各段優勝から2人ピックアップ!

 九州場所・各段優勝は以下の通り。

幕下 東23枚目 玉正鳳(たましょうほう)片男波部屋 7戦全勝

三段目 東28枚目 日翔志(ひとし)追手風部屋 7戦全勝

序二段 西60枚目 朝志雄(あさしゆう)高砂部屋 7戦全勝

序ノ口 西15枚目 尊富士(たけるふじ) 伊勢ヶ濱部屋 7戦全勝

となった。

NHKインタビューで印象的だった2力士を更に紹介したい。

幕下優勝 玉正鳳は、今場所の朝乃山に唯一土をつけた力士である。
何を隠そう、あの玉鷲の義弟である。

Wikipedia等でプロフィールを確認したところ、現在所属している片男波部屋が、自身にとって4つ目の所属部屋であるという、数奇な運命を辿ってきた苦労人。

2020年7月場所直前に、現在の片男波部屋所属となり、四股名も玉正鳳萬平と改名。

116㎏の体重が示す通り太れない体質だそうだが、1日4食から5食を食べ、加えてプロテインと夜食も摂るという壮絶ぶり。

インタビューから伝わってくる真面目で裏表のない人柄。
偉大なる義兄、敬愛する師匠への感謝の言葉を忘れなかった。
今回の優勝をもって、来たる初場所は再び関取昇進射程圏内へ。


玉正鳳萬平の相撲人生はある意味、これから本番を迎えるのかもしれない。

序二段優勝 朝志雄は、最高位十両13枚目の「元関取」である。
アマチュア時代の輝かしい実績を引っ提げ、三段目格付出デビューしたのが、2017年3月場所。みるみる頭角を現し、西幕下筆頭に番付された2018年7月場所の3番相撲で右膝靭帯損傷・部分断裂の大ケガに見舞われ、結果的に序ノ口まで転落したが朝志雄は諦めなかった。

2019年9月場所の序ノ口優勝を皮切りに、11場所連続勝ち越しで、2021年9月場所、念願の新十両昇進。

しかし、ここでも膝のケガ・手術により、わずか1場所で幕下へ陥落、つらい時期を経験する。


今年3月場所から4場所連続休場ののち、序二段優勝を勝ち取った。

辛酸を嘗め、屈辱に耐えてきた元エリート。

相撲の神様は、この男にまた必ずや微笑む日が来るだろう。

   

阿炎、初優勝!28年ぶりの優勝決定・ともえ戦を制す!!

 横綱休場、(2大関のうち)1大関不振となると、どうしても関脇以下が場所を通して話題になることが多かった。

優勝への布石を振り返る意味で、本割り+優勝決定ともえ戦を検証する。

髙安‐阿炎、直接対決!(髙安勝ったら優勝の一番)
髙安のかちあげをもろ手で封じる阿炎、髙安、相手の動きをよく見ながら突く。
阿炎、左へいなしながら猛烈に突き倒し!尻から崩れ落ちる髙安、3敗。
阿炎と並んだ。この時点で優勝決定戦へ。

貴景勝‐若隆景(優勝決定戦に食い込めるか貴景勝)
立ち合いから貴景勝のペースで、中に入れない若隆景。
叩きに出たあと、左から張り手を出す貴景勝がはたき込みで、優勝決定戦進出!
大関への足固めという位置づけだった若隆景は8勝7敗で今場所を終えた。

髙安・阿炎・貴景勝の3人による優勝決定・ともえ戦は、28年ぶり。

くじ引きの結果、初戦は髙安‐阿炎。
阿炎が左へ変化一発で、髙安下す。
髙安の様子がおかしい。土俵にうつ伏せ、頭をつけたまま起き上がれない。
しばらく時間が流れ、呼出し2人掛かりでようやく立ち上がり、一礼して土俵を降りた。
負け残りで控えに残る。

土俵上は続けて勝った阿炎に、大関貴景勝の一番となった。
もろ手突きの阿炎が、足を滑らせたが、構わず一気に決めた。
貴景勝のけぞり、あてがうだけが精一杯。

阿炎、見事に初優勝を決めた!

優勝インタビューでは、師匠(元関脇・寺尾)への感謝の言葉を口にし、出場停止処分を受けたつらい時期がよぎったのか感極まる場面もあった。

一方で、花道を下がる時にこちらは悔し涙が頬を伝った髙安、今回も初優勝の夢、叶わなかった。

貴景勝も満身創痍の体にムチを打ち、背中には吸玉と呼ばれる治療のあとが10数か所もありながら、最後まで場所を盛り上げてくれた。

初優勝おめでとう! 阿炎!!

