熱海と言えば温泉と海水浴、だけじゃない。
角界の人気力士の一人、伊勢ケ濱部屋所属・熱海富士の出身地としても知られる。
初土俵から2年余り。西十両8枚目で迎えた熱海富士の春場所3番を振り返りたい。
3日目 島津海戦
元大関・若嶋津師匠の松ヶ根部屋に入門して11年が流れた。
十両7場所目の島津海、西7枚目である。
立ち合い左上手の熱海富士。右を差して寄っていく。島津海に巻き替えられるも寄る。
土俵際、島津海のすくい投げ決まる。熱海富士、残念3連勝ならず!
ほぼ勝利を手中に収めながら、逆転のすくい投げを食ってしまった。
土俵際が微妙なタイミングだったので、物言いがつくのではと熱海富士自身、一礼のあと見渡したが、軍配通り。
9日目 豪ノ山戦
元大関・豪栄道が師匠である武隈部屋の部屋頭、豪ノ山。
東6枚目で迎えた春場所はここまで7勝1敗の快進撃を続けていた。
動画がなかったので展開を書く。
右はず、左のど輪の豪ノ山、熱海富士左上手から寄る、上手投げも豪ノ山崩れない。
両者がっぷりの引きつけ合い、熱海富士最後はがぶり寄りで寄り切り。力強い相撲だった。
結果、今場所11勝を上げた豪ノ山も力をつけてきたなと思わせる一番であった。
10日目 落合戦
令和の怪物・落合とは、10日目に激突した。
史上初の幕下付け出しから所要1場所での十両昇進を果たした落合(宮城野)
春場所も熱い視線が注がれ、あちこちで情報が取り上げられていた。
後輩に負けられない意地と気迫が、相撲の神様を微笑ませたか。
終始(落合の)もろ差しを許し、苦しい体勢であったが、諦めることなく状況打開を図っていた。
左上手投げにいったところを落合は一気に勝負に出たが、土俵際、熱海富士が右に体を開いて突き落としが決まった。
闘志をむき出しにした見事な相撲で「怪物」を仕留めた。
全くの主観だけで3番を選んだ。
7日目の大奄美戦、がっぷりから豪快な上手投げで切って捨てた相撲も良かったな。
三月場所15日間を通して、左腕(ひじ)にサポーターを巻いていたが大丈夫か。大したケガ・痛みでないことを祈りたい。
自分(自ら)引きや叩きに出る(頼る)こともほとんど見られない、熱海富士スタイルは好意的。
力士としてのポテンシャルは、落合が「令和の怪物」なら、熱海富士は「相撲界のオオタニ」
ここまでの出世スピードだって、歴代7位に名を刻んでる(新十両昇進まで)
西十両8枚目、力士として15場所目で迎えた令和5年春場所を8勝7敗で終えた。
夏場所はわずかな番付上昇があるだろう。
私のささやかな夢のひとつは、数年後に熱海富士と落合が幕内優勝を賭けて戦う一番を見届けることだ。
稽古に精進し、力士として腕を磨き、大舞台で相まみえる両雄を見てみたい。
あたみん+土俵の砂つきです↓↓↓