新十両・獅司です

 

 相撲協会は31日、両国国技館で名古屋場所(7月9日初日)の番付編成会議を開き、ウクライナ出身で初の力士の獅司(26)=本名セルギイ・ソコロフスキー、雷部屋=ら新十両3人を含む十両昇進力士5人を発表した。

 他の新十両は、一昨年の学生横綱の川副改め輝鵬(きほう・24)=本名川副圭太、熊本県出身、宮城野部屋=と勇磨(24)=本名中尾勇磨、大阪府出身、阿武松部屋。

 再十両は9場所ぶりに復帰の紫雷(31)=本名芝匠、東京都出身、木瀬部屋=と13場所ぶりに復帰の千代の海(30)=本名浜町明太郎、高知県出身、九重部屋=の2人だった(デイリースポーツより)

~ウクライナ出身初の関取誕生~

獅司の苦労が実った。
ウクライナで6歳からレスリングを習い、15歳で相撲に転向し欧州選手権では優勝の実績を手土産に異国の地・日本に来日。 2020年3月場所に前身の入間川部屋(当時の師匠・元関脇栃司)から初土俵を踏んだ。同期には(今場所上位陣を揺るがせた)あの北青鵬がいる。

~愛称・ミニ把瑠都~

大柄の体格で、部屋・後援者からの厚い期待を受け、ついたあだ名の「ミニ把瑠都」よろしく、序ノ口・序二段各1場所、三段目を2場所で通過。幕下への昇進を遂げる。以降、足首のケガの影響や、15枚目以内に入り「関取」が射程圏内に入ると、精鋭たちに跳ね返されることもあったが、勝ち越しを続け実力をつけ、十両の座を勝ち取った。

取り口として、左四つに組んで寄り切るのが勝ちパターン。長身を活かした肩越しの上手も武器で、上手投げも得意。懐が深く、組めなくとも叩きがよく決まる。長いリーチを活かした突っ張りも見せる。とあった(Wikipediaより)

異国の地に乗り込み、苦労を重ねて「関取」の座を勝ち取った獅司が
来たる7月(名古屋場所)で「十両」という名の地平を駈ける。


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宇良、5月の曲芸・2番

頭捻り(ずぶねり)

 相撲の決まり手は、82手+決め手でない「勝負結果」が5手ある(勇み足・腰砕け・つき手・つきひざ・踏み出し)

今場所・東前頭4枚目の宇良が12日目の翔猿(追手風)戦で珍手・頭捻り(ずぶねり)で6勝目を挙げた。幕内での頭捻りは1998年春場所5日目に旭豊(現立浪親方)が寺尾(現錣山親方)に勝って以来25年ぶり。

宇良がやってくれた。見せてくれた。
四の五の言わず、その取組を振り返りましょう、みなさんで。

翔猿を中に入れさせないように宇良が距離を取る。最後はお互いがもたれ合うような形となり、宇良が自身の頭頚部を捻るような感じでずぶねりが決まった。
さらに、
その反動でふらふらヨロヨロと宇良も倒れ込んでしまう。
(取組時間)35秒の中に駆け引きと相撲の醍醐味が凝縮された一番だった。

~普通のとったりではありません~

離れ業・もう一丁!
11日目・錦富士戦。決まり手・とったりで宇良が勝ちましたが、勝負がついた直後(軍配上がったあとに)見せてくれました。

宇良が終始劣勢ながらも、意地のとったり。流れの中で一か八かの離れ業が見事に決まった。
さらに、
俵伝いに体を反り返るような「パフォーマンス」があった。

「珍手のデパート」と宇良を形容しているネットニュースを見かけた。
まぁ、その通りだ。
宇良が勝利した決まり手は31手(力士情報より)
反り技やら、もたれたりだの、なかなか見聞きしないような決まり手を記録しているようであります。(入門前に)相撲と並行してレスリングにも取り組んでいた時期があるようなので、それも納得か。常にファンの期待を裏切らない宇良に、相撲の極意を見せ続けてほしいものである。

