金峰山が優勝を意識し始めた 2025初場所11日目

 金峰山の強烈なのど輪が大関戦でも火を噴いた。
今日の大一番だったこの大の里戦。昨日の敗戦を引きずることなく、のど輪一本・一本槍で大関を強襲。突き倒して1敗を守った。このスタイルを貫き通してほしい。
優勝に対して「そんな考えてないけど(意識は)ちょっとだけあります」と本音をチラリとのぞかせていた。
明日は大関唯一の3敗・豊昇龍と。またひとつ険しい山に挑む。

その豊昇龍は2敗・千代翔馬との激突。
張り差しからすぐの右上手、これで主導権を握り最後まで優位に働き、投げで崩し続けた。千代翔馬も必死に残し抵抗を見せるも寄り倒された。
今日の豊昇龍は矢継ぎ早に技を繰り出しながらも、冷静さを失わず、丁寧に詰めていったように見えた。3敗を堅持。(優勝争い)大関陣・最後の砦である。

王鵬は、阿武剋に左四つに組み止められ危うしと思ったが、動きながら辛抱強くチャンスを作った。最後はもろ差しになり、阿武剋の投げに乗じて押し出した。
しばらく守勢だったが、そこから立て直したのは立派。この辺に好調さ、白星を積み重ねてる要因があるかもしれない。明日は霧島。この一番は見逃せない。

尊富士、今日の相撲はよくなかった。
右にいなして土俵際まで追い詰めたのに、自ら引き(いなすつもりだったのか)それが自らの方向へ呼び寄せる形になり、完全に墓穴、自爆。3敗に後退。痛すぎる敗戦となった。明日は大関・琴櫻。

十両では一敗同士の潰し合い、若碇ー獅司は寄り切りで獅司に軍配。壮絶な戦いだったが、取組直後に若碇が腕の辺りをしきりに気にしていたのが気掛かりだ。明日以降に影響がないことを祈る。
勝った獅司、明日も潰し合いが続く。安青錦との大勝負が組まれている。

金峰山の連勝「9」で止まった 2025初場所10日目

 貴景勝(湊川親方)は、阿炎の相撲を「手にセンサーがある。押すか引くかのタイミングが完璧」と評したそうだが、この一番に関して言えば、事前にこの戦い方でいくとある程度決めていたのでは・・・。つまり阿炎の作戦通り、読み通り。
金峰山の古傷(急所)にもろ手で起こし、そのまま「突き落とし」
あっという間、所要時間「1秒」で金峰山を全勝から引きずり落とした。
この大一番を見事に「阿炎ワールド」で決めてみせた。
金峰山、1敗に後退。今日(11日目)は大の里戦。ここから険しい山に登っていく。

王鵬は、鉄人・玉鷲を立ち合い突き起こす。逆襲に遭いかけたが左差しで吸収。そこから体を預けて寄り切り。
優勝争いを見据えると、既に上位陣との対戦を終えている「王鵬有利説」も聞こえてくるがどうなることやら。今日は阿武剋戦。ここまでの成績は凡庸だが、隅に置けない実力者である。

尊富士は、一瞬の変化で突き落としで一山本に勝った。なんだかあっさりしすぎて拍子抜けした。
※そのあと災難に見舞われたらしい。
取組前に巻いた塩が審判部長を務めていた高田川親方にかかったそうで、呼び出され説教を食らったそうである。取組後にはそんな不運もあったとか。

尊富士の今日は大栄翔と。この先、手練れの上位陣が手ぐすね引いて待っているのか。

もう一人の貴闘力息子も大活躍!

 夢道鵬 幸成

貴闘力四男も頑張っている、初場所を盛り上げてる。

9日目現在で幕下の5勝(無敗)で来ているのが,石崎(高砂・朝紅龍弟)、對馬洋(境川・十両在位8場所)とこの夢道鵬。

王鵬ばかりではない。
幕下であるが、この夢道鵬も目覚ましい活躍を見せてくれている。

取組内容や詳細はわからないが、今場所初日に春雷(立浪・木竜皇弟)撃退に始まり、4日目・時天嵐(時津風)5日目・周志(木瀬)7日目・靍林(木瀬)9日目・深井(高砂)と打ち破ってきた(時天嵐と深井は三段目付出デビューのエリート)

突き押しを軸に相撲を組み立てていくことが多い。

さぁ、あと2番。
どんな猛者をぶつけられるのか。
そして幕下優勝の扉をこじ開けることができるのか。

次男・納谷は今場所東三段目6枚目で3勝2敗。
昨日(9日目)に川副(伊勢ヶ濱)※元宮城野部屋、元十両の輝鵬に負けたようである。
こちらも奮闘中!

走る金峰山、大関陣に光明が見えない 2025初場所9日目

 最初に書いてしまいます。
綱取りかかる大関・豊昇龍は、平幕の平戸海に突き落としにあえなく敗れて3敗に後退。
完全に綱取りの可能性は消えたでしょう。

そんな中での大一番。金峰山に尊富士である。
目まぐるしく攻防が入れ替わる中、尊富士がもろ差しとなり、一気呵成に勝負に出るが、土俵際で待っていたのは、一か八かの金峰山の体格を活かした小手投げが炸裂。尊富士、ひっくり返された。

優勝とかはまだ先の話として、こちらの取組の方が、よっぽど勝負に対する緊迫感のようなものが伝わってきた。
金峰山、全勝守る。尊富士、一歩後退したがまだまだ可能性が潰えた訳ではない。

王鵬、連敗を止められることができるか。今日は熱海富士戦。
熱海富士に前回しを取られ一瞬ヒヤッとしたが、動きを止めることなく左からの肩透かしを見事に決めた。明日は玉鷲戦。今日負けたからって(玉鷲)油断ならない相手だ。

9日目の十両は、中日までのトップ3人が揃って白星。勝ち越しを決めた。
軽量の若碇が大健闘している。

翔猿、横綱大関4連戦のあとを振り返る

 今場所の翔猿(東前頭2枚目)は(番付上、仕方ないことではあるが)初日からの4日間、横綱大関戦が続いた。そこを3勝1敗で乗り越え好発進。
引退した横綱照ノ富士に本割で引導を渡したのは、他でもないこの翔猿正也である。

さて、その後は。

5日目・宇良戦
人気力士対決は土俵際の攻防になり、すんでのところで叩き込みが決まって勝ったのは翔猿だった。土俵下、芸者さんが座ってる辺りのところに突っこんでいく形になった。

6日目・王鵬戦
早い動きで揺さぶりたいところだったが、王鵬が翔猿の動きを見ていた。
王鵬が6連勝とした一番。

7日目・正代戦
正代が終始攻勢だったが、強引気味に放った小手投げがすっぽ抜けて翔猿が逆転勝利を拾う。

8日目・阿炎戦
終始、攻め立てるも阿炎の右いなしで形勢逆転、押し出しに敗れる。

9日目(今日このあと)若元春戦を控えている。

負けた王鵬戦(6日目)と阿炎戦(8日目)では取組直後に苦笑いを浮かべていた(笑)
なんで負けたのに笑うんだろうなといつも思う。
でも、そういうキャラクターなんですね、彼は。

勝ち負けを超越して翔猿を(今場所)最後まで楽しもうと思います。