北磻磨、偉業への序章 九州場所9日目

 北磻磨が偉業へ向けて、また一歩前進した。
37歳で三段目に陥落し、そこから再十両を目指してまたひとつ白星を重ねた。
今日は先場所までバリバリの十両力士で今場所・東幕下筆頭の白鷹山(高田川)との全勝同士の一戦。
白鷹山が突き放して先制するも、懐に潜り込み危なげなく押し出して見事5連勝!
先場所の三段目優勝に続き、今場所も奇跡の(幕下)優勝を成し遂げ、ひとっ飛びで念願の再十両昇進なるか。このあと(おそらく)一日おきの出場で13日目(金曜日)の北磻磨の運命やいかに。

6連勝から2連敗と後退した琴ノ若は大関・豊昇龍戦。
右のど輪で琴ノ若をのけぞらせるも、すぐに四つへ。右差しから左上手を引いた琴ノ若。
しっかり引きつけて盤石、逆転と奇襲を封じた上で寄り倒した。
豊昇龍3敗、前を向いて明日は若元春と。琴ノ若は豪ノ山、これは絶対見もの!

朝乃山復活第2戦は、霧島戦。
この元大関は連日の風雲を巻き起こせるか。
朝乃山、左差しから主導権を握る。霧島回り込み(朝乃山の)圧力を逃すのに懸命。
勝負は土俵際へ。物言いがついたが協議の結果、霧島のはたき込みで決着がついた。
霧島は2敗を堅持。大関唯一の2敗力士、この先も場所を引っ張り盛り上げてほしい。

貴景勝は錦木との一番。連日生き残りがかかっている。
立ち合いから細かく早く回転で突いていく貴景勝。左のど輪でぐいーっとのけぞらせ、それが功を奏したのか、引き落としがズバっと決まった。その反動で錦木が飛ぶように土俵に這った。連日、必死の土俵が続く貴景勝の明日は阿炎。ひとつずつ積み上げるしかない!

一山本が手練れの玉鷲をも、速攻・あっという間に突き出してしまった。
明日はご当地の平戸海と。どこまで快進撃を続け、伸ばすことができるのか。

九州を盛り上げる精鋭3力士 九州場所8日目

 今日は2大関3関脇が敗れた締まりのない日だった。
なので今日は、趣向を変えて九州場所を盛り上げている・頑張っているベテラン力士に視点を置いてお伝えしようと思う。

錦木が大関の一角、豊昇龍を破る!
先々場所(7月)の途中まで10勝1敗、先場所(9月)33歳での新小結の実績はフロックではない。今場所は2連敗スタートだったが、その後(成長株・湘南乃海、難敵・北青鵬を堂々と吊り上げるなど)5連勝と息を吹き返し今日は大関・豊昇龍戦。
突き放して出た豊昇龍(事前に考えた)作戦なのだろうか。錦木、後退するも慌てた様子はない。さらに突いて出ようとしたところ、足の運びが悪くなり自滅に近い形の星を落とした。「騒動」以降、何かが嚙み合わなくなってきてるように見える。考えすぎているのか。
一方の錦木(豊昇龍とは)逆にリズムが良くなってきて、明日も波乱を起こすかもしれない(貴景勝戦)

おととい熱海富士、昨日は一山本に初黒星をつけ、場所を盛り上げてる一人、佐田の海
今日の対戦相手は先月に双子が誕生して、意気上がる錦富士。
立ち合いにすぐ取った右上手から外掛けで崩して寄り倒し、万全の相撲を見せた。
連勝スタートのあと3連敗を喫したが、それだって完敗だったのは玉鷲戦だけで、竜電と御嶽海戦はそんなに内容は悪くなかった。明日は金峰山と。この36歳・佐田の海は伏兵的な活躍を見せてくれるかもしれない。

先場所の不信・不調は何だったのか(番付を大きく落としたが)39歳・玉鷲の活躍を見逃す訳にいかない。ここまでの対戦者は幕内10枚目代が主だが、経験豊富なベテランや新鋭を打ち破ってきた。中日の今日は、新入幕・東白龍。
張り手を交えて突き放す玉鷲。組み止めて豪快な小手投げ!
今日も「強い」玉鷲を見せてくれた。明日は1敗の一山本に襲いかかる。