 

悲願の初優勝へ向けまた一歩前進、髙安・14日目

 九州場所も最終盤に差し掛かり、連日、火花を散らすような優勝争いが続いている。
今日も、それに絡む取組を中心にお伝えしたい。

2敗で単独トップの髙安、いよいよ見えてきた頂に向けて今日は輝との一番が組まれた。
かちあげから両者突き押し、輝、左に右にいなす。輝、逆襲の突っ張りに対し、髙安引きながら左に左に回り込み、はたき込んで髙安の勝ち。結果オーライだが、少し焦ったか。
千秋楽の髙安は阿炎。 悲願の初優勝なるか。

14日目の阿炎は豊昇龍と3敗同士の好取組。
豊昇龍左前回し、それを切る阿炎、もろ手で突いた直後の引き落としが決まり、豊昇龍バッタリ。豊昇龍3連敗で優勝争いから脱落。

3敗同士のもう一番、貴景勝‐王鵬
両者、頭で当たる。左からいなす貴景勝。押して押して貴景勝の勝ち!
貴景勝、10日目から5連勝で3敗守る。大関の意地見せる!
明日の千秋楽、若隆景戦。連敗で優勝の可能性が消えた王鵬は若隆景の兄・若元春と。

前大関・御嶽海は、大関陥落が決まった正代と結びの一番。
立ち合い、寄って一気に決めにかかる御嶽海。土俵際、のど輪かわして今度は正代が瞬く間に押し出し。 両者6勝8敗。

https://www.youtube.com/watch?v=_nDJWu5eWKs

今場所盛り上げる新三役・翔猿は、碧山と突っ張り合い、右差し左上手の碧山を思い切って下手投げでねじ伏せて、翔猿の勝ち。最後まで諦めない姿勢に好感が持てる。

14日目を終えた幕内
2敗 髙安
3敗 貴景勝・阿炎
髙安、明日の本割りで勝てば、念願の初優勝となる。

~これより十両~

3敗で優勝争いを引っ張る欧勝馬は、4敗で追いかける炎鵬と。
頭で当たる両者。互いの動きを牽制する。欧勝馬、呼び込む形で炎鵬をはたき込み。
欧勝馬明日は大奄美と、炎鵬は千代丸との対戦。

もう一人の3敗力士、北青鵬は4敗の大奄美との一番。
大奄美左の上手、引きつけてそのまま寄り切り大奄美の勝ち。
4敗に後退した北青鵬、千秋楽は荒篤山と。

4敗の剣翔は、西10枚目・浅香山部屋、魁勝との対決。
魁勝左上手、剣翔、体を振ってこれを切る。両者がっぷり、体を入れ替え剣翔寄り切り。
4敗守った剣翔、明日は新十両の狼雅。

天空海は、4勝9敗と元気のない徳勝龍戦。
立ち合い一瞬の変化ではたき込み、天空海勝ち。
天空海の千秋楽、豪ノ山戦。幕内優勝経験者・徳勝龍の千秋楽は北の若戦がそれぞれ組まれている。

14日目を終えた十両の土俵は、
3敗 欧勝馬
4敗 剣翔・天空海・北青鵬・大奄美
となった。
優勝の栄光は誰の手に、ついに明日、千秋楽を迎える。

最後に

今度こそ、髙安!!!



目まぐるしく変わる優勝争い!正代、大関陥落など・13日目

 横綱不在、2大関のうちの1大関がパッとしない。
佳境に入った九州場所も13日目。毎日が星の潰し合い、サバイバルである。

13日目のドラマをお伝えする。

まずは2敗でトップの一人、関脇豊昇龍は大関貴景勝との一番。
貴景勝、突っ張るいなす。
豊昇龍、右に叩く引くいなすところを貴景勝押し出し!
豊昇龍3敗!貴景勝は、大関の意地見せる!
勝った貴景勝、明日は王鵬。負けた豊昇龍、明日は阿炎と。

髙安‐王鵬の2敗同士の激突は
かちあげから突き押し、左下手に右上手引く髙安、引きつけた反動で上手投げ、髙安の勝ち! 髙安、意地と経験を見せた!
明日の14日目は、対戦相手・輝と発表されている髙安。

輝‐阿炎の3敗同士の対決。
もろ手突きからの回転のいい突っ張りで阿炎の勝ち。
輝、為す術なく4敗。
輝の明日は髙安と。波乱を起こせるか!

7敗と後がない「大関」正代、先場所優勝の玉鷲との一番。
のど輪のど輪の玉鷲、右にいなす正代、最後ものど輪で玉鷲が押し出して勝ち。
正代、13場所守った大関から陥落が決まった。
仮に来場所10勝以上上げれば、1場所で大関復帰となるが、果たしてどうなるか⁉

2桁勝利叶わなかった関脇若隆景、今日は4敗で奮闘中の錦富士。
両者、突いて出る立ち合い。右上手若隆景、そのまま寄り切り。
若隆景、7勝6敗。錦富士3連敗で8勝5敗。

