関取昇進へ 藤島のホープ

 元大関・武双山が率いる藤島部屋。
所属力士数は14名。
現在、関取は1人しかいないが(藤星雲のみ)
幕下には秋場所番付で6人が名を連ねる。

更に十両を射程圏内に入れた幕下上位が2人。
五島(西幕下5枚目)と
福崎(西幕下6枚目)の紹介。

学卒力士(拓殖大学出身)の五島。
アマチュアで数々のタイトルを獲得・実績が認められ、熱心に勧誘してくれたという藤島部屋から今年3月、幕下付出としてデビュー。一足飛びに番付を上げている。突き押しを主武器として戦う。身長体重だけを切り取ってみれば、180cm・181㎏と幕内上位の土俵にでもお見受けしそうな立派なフィジカルを兼ね備えている。
愛知県春日井市出身。
入門当初の五島青年↓↓↓

もう一方の福崎。
こちらも五島に劣らないアマチュア実績を残して高卒後にプロ入り。
五島の年下になるが、喰らいつくように番付上昇を続けるホープである。
鹿児島県奄美市出身。
5歳で相撲を始め、毎日稽古に励んでいたという「相撲の申し子」
名門・樟南高校で相撲の磨きをかけ、目標は先輩(OB)元大関の若嶋津を超えて、横綱を目指す。

両者共にプロ4場所目、ここまで通算16勝5敗。
一気に関取入りを決められるか。
それには5勝、願わくば6勝を挙げたいところ。
藤島部屋に更なる灯りをともすことができるのか。


元関脇・琴富士、60歳にして逝去

 元関脇、幕内優勝経験者の琴富士さんが8日午前(朝方)に亡くなったとの情報があった。
享年60歳での旅立ちである。

現役時代を主観で振り返るならば、恵まれた体格を活かしきれず、自らの資質を持て余した感がある。
もっと真剣に取り組んでいれば、三役常連ぐらいの力士になっていたんじゃないかなと・・・。

現役引退後、わずか4年で現・粂川親方(琴稲妻)の引退により「粂川」株を返上。

そこからの琴富士の人生は多事多難。
タレントをしてもうまくいかず、貴闘力経営の焼肉店の中国進出にあたり、現地に乗り込むも経営不振・慣れない異国での生活の狭間に揺れ動かされ、散々苦労した。
そうかと思えば、ギャンブルにのめりこんだがゆえの偽装結婚で逮捕と悪循環が止まらなかった。

そして病気の併発、脳梗塞による死去。

琴富士の相撲協会退職後の人生を搔い摘んでみると凋落ぶりが止まらなかったか。
心よりお悔やみ申し上げます。

安青錦と髙安のケガ判明、夏巡業より

 安青錦が7月場所中に左肩を痛めたと打ち明け、髙安が腰痛を再発して夏巡業を途中離脱とネットニュースで知った。

安青錦は(巡業中)幕下以下の若い衆相手のぶつかり稽古で胸は出したが、関取衆の申し合い稽古には不参加とあった。名古屋場所の何日目か?どの辺で痛めたのか?は不明だが、最終盤の草野と琴勝峰戦での連敗は、肩の痛みを抱えながら、(そのことを)心にしまいながら戦っていたのかと思うと(ファンとしても)悔しくて残念な気持ちが今でも湧いてくる。
今回の夏巡業。この暑さに加えて、この先もかなりハードな日程と移動で組まれている。興行上の都合もあると思うが、あまり無理せず、次の本場所(9月)に照準を合わせた調整をしてほしいものだ。

髙安も腰痛の多い力士である。
この持病が再発して診察の結果、腰痛椎間板症と急性腰痛症と6日(水)の朝に診断され、約3週間程度の安静加療が必要だとか。
今日は茨城県の古河市での開催ながら残念な休場となった(髙安は茨城県土浦市出身)
このあと、今月29日には牛久市でも行われる今回の夏巡業。その頃には加療期間を当てはめると、出場できるかどうか微妙なところ。しっかり治してほしい。

夏巡業、明日あさってと福島県南相馬市・郡山市の順で回る。
福島県出身力士(言わずと知れた大波3兄弟を除けば)
白熊(二所ノ関)
丹治(荒汐)
東浪(玉ノ井)
爆虎神(式秀)
といった辺りが、関取・ホープ・ベテラン・個性派としての一部顔ぶれになるのか。

三田(二子山)は次代の担い手となれるのか

 7月場所は十両の動きまでつぶさに毎日追いかけられなかった。
優勝は大青山(荒汐)とばかりに思っていたが、終盤に3敗(特に14日目と千秋楽に連敗して)場所を終えてたんですね。

十両優勝・三田(二子山)11勝4敗

基本的な取り口は押し相撲のようだ、わかりやすい!
名古屋場所の三田の相撲をyoutubeで何番か拝見したが、その中で一番よかったのは(負けはしたが)錦富士戦だったように思う。三田優勢で進めていた中、土俵際で勝敗を分けたが、持ち前の負けん気が画面越しに伝わってきて好感が持てた。

5歳から始めた相撲、早くから頭角を現している。
近畿大学進学後も、順調にその歩みを刻んでいるかと思えたが、4年次に左膝の前十字靭帯断裂・半月板損傷の怪我をしていて、入門前はしばらくリハビリに時間を費やしていたほどだ(今でもその付近にテーピングを施しているのがその証か)

三田より2場所前に入門し、今場所、最後まで幕内優勝戦線に名を残していた草野(伊勢ヶ濱)や安青錦(安治川)らと共にハイレベルな出世争い、相撲界の新時代を形成していく担い手となれるのか。

矢後(押尾川)焦らず腐らず復活へ

 名古屋場所・幕下優勝はこの度新十両昇進を決めた朝白龍(高砂)
その朝白龍と7番相撲で優勝を決める戦いで残念にも敗れたのが、矢後(押尾川)
正直、久しぶりに耳にした四股名である。

関取(十両)陥落後、4年が経つ。
それからはほとんど幕下上位に番付されていたようだが、ちょうど1年前の7月場所から3場所連続休場により(休場理由がわからない、古傷の膝に痛みや問題を抱えていたのか)序二段19枚目まで落とした番付から、再途上中といったところであった。

エリート・矢後も鳴り物入りの入門時を思えば、引き換え(ここまでは)それほど出世している訳でなく、苦労している。
3年前の1月場所終了後、最初に所属した尾車部屋・親方(現在の琴風浩一氏)の停年により、元関脇・豪風が師匠の押尾川部屋に移籍。
風賢央、風の湖らと「風」系の部屋を引っ張る立場でいる。

個性あふれる人物像、ユニークなキャラクターとは無縁・真逆であるが、真面目・堅物キャラで念願の関取復帰なるか、31歳・矢後太規である。