4連勝力士を抜粋、十両と幕内から

今日の安青錦

VS大翔鵬(西十両9枚目)
立ち合い頭の位置低い安青錦、右四つ左前みつ、絶好の体勢から迷わずに下手投げ。
巨漢の大翔鵬を見事に土俵中央で転がせた。
今日も隙なし危なげなし。
取組後の談話では
「胸を合わせないようにした。重たかった」と分析。4連勝にも「まだ長い。自分の相撲に集中してやりたい」と若干20歳は浮かれてる様子が全く感じられない。
明日は欧勝海。この力士も4連勝中。

ここ数場所、頸椎(首の痛み)に悩まされてたのか金峰山
残念にも十両に陥落してしまったが、いい意味で気分一新できたか。のびのびといい相撲が取れている。今日の対戦相手、こちらもケガの影響もあってか幕内から番付を落とした白熊。
リーチの長さを活かした突っ張りで吹き飛ばした。

先々場所、横綱・照ノ富士との優勝決定戦に進出した隆の勝
先場所は奮わなかったが、今場所は突き押しを軸に前に出る積極的な相撲が功を奏している。
今日は実力者・錦木との一戦。
のど輪で起こし、いなしにかかるもすぐに左、右と差しもろ差しになり迷わず勝負に出た。寄り切り。まだ序盤で先のこと・展開がわからないが、この隆の勝もいい相撲を見せてくれている。

獅司と安青錦への感服

 新入幕の獅司と新十両の安青錦が奮闘を見せ続けている。

まずは獅司から。
今日の対戦相手はモンゴル出身、幕内2場所目の阿武剋。
これが大一番だった。
両者の負けられない意地が交錯する。がっぷりのひきつけ合い、頭をつけながら寄っていくのは阿武剋だが獅司も懸命に残した。
まわし待ったのあと、獅司が勝負を賭けて決めにかかるも巻き替えてもろ差しに。
これが決め手となり最後は左からの上手投げで阿武剋がこの勝負を制した。

27歳の新入幕は負けても輝いた。
懸賞金を得た際には母国ウクライナの両親に送付しているという好青年。
(負けたからといって)相撲内容に悲観することはない。
今まで通りにやるだけだ。4日目の対戦相手は西十両2枚目(3日目から大銀杏デビューの)伯桜鵬。明日も大いに土俵を沸かしてほしい。

続いて安青錦。
三役経験あり、膝などのケガにより番付を大きく落として再スタートの阿武咲との対戦。
低い立ち合いから阿武咲の引きにも動じず押し出し、実力者に完勝。

ここまでの3日間、安定というより抜群というか、隙をもほとんど見せない強さを見せている。レベルが違うと言っても大袈裟でないかもしれない。
新十両インタビューで紹介されていた安青錦は流暢な日本語を披露。
この落ち着きと相撲の実力。まだ若干20歳という若さに驚きを禁じ得ない。
28人いる十両で3連勝スタートは5名。その中の一人に早くも名を連ねている。
明日は大翔鵬との対戦。

九州場所初日 注目の3番

今場所もよろしくお願いいたします。

先場所の覇者、新大関大の里の初日。
西前頭筆頭の平戸海との対戦。
平戸海、立ち合いからスパッともろ差しに。当然、一気呵成に勝負にかかるも、大の里が左からの突き落とし。平戸海はいくしかないし行くだけ。けど、大の里は少し余裕も感じられたと思う。何ていうかテンパってないというか。
今場所も本命視されてる向きが多いように感じる。
相撲内容は決して褒められたものではないが、まずは初日白星発進結果オーライと言ったところか。2日目の刺客は王鵬。

(主観で)現役大関よりも、10場所ぶりに三役に返り咲いた元大関正代に注目していたこの一番。
上述の平戸海のように、正代が立ち合いから左おっつけを軸に一息で持っていこうとするも、琴櫻は残す腰もあったし、焦りもそんなになかったように思う。こちらも取りこぼすことなくしっかりと初日白星。最終盤まで優勝争いに絡んでいてほしい存在だ。

かなりのハイスピードで十両まで駆け上がったきた安青錦。
新十両として初日は藤青雲が対戦相手。
下から下から突き上げ相手の上体を起こし、両回しを引き付け下手投げで破ってみせた。
上々の滑り出し。
同胞の新入幕・獅司とともに、今場所を席巻してほしいものだ。注目したい。

宝富士の存在感

宝富士 大輔

1987年(昭和62年)2月18日生まれ (37歳)

秋場所成績:西前頭15枚目 10勝5敗

年齢に番付を比例すると自然な事、成り行きかもしれないが、ここ数年ではパッとした活躍が見られてなかった印象だが、9月の秋場所では久しぶりに気を吐くような成績を出し、存在感を見せつけてくれた。

秋場所の引退力士を思い起こせば(宝富士と同じ)「花のロクイチ組」と称される2名の力士が引退してしまった。妙義龍と碧山(共に最高位・関脇)時代の波・世代交代を嫌でも実感させられる。

(状況・展開にもよるが)左四つに持ち込めば、まだまだ捨てたものではないのではないか。かなりの力を発揮する(秋場所で言えば、錦木戦や狼雅戦など)

(勝っても負けても)感情を表に出すことなく、淡々としている(言わば)職人気質を持つ。
(いい意味で)どこかのらりくらりとしていて、飄々としているところに溜まらない魅力を感じる。

尊敬する人は師匠・元横綱旭富士と言い切る。
奇しくも同郷・青森県出身。タイプ的に何かの重なりを感じなくもない。

年齢・世代的に玉鷲・佐田の海・髙安・錦木らと「若手に立ちはだかる壁・教材」的位置付けか。

九州場所(次場所)では幕内10枚目辺りに番付される見通しか。
この幕内真ん中からやや下あたりの地位で独自の存在感を発信し続ける。

大の里「鉄のおっつけ」2番

 大の里の断トツの強さで2度目の優勝を果たした。
一夜明けた今日、所属する茨城県阿見町の二所ノ関部屋で会見が行われ「より一層頑張っていきたい」「豪雨被害が発生している故郷・石川県を元気づけたい」などと語ったという。

今場所の大の里を語る上でよく「左おっつけ」が取り上げられた。
元々彼に装備されていたというこのおっつけ。
それが有効に活かされていた2戦を振り返る。

6日目・正代戦
立ち遅れた感のある正代。のど輪で起こされたあと、右差しを試みるも完全にこのおっつけでブロックされ、あっさりと土俵を割った。

10日目・霧島戦
立ち合い変化(奇襲)を仕掛けた霧島。全くものともしない大の里。
その直後の霧島の右下手(1枚)取られていたが、その上からのおっつけで霧島の自由を奪った。

早くも来場所以降のことを想像すれば、この突出した強さ(スピード・圧力・左おっつけ)の総合力に(突き押しにも対応できる)柔軟性を持ち合わせる力士っていないと思う。

(できれば)大関を3~4場所で通過して、相撲界を牽引するぐらいの存在になってほしいと思うのは(現時点で)欲張りすぎか。
まずはゆっくり休んで本場所の疲れを取り除き英気を養い、初心を忘れず稽古に精進してほしいものだ。

昨日の優勝パレードの模様です↓↓↓

2回目の優勝おめでとう!↓↓↓

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