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三賞と各段優勝の顔ぶれ・令和5年夏場所

 4場所連続休場明けの照ノ富士の優勝で幕を閉じた大相撲夏場所。
「横綱」の威厳と安定した強さを見せつけ、次々に難敵を攻略。見事6場所ぶり8度目の優勝を果たした。
一日明けた今日は、三賞受賞と各段優勝力士(幕内十両を除く)のご紹介。
敢闘賞は該当者がなかった。

~三賞受賞力士~

殊勲賞・明生 立浪部屋 東前頭6枚目 8勝7敗

初日から破竹の勢いで7連勝。一時は優勝争いのトップい立つ。
9日目、横綱・照ノ富士を見事寄り切りで破った相撲が大きく評価されたようだ。
終盤に足を痛めた様子が感じられたが、最後まで大健闘の戦いっぷりだった。 

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技能賞・霧馬山 陸奥部屋 東関脇 11勝4敗

大関獲りのかかった今場所、その重圧からか立ち合いの変化や(寄られて)後退し、危ない場面も見受けられたが、後半戦を過ぎた頃から日増しに改善。スピードと(投げの)キレ、力強さが戻ってきた。来場所はいよいよ大関。全てにスキルアップし、今度は下位力士たちにその力を示してほしい。

技能賞・若元春 荒汐部屋 西関脇 10勝5敗

ここ数場所でメキメキと力をつけてきた大波3兄弟の次男、若元春。
今場所は初日から5連勝。最終勝ち星・10勝の内訳も、正代・豊昇龍・北青鵬・貴景勝らを撃破。横綱・照ノ富士をすんでのところまで追い詰めた。来場所は、豊昇龍・大栄翔と共に大関獲りを懸ける。期待したい。

~各段優勝力士~

幕下優勝・木竜皇 立浪部屋 西幕下26枚目 7勝0敗

あの元幕内・時津海(先代時津風親方)の長男である。
小学校1年から相撲を始め、アマチュアで数々のタイトルを獲得。
今場所は6番相撲でウクライナ出身の獅司、7番相撲で元幕内・大翔丸を破った。
人の良さそうな優勝インタビューでの受け答えが印象的。
来場所は幕下上位に食い込み、新十両への足掛かりを築くことができるか。

三段目優勝 漣 伊勢ノ海部屋 東三段目42枚目 7勝0敗

四股名は漣(さざなみ)と読む。
7番相撲では、豊翔(28=境川部屋)に勝ち、全勝優勝を決めた。
「土俵際の粘りは持ち味」と語り、自信を持っている。15歳で入門して初めての各段優勝。
岩手県奥州市出身の23歳。メジャーリーグで活躍する大谷翔平は奥州市立水沢南中の先輩にあたるそうだ。

序二段優勝 聖富士 伊勢ケ濱部屋 東序二段60枚目 7勝0敗

こちらの四股名は聖富士(さとるふじ)
序二段は7戦全勝同士による優勝決定戦が行われ、欧勝竜 鳴戸部屋 西序二段7枚目 に上手投げで勝ち、優勝を決めた。
この欧勝竜、一時は幕下7枚目まで番付を上げた強者。昨年秋場所後に右肩を手術して3場所連続の全休明けで臨んでいた。
聖富士は、静岡・飛龍高出身で2学年先輩は同部屋所属の熱海富士である。

序ノ口優勝 春山 尾上部屋 西序ノ口22枚目 7勝0敗

アマチュアの強豪である埼玉栄高校から日大に進み、主将を務め、全国学生選手権の団体で優勝した経歴を持っている。
黎大丸(れおんまる・式秀)との全勝対決を一方的に寄り切った。
高校の同級生には十両北の若らがいる。
「前に出る相撲を取りたい」と将来像を語り、押し相撲の磨きをかける。

千秋楽・炎の十両3番!!

