九州場所3日目を迎えた今日は、上位陣の結果よりも、何と言っても新入幕初勝利を上げた熱海富士にスポットを当てたい。対戦相手は十両二枚目美ノ海。
立ち合い、美ノ海が熱海富士の左を遠ざける。熱海富士、右をおっつけながら下手が入る。不利な体勢ながらも、腰を落として寄っていく。決まり手・押し出しで熱海富士の勝ち。
やったぜ!熱海富士!念願の幕内初勝利成る!
その後のインタビューでも、出血を抑えるためか、右鼻にティッシュを詰め、ひとつひとつの質問に丁寧に答え、時折見せる笑顔に人柄の良さがにじみ出てるようだった。
今年4月に発足した後援会の会員は400人を数え、半数は県外からの会員だそうで、この注目度はとどまるところを知らない。今後も要注目の力士(キャラクター)である。
今場所の主役の一人と言ってもいい若隆景は明生と。
若隆景、左差しから明生が引きに付け込んで寄り切り。相撲が早い。迷いがない。
こちらも主役の一人と言えようか、翔猿は2連敗スタートの玉鷲相手に、立ち合い右に低い姿勢で変化をし、玉鷲の中に入る形で寄り切った。玉鷲は完全に術中にはまってしまった感じ。
足の状態が悪そうな髙安は、大関・貴景勝を右のかちあげから、のど輪で貴景勝の上体を起こし、反動をつけてからのはたき込みが鮮やかに決まった。
インタビューでは「一生懸命やるだけです」など控えめな発言に終始して、本音や本心は心の中にそっとしまっている様子だった。元大関ですもんね。
休場明けの阿炎は、いい休養となったのか、のびのびと相撲が取れているように見える。
今日は栃ノ心にのど輪ではね上げ、引き落として3連勝。
必死の土俵が続く正代は、琴ノ若を押し出し2勝目。少しガムシャラさも見えた。
御嶽海、3日目に土(大栄翔戦)お腹に土俵の砂、ベットリ。
豊昇龍、巨漢・逸ノ城相手に常に主導権を持つ動きで寄り切り、3連勝。
遠藤が宝富士の右腕を手繰りながら送り出して、今場所の初日。
幕尻対決は平戸海が照強を寄り倒して3連勝。
~これより十両~
2連勝でスタートを切った炎鵬は、徳勝龍との一戦。
炎鵬を中に入れさせまいと突っ張る徳勝龍。炎鵬の左が入ったが、それを引っ張り込みながら寄って出て、最後は送り出して徳勝龍の勝ち。
先場所新十両同士の栃武蔵‐金峰山は、立ち合いすぐに左上手を引く栃武蔵、構わず右差しから寄り切って金峰山(176㎏)の圧力勝ち。今場所からマゲが結えたが、その辺にはまだ初々しさが残っている。
剣翔は水戸龍にすぐの左上手から寄って寄って出たが、水戸龍も189㎏で残すしのぐ。が、左上手からの右手で首の辺りを抑えながら、上手出し投げが決まり、3連勝。
今場所新十両の二人は明暗を分けた。
狼雅が幕下・塚原を渡し込み2勝目。
對馬洋は欧勝馬に押し出され2敗目。
3日目が終わった十両の3連勝(全勝)は、剣翔と天空海の2人だけとなった。先が読めない。
今日の朝乃山は昨日お伝えした通り、大翔丸との一番。
朝乃山、すぐの左上手。そこからじっくりと圧力をかけて寄り切った。
大翔丸曰く、「圧力がすごかった」と言わせしめた。ここまでの対戦成績の悪さをものともしない朝乃山の完勝だった。