豊昇龍、一歩リードも予断を許さない・11日目

11日目を迎えた九州場所も優勝争いに活況を呈してきた。
星の潰し合いあり、有利と思われてた力士が負けたりと、悲喜こもごもの幕内土俵から今日もお伝えする。

まずは、2敗同士の取組となった髙安‐錦富士戦。
かちあげから左四つの髙安、また突っ張る。腰を落としながら丁寧に押し出して、髙安が2敗守り、錦富士3敗へ。

1敗力士2人のうち1人の王鵬、今日は阿炎との一番。
阿炎ののど輪から胸の辺りへの突っ張りをまともに受けた王鵬は、受けるばかり下がるばかりで阿炎の快勝!王鵬、全てが後手後手だった。
王鵬、明日は豊昇龍と。阿炎は若隆景といずれも好取組が組まれている。

1敗で単独トップの豊昇龍、大関復帰の可能性が潰えた御嶽海戦。
豊昇龍、左上手がっちり、万全の寄り切り。
危なげなし、充実極まる!

かど番大関、いばらの道続く大関・正代、こちらは大関昇進への足固めをしたい若隆景との取組。
若隆景低く鋭い当たり、左差しからもろ差しとなった正代が体格差を生かし、30㎏重い圧力かけて寄り切り。正代も掴みどころがない力士だ。勝てると思った一番を落とし、分が悪いと感じた力士に突如勝ったりする。あすの正代、霧馬山と。

5勝5敗同士の翔猿‐翠富士。
小兵同士、激しく動き回る。右が入った翠富士のすくい投げ決まった。
翠富士6勝5敗、翔猿5勝6敗。
明日の対戦相手、翠富士は大栄翔、翔猿は若元春。

貴景勝、北勝富士を2度突き放した後のはたき込み決まり、勝ち越し。
先場所優勝の玉鷲、錦木に押し出しで敗れ、負け越し。
霧馬山が竜電を外掛け。1分31秒の長い相撲。
新入幕・熱海富士、元大関・栃ノ心にはたき込みで敗戦。残念にも負け越し。

幕内優勝争いは
1敗 豊昇龍
2敗 髙安・王鵬
3敗 貴景勝・錦富士・阿炎・輝
となっている。

~十両は2敗同士の激突があった~

その剣翔‐天空海戦。
天空海の叩き決まらず左四つから寄る、盛り返す剣翔、横に着いた天空海が押し出して勝ち。
単独トップに立った天空海、明日欧勝馬と。3敗の剣翔、明日豊山と発表になっている。

https://www.youtube.com/watch?v=QWc4Op783qk

今場所も100㎏を切る体重で土俵を沸かす炎鵬は、東の筆頭、東白龍との対決。
浅いもろ差しから前に出る炎鵬。右前まわしから出し投げの炎鵬、今度は東白龍の左おっつけを受け、もみ合いが続く中で両まわし引きつけた炎鵬が下手投げ。2分25秒。
炎鵬勝ち越し!3敗守る!肩で息をする死闘の両者。
明日の炎鵬、豪ノ山。

3連勝で勝ち越し、優勝戦線に加わってきた北青鵬は、武将山との一番。
立ち合いぶちかます武将山、北青鵬、早くも右上手を掴み土俵中央へ。20㎝近い身長差もあってか棒立ちぎみの北青鵬。その姿はまるで大人と子供。その右上手「だけ」で投げを打ち、最後寄り切り、北青鵬。「棒立ち」「懐おばけ」などネット上でも話題をさらってたようだ。
北青鵬、12日目は東白龍と対決する。

https://www.youtube.com/watch?v=3O4rG9C0JNk

もう一人の3敗力士、鳴戸部屋の部屋頭・欧勝馬、今日は大翔鵬との11日目。
大翔鵬左上手。右差しを左おっつけ欧勝馬、頭を付けて1枚回しだった右下手をしっかり引き、寄り切り欧勝馬。
明日の対戦相手は優勝争い単独トップの天空海。

