追悼・大潮、実績と同世代の顔ぶれ

 今でも光彩を放ち続ける記録の数々。

通算出場:1891(史上1位)
十両在位:55場所(史上1位タイ)※あと一人は蜂矢(春日野)
現役在位:157場所(当時史上1位、現在は10位タイ)
※(51歳まで取り続けた)華吹や、現役では天一(山響)、輝の里(田子ノ浦)、澤勇、潮来桜(共に式秀)などに抜かれてしまったが。

これらの記録は先月25日に逝去した大潮(時津風)が打ち立てた大記録である。
初土俵から新十両まで8年近くの時間を要し、図抜けた素質と素養があった訳ではないようだが、師匠や先輩力士(主に北葉山の)言うことをよく聞き、忠実に守り実行し、継続した賜物・証ではないか。

最高位は小結(1場所)
北の湖からは2戦連続で金星を獲得している。

同時期に時津風部屋で関取として活躍していた主な顔ぶれ(順不同)

蔵間・・・美男力士としても人気。相撲協会退職後はタレントとしても活躍。
豊山(広光)・・・東京農大よりプロ入り。引退後湊部屋を創設。
双津竜・・・引退後、親方時代に不祥事によって解雇されたあの双津竜。
大豊・・・元・小結。荒汐親方として、大波3兄弟や現・荒汐の蒼国来などを育てる。
天ノ山・・・駒澤大学よりプロ入り、最高位・前頭筆頭。愛称・ジャンボ。
牧本・・・最高位・東前頭12枚目。序ノ口から引退までのおよそ22年余り、一度も休まず相撲を取り続けた。
などなど、実力・個性派、勢揃い。
定期的に関取を輩出していた時津風部屋のいい時代だった。

相撲協会を停年退職して11年。
近年は東京都八王子市で穏やかに暮らしていたそうだが、5月下旬に体調が悪化、25日に76歳で逝去された。

力士・相撲人として誇らしく立派な大往生。
昭和の名力士がまた一人、旅立っていった。

去年10月にも、大潮さんに関する投稿をさせていただきました↓↓↓

https://daisuki-oozumou.blog/wp-admin/post.php?post=3781&action=edit

ありがとう、大潮↓↓↓

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やっぱりこの男だった 大の里初優勝 2024夏場所千秋楽

 結局、この夏場所を制したのは大の里だった。
三役力士9名中(途中再出場の若元春も含む)休場者5名。
皆勤2大関の最終成績が、琴櫻・11勝4敗、豊昇龍・10勝5敗と地位(肩書き)に対して見劣りする、などなど背景はあったが運も味方につけて栄冠を掴み取った。

・初土俵から所要7場所での史上最速優勝(あの元横綱 輪島が持つ15場所の記録を大幅に更新)
・併せて殊勲賞と技能賞も獲得。新入幕から3場所連続三賞は25年ぶり(この3場所とも)2桁勝利は史上初という一大快挙を成し遂げた。

この大記録を打ち立てた今日・千秋楽の阿炎戦を振り返る。

いつものように阿炎がもろ手突きの攻撃を仕掛けるもほんの一瞬のこと。
ものともしない大の里はわずかに阿炎の左腕をたぐったか、自らに引き寄せ突っ張りを封じ、圧力で押し出した。3秒足らずで優勝を決めたこの一番の動画がこちら↓↓↓

デビュー以来負け越し知らず。
アマチュア実績、幕下上位付出からのプロスタートなどから伯桜鵬と何かと比較対象にされていた向きがあったが ※厳密には大の里が2場所あとの入門。
今は立場・注目度が全く逆転。幕内上位を揺るがし、相撲界の顔となったとも言えるだろう。

天下を取るまであと2つ。
相撲界のモンスターにどんな未来が待ち受けて、自ら道を切り拓くのか。

優勝おめでとうございます!!↓↓↓

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優勝に向かって ~潰し合い3番 ~ 2024夏場所14日目

 13日目終了時点で、2敗トップが大関・琴櫻と大の里。
この2人。今日は琴櫻が阿炎と大の里が湘南乃海と、それぞれ「潰し合い」の割が組まれた。

~潰し合いその1・大の里ー湘南乃海~

大の里の(肩口まで)入るくらいの右差しで(湘南の)左を不能にさせ、強い圧力で一気に制した。
結論=大の里が現状(力士としての)器量と(この一番に賭ける)意気込みが湘南を丸め込んだか

