今夜も豪ノ山と伯桜鵬、波乱の一番と 名古屋場所2日目

 新入幕トリオ、番付順に(豪ノ山・湘南乃海・伯桜鵬)が2連勝で決めた。中でも、豪ノ山と伯桜鵬の2人は内容も伴っていて、素晴らしい相撲を見せてくれている。
今日は闘志むき出しの豪ノ山の相撲から。

千代翔馬-豪ノ山

千代翔馬が立ち合いに右のど輪で豪ノ山の出足を封じながらの強烈な右の張り手。すかさず豪ノ山も張り返し張り手の応酬へ。千代翔馬の右上手を豪ノ山はぶちかましの圧力で切った直後のはたき込みで決めた。

気合と気迫満点。今日も気っ風のいい突き押しが炸裂した。明日以降も楽しみである。

輝-伯桜鵬

昨日の碧山戦を見事に完勝してみせた伯桜鵬。
今日の対戦相手・輝に対してはどんな相撲を見せてくれるのか。
伯桜鵬やや低い当たりから差し手争い、左差しから出し投げで崩し、左おっつけ頭をつけながら寄り切った。

19歳とは思えない落ち着き、相撲に対する知力が抜きん出ている。
先場所から施している肩のテーピングって何なんだろうって穿った見方もなくもないが、末恐ろしい大器の19歳である。

~結びで波乱が~

先場所の幕内を支配した横綱・照ノ富士。
初日の昨日、小結・阿炎を危なげなく退けたあとの2日目。
今日は昨日の不戦勝を含めて先場所から9連勝中の東の筆頭・錦木。
立ち合いで浅いもろ差しとなる錦木。そのまま左をねじ込んで完全に両差しとなるが、照ノ富士はこのもろ差しに対して極めにかかる必殺の必勝パターン。じわじわと寄って出たが、錦木はその力を利用するかのように左から豪快にすくい投げで決めてみせた。横綱がゴロンと一回転。錦木が見事に殊勲の星を上げた。

何かを会得したのか錦木。
舞の海も錦木は怖い、侮れない的な事を言っていた。今後も要注目である。

~注目の3関脇の中から~

3関脇ともにいい相撲で白星を挙げた今日はその中でも、若元春の一番(翔猿戦)
張り差しなのか猫だましにも見えなくもない翔猿の立ち合い。
若元春は悠然と受けた。左おっつけから押す。右上手をがっちり取り、しっかり引きつけ万事休す。若元春が寄り切った。

「しっかり自分の相撲を取りきる」「がむしゃら」「全力」などの言動からまずは目の前の一番、与えられた取組から白星を積み重ねていく考えのようだ。
若元春、付け入る隙を与えず2つ目の白星を挙げた。

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「気合」と「意欲」の圧勝劇3番・名古屋場所初日

 名古屋場所初日を迎えた。
場所前から休場が決まっていたのは、午前11時台に当ブログに投稿した面々。
直後10~15分経ったあとだろうか、新大関・霧島の休場の一報が入ってきた。
衝撃度としては、腰が抜けるほどだった。いや、ホントに。
陸奥親方(先代・霧島)によれば、「1年ぐらい前から痛みがあったらしく、あばらとの間。痛み止めの注射を打てないところらしい。7日の夜に急に痛くなって寝られなかった」と説明した。
霧島本人は途中出場の意向を強く示しているそうだが、その思いが実るかどうかはわからない。

長い前置きになった。
となると、成績次第では大関昇進が成就する3関脇や天下の横綱・照ノ富士が2連覇成るかなどが大きな論点になるだろうが、初日の今日は筆者目線で見渡してきて「気合」と「意欲」が強く伝わってきた厳選3番をお伝えしようと思う。

①碧山・伯桜鵬戦

プロ入りわずか4場所目、今場所から本名の落合改め伯桜鵬の新入幕初日。
今場所も左肩周辺には痛々しいテーピングが幅広く施されている。
立ち合い低く当たった伯桜鵬は碧山の頭頚部付近への突っ張りを執拗に浴びるが、じっとこらえながら、腰を落とし反撃の機を窺う。伯桜鵬寄りながら左を差し、寄り切った。

伯桜鵬の闘志みなぎる素晴らしい一番だった。
数々のアマチュアタイトルを制するも、まだ19歳。本人も今場所12勝を目標と公言していたから、今後の可能性は天井知らずか。

②豪ノ山・琴勝峰戦

先場所十両優勝、文句なしで迎えた新入幕・豪ノ山の初日。
対戦相手は先場所途中休場、膝の具合はよくなったか。6月には婚約を発表した琴勝峰。
低い立ち合いの豪ノ山。左にいなしたあと積極的な突き押しを見せ、琴勝峰が後退。
そのまま腰を落とした姿勢で手堅く押し出した。

場所前に「どんどん出る押し相撲でいきたい」と力強い抱負を語った通り、新入幕で迎えた今場所も何かをやってくれるのではと思わせてくれた今日の相撲だった。

③正代・大栄翔戦

大関候補3人の一角、大栄翔は、元大関の正代との初日で大事な場所の船出となる。
立ち合いから激しい突っ張りの大栄翔、距離を潰し四つ相撲に持ち込もうとする正代を更に突き放す。腕がよく伸び確実に正代を後退させ押し出して大栄翔。

