幕内定着に、うれ獅司

 獅司(雷部屋)が、幕内2場所目にして勝ち越し。

(春場所の活躍は)ウクライナの同胞・安青錦の陰に隠れた感もあるが、千秋楽勝てば2ケタ勝利に手が届くところだった。去年の11月(九州)場所で新入幕しているが5勝10敗と大きく負け越し、1場所で十両陥落の屈辱を味わうも、その悔しさをバネにして13勝2敗で十両優勝。文句なしの成績で再入幕を果たした3月場所という背景。

193cm・166㎏(相撲協会サイトより)と今場所の覇者、大関・大の里にも引けを取らないフルスケールの上体から繰り出す豪快な投げ技や、リーチの長さ(腕の長さ)や肩口の辺りを利用した寄り、そうかと思いきや、その大きな体をやや低く折り畳みながら、相手に突っ張りを当てていくなど攻撃のバリエーションも「意外に」といっては失礼だが多岐にわたる(春場所の取組より)

元・朝青龍氏は「腰高で廻しを取っての寄りに徹していない。いつか怪我をするかもしれない」と指摘しているそうですが、細かいところは目をつぶって、その魅力あふれるスタイルで突き進みながらひとつずつ修正していけばという気もしますが、どうでしょうかね。

待ったなしの仕切りで「カモン、カモン」と言わんばかりの立ち合い直前の仕草は、いつから始めた彼のルーティンか。

3月春場所を9勝6敗=
うれ獅司・9回
かな獅司・6回

5月夏場所は少し番付を上げて何回「うれ獅司」を記録することができるか。

北勝富士、再び立ち上がるんだ!

 北勝富士が力士人生の岐路に立たされてる。

3月場所14日目・この度(5月場所の)新十両入りを決めた宮城(改め来場所から宮乃風)に送り出しで敗れた際の痛がり方はヤバかった。

宮城が左に回り込み(北勝富士を)右にいなして送り出しのだが、土俵下に落ちた時の衝撃でやってしまったのか。顔を歪め、座り込んだまま(土俵に)もたれかかったまま、しばらく起き上がることができなかった。

古傷の右膝をまた痛めたようである。
少し経ったあとに車椅子が運ばれてきたがそれを断り、ゆっくりと自ら歩き、土俵に一礼し、途中から付き人の肩に手を置き花道をあとにした。場内からは称賛の拍手が送られていた。

翌日(千秋楽)の出場などできるはずもなく、不戦敗。
春場所成績・東十両8枚目で3勝12敗で終えた。

番付上、幕下転落が確実視されてるが、どうやら「現役続行」の線で考えているらしい。

過去にも途中休場に複数回追い込まれてる右ひざ。
じっくりと時間をかけて、療養・回復に努めてほしい。
無理は禁物。

気合注入パフォーマンスを忘れてないし、また見せてほしいです。


史上初・40代優勝の夢を見た春

 春場所序二段優勝争いは、6番相撲を終えた段階で異変あり。
無敗の6連勝を記録した3名の中に何気にしれっと40代力士が存在したからだ。

飛燕力 敬介 (42歳・押尾川)

中卒・当時15歳で角界入り。
筋金入り・たたき上げの勇者だ。アマチュア相撲・他の格闘技経験もないのでしょうか。

当時の師匠の諸事情(定年・それに基づく部屋閉鎖間近)で、所属部屋が変わること2回。
酸いも甘いも嚙み分けてきた大ベテランである。

結局、13日目に颯雅(そうが・二子山)に敗れて6勝1敗で序二段優勝成らず残念(相撲ファンとして)悔しい気持ちになった。
何か生活習慣を変えたり(春場所に向けて)特別なことをしたわけではなさそうだ。
(本人の6連勝直後のコメントは)「良く寝て良く食べている。外に出ずに宿舎で飲んでます」とあった。

~飛燕力の主な活躍~
・2014年7月に(ここまで)唯一の各段優勝を三段目で果たしている(7戦全勝)
・自己最高位はその直後9月の西幕下29枚目(幕下在位はこの1場所のみ)
・昨年1月に今を時めく安青錦と序二段で対戦している

飛燕力の今場所大勝ちの要因はやはり「地道に続けること」が、時としてこういう良い日(時間)をもたらせてくれるということか。

新十両入りおめでとう! 夢道鵬!

 貴闘力チルドレン、四男・夢道鵬の新十両昇進が発表された。

4人いる息子さんのうち、3名が力士、1名がプロレスラー・納谷幸男(長男)
ここまで長かったか短かったか、どうなんですかね。

初場所に幕下優勝を決め、自己最高位を9枚更新した今場所、西幕下3枚目で4勝3敗と一発で関取昇進を決めた。
番付上当たり前のことだが、対戦相手は次から次へと関取経験者、しのぎを削るホープしかいない(元関取二世も含む)
今回同時に新十両入りを決めた三田(二子山)宮城改め宮乃風(中村)に勝っている。

血は争えない。
オヤジ・貴闘力
アニキ・王鵬 から受け継ぐ突き押し相撲で十両入り。
「祖父に顔向けできないような生き方はしたくない」と言い切った23歳。

名門・埼玉栄高校相撲部からまたも関取輩出。

ここまで力士(プロとして)32場所を要した。
33場所目で迎える新十両の場所は(本当の意味での)夢の道の始まりか。

春場所の活躍を受け、時疾風が参上致します!

 時疾風が自身幕内4場所目で初の勝ち越しを記録(幕尻・東18枚目)
千秋楽に元大関の霧島に敗れて10勝5敗に終わったが、最後まで優勝争いの一角として存在を示した。

獲得に至らなかったが、三賞候補にも名を連ねたほど。ここをもうちょっとつつけば、千秋楽取組前に出された条件として(優勝した場合)殊勲賞(15日目・霧島戦に勝てば)敢闘賞の可能性も残していた。

9日目から怒涛の6連勝を記録。
(目に留まった取組として)春場所を盛り上げ、互いにしのぎを削った美ノ海戦の休むことなく攻め続け、右上手を軸に寄り切った相撲。

(時疾風から見て)随分と体格差が感じられ、攻略まで持っていくのに手間がかかりそうな竜電戦で見せた、完全に胸が合いがっぷりからのすくい投げなんてよかったな。
流れの中から生まれたすくいなげとしか言いようがないが、小柄が大柄を切って落とした爽快な一番だった。

時津風の系譜を受け継ぐ東京農業大学卒。
今場所の活躍を足掛かりに、疾風怒濤の活躍といきますやら。
宮城県栗原市出身、28歳。