ついにこの男が十両の土俵にお目見えする。
大辻 理紀(高田川)

幕下の土俵に居座ること連続26場所。
それまでの順調な足取りを思えば(脱臼癖や右膝のケガもあったようだが)少し停滞期間が長かったか。満を持して新十両に昇格した。先場所千秋楽に島津海に勝ち、花道で流した涙が苦労の証。
熱血指導で知られる元関脇・安芸乃島が師匠の高田川部屋で鍛錬を重ねてきた。

小学校3年から始めた相撲。
わんぱく相撲大会では、小学校4年から3年連続で出場し、5年次には8強入りした。
中学時代は、全国大会で個人・団体で軒並み入賞。
「相撲をやるならプロで」とブレない考えのもと、高校へは進学せずに高田川部屋に入門したという今どき、珍しくなった中卒力士。
年齢は若干21歳とこの先も無限の伸びしろを感じる。
本名のまま取り続けることに何か深い理由や意味があるのか。
大辻を含め5名の関取を有するこの部屋で揉まれ続けてきた蓄積を爆発させる時がきたか。