~潰し合いその2・琴櫻ー阿炎~

阿炎のもろ手突き(のど輪)に臆せず前に出るが、阿炎がすかさず琴櫻の右腕をたぐり、続けざまにのど輪でのけぞらせ押し出した。
結論=琴櫻得意のもろ差しになるどころか、まわし一枚も取れなかった(触れられなかった)阿炎の作戦勝ちでもあり、(優勝の2文字を前に)琴櫻の焦り・バタつきが見えた。

~潰し合いその3・若隆景ー阿武剋~

一敗同士で今日を迎えた十両の大一番。
幕内優勝経験者(若隆景)に旧制度最後の幕下15枚目格付出・プロ4場所目の阿武剋。
立ち合いは五分だったと思うが、やや阿武剋(重心が)低かったか。足がそろったところをすぐに叩き込み(あっという間に)明暗が分かれてしまった。


・自己最高位の東前頭2枚目で奮闘中の平戸海。翔猿相手に隙の無い素晴らしい相撲を見せ、4連勝で勝ち越しを決めた。明日の千秋楽は元・大関 御嶽海と。

14日目を終えて、幕内・大の里、十両・若隆景が共に優勝争い単独トップ。
本割りで勝てば一発で優勝が決まる。
負けたら厄介なことになってくる。

この男にどんな運命が待ち受けてるのか↓↓↓

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やっぱりこの男か、な。大の里 2024夏場所7日目

 まぁ、何たるざまか。
本日(7日目)より三役からさらに2名(霧島と若元春)休場者が加わり、三役の出場者は2大関・関脇小結共に1人ずつとなった。正規の頭数からすると興行として目も当てられないとまで言っていいのか。

先走ることを言うようだが、昨日まで全勝だった宇良が今日、大関・琴櫻に土。
全勝がいなくなった今日、1敗グループが5人となった。
その中の番付最上位にいるのは、西小結・大の里。
場所前に不祥事で世間を賑わせ、このことに対する禊・信頼回復の意味合いもあると思うが、懸命な土俵が続いている。

大の里の今場所ここまでを振り返ってみると、(万全ではない)横綱・照ノ富士に勝ちいいスタートを切ったかと思えば、翌日髙安戦で自ら引いて墓穴を掘ったり、課題とされている脇の甘さを露呈しつつも強引にねじ伏せた若元春戦、右差し右一本で2大関(霧島・琴櫻)を撃破したかと思えば、本日の熱海富士戦では攻め込まれたものの(若干の)余裕があったかもしれないが、最後は下手出し投げに仕留めてみせた。(相撲内容としては)山あり谷あり、一長一短が見て取れる。

今場所の三役でまだ対戦していない顔ぶれとしては、豊昇龍と阿炎。

腰高、脇の甘さ。彼に指摘されてる難点も見えなくもないが、この混戦の中で残り8日間をどう戦い抜くか。力士の象徴、髷を結っての本場所登場。明日の中日、8日目は実力者・大栄翔との割りが組まれている。現時点での潰し合いと言えるし、今後の指針となる一番かもしれない。気が早いですがどうなりますかね。

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哀愁漂う、遠藤ー妙義龍

 この取組を十両で見られるなんてなんだか複雑な気もしたが、時は巡るものだし逆らいようにない。

遠藤は8年ぶり、妙義龍は6年ぶりに十両に転落したこの2人の対決。
相撲は遠藤の完勝。終始押し込み、妙義龍に何もさせなかった。
遠藤、何気に5連勝。妙義龍、ここまで良くない1勝4敗。
2人の対戦成績はこの一番を含めて12勝12敗と全くの五分となった。

アマチュアから鳴り物入りでデビュー後、再三ケガに泣かされて最高位は小結の遠藤。
一方の妙義龍も三役合わせて13場所務め上げたが徐々に番付を後退させて、今場所も苦労が続いている。

顔合わせとしては面白かったが、「時代の流れ」を感じさせる一番だった。