13日目を終わった九州場所
2敗 髙安
3敗 貴景勝・豊昇龍・阿炎・玉鷲
と、髙安が単独トップに立った。

~これより十両~

3敗同士の激突となった剣翔‐欧勝馬
当たってすぐに叩いてしまった剣翔、欧勝馬に簡単に付け込まれてしまった。
突き出して欧勝馬。 明日は炎鵬。剣翔は魁勝と。

同じく3敗の天空海は、新十両・狼雅との一戦。
狼雅、左前回し掴む。迷うことなく一気に勝負を決めた。
狼雅、優勝候補相手に会心の相撲!
天空海の明日は、十両12枚目で4勝9敗と負け越してる、幕内優勝経験者・徳勝龍。

https://www.youtube.com/watch?v=81X7N7i0ZtM

8日目から5連勝と波に乗る北青鵬は、大翔鵬(追手風)との一番。
北青鵬、少し左に変わって左上手、最後までこの左上手がものをいい、寄り切って北青鵬。

十両の優勝争い
3敗 北青鵬・欧勝馬
4敗 剣翔・天空海・大奄美・炎鵬

元大関・朝乃山、九州場所最後の7番相撲。
今日は、西幕下10枚目の上戸(かみと)・立浪部屋と対戦。
朝乃山、右四つ左上手から寄り切り、万全の相撲!
令和四年九州場所の朝乃山、6勝1敗 勝ち越し5で今場所を終えた。

進め!朝乃山!!↓↓↓

幕内・十両ともに、優勝争い混沌の12日目

終盤戦に入っている九州場所。
今日も星の潰し合い・ドラマがあった。
幕内から振り返る。

1敗で単独トップの豊昇龍、3敗で追う同期(初土俵同じの)王鵬との対戦。
立ち合い、右差しからの一気の寄りで勝負を決めにかかる豊昇龍だが、冷静な王鵬は豊昇龍をはたき込み。動じる様子(勝って)浮かれてる様子が全く感じられない王鵬、見事に豊昇龍撃破!明日は髙安戦。負けて2敗に後退の豊昇龍は貴景勝との一番になっている。

2敗で追う元大関・髙安、今日は竜電戦。
竜電左の前まわし、それを切る髙安がすぐさま引き落とし。
髙安2敗守り、明日は王鵬戦。

貴景勝は3敗同士で錦富士との一騎打ち。
突き押しとぶちかましを連発して、中に入らせない貴景勝が押し出し。
錦富士連敗で4敗目。

阿炎は若隆景に対して、立ち合い右に飛び、右上手からの上手投げ。
これも相撲半分、拍子抜け半分の気持ちでしたかね。
(確率的に)一場所に一回あるかないかの阿炎の注文相撲が炸裂した。
阿炎の13日目は輝と。二桁勝利の望み消えた若隆景は錦富士との一番を控える。

ノーマークと言っては大変失礼だが、6日目から(不戦勝を含む)6連勝の輝、12日目を迎えた今日の対戦相手は、西前頭筆頭・琴ノ若。
輝、右差しからの一気の押し出しで9勝目。

正代は霧馬山に寄り切りで敗れ、いよいよ剣が峰に立たされる7敗。
御嶽海、佐田の海を一気に押し出して、負け越し回避の5勝目。
熱海富士、幕内は甘くないか9敗目。十両陥落か。

12日目が終わった幕内
2敗 豊昇龍・髙安・王鵬
3敗 貴景勝・阿炎・輝

~十両も幕内同様、今日の土俵にも潰し合いがあった~

ここまで2敗で優勝争いトップに立つ天空海、3敗で追いかける欧勝馬と対戦。
立ち合い、突き合いから天空海が大きな張り手をブンと振り回す。
かわす欧勝馬、天空海を中に入れさせない。
欧勝馬、いなして回しを取り、送り出して欧勝馬。
天空海、3敗に後退。明日は新十両の狼雅と。欧勝馬は剣翔と対戦。

https://www.youtube.com/watch?v=KFHzrYsyKYs

今日の北青鵬‐東白龍は、北青鵬が、3回あてがって最後押し出して決着をつけた。
恵まれた体格(リーチも長そう)を活かした押し相撲で勝ち3敗守る。

剣翔、豊山を押し出し3敗キープ。明日、欧勝馬との3敗対決。
炎鵬、豪ノ山にはたき込みで敗れ、4敗に後退。
新十両・狼雅は、左上手がっちりで魁勝を寄り切って、勝ち越しにリーチ。

12日目を終わった十両は
3敗 剣翔・天空海・欧勝馬
4敗 水戸龍・大奄美・炎鵬
となった。

朝乃山、今年最後の7番相撲が明日、13日目に組まれた。
対戦相手は、西幕下10枚目の上戸(かみと)・立浪部屋と発表された。
長崎県大村市出身の27歳。最高位は東幕下4枚目。
5勝1敗で迎える7番相撲。今年に入り、幕下15枚目以内に定着。
中京大学ラグビー部から相撲に転身した異色の力士が、朝乃山に挑む。

大鵬がよみがえる↓↓↓