混沌とする幕内優勝争いと北磻磨復活 秋場所13日目

 今日の大一番は結び前の熱海富士・貴景勝戦。
いつからか熱海富士は、軍配が返る前に右足左足交互に土俵を慣らすルーティンになった。
1回目の立ち合いは、貴景勝がその間合いを逸らす・焦らす感じで熱海富士を誘い出すかのように立ち合い不成立。立ち合い当たって突いて大関を後退させたが、貴景勝左からいなしたあとの右差しから体を預けて寄り切り!

これで2敗がいなくなり、3敗でこの2人が並んだ。
逃げずに堂々と21歳は向かっていった。大関は堂々と受けて立った。2人を分けた差は何だろう。くぐってきた修羅場の数か、貴景勝の貫禄勝ちだった。
明日の貴景勝は豊昇龍、熱海富士は阿炎。

伝わる気迫・気っ風のいい相撲はこの一番前にもあった。大栄翔・豪ノ山戦。
格上の関脇が新鋭に対して、回転よく効果的に突き放していく。歯を食いしばって豪ノ山は突き返す。容赦ない右の張り手を見せたが、大栄翔めげずに押し返し、最後ははたき込んで決めた。大栄翔、7日目から7連勝。はっきりと調子が上向いている。明日は霧島戦。この男が今場所の最後、ひょっとしたら優勝戦線を揺るがす存在なのかもしれない。

錦木・正代戦は、正代が右の下手から左を巻き替えてそのまま一気に勝負を決めた。
重い腰もなんのその。元大関が地力と底力を出して錦木を一蹴した。
先場所の大活躍(10勝)から、今場所33歳での新三役。場所前の注目度・話題を大いにさらっていたが、残念にも5勝8敗で負け越しが決まった。一方、6勝7敗とした正代、明日は朝乃山との元大関対決だ。興味深い好取組で目が離せない。

~十両優勝争いと各段優勝~

十両の優勝争いに目を移せば、1敗でトップをいく一山本、2敗で追う大の里ともに危なげなく完勝。明日の一山本は大の里に土をつけている北の若。大の里は東白龍。

今日13日目、三段目と序ノ口の優勝が決まった。
三段目は、懐かしい名前・大ベテランが優勝を成し遂げた。北磻磨(山響・37歳)である。
関取離れて丸3年。前頭15枚目まで登り詰めた男だ。優勝インタビューでは「(相撲に対して)好きが増してる。幕内に戻れるように頑張ります」と気を吐いた。

13日目を終わって優勝争いは
幕内 3敗 貴景勝・熱海富士
   4敗 大栄翔を始めとした4人

十両 1敗 一山本
   2敗 大の里 で変わりない。

大栄翔がお供します↓↓↓

東大卒力士と立浪のホープ2人の秋場所

 東大卒力士・須山が頑張っている。
今場所三段目に復帰して(東三段目72枚目)ここまで5勝1敗の好成績。
唯一の一敗を調べてみたら、武蔵川部屋の「庄司」という力士で埼玉大学中退の経歴を持つ。16年ぶりの国立大対決ということで、ネットニュースにも掲載されていた。(須山の)取り口や得意技はまだわからないが、力士として本当によくやっていると思う。7番相撲が明日かあさってのどちらかに組まれるのか。もうひとつ・あとひとつ勝利を重ねたい。
今場所初日の和歌桜戦の動画を見つけました。向かって左が須山です。

今月の4日に、「十両射程圏内・立浪のホープ2人」というタイトルで上戸(西4枚目)と木竜皇(西5枚目)を紹介した。

ここまでの2人の成績
上戸  1勝5敗
木竜皇 3勝3敗 である。

上戸、3回目の自己最高位で早くも負け越してしまい、今場所もこの壁を破ることができなかった。8日目には十両の土俵に登場。紫雷との取組は抵抗を見せたが、寄り切りで敗れた。
今日このあと割が組まれており竜勢(伊勢ノ海)との対戦。この竜勢は元多賀竜(鏡山親方)の長男である。今場所最後の7番相撲、勝っておきたい。

先々場所の幕下優勝者・木竜皇は、今場所3勝1敗のあと2連敗で3勝3敗。
こちらも今日7番相撲を控えており、十両の土俵で志摩ノ海と自身の勝ち越しをかけ激突する。十両との(来場所)入れ替えも(木竜皇にとって)微妙・厳しい状況であるが、何が何でも気合で勝ち取れ!先代・時津風の息子(長男)よ!