・十両注目の大の里は、十両に陥落してきた琴勝峰に立ち合いから積極的に攻めたが、琴勝峰に上手を取られ、上手出し投げで敗れ2敗目。

・休場明けの朝乃山は復帰初日にいきなり貴景勝に当てられたが、土俵際の投げの打ち合いに勝ち、見事に撃破。明日は霧島戦。どこまで抵抗して実力を出せるか。

8日目を終えて、幕内は
1敗 一山本
2敗 霧島を含めて9人が並ぶ。

十両は
2敗 琴勝峰・大の里・紫雷が引っ張る展開になっている。

光る豪ノ山の気迫、幕内から全勝消える 九州場所7日目

 結びの一番で、綱取りかかる貴景勝は、新進気鋭の豪ノ山の挑戦を受けて立つ。
激しく当たりあったあと、貴景勝突いて出るも豪ノ山の圧力に吸い寄せられ、豪ノ山が寄り切って勝った。2日連続の大関戦勝利!今日も向うっ気の強さと徹底した突き押しで大関を撃破してしまった。「相撲」に対する意気込みと、普段の稽古の質と量が違うんですかね。思えば豊昇龍に心理戦を仕掛けられたことも、霧島に完勝したのも繫がってくる意味合いがあるのかもしれません。

琴ノ若、7日目にして土。
宇良が頭をつけて主導権を握る。琴ノ若の左腕を掴んで放り投げるかのように「とったり」が決まった。今場所のここまでの宇良の相撲を見るに(失礼だが)想像つかなかった結末だが、アクロバットを用いて今場所を面白くさせてくれる一番を見せてくれた。

佐田の海のいぶし銀ぶりが光る。
今日も全勝狩りをやってのけた。いつものように立ち合いから突き押しでけしかける一山本。
機を見て、一山本の左を引っ張り込む佐田の海。一山本が引きにきたところを迷うことなく寄り切ってみせた。今場所これで4勝3敗。白星と黒星の変遷を見ていると、佐田の海は若手力士にレッスンをつけているように見えなくもない。

8年ぶりの水入りになった北青鵬・翠富士戦は、肩越しの左上手でじっと構える北青鵬が自分からほとんど仕掛けず、最後は翠富士の投げにのしかかるような上手投げで仕留めた。
翠富士はなんとか停滞した流れを崩そうと足を飛ばしたり、内掛けからの投げに打って出たが、最後は北青鵬に押しつぶされるように上手投げに屈した。息も絶え絶え翠富士「腕がぱんぱん、右手が開かない」とコメントを残したそうだ。

・大の里、今日も危なげなく安全運転で貴健斗を寄り切ってみせた。

・2日連続出場の北磻磨。羽出山に突き放され土俵際に追い込まれたが、すんでのところで逆転し突き落として4連勝を決めた。「それはずっと思っています」と、関取復帰への意気込みをしたためているそうだ。

九州場所7日目を終えて、幕内に勝ちっぱなしはいなくなり、
1敗 豊昇龍
   琴ノ若
   一山本

十両
1敗 大の里 (1人)

となっている。

髙安の大仕事など見どころ満載 九州場所6日目

 元大関・髙安が大仕事をやってのけた!
全勝の大関・豊昇龍を小股掬いに仕留め全勝から引きずり落とした!

髙安は今場所東3枚目で初日から3関脇、3大関との順で取組を重ねてきた。
一方の豊昇龍、昨日の立ち合いの件で相当批判や非難を浴びて、一日経った今日はどんな相撲を見せてくれるのか。
(お互い見合っていたが)豊昇龍は今日も立ち合いに積極的ではなかった。
立ち合いから両者突っ張りの応酬(髙安にちょっと触れてしまい)伊之助がまた土俵下に転落しそうになったが、両者左差し、豊昇龍が頭をつけなから強引に小手に振った。これは失敗に終わり、逆に体勢が悪くなったところにスパッと髙安の小股掬いが決まった。

ちょっと焦ってたのかなぁ、強引すぎましたね。
「しまった!」というかショックからなかなか立ち上がれなかった豊昇龍。
昨日の件を全く引きずってないことはなかったと思うが、切り替えてまた明日は阿炎と。

