優勝争い、かけめぐる興奮 秋場所14日目

 熱海富士の毎日の奮闘は感動レベルだ、勝ち負けを超えている。
今日はどんなドラマを見せてくれるのか、阿炎戦。
立ち合い阿炎は左からの張り差し、熱海富士は出足よくそのはずみで土俵を割りそうになったがこらえる・持ちこたえた(よく稽古してる証だろう)左上手を取った熱海富士。阿炎も同じように左上手を取るが、熱海富士委細構わず寄って出た。阿炎の上手を切って最後はがぶって寄り切り。鼻血が滴り落ちたが、花道奥で(恒例となったが)付け人と喜びを分かち合った。日頃からの豊富な稽古量と相撲道に対する一途さが勝利を呼び寄せたか。明日は朝乃山戦。勝てば幕内優勝を手に入れる。

同じく3敗の貴景勝は結びで豊昇龍との大関対決。
貴景勝が突き放し豊昇龍に対して右上手を遠ざけていたが、豊昇龍が右に重心をずらしながら上手を取ることに成功。流れのまま頭を抑えて上手投げ。貴景勝土俵にゴロンと転がされた。貴景勝のいい展開だったが、上手を取られた時点で自由を奪われた感じになった。突き押しきれなかったし。痛恨の黒星で4敗に後退。反対に新大関も必死だ。7勝7敗の五分に星を持ち直し、千秋楽に勝ち越しをかける(北青鵬戦)

正代・朝乃山の元大関同士の対決は、正代が立ち合いスパッともろ差しになり一気に寄り切った。興味深い一番だったが、決着はあっ気なかった。正代(東前頭3枚目)は明日の千秋楽、宝富士戦に勝ち越しをかける。朝乃山8勝6敗とし、熱海富士の「最後の壁」として明日立ちはだかる。

~十両の優勝争い~

2敗で追いかける大の里は東白龍をほぼ左のど輪1本で押し倒し、圧勝。明日は東筆頭の狼雅。
1敗トップの一山本・北の若戦は突き落としで北の若。相手の指が目に入ったのか、目を痛がる表情・仕草が何度もあった。悔やまれる2敗目で千秋楽は大奄美と。
十両は一山本と大の里が2敗で並び、この両雄に優勝争いが絞られた。

明日の千秋楽、幕内では21歳の若者(熱海富士)がその若さと破壊力、相撲に賭けるひたむきな姿勢で神様を振り向かせることができるのか。
十両は緊張と重圧の中で、栄冠を手にするのは一山本か(未完の大器)大の里か。

千秋楽の大一番が待ちきれない。

熱海富士に念が届け!↓↓↓

新旧大関対決と今日の大の里など 秋場所6日目

 昨日・5日目で早くも全勝力士が消えた。
「優勝争い」というほど日数を消化したわけではないが、ビシッと締まりを感じないのは気のせいか。星の潰し合いはそれはそれで楽しく面白いが。 今日6日目の模様です。

~新旧大関対決2番~

2勝3敗で迎えた新大関。昨日、連敗を3で止めたがやや辛勝だったか。
連日難敵との対戦が続く。今日は元大関・朝乃山と。
左前回し(上手を)引いた豊昇龍。右からの下手投げで朝乃山が崩し寄って出たところを今度は豊昇龍が振り回すかのような下手投げ。今日も(少し余裕があったかもしれないが)勝ちを拾えたという言葉が当てはまるのか。今までと立場が変わったこと(勝って当たり前)の重圧・厳しさを実感しているのか。肩書き(大関)に馴染んで、華麗な足技を見せてくれるのはいつの日か。明日は錦木戦を控える。

霧島も懸命な土俵が続いている。2日連続で元大関と。正代戦。
強烈な左のど輪で正代をのけぞらせたが、正代いなして左差しから寄って出る。霧島が豪快にすくい投げ!正代も回しを引いてなかったので、あずける体も伸びていた。霧島も寄られて後退したが、本当の土俵際まで詰められたわけでなく、心と体の余裕があったように見えた。
明日は玉鷲。今場所まだ初日が出ていないが、玉鷲の長いリーチを生かした立ち合いののど輪には要注意だ。

豪ノ山ー髙安の1敗対決は、強い当たりの両者、髙安が右の起こすような突きで、豪ノ山の重心を失わせそのまま押し倒した。豪ノ山の気合を空回りさせた髙安の経験が上回った。

~今日の大の里~

立ち合い右を差す大の里。白鷹山の左おっつけで右が外され、すぐさまその右で(手前に)はたき込み。早い判断・切り替えについていけなかったか白鷹山。危険で安易なはたきに見えなくもなかったが、ずばりと決めるあたりはやはり一味も二味も違う大物感と言ったら言い過ぎか。明日の輝鵬戦に勝ち越し王手をかける。

大関・貴景勝は、下から下から突いていく。荒々しい突っ張りにも慌てることなく押し出し。5勝目を挙げた。初日の北勝富士戦を思えば(失礼ながら)よくやっていると思う。まずはカド番脱出を手堅く成し遂げたい。明日は正代。

琴ノ若は、右差しから一気に寄り切り。重い腰を問題にしなかった(錦木)昨日のバタバタぶりは何だったのか。

熱海富士は御嶽海と土俵際の攻防で、本割り・取り直しの2番連続で物言いがついたが最後は軍配通り熱海富士。元大関を撃破!よくやっている、立派だ!