※因みに、3歳年下の弟・春雷も自己最高位・初の幕下で(西52枚目)1勝5敗と苦労している。

左から、上戸・木竜皇・春雷↓↓↓

部屋単位で応援しよう↓↓↓

熱海富士、優勝へ向けて 秋場所12日目

 一敗の熱海富士、どこまで快進撃が続くのか今日は関脇・大栄翔戦。
回転のいい突っ張りで攻勢をかける大栄翔。いなして応戦する熱海富士。熱海富士の足が揃いぎみになったところで大栄翔の引き落としが見事に決まった。熱海富士だって悪くなく、精一杯抵抗してみせた。終わって振り返れば、大栄翔の術中にはまったということか。熱海富士、悲観することはない。ここは明日に照準を切り替えようではないか。明日は貴景勝と結び前で激突する。

昨日(11日目)で給金直し、カド番脱出。この先の終盤にひとつでも多くの白星を積み重ねたいところの貴景勝は琴ノ若戦。
立ち合いから貴景勝ペース。琴ノ若は凌ぐのが関の山。きっちりと押し出した。7日目・8日目と連敗してた頃と打って変わって、本来の相撲を取り戻している。翔猿戦と若元春戦の取組直後にはケガをしたのではと気になるところもあったが。

~十両の優勝争いと豊昇龍~

大の里は、北の若に対してしゃにむに寄って出たが、北の若は立ち合いから左上手を引いていた(主導権を握っていた)その左上手で土俵際、豪快に上手投げを決めてみせた。大の里2敗目、明日は欧勝馬。

一山本も自分のペース・充実した相撲っぷりで、今日も時疾風を鮮やかにはたき込んで一敗を守った。明日は狼雅戦を控える。

豊昇龍は立ち合いちょっと焦らして、豪ノ山を押し出した。この立ち合いの焦らしは以前から散見されるが気持ちのいいものではない。大関にもなったのだから、そろそろ真っ向から堂々と受けてもらいたいものである。星を五分に戻した6勝6敗

12日目を終えて
幕内 2敗 熱海富士
   3敗 貴景勝・髙安

十両 1敗 一山本
   2敗 大の里

秋場所、最終コーナーへ突入!
熱海富士・貴景勝の直接対決が今から楽しみでならない!

まずは勝ち越し決めようぜ!↓↓↓


熱海富士に追い風が吹いている 秋場所11日目

 昨日の10日目で単独トップに立った熱海富士。さらに歩を進めることができるか、今場所2大関に勝っている翔猿戦。
当たってすぐの右四つ・左上手、寄りながら豪快な上手投げを完膚なき・文句なしに決めてみせた。いつからか時間前の仕切りで(琴勇輝(荒磯親方)の如く)花道奥の付け人と視線を合わせ、意思統一を計るのがルーティンになった熱海富士。再入幕(幕内2場所目)がまた一歩前進した。明日の対戦相手は大栄翔。

その熱海富士との直接対決(昨日)に敗れ2敗に後退した髙安。敗戦直後の表情と振る舞いが良いものでなく、案じていたが今日の大栄翔戦では右にいなされて、2~3発突き返したが腰が落ちてない(入ってなく)威力が全く伝わっていない。大栄翔がポーンと押しただけで、あっけなく土俵を割る。熱海富士とは2差がついてしまった。今後の見通しがよくないと感じる。