11日目に異変あり。
2敗 天空海
3敗 剣翔・北青鵬・炎鵬・欧勝馬
と、4人が追う展開になっている。

定番土産をどうぞ↓↓↓



朝乃山、6番相撲で不覚の1敗

 5戦全勝同士で迎えたモンゴル出身の玉正鳳戦。
元大関として、幕下全勝優勝をして十両に返り咲きたいところだ。

玉正鳳のもろ手突きにも、朝乃山、委細構わず前に出る。
玉正鳳、右に回りながら朝乃山をはたき込んだ。
玉正鳳は残す足・体勢に余裕があった。

朝乃山はあと一歩の出足・厳しさに欠け、無念の一敗。

ここは取りこぼしたくなかったが、次の7番相撲で確実に勝利を手中に収め、必ずや十両復帰を果たしたい。

突然の引退・・・、千代大龍。

 今場所西前頭12枚目に番付される千代大龍(九重部屋)が、20日、引退を発表した。
最後の土俵となった碧山戦で「一発で持っていかれた」のが、決め手になったようだが、以前から抱えている糖尿病の不安もあったそうだ。

先場所後にも引退の申し出があったようだが、ここでは撤回し九州場所に臨んだが、碧山戦での敗戦で決意を固めた。

千代大龍 秀政(ちよたいりゅう ひでまさ)  34歳
本名 明月院 秀政
アマ5冠の経歴から鳴り物入りで九重部屋に入門。
最高位は西小結。 
生涯戦歴は463勝483敗50休
あだ名は「下町ブルドーザー」
好きな言葉は「温故知新」

ユニークな言動とキャラクターで愛された力士の引退は、非常に残念ではあるが、力士としての限界、体のこと、家族のこと、総合的に判断したゆえの結論だろう。

今後は相撲界を去り、焼肉店開業を目指しているという。

第2の人生の成功を祈りたい。

豊昇龍と王鵬が場所を盛り上げる!御嶽海、大関復帰ならず・10日目

10日目を迎えた九州場所。
今日も1敗力士の結果や、それを追う2敗力士の動きなど、十両の結果と合わせてお伝えする。

まずは1敗の豊昇龍、結びの一番で、かど番大関正代戦。
左差しから一気に出る豊昇龍。土俵際、正代の足と、豊昇龍の体が落ちるの見分けが微妙だったが、軍配通り豊昇龍。明日は関脇・御嶽海と。

昨日、2敗目を喫した髙安は、今場所を盛り上げている一人、翔猿との一番。
かちあげから突き放す髙安のはたき込みが決まり、髙安の勝ち。インタビューでも浮かれてる様子が感じられなかった。

もう一人の1敗、王鵬は碧山戦。
左四つから巻き替えた王鵬がもろ差し、そのまま寄り切って王鵬。
今日も落ち着きある取り口だった。明日は阿炎との一戦。

新入幕から2場所連続10勝を上げ、自己最高位で迎えた今場所、昨日まで7勝を上げ優勝戦線に躍り出てきた錦富士。今日の対戦相手は逸ノ城。
張り差しの錦富士が、212㎏の巨漢を一気に押し出し。10日目での勝ち越し決める!
インタビューでの充実した表情からは、日々の偽りない稽古量を感じさせ、また、伊勢ヶ濱・安治川両親方に対する感謝の言葉にも好感が持てた。明日は髙安と2敗同士の激突だ。

今日負けたら、大関復帰断たれる御嶽海は、伊勢ヶ濱新世代の一人、翠富士戦を迎えた。
御嶽海突き放し、翠富士の動きにさせない。堪えた翠富士がもろ差し。長い探り合いが続き、翠富士回しから手を放して寄り切り。1分28秒の長い相撲を制した。

若隆景は佐田の海を速攻押し出して6勝目。
阿炎、竜電を左のど輪で攻め立てるも右からのいなしで形勢逆転、竜電の送り出し。
熱海富士‐遠藤は、遠藤のもろ差しからの攻めに耐え切れず、熱海富士引いたところを遠藤の寄り切り。熱海富士は7敗。

