式秀部屋(しきひでべや)
茨城県龍ヶ崎市に元前頭9枚目・北桜が師匠を務めるこの部屋には、キラキラ四股名や珍名力士が多く所属していることでも、よく知られている。
その中の一人に残念ながら現役は引退してしまったが、目に頭に記憶に焼き付いて離れない珍名力士が土俵を去って8年以上の時間が過ぎたことを思い知らされた。
「育盛」(そだちざかり)
本名 田井雅人。
小学校から高校生の間に不登校を経験。
高校時代はソフトテニス部に所属していたらしい。
2014年7月場所の新弟子検査で合格基準の体重67㎏に4㎏足りず、おにぎり4個・うどん2杯を食べ、水3リットルをやっとの思いで飲み干し、どうにか検査をパスしたというエピソードの持ち主。
前相撲の2番はともに黒星に終わったが、驚くべきはその所要時間。
一番相撲が1秒、二番相撲が2秒
と記録が残っている。
動画を見つけた。
見よ、この衝撃的な負けっぷりを⇊
取組直後のニヒルな笑みは何を意味する。
そして初土俵を迎えた翌9月場所初日の前日、式秀親方が引退届を提出し、受理されて、通算成績0勝1敗で土俵を去った。
育盛の父親曰く、「体力の限界だったということ。8月までは元気でやっていたが、9月になって疲れが一挙に出てしまったのか、体調を崩し、枚方の実家に一度戻り家族会議を重ねた結果、引退という結論になった」
70㎏あった体重が58㎏まで瘦せた。やはり、相応の心労があったのか。
最後は、家族に説得された形での引退になったようである。
その後、双極性障害という精神疾患を患い3度の入院。この病は2014年10月頃の発症らしいので、現役引退後の話になる。
2021年9月には大学を卒業。
アルバイトをしながら、将来の道を模索する現在だとか。
2ヶ月の力士生活であっても、新弟子検査・体重合格を目指した苦しい思い出や、珍名であるがゆえに、世間からの注目を浴びながら一瞬で吹き飛ばされた相撲、毎日の朝稽古の鍛錬も、それは厳しくつらいものであったろう。
そういった経験も、いずれ心の良薬・財産に変わる時がきっと来る。
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