場所前の会見で大栄翔は「意識してやらないと上がれない地位。気持ちを強く持って自分の力を100%出せるようにしたい」と語り更に「(負けた相撲の)ほとんどが土俵際での逆転負け。今はそこを修正できるようになってきた」と前向きに語った。

他にも、同じく大関候補の若元春がスピード溢れる素晴らしい相撲で御嶽海に圧勝。

横綱・照ノ富士の初日も、小結に返り咲いた阿炎にほぼ何もさせずに完勝。上々の滑り出しを見せた。




初日から休場の主な面々

東大関
貴景勝(常盤山部屋)
・やはり、出場に値する膝の状態ではなかったんですね。先場所もギリギリの様子だったのは、画面越しに伝わってきましたから。ゆっくりと療養に時間をあててほしいです。
西前頭12枚目
若隆景(荒汐部屋)
・当時発表された病名と全治までの期間からまだまだ時間を要するものだと思います。寂しいですが。
東十両6枚目
藤青雲(藤島部屋)
・この知らせにはびっくりしました。先場所、新十両として活躍。今場所も期待していたのですが、6月16日に負傷したとのことで稽古中に痛めたのでしょうか。

~幕下以下でも~

西幕下筆頭
炎鵬(宮城野部屋)
・先場所途中から、テーピングを施してかなり痛々しかったです。首の痛みですからね。(きつい言い方になりますが)同部屋で同じように小兵だった石浦のように相撲人生を断たれることのないように祈るばかりです。
西幕下5枚目
千代の国(九重部屋)
・本当にケガの多い力士ですね。ヒザを痛めてるとのこと。できる限り治して、また不屈の闘志で這い上がってほしいです。

~番外編~

NHK解説者北の富士勝昭さん
・今場所も解説をお休みするそうです。3場所連続になりますか。
「プライバシーに関することなので、お答えしかねます」とのNHK側の答えとか。
残念です、寂しい限りです。

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掴み取れ、関取の座! 木竜皇

 今場所西幕下2枚目・木竜皇 博一(きりゅうこう ひろかず・立浪)

父は元幕内・時津海。先代(16代)時津風である。
弟は同じ立浪部屋所属の春雷(西三段目37枚目)

先場所、西26枚目で幕下優勝を果たした木竜皇が関取へリーチとも言えるこの番付(西幕下2枚目)まで登り詰めてきた。これまでのヒストリーを振り返る。

2002年10月31日、東京都墨田区生まれ。
両国小学校1年から相撲を始め、2年と4年時に白鵬杯で優勝、5年時にわんぱく相撲全国大会2位の実績を残した。
中学(千葉県柏市立柏第二中)3年時にも全国大会で団体優勝を経験。
高校は相撲の名門・青森県立三本木農業高校へと進み、相撲部主将を務める。

~時津風部屋入門予定が~

高校卒業後は父が師匠の時津風部屋に入門する予定が、皮肉にも父の時津海こと当時の時津風親方の不祥事が原因で木竜皇が高校を卒業する直前に父・時津風が相撲協会を退職。
この事態を受けて時津風部屋に入門するか再考した結果、立浪部屋に入門先を変更した。
2021年5月場所で初土俵を3歳年下の弟・正真(四股名:春雷)とともに立浪部屋に入門。兄弟で入門同期ということになる。

        弟・春雷

出世は早かった。
幕下中位まで7場所連続勝ち越し、そのあと2回負け越しを記録するも、先場所の幕下優勝で再び躍進。関取昇進へ向けて大勝負となる場所となった。

木竜皇 博一 入門時にはその時の流れで運命に弄ばれたが、立浪部屋で関取到達まであと一歩というところまで上がってきた。
先場所幕下優勝時の人柄の良さが伝わってきたインタビューは目と耳に焼き付いて離れない。

明日(初日)に十両経験者・栃武蔵(春日野)との一番が組まれている。
サバイバルの始まりだ。

一気に決めようぜ、木竜皇!!



ダークホースと言わせない

 錦木と明生。

この両雄、今場所の番付が

錦木・・・東前頭筆頭
明生・・・西前頭三枚目 である。

錦木は今年に入り幕内上位に定着。
先場所は8日目から怒涛の8連勝を記録した。
対戦者も8日目から順に(若元春・貴景勝・御嶽海・北勝富士・琴ノ若・正代・阿炎・阿武咲)と実力派・大物を立て続けに連破。9勝6敗とし、自己最高位の東筆頭に躍り出た。

明生は元々2021年7月場所から4場所連続三役を務めた実力者。
その後、腰痛やコロナ感染、今年に入ってからは2場所連続5勝10敗と番付を落としたが、迎えた夏場所は、初日から7連勝と破竹の勢いに乗る。中日に初黒星を喫したが、9日目に横綱・照ノ富士を破る初金星を上げた。最後は尻すぼみになるも、8勝7敗で初の殊勲賞に輝く。

今場所の幕内、話題の焦点は、3関脇の行方(大関獲り)につながる成績を上げられるか、(新大関)霧島や朝乃山の活躍、金峰山や北青鵬、新入幕の豪ノ山と伯桜鵬といった新世代組の台頭なるかが大半を占めるか。

いや、中卒で角界入り。荒波に揉まれることを決意して入門したこの2人が、話題の新鋭たちに容易に世間の追い風と肩書きを明け渡すことなく、逆に壁となって相撲道を教え、障壁となり立ちはだかってほしい。見せつけてやれ、地力と底力を!