「丸」系力士の現役関取と関取経験者

 力士の四股名にもいろんな種類・系統がある。
ごく一般的な「海」「山」「花」「川」「富士」「錦」や
動物名をつけたり、部屋に由緒ある文字を名乗ったりというパターンが多い。

今日は「丸」の字の四股名を追跡してみた。
推し力士の「栃丸」がいるからである。
四股名の上部分だけ「丸」の字がつく力士は、序ノ口まで見渡してみると19人を数えた。
このうちの現役関取と関取経験者にスポットを当てました。
該当した3力士の名古屋場所の成績は・・・四股名の由来、どういう意味や願いが込められているかも含めて。

千代丸 一樹(ちよまる かずき)九重部屋 東十両11枚目・8勝7敗 

バラエティ番組に多く出演歴のある人気力士。
突き押しを武器に、東前頭5枚目で最高位を上げた。ここ数年は幕内と十両の往復が傾向として見られる。三賞受賞と金星獲得はここまでなし。
四股名の由来は、三段目昇進時に本名の木下から千代丸に変える時に、親は「千代大志」という四股名を提案したが、現在の師匠・千代大海がまだ現役であり「”大”の字を使うのは顔じゃない」と思ったのと、13代九重(元・千代の富士)から「よし、丸いから”千代丸だ”!」とあっさり言われ、あっ気なく決まったとか。

栃丸 正典(とちまる まさのり)春日野部屋 西幕下25枚目・3勝4敗

ガチの突き押しスタイルは貴景勝・大栄翔・豪ノ山を彷彿とさせる。
今場所は2日目に初登場・初白星、相手は夢道鵬(大嶽・貴闘力の四男)しかしそのあと4連敗。最後に意地を見せて2連勝。またわずかに番付を下降させることになった。
十両から陥落して5場所を数える。来月26日で31歳。
最高位・西十両11枚目。奮起を促したい。
四股名の由来は栃丸の丸い体型を見て師匠(元関脇・栃乃和歌)が命名したもの

大翔丸 翔伍(だいしょうまる しょうご)追手風部屋 西幕下18枚目・2勝5敗

アマチュア横綱から鳴り物入りでプロ入り(幕下15枚目格付出)
この初土俵時の肩書をもってすると新十両までは多少時間がかかったか(所要8場所)こちらも突き押しメインに、一時は東前頭5枚目まで登り詰めた。
去年7月場所からの幕下陥落後は苦労が続いているようである。
十両昇進時に「大翔丸」と改名。この四股名には「何かが欠けたら丸にならない。自分の相撲を完全に取り切ってほしい」という願いが込められている。

この3人の共通点。あんこ型で体重160キロ以上あって、突き押し相撲、愛嬌がある。
でも「丸」力士全体を見渡せば、120キロ台の力士もいるし、全員が突き押し力士かと言ったらそうでもないみたいで。何を基準に「丸」を付けているのか??
今日は「丸」系力士を取り上げてみました。

やっぱりこの表情が最高です↓↓↓

新入幕を、なめんなよ

このぐらいの気合と根性がなきゃぁ。

今場所の新入幕の一人、豪ノ山(武隈)
きっぷのいい突き押し相撲を貫き、襲い、戦い抜く。

この動画は2日目の千代翔馬戦。
千代翔馬と言えば、四つでも押し相撲でもいけるし、投げ技もある。そして印象として個人的にあるのが、時折見せる張り手である。少し度が過ぎるというか、頼りすぎというか。
立ち合い、豪ノ山の接近を防ぐかのような右のど輪で制しておいて、続けざまに右の張り手。
豪ノ山も負けじと右の張り手を1発・2発と返す。3発目の張り手がいなすような感じのはたき込みとなり、勝ったのは豪ノ山。

この星を含めて5連勝のスタートを切った豪ノ山は、6日目・7日目で新入幕の伯桜鵬・湘南乃海と連敗をしたが、挫けることなく持ち直し、最終成績10勝5敗で敢闘賞受賞と素晴らしい星を挙げた。

一貫した押し相撲スタイルに対戦相手を制圧するかのような気合、それらを25歳の若さが後押しする。

~新入幕3人を総括~

令和の怪物・伯桜鵬(宮城野)もただ者ではなかった。千秋楽の優勝の絡んだ豊昇龍戦、最後の仕切りで19歳は、大関候補に怯むことなく睨みあってみせた。

湘南乃海(高田川)にしても三役や優勝争いに絡んでる力士に対し、臆することなくスケールの大きい相撲を見せる。

奇しくも今場所新入幕の3人は、全員2ケタ勝利を記録し、伯桜鵬は11勝で敢闘賞と技能賞、豪ノ山と湘南乃海は10勝で敢闘賞を受賞。

私はこの3人が、今場所の3関脇のようにそう遠くない未来、同様の活躍・(幕内土俵を)席巻してくれるのではと計り知れない期待を抱いている、いけるんじゃないかと。

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おにぎり君を忘れるな!