~今日の大の里~

新十両の場所を破竹の9連勝で突っ走っていた大の里も、昨日1差で追う一山本のはたきに屈した。今日は仕切り直しの美ノ海戦。右からかちあげ気味の立ち合いを見せる大の里に美ノ海は何もできずに押し出された。きちっと切り替えのできている大の里、明日は北の若。

~貴景勝、カド番脱出~

貴景勝は勝ち越し・カド番脱出をかけて若元春。
若元春のかちあげをものともせず、押して押して距離をつめて押し倒し。勝ち越して大関の座を守った。おめでとうなのだがやはり「大関」なので、ここからはひとつでも多くの白星と更なる高みが求められる。明日の12日目は琴ノ若。

11日目を終えた秋場所の優勝戦線は
幕内 1敗 熱海富士
   3敗 貴景勝・髙安・剣翔

十両 1敗 一山本・大の里

21歳の若者が今場所ここまで躍進を遂げてきた破壊力・パワーで番付上位(関脇)を粉砕するのか。
あるいは関脇在位6場所・優勝経験者が駆け出しの前頭15枚目、幕内経験の浅い力士に対して壁となることができるのか。
明日の熱海富士の運命やいかに!

ホッとしました、貴景勝!↓↓↓

成績優秀者に動きが 秋場所10日目

 タイトルにある通りだが、直接対決が幕内と十両であった。2大関の取組と合わせて。
まず今日一番の幕内好取組、髙安・熱海富士戦。
熱海富士が低く当たったが、すぐに突き放し抵抗を見せた髙安。しかし次の瞬間に髙安は、自らの方に引いてしまった。熱海富士ここにつけ込み押し倒し。髙安、無様に負けてしまった。倒れた際に腰を強打したらしく、起き上がるまで時間を要し、花道から支度部屋へ引き揚げるときは付け人の肩を借りたそうだ。明日以降に影響がないか心配。
優勝は遠くなったか、やっぱり縁がないのか。

なんと熱海富士が一敗で単独トップに躍り出た。今日を境にこの先上位・強敵にぶつけられそうな気配だが、今場所ここまで見せた積極的な相撲・圧力で上位陣に立ち向かってもらいたい。熱海富士 明日は翔猿、髙安は大栄翔。

~大の里・一山本~

十両の土俵でも、全勝と一敗の激突があった。
一山本がのど輪で大の里の上体を起こす。大の里、右からのはず押しで一山本を後退させたが、一山本のはたき込みがズバリと決まった。
この一番を前に大の里が今場所の相撲内容から完勝に終わるのではと読んでいたが、ここに落とし穴があった。切り替えて終盤戦を力強く戦い抜いてほしい。一山本もさらに勢いが増していくのか。明日の大の里は美ノ海、一山本は天照鵬。

~貴景勝と豊昇龍の2大関は~

幕内に戻る。
おとといの翔猿戦は心配な負け方だったが、昨日の豪ノ山戦はそれを払拭するような快勝。
今日の宇良戦はどんな戦いを見せてくれるのか、貴景勝。
凄い当たりからの電車道だったが、土俵際でもつれて物言いに。結果「取り直し」
その取り直しの一番は、貴景勝が一瞬ではたき込み。綺麗にはたきが決まったが、意外な結末だった。おととい取組後の影響はないのか、本当の状態はいいのか悪いのか、明日からの終盤戦はまず若元春戦が組まれた。

苦しい土俵が続いている新大関・豊昇龍は若元春に左の張り差しから一気の寄り倒し、会心の相撲!やっと豊昇龍本来の相撲が見られた気がしてうれしい気持ちになってホッとした。明日は隆の勝。一日一日「らしさを」取り戻してほしい。

10日目を終えて
幕内 1敗 熱海富士
   2敗 髙安
   3敗 貴景勝を筆頭に5人

十両 1敗 一山本と大の里
   2敗 美ノ海  

好取組をありがとう↓↓↓