十両の土俵を盛り上げる突貫小僧

 十両の優勝争い、尊富士と千代翔馬に隠れる形と言ったら失礼だが、ここまで全勝を守っている3人目は嘉陽(中村・東十両14枚目)である。

先場所新十両として登場。
千秋楽に負け越してしまい(巡り合わせで)ひょっとしたら幕下陥落も無くもないかなとも思ったが、この地位に残留してホッとした。

取り口はシンプルな突き押し。
明白・明快でわかりやすい。昭和の名力士、富士櫻のような突貫小僧と言ったら言い過ぎか。

ここまで前半戦5番を動画で確認してみた。
総じて言えることは、前によく出られている=足がよく動き、圧力を与えられている。

初日と5日目は、相手の変化やいなし・引きに惑わされることなく、着実に白星を掴み取っている(昨日はお家芸の「押し出し」で決めた)
2日目と3日目は、相手の隙(脇の甘さ)を見抜いたのか、立ち合いから一気の電車道で決めた。
3日目・木竜皇戦↓↓↓

先場所(7月)から中村部屋へ転籍(師匠は元・嘉風)
相撲のしきたりに抗うかのように新たな指導法で話題をよんでいるが、組み合った状態から相撲を始める申し合いを積み重ねた効果か(前述の2日目・3日目の一気の寄りは)相撲の幅を広げつつあると見ていいのか。

アマチュア上がりのエリートも少しずつ開花か。
今後も楽しみな存在である。

大青山にご用心

 十両は幕内優勝経験者を筆頭に3人がここまで引っ張っているが、新十両の一人、大青山(荒汐・東12枚目)も頑張っている(ここまで3勝1敗)

初日に尊富士と組まれ「関取の洗礼」を受けるかの如く完敗を喫したが、2日目・碧山(元関脇)、3日目・友風(元前頭3枚目)と力強い押し相撲で堂々と渡り合い白星獲得。
昨日の4日目・欧勝海とは四つ相撲の末(もろ差しになっていたが)豪快に目を見張るようなうっちゃりを見せた。

真面目で稽古熱心な力士と聞く。(ファンサービスも素晴らしいそうです)
中国内モンゴル自治区出身で、師匠の元・蒼国来と縁があり、それがきっかけで日本に相撲留学を果たし、荒汐部屋入門⇒現在へとつながっている。

「優しくて力強い力士になりたい」
NHK新十両紹介の中でこう殊勝に話したという。

3勝1敗の好発進、千秋楽までどれだけ白星を増やせるか。
今日5日目は藤青雲(藤島)との一戦を控える。

24歳・中国出身のこの若者は、今場所の風雲児となれるのか。

3日目・友風戦↓↓↓

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大の里・正代・尊富士の3連勝

 貴景勝の休場が発表された。
寂しい、残念である。「首の状態が良くないので休場させてください」と申し出があったそうで、やはり慢性的な首の痛みが原因であろう。大関復帰叶わず。
これはもう進退問題に発展するのか、あるいは現役続行するのか。
千秋楽あたりに今後の事が発表されるだろう(数日以内かもしれない)

大の里が3連勝を決めた。
王鵬が大の里の威力・圧力に早々と白旗を上げたのか、引いてしまい墓穴掘る。大の里が容易に3勝目を上げた。4日目は大栄翔。

正代も3連勝(元大関)
腰を落とし気味に圧力を与え、湘南乃海の逃げ場を封じるかのように押し出し。
人気力士が勝てば国技館が沸く。4日目は若元春戦。ベテランの矜持を見せつけてほしいものだ。

十両・尊富士も藤青雲に無難に勝利。
のど輪で起こし、攻めを緩めることなく押し出し。

結びの琴櫻ー翔猿戦は、何とも後味の悪い結末。
繰り返し動画を見ましたが、琴櫻の手が早く土俵についているように見えましたよ。

貴景勝、つらいです・・・。 2024秋場所2日目

 大関復帰がかかる貴景勝は王鵬との対戦。
何とか初白星を上げたいところだが・・・。
頭から立ち合い当たっているものの、相手を怯ませることはできていない。
いなすのが精一杯。そうこうしているうちに王鵬が左四つ右上手になり万事休す。敗戦のリミット5敗のうちの2敗を2日目で喫してしまった。明るい未来が感じられない。
明日は若元春。対戦成績を調べれば5勝5敗とあったが、ここのところ3連敗中である。

大の里は翔猿と。
昨日の不安定さが全くなく、翔猿の動きをよく見て危なげなく突き出した。明日は王鵬。

隆の勝、連日の大関戦で今日は琴櫻。
琴櫻の作戦的中、立ち合いスパッともろ差しに成功。隆の勝にバンザイさせる形になり寄り切り2連勝で圧勝。明日は翔猿戦、隆の勝の明日は霧島。

西十両11枚目・尊富士は時津海2世、新十両・木竜皇戦。
左上手がっちり引き付け危なげなく寄り切った。いい滑り出しである。

明日の3日目、個人的には貴景勝(若元春戦)と尊富士(藤青雲戦)が楽しみですかね。

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隆の勝、今場所も輝けるか!? 2024秋場所初日

 今場所もよろしくお願いします。

先場所準優勝(優勝次点)の余勢を駆って、覚醒・進化した姿を見せ続けられることができるか、隆の勝。東前頭筆頭に番付された今場所初日の対戦相手は大関・豊昇龍。
豊昇龍が張り差しに出たが、全く威力・効果がなく隆の勝の攻勢を許す形になり、そのまま一気に押し出し。
豊昇龍は大関として相応しくない一番。隆の勝は今場所も活躍を継続できるか期待したくなる存在に感じた(まだ一番だけだが)

先々場所の覇者・大の里
熱海富士相手に大苦戦。立ち合いすぐの左上手で熱海富士が主導権を握る。大の里も不利な体勢から熱海富士を起こしつつ前へ。熱海、左から上手投げで崩しながら寄って出た。土俵際の攻防で大の里のはたき込みが決まった。物言いつくも軍配通り。
上体の柔軟性・すんでの勝負勘で拾った勝ち星か。白星発進で結果オーライ、内容は全くもって褒められたものではない初日の大の里であった。

尊富士は西十両11枚目に番付されて今場所を迎えた。
新十両・スピード出世の大青山相手に、頭からの立ち合い、左からの厳しい攻めで寄り切り。
新十両を封じた、何もさせなかった。
どこまで足の状態が良くなっているのでしょうか。着実に回復してるのだったら、期待大ですね。

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