 幕内優勝は昨日(14日目)で決まった(照ノ富士)

千秋楽までもつれ込んだのは、ハイレベルな十両優勝争い。

まずは怪物・落合の千秋楽、欧勝馬戦。

欧勝馬の立ち合い当たってから(消極的な)2回の引き技に合わせて、落合万全の押し出し。14勝1敗で本場所を終えた。

続いて豪ノ山の千秋楽は、西10枚目・北の若(八角)

左に変化した北の若。豪ノ山に動揺はない。じわじわと寄っていく。
投げを打って残した北の若。のど輪で抵抗するも直後に引いてしまい、これが命取りに。
豪ノ山、押し出しで決めて14勝1敗。 十両は優勝決定戦に持ち込まれた。

~炎の激突、優勝決定戦・豪ノ山-落合~ 

結局、本割りで決まらなかった十両優勝。
豪ノ山と落合、14勝1敗同士で決定戦。

気合満点の豪ノ山。張り差しの落合、怯まない豪ノ山。次から次へと繰り出す腕の伸びる突っ張りに、落合防戦一方。豪快に押し出した。
気迫で上回り、出せるものを全力で出し尽くした感の豪ノ山が決定戦を制した。

~心に沁みる優勝インタビュー・照ノ富士~

昨日(14日目)で8度目の優勝を決めた照ノ富士。
今日(千秋楽)でも、大関・貴景勝を危なげなく押し出しで破り、14勝1敗で場所を終えた。その照ノ富士の苦労の足跡と人柄が見て取れるインタビューがこちら。

~霧馬山、大関昇進確実~

大関獲りの場所を11勝4敗の成績で終わった霧馬山。
審判部は昇進を諮る臨時理事会の開催を八角理事長に要請した。31日の臨時理事会を経て正式決定する。
ここ3場所の勝ち星の合計が34勝。文句なしである。
持ち味の(左)四つ相撲、力強い投げ技に磨きをかけ、さらに上を目指せる力士になってほしい。

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14日目・究極の3番

 今場所もハイレベルな優勝争いを繰り広げている十両。
1敗トップの1人・落合は、西4枚目・狼雅戦。
お互いに元高校横綱で、鳥取城北高の先輩後輩の間柄でもある。

落合が素早く踏み込んで左四つ十分となるも、狼雅が右上手を取り、投げを打つ。落合、その隙を見逃さずに上手投げで快勝。今日も全く危なげなし。明日の欧勝馬戦へ歩を進めた。

もう一人の一敗力士豪ノ山は、のど輪ふた突きの電車道で玉正鳳に圧勝。1敗守り、気合を入れて千秋楽は北の若と。

~奥深い元大関対決、朝乃山-正代~

昨日照ノ富士に敗れ、優勝争いから一歩後退した朝乃山は小結・正代との「元大関対決」

朝乃山、立ち合いから一気に攻め込み、土俵際際どかったが正代を寄り倒し。11勝目を挙げた。不祥事による1年の謹慎期間を経て迎えた再入幕の場所、真摯に相撲と向き合いよくやっていると評価したい。

~横綱が優勝か、霧馬山が波乱起こすか~

結びの一番、勝てば優勝の照ノ富士。
対する霧馬山。2場所連続優勝を決めて、大関昇進に向け更なる花を添えたい。

両力士、相手の出方をうかがう(長い間合い)巻き替えの応酬から照ノ富士が引きつけて出る。最後はのど輪も重ねて寄り切った。6場所ぶり8度目の優勝!
序盤戦は不安感が無くもなかったが、そこから日増しに相撲勘を取り戻し、力強い相撲が蘇った。古傷(膝)の故障の影響で3場所連続休場明けのこの活躍は「あっぱれ!」以外の言葉が見当たらない。
惜しくも敗れた霧馬山は明日の豊昇龍戦に12勝目を賭ける。

十両優勝争いは昨日と変わらず
1敗 豪ノ山と落合
2敗 熱海富士

千秋楽は十両優勝の行方から目が離せない。

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