旭富士正也
第63代横綱
幕内優勝4回
1992年1月場所限り引退
引退から32年余り
余程の相撲ファン・マニアでない限り、この表面上の実績・字面だけでは「印象が薄い」「思い出しにくい」と言った方が多いのではないか。
現・伊勢ヶ濱親方の略歴である。
現役時代の経歴(場所別成績)を見るに、特に大関時代は安定どころか、かなりの実績を残していた。
在位17場所で14勝4回・13勝2回・12勝4回・11勝2回・ひと桁勝利5回、負け越し(かど番経験)なし・休場なしと素晴らしい数字。
横綱時代を回顧すれば、在位9場所と短命だったが
14勝・13勝・12勝各1回に11勝が2回(9場所のうちの最初の5場所でこの成績)
最後は膵炎や脊髄分離症で苦しみ、休場が多くなり引退を決意したそうです。
※現理事長の北勝海に決定戦で2度敗れ優勝を逃している(これはいずれも大関時代)
ここ数年、横綱大関がどうにも不甲斐ない。
今回、元大関がまた一人増えてしまった(陥落2回目だが)
それらの事が関係してか、関脇以下力士の優勝がよく見られる昨今である。
旭富士が現役大関だった35年ぐらい前の上位陣の顔ぶれ・力士として日頃の食事や稽古(トレーニング方法)は決して現在と一括りに出来ないが、それにしてもこの現状は惨めな印象を拭えない。
引退後、育てた関取は優に10人を超える名伯楽。
定年(停年)まであと1年を切った。
年寄・伊勢ヶ濱の行方はどうなるのか?
照ノ富士に譲る言わば「既定路線」でいくのか、再雇用(参与)の道を歩むのか。
旭富士正也としての現役時代と
伊勢ヶ濱正也としての親方業・力士育成の実績を重ね合わせると超一流の「相撲人」である。
ウルフ・千代の富士に勝って3回目の優勝を決めた1990年名古屋場所・千秋楽の一番。