴勝峰。どちらも大一番を控えている。

もう一人の2敗琴勝峰は、3連敗で大関復帰が心もとなくなってきた霧島。
この一番も互いの突き押しが交錯したが、右にいなした琴勝峰が出し投げ気味の上手投げ。
これといった攻防が見られない中、あっさりと勝負がついた。

3敗・熱海富士は髙安に対したが、下手投げに屈し、優勝圏外へ。

琴勝峰が一歩抜け出した展開になったが、どうなりますかね。
3名の力士が優勝争いを賭ける形になりました。今から胸の高鳴りが止まりません。

過去に幕内優勝争いを経験をしている琴勝峰が決めるのか。
若武者・草野の勢いで優勝を奪取するのか。

いや、私は決定戦までもつれて、安青錦が技の引き出しの差で栄光を手にする気がするんです!

安青錦、あとふたつ!! 2025名古屋13日目

 私の中の真打ち・安青錦。
対するは昨日の大の里、おとといの髙安を崖っぷちまで追い込んだ一山本。
一山本、強くて大きい突っ張りを安青錦に当てていくが、安青錦の大勢に影響はない。
ちょっとやそっとのことでは、微動だにしないその強靭な足腰はまるで土俵に根を張っているかのようにも見える。
安青錦も突き返しにいくその中で左が入り、一山本を組み止めて寄り切り。

昨日・おととい、強者2人を追い込んだ猛者を真打ちは沈黙させた。
明日・14日目は、新入幕・草野との一騎打ち!

(失礼ながら)毎日の相撲の展開が予期できなくなった大の里。
今日は安青錦と並ぶ2敗、幕内トップの琴勝峰。
不調の横綱・大の里をたじろがせることができるか。
琴勝峰にやや分があったか立ち合い、程なく(この一番の)基点となる左上手をひいた。
この上手を優位にして、大の里を振り回すかのように上手投げで土俵から出した。

横綱側に立ってみると、十分な形でもないのに強引に出過ぎた(手順も踏まずに)
いやぁ、この展開と結末は少しも予想できませんでした(琴勝峰関、申し訳ない)
連勝を「8」に伸ばした琴勝峰の明日は霧島。
4敗に後退した大の里の14日目は若隆景。
手こずりそうだなぁ、対戦成績は3勝2敗で大の里。

安青錦の明日の敵・草野。
昨日は若隆景に完敗を喫したが、これでめげなかった。
相手も2連敗していた霧島。
こちらも(大関復帰を見据えて)負けるわけにいかない。
心に期するものがあったのだろう、草野。
霧島の突っ張りにも応じてみせた。互いに左上手を引きがっぷり。
仕掛けたのは草野。引きつけてからの外掛けが決まった!

引きつけておいて霧島の自由を奪い、ふくらはぎ辺り足を掛けた。
これを喰ってはさすがに残せない霧島、仰向けに倒れた。
この草野もなかなかの相撲巧者か。

13日目が終わって、

2敗 安青錦 琴勝峰
3敗 熱海富士 草野

と、幕内力士だけで固められた。
いいのかわからない。

安青錦、信じてる!