金峰山、遥かなる夢へ 2025初場所14日目

 金峰山、初優勝への道のり14日目は、白星をグーンと積み重ね3敗で追走する元大関・霧島戦。
もろ手突きのど輪の金峰山、すぐに霧島が右四つに吸収して金峰山ののど輪を阻止した。霧島が頭をつけて外掛けから上手投げで崩しにかかったが、金峰山がお返しとばかりにすくい投げで豪快に霧島を転がせてみせた。
「優勝したい」
その真っ直ぐな思いに、いよいよ神の力が宿ってきたか。
明日は3敗・王鵬戦。

大関陣で唯一、優勝争いに絡んでいる豊昇龍は3敗同士で尊富士との一番。
張り差しからすぐにもろ差し、迷うことなく電車道で寄り切り。豊昇龍、スピード相撲を極めた。

王鵬は隆の勝を引っ張り込んでしまい土俵際まで後退する羽目に。
しかし、左からの突き落としが決まり3敗を守った。若干ヒヤッとしたが少しの余裕があったようである。
明日の千秋楽、大一番が待っている。

運命がどう転ぶかわからないが、直接対決を控えるどちらかの力士に幸運が舞い降りてほしい。私的なことを言ってすみません。

炎鵬に牙を剥いた男と序ノ口優勝者の苦労話

体重73㎏の強者

 今場所の炎鵬は東三段目4枚目で6勝1敗と大きく勝ち越し。
来場所9場所ぶりの幕下返り咲きを確実なものにした。
印象的だったのは、昨日の対戦相手・山藤(やまとう・出羽海)
(見た目)まぁ、何とも頼りなく細っこい。大丈夫か?と思うほどに。
体重が73㎏しかないそうで合点がいった。
その山藤の画像↓↓

ところがどっこい、小学校から相撲を始めており、3年連続でわんぱく相撲出場を皮切りに、中学高校と全国大会レベルで実績を出し続けたというから本当にわからないもの。
今場所は自己最高の西三段目15枚目でこの日までに5勝1敗の成績を上げていたという背景があった。
実際の取組は山藤が低く潜ったが(炎鵬)左に左に回り、肩透かしを一閃させた。
悔しさのあまり、天を仰ぐ山藤の姿が目に焼き付いた。

こちらの山藤も幕下昇進が確実視されている。
炎鵬だけでなく、山藤の動向にも注目だ。

序ノ口優勝・大喜翔の苦労話

この大喜翔も、かつては西幕下24枚目まで番付を上げたが、首のケガ(骨折)で寝たきり生活を経験、4場所連続全休するという「地獄をみた男」である。
今場所はその直後の再起場所であったが、見事に7戦全勝で快挙達成。
去年10月ぐらいから時間をかけて調整を続けてきたそうだ。
現在、関取6名を数える角界の一大勢力と言ってもいいこの追手風部屋。
その中ではここまでのケガをして、また這い上がろうとしている力士がいることも忘れてはならない。

金峰山、単独トップであと2日 2025初場所13日目

 金峰山はインタビューで公言した「優勝したい」と・・・。
昨日は大関・豊昇龍に経験値(修羅場をくぐってきた場数の違い)をああいう感じで見せつけられた感があったが、今日は違った、力強く逞しかった(不調の琴櫻相手とはいえ)
今場所の金峰山の代名詞とも言える「のど輪」で相手をのけぞらせ、二の矢三の矢を休むことなく繰り出し戦闘不能にさせた。突き出し。
優勝争いの唯一の2敗を守り、明日は霧島。初日から3連敗のあと、10連勝。
自信を取り戻し、波に乗っている。厄介な相手だ。しれっと(優勝圏内)3敗をキープしている。

十両では成績優秀者2名が星を落としている。
1敗で単独トップの獅司は生田目との激しい乱打戦。生田目の引っぱたくような右からの強烈ないなしから、仰向けに押し倒された。その獅司、明日は2敗同士で竜電との直接対決。

安青錦は、竜電と2敗同士の激突。終始頭をつけ、低い体勢で相手にやりにくそうにさせるも、逆にそこをつけ込まれた。投げを打とうにも不発に終わり、竜電にのしかかられるように決まり手・小手投げ。なんだかもったいない。連敗の安青錦、明日は白熊。

幕内十両ともに優勝争いが面白い。
最後まで展開が読めない。

幕下決戦は夢道鵬に軍配!

 夢道鵬が幕下優勝を決めた!
石崎(高砂)との弟対決は突き出しで夢道鵬。
立ち合いからもろ手ののど輪を連発。石崎をのけぞらせて突き出した。

花道奥では感極まっているように見えた。
去年3月に自己最高位の西幕下12枚目まで躍進していたが、やはり幕下上位の壁は厚かったか。
精神面の強化を自らの課題に上げていたみたいで「自信になる。調子に乗らず頑張りたい」との談話があったそうだ。
名門・埼玉栄高校出身の23歳。
大鵬の孫としての次なる使命は、年内の関取昇進か。

各段の動き 幕下と序二段から

 昨日、十両の一敗同士で敗れた若碇(伊勢ノ海)が本日より休場。
「左上腕二頭筋腱遠位断裂のため、一月場所は休場となる」との診断書を提出したそうだ。
取組直後にかなり痛がっている仕草が気になった。再出場はしない見通し。
ここまで十両優勝争いの一角として君臨していただけに、残念な知らせだ。

同じく11日目(昨日に)幕下の全勝対決、石崎(高砂・朝紅龍の弟)と元十両・對馬洋(境川)の激突があったが、寄り切ってこの一番を制したのは石崎。明日の13日目に夢道鵬(大嶽・王鵬の弟)との弟対決、一騎打ちで幕下優勝が決まる。

序二段では元幕内の矢後(押尾川)が3場所連続休場から復帰。
6戦全勝でここまで驀進中。
膝のケガ・手術で散々苦しんできたが、また立ち上がり這い上がろうとしている。
もう一人の全勝は関本(阿武松)。明日、この2人が序二段優勝を賭けて対決する。