10日目が終わった幕内。
1敗 豊昇龍・王鵬
2敗 髙安・錦富士
となっている。

10日目の十両、動きあり。

ここまで1敗の天空海、右四つから寄って出るも、土俵際で水戸龍の振り回しぎみの小手投げ決まり、天空海2敗に後退。

https://www.youtube.com/watch?v=_nrfrhZHpwQ

2敗で追う剣翔は美ノ海をしっかりと押し出し、また天空海と並んだ。

2日連続、十両最初の取組で戦う炎鵬は、右おっつけに続いての下手ひねりを鮮やかに決め、3敗守る。

十両は1敗の天空海が負けたことにより、
2敗 剣翔・天空海
3敗 北青鵬・炎鵬・欧勝馬
となっている。

朝乃山の6番相撲が決まりました。
対戦相手は、東幕下23枚目の玉正鳳 たましょうほう(片男波部屋)
5戦全勝同士の対決。
モンゴル・ウランバートル市出身の29歳。
相撲経験なし、3度の部屋移籍から這い上がってきた、叩き上げの苦労人である。



波乱というより、お粗末か。2大関・2関脇敗れる・9日目

 タイトルの通りである。言葉が見当たらない。また1敗力士2人が敗れ、ますます混迷が極まってきた。

関脇豊昇龍、前頭4枚目佐田の海に立ち合い右に変わって、あっという間の上手投げで1敗守る。

髙安‐明生は、今日もかちあげる髙安、右にいなす明生、差し手争いの中、明生が右を巻き替え寄り切り。髙安2敗。土俵下に落ち、そのあと足を気にしてる様子の髙安。痛みや異変があったのか。

阿炎‐錦富士の好取組。
阿炎がいつも通り立ち合いの突っ張りで、錦富士後退も右にいなし突き落としで錦富士が勝つ。阿炎も錦富士も2敗で並んだ。

若隆景は翠富士を迎えての9日目。
立ち合い当たったあと、翠富士すぐに巻き替えてもろ差しに。
そのまま寄っていく翠富士、若隆景がやや強引に投げを打つところを肩透かしで翠富士の勝ち。スピード溢れるいい相撲!

昨日、初日が出てここから巻き返しを図りたい宇良は先場所優勝の玉鷲との一番。
宇良が潜って足を取ろうとするも、玉鷲、突き放す。
玉鷲、両手でこねくり回すかのようにもろ手とのど輪で顔面を押したまま、宇良を土俵に叩きつける感じで玉鷲2勝目。決まり手は合掌ひねりと発表された。
※合掌ひねりとは・・・相手の首の背側で両手を組んで左右どちらかに捻り倒すこと。 とあった。   大相撲力士名鑑より
幕内では57年ぶりとなる豪快な決まり手を玉鷲が見せてくれた。

https://www.youtube.com/watch?v=CrEtKU6FqQg

王鵬、前に出てきた阿武咲を送り出し、豊昇龍と共に1敗守る。
今日の熱海富士、琴恵光相手に左上手を取り、有利になるも浴びせ倒され3勝6敗。
両大関と元大関が敗れた。言葉が見当たらない。

幕内9日目を終えて、
1敗 豊昇龍と王鵬
2敗 髙安・錦富士・阿炎
と変わった。

9日目の十両

1敗で優勝争い単独トップの天空海は、藤島部屋の部屋頭・武将山と対戦した。
立ち合いで左差しの天空海が、そのまますくい投げて天空海8勝1敗。

2敗で追う剣翔、今日はカザフスタン出身、木瀬部屋・金峰山との一番。
左おっつけ、金峰山。おっつけられた右差しを外し(切って)、剣翔押し出し。

十両最初の取組に出場の炎鵬は、新十両・狼雅との一戦。
低い体勢の炎鵬、狼雅に対して体をあずけるように押し出し。
狼雅はいいところがなかった。

もう一人の新十両對馬洋、今日の対戦相手は三重県出身の志摩ノ海。
左に変わって上手の對馬洋が押し出して、白星先行の5勝目上げる。

9日目を終わった十両
1敗 天空海
2敗 剣翔
3敗 北青鵬・欧勝馬・炎鵬

朝乃山の5番相撲は、悲願の十両昇進を賭ける西幕下筆頭の湘南乃海。
右四つから朝乃山左上手を取る。引きつけて朝乃山の寄り切り。
盤石の相撲で5連勝を飾った。