琴ノ若は悪い流れから形勢逆転して勝利を呼び込んだ。
北勝富士の強い当たり激しい突っ張りから土俵際まで押されるも、ここを凌いで逆転勝ち。
相撲に柔軟性が出てきたというか、ちょっとやそっと土俵際に詰まっても打開できる逞しさのようなものも備わってきたか。

熱海富士に土がついた。今日の対戦相手は佐田の海。
この一番は佐田の海がベテランの味を見せた。
佐田の海が立ち合いすぐに左上手を取り、この上手を最後までうまく活かした。
上体を低く、自らの腹も利用して寄り切り。熱海富士に何もさせなかった。今日はベテランにしてやられたか。

・豪ノ山が大関戦初勝利。(この一番に限って言えば)次元が違うぐらいの圧力と突っ張りで、大関・霧島を沈めてしまった。
・大の里、連敗はしなかった。回しを引かずに大丈夫かなと思ったが、時疾風に体を預け押し出した。
・先場所の三段目優勝・今場所東幕下11枚目の北磻磨は、元幕内の矢後(押尾川)を引き落としに破り3連勝!今場所も勢いが止まらない!明日も出場するようだ羽出山(玉ノ井)戦。

幕内全勝は琴ノ若と一山本のみ。


豊昇龍、5連勝と引き替えに 九州場所5日目

 全勝守れるか、豊昇龍。
今日は豪ノ山相手に序盤戦5連勝を賭ける。
取組は豪ノ山が強いのど輪で豊昇龍をのけぞらせるも(豊昇龍に)あてがわれたその直後に引いてしまい、押し出して豊昇龍の勝ち。散々焦らされた上で立ち合い成立したこの一番。
(悪癖とも言える・豪ノ山)引きが出てしまった。
80秒も待たされてしまったが、相撲だけ取ってみると、豪ノ山が自ら墓穴を掘ったか。
いい展開だったのになぁ。

今日の熱海富士。
琴恵光相手に立ち合いすぐの左上手。じっくりと勝機を伺う。琴恵光も打開を試みて右からの下手投げを打つも局面を変えられない。熱海富士、上手離さずしっかりと引きつけて寄り切り5連勝。明日は佐田の海。今日も慌てることなく丁寧に寄り切ってみせた。

一山本の調子・序盤戦の出だしが良い。
今日は十両優勝を飾った先場所(13勝2敗)に黒星を付けられた北の若(八角・イケメン)との対戦。
低い当たりから、腰を落としながら万全の体勢で押し出した。
2場所十両に降格していたが今場所ここまで非常に良い。
押し相撲からの積極的な相撲を見せて、序盤戦負け知らずの5連勝。明日は錦富士。

十両から大の里・玉正鳳。
昨日の不戦勝を含め、運も味方につけてつけたか大の里。
先場所の不調を払拭するかのように好調な滑り出しを見せている玉正鳳。
玉正鳳の立ち合い、気持ち左にずれたか左上手を取った。大の里、委細構わず圧力のみで寄って出ていくも、玉正鳳この左から(頭・首の辺りを抑えながら)上手投げ!大の里は初黒星を喫した。


初日の獅司戦でも見られたが、大の里って十分に廻しを引いてなくても、圧力だけで(勝負を)決めてしまう向きがあるのかなぁ。今日はそれが裏目に出た。足腰のいい萬平ですからね。

さてと。
あの長すぎる立ち合いは、何の作戦でしょうか。
何を意味するのでしょうか。
個人的ななんか恨みつらみでもあるのでしょうか。
あの土俵態度はとても「大関」とは言えませんね。
ああいうやり方を用いることによって、出る杭は打つ的な「威嚇」なのか。
豪ノ山は(悪く言えば)相撲が荒っぽいと言えば荒っぽいが、潔い力士ですしね。
大関の立ち合いの「焦らし」は今に始まったことではありません。
取組直後と勝ち名乗りを受けながらしばらく睨みつけてましたし。
処分を科してもいいのでは。

https://www.youtube.com/watch?v=dE_fvcGFe9I