安青錦・藤ノ川・藤凌駕+朝乃山 2025九州5日目

 若隆景が立ち合いの変化を繰り出すなんて露とも思わなかった。
初日から順調に4連勝できていた安青錦が、まさかこんな形で土がつくとは。
慢心はなかったと思うが、安青錦自身も「(変化は)頭に入っていなかった。自分が悪いだけ」と全く予期していなかったことを認めた。
相撲スタイルを変えることなく、この屈辱を頭に焼き付けて、明日以降の糧にしてほしい。
こんな時もある!

藤ノ川、今日も出色の内容!
琴勝峰に怯むことなく、スピードと気合で吞み込んだ。
明日は御嶽海と。この勢いで元大関突破なるか!

藤凌駕も新十両という立場と若さで、その日の勝利に向かってまっしぐらである。
本日も北の若に対して腰を落とし、前傾姿勢で圧力を与え、しっかりと押し出した。
白熊の敗戦により、唯一の全勝できている(優勝云々はまだ早いが)

朝乃山ー錦木といういぶし銀の取組が十両で行われた。
錦木が右四つで寄って出る。朝乃山は後退しながら上手を引き、息を吹き返す。
力(怪力)比べになったが、寄り切って朝乃山。
両雄の通算13回目の戦いを終えて、朝乃山の10勝3敗となった。

安青錦・藤ノ川・藤凌駕の4連勝劇 2025九州4日目

 4日目の安青錦関。
隆の勝を突き起こし、足を飛ばし、のど輪で後退させる。
そこから低い姿勢のまま頭を付け続け前進。土俵下まで追いやったその様はまるで闘牛のようだった。少しの隙も見せない、明日は若隆景。一日一番精神で明日も乗り越えよう!

昨日同様、当ブログでは2戦目の振り返りで藤ノ川を抜擢。
「小よく大を制す」と言うが、これにピッタリ!
作戦もあったのだろうが、頭脳的にうまく戦ったとも言うべきか。
立ち合い頭で当たりながら同時に右をこじ入れ、体を密着。獅司の反撃を封じた。
攻め手を休まず一気に決めたのがよい。明日は琴勝峰、骨のある相手だ。

藤凌駕は新十両対決。日向丸(ひむかまる)戦。
突き放したい日向丸だが、藤凌駕は大きな体躯を壁に仕立て、それを吸収した。
最後は腰を落とし、丁寧に寄り切ったと思ったら、公式には「押し出し」と発表されたようである。連勝街道をどこまで伸ばすか、明日は北の若。

・両横綱は本日も揃って白星。
大の里は余裕をもってのはたき込み(霧島に)
豊昇龍は落ち着き払って寄り切り(若隆景を)

・碇潟(藤ノ川弟)は炎鵬に切り返しで敗れた。
今日は完全に炎鵬の流れ・ペース、経験値で転がされたか。

最後に4連勝到達力士

幕内
大の里
安青錦
藤ノ川

十両
白熊
藤ノ川

(昨日比で)一人ずつ削られた。



安青錦、初の首投げ! 2025九州3日目

 大関へ翔べ、安青錦。
対戦相手はここ数場所復調、いや本領発揮してきた伯桜鵬。
しかも初日、横綱・豊昇龍に黒星を献上したばかりで(この一番に対する)期待・楽しみが募っていた。
早い段階で(浅い)もろ差しになり寄って出るも(伯桜鵬)安青錦は首投げを繰り出した(一か八か的に見えたが)これが決まり手となり、逆転勝利!!
動画で見直したが、この流れから勝っちゃうところがやはり只者ではない。

幕内2場所目、若干20歳の藤ノ川。
3日目の土俵も若さがみなぎっていた。
よく動き、しかも速い(体格差を埋めるなら当然だが)
三役常連の実力者・大栄翔に真っ向から渡り合い、うまくいなして、押し出した。
自分主動で白星を手にしたところが評価に値する。

新十両・藤凌駕は元十両・大辻と激しいペース争いを制し、連勝を「3」に伸ばしている。決まり手は押し出し。

・両横綱は共に文句なしの相撲で危な気なく白星を積み重ねた。
・幕下の山藤(出羽海)安芸乃山戦で土俵下に落下直後に肩と首を痛めたように模様、心配である。

幕内3連勝
大の里
安青錦
藤ノ川
朝紅龍

十両3連勝
大青山
白熊
藤凌駕

早くもこれだけに絞られたことに対してびっくりした3日目の振り返りである。

安青錦と両横綱は〇、琴櫻は微妙 2025九州2日目

 安青錦、大関に向かって15分の2。
今日は若元春戦。のど輪からの左四つで元春のアゴの下に頭をつけ、相手にやりにくくさせる。無双を炸裂させるも未遂に終わったが、少し間を取り、体を密着させ万全の寄り倒しで2連勝。この流れを大切に、明日は伯桜鵬。
面白い取組である。

大の里に伯桜鵬。
興味深い対戦だったが、フタを開ければ大の里圧勝。
横綱が右上手を取った瞬間に幕切れ。
このフレームの中に収まってしまえば、為す術なし。
大の里、見事2連勝。
令和の怪物、連日の快挙成らず。

十両・三田が土俵際の競り合いで右膝を痛めたらしく、担架で退場したらしいが大丈夫か。
ここは師匠である二子山親方の賢明な判断が求められる、将来を見据えた上で。

新十両・藤凌駕2連勝。
体格差を活かし、距離を詰めて圧力かけて、(どうにもならなくなった)相手の引きを誘い出した。いい滑り出し。

豊昇龍、こうあるべき相撲内容。
昨日の愚策がもったいなくて仕方ない。

琴櫻。こちらは昨日と打って変わって脆くも敗戦。
立ち合いすぐにもろ差し許し、引いてバタバタ下がるのみ。
先場所、途中休場を余儀なくされた右膝の状態はどうなのだろうか。
昨日の力強さがかすんでしまうようだった。

大関取りへ向けて・・・、安青錦の九州 2025九州初日

 今場所も当ブログをどうぞよろしくお願いいたします。

まずはプリンス安青錦。
新入幕以来、4場所連続11勝を挙げて番付・実力・人気揃って驀進中、大関へまっしぐら。
その起点となる初日は、東2枚目(元大関)霧島と。
立ち合いから突っ張りの応酬。低い姿勢を忘れず、流れの中で霧島の左かいな(腕)を取り、送り出し。腕を取ったタイミングと勝負所を逃さない一気の攻めで好発進。
今まで積み重ねてきたもの(低い姿勢と対応力)を一日一番精神で出していきたい。

豊昇龍は初日から無様な負けを露呈した、ガッカリ。
ビャンバの敗因になることが多い張り差しが伯桜鵬を誘い込む形となってしまい、あえなく完敗。逆に言えば、伯桜鵬の会心の一番。事前の作戦・シュミレーションにブレがなかったようである。現在8場所連続勝ち越し中、令和の怪物もいよいよ本領発揮か!?

義ノ富士

という四股名にまだ目と耳に馴染んでこない。
草野改め義ノ富士としての初陣はもろ差しからの寄り切りで白星スタート。
自己最高位で臨むこの場所で四股名を変え「富士」が付いて伊勢ヶ濱らしくなった。
星次第では、横綱・大関に挑むことも十分考えられる。

新十両3名からは、五島改め藤凌駕。
十両在位16場所目の紫雷(木瀬)に対して、左、右とこじ入れ文句なしに押し出している。

碇潟(藤ノ川弟)闘志をむき出しにして辛抱強く勝機を窺い、出し投げで崩し、寄り切りで決着をつけた。いい相撲、いい素材と感じた。