 「おにぎり君」こと隆の勝の名古屋場所は東前頭9枚目で8勝7敗に終わった。
見るからに人の良さが伝わってくる笑顔・(語弊があるが)愛くるしいとでもいうか。
振り返ってみると、1年前の名古屋場所で右肩を負傷して以来、大勝ちや大負け(2ケタを超える勝ち負け)を記録してない。前頭8枚目以下の「幕内中位」に在位してきた。

せっかくのキャラクターも、今場所前では大関獲りのかかる3関脇や新入幕の3人に話題や焦点が当たりがちで、かすむような存在になったことは否めない。

場所が始まると、いきなりの5連敗でスタート。そのうちの3番が(はたき込みと引き落とし)で落としており、踏み込みや詰めが足りなかった惜しい相撲もある。
その後は本来の押し相撲を思い出したかのように6連勝を挙げた。
楽日に関脇・大栄翔を引き落としに破り、8勝7敗で面目躍如。

来場所は5枚目辺りに上がってくるのか。
28歳。まだまだもっといけるはず。
上位陣をギャフンと言わせて、満面の笑みを見せてくれ!
頑張れ!隆の勝!!

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東大卒力士の名古屋場所

須山 穂嵩(すやま ほたか・木瀬)

去年5月、史上初の東大相撲部出身力士として大きな話題となった。
その須山の力士生活8場所目(7月・名古屋場所)は、西序二段18枚目で5勝2敗と勝ち越
し。先場所、初の三段目(73枚目)で2勝5敗と負け越し、序二段降格(やり直し)となっ
た場所だった。髷が板についてきて、少しずつ力士っぽくなってきた。来場所は三段目復帰が
確実視されている。何事も繰り返し積み重ねていくことが、のちに結果と自信という形になっ
て自分に返ってくるのか。須山は須山らしく、須山のペースで「関取」という険しい山に歩を
進めていく。

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気魄一閃の新大関と将来有望な新十両と再十両

 新大関豊昇龍(24=立浪)が正式に誕生した。
名古屋市内の立浪部屋で行われた昇進伝達式で豊昇龍は「大関の名を汚さぬよう、気魄一閃(きはくいっせん)の精神で努力いたします」と口上を述べた。緊張で覚えていた言葉が出てこない場面もあったが「気魄一閃」の四字熟語を用いて熱い思いを込めた。
※気魄一閃とは・・・どんなことがあっても力強く立ち向かうという気持ちだそうです。

横綱・照ノ富士が慢性的な膝の爆弾を抱え(今場所は腰の痛みで途中休場したが)誰の目から見ても(失礼だが)現役生活は長く望めそうもない。
先輩大関・貴景勝も以前から膝や首に痛みを抱え、大関の地位を維持するのがやっとという状況が続いている。

新大関は、持病やケガによる休場はここまでない(急性扁桃炎による途中休場が2日ある)上に24歳のかけがいのない若さがある。偉大なる叔父(朝青龍)に近づけるべき大きな期待をかけたい。突き押し・四つ相撲ござれの万能型。足技を駆使する時もあれば、自分よりも大柄な力士を豪快に投げ飛ばしてみせる時もある(今場所・朝乃山戦など)

土俵上の厳しくもやんちゃな表情をしたかと思えば、土俵を降りれば(外では)人懐っこそうな笑顔を浮かべる。どこまでも似てるんだよなぁ、おじさんと。

これからの来場所の活躍を期待しております。

~新十両・再十両組~

また、番付編成会議で
新十両に大の里と高橋(共に二所ノ関)向中野改め天照鵬(てんしょうほう・宮城野)と石崎改め朝紅龍(あさこうりゅう・高砂)と発表された。
大の里と高橋は二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)が育てた初めての関取。
天照鵬と朝紅龍はそれぞれ部屋のカラーの
「鵬」の字・・・宮城野部屋 (師匠・白鵬)
「朝」の字・・・高砂部屋  (師匠・朝赤龍)
から、一文字継承することになった。
アマチュア経験・実績のある新十両4人です!
※宮城野部屋は伯桜鵬と輝鵬が誕生したばかり。覚えるのが大変だ!

再十両は幕下優勝を決めた時疾風(時津風)がわずか1場所で十両復帰を決めた。

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