大栄翔は肋骨骨折の影響が少なからずあるのか、4敗目。
若元春、状態が上向いてきたか。

6日目を終えた秋場所。
幕内は貴景勝をはじめに5人が一敗で並んでいる。
十両は全勝 大の里 1敗で美ノ海と一山本。

番外編で、幕下6枚目・尊富士(伊勢ヶ濱)が強い!

二所ノ関繋がり↓↓↓


3大関揃って勝利 大の里の充実ぶり 秋場所5日目

 5日目にして、初の大関陣勝ちのそろい踏み。
それに続く関脇・小結陣は勝ったり負けたりだった。

今日の大一番は、霧島ー朝乃山か。
霧島、左上手を取って主導権を握る。朝乃山が巻き替えに出るところを霧島が外掛けで牽制する。朝乃山が巻き替えにいくところを、霧島も寄って投げてみせて、お互い許さない。ひと呼吸置いたあとの霧島(2回目の)外掛けが決まり、連敗を「2」で止めた。明日も「元大関」正代。大物・くせ者を相手に内容ある勝利が求められる。

豪ノ山、全勝・阿武咲に快勝!
2日目の宇良戦の流れは消極的な「ダメ相撲」だったが、その後の隆の勝と竜電戦は積極的でよかった。竜電には四つ相撲で勝ってみせた。
今日は豪ノ山らしい、まっしぐらな相撲で阿武咲を全勝から引きずり落とした。
明日はベテラン・実績十分の髙安。どう攻略するのだろうか。

安定した取り口で勝利を積み重ねてきた琴ノ若。今日は翔猿に足元をすくわれる形になった。
立ち合い当たったあと、すぐに引き、決まらないと見るや前に出たが、翔猿はそれを利用するかの如くはたきこみが決まってしまった。昨日までのほぼ危なげない取り口はどこへやら。自爆に近い形で今日は黒星。切り替えて明日は錦木戦。この取組も目が離せない。

大の里の充実ぶりが目を引く。
今日の対戦相手は紫雷(木瀬)立ち合いからしっかり前に出て、圧力をかけて寄り切った。会心の相撲で5連勝!
NHK中継・中入りの時間では新十両紹介で今日はこの大の里が登場。ツイートもさせてもらったが、浮ついたところ・チャラい部分を感じさせない好青年だった。
伯桜鵬にも引けを取らないアマチュアの実績、素材の良さ・ポテンシャルの高さは、5連勝の相撲内容から日増しに証明されている。

大相撲秋場所5日目、幕内から早くも全勝が消えた。
1敗で大関・貴景勝をはじめに8人が並ぶ。

十両は、全勝が大の里のみ。
1敗で5人が競い合っている。

豪ノ山所属の武隈Tシャツです↓↓↓


躍動する朝乃山 金峰山の破壊力 秋場所2日目

 今日一番の好取組、琴ノ若ー朝乃山戦の取組前予想としては、琴ノ若が有利かなと見ていた。理由としては、ここ数場所勝ち越して安定していること=地力をつけていること=自信が付き始めているのではないかと見たからだった。
対する朝乃山も勝ち星と番付を盛り返してきたが、現在の力量・勢い等の理由で、単純・素朴に琴ノ若に分があるかなと思っていた。
本割りを振り返る。
立ち合ってから左にいなし、のど輪で攻め込む。重心をあずけて前に出る琴ノ若。残して左上手を朝乃山が取る。逆襲の寄り、左からの上手で叩きつけるようにぶん投げて「上手投げ」で2連勝を上げた(朝乃山)

朝乃山は琴ノ若よりも奥深い経験値・底力でねじ伏せた。昨日(初日)の左腕(ひじ)を痛がる表情・仕草が感じられて気になる部分があったが、朝乃山も気合(気持ち)が入っていた。
昨日の取組(若元春戦)との対比。

しかし番付を戻し、三役陣との対戦を重ねることによって(幕内上位)との相撲勘が少しずつ戻ってきてるのでは。繰り返しになるが、今日の豪快な投げっぷりが良かった・カッコよかった・(かつての)威厳を見せつけた。たかだか序盤2日を終えた程度で高望みしすぎかもわからないが、やっぱり朝乃山は要注意。優勝候補・(あるいは)優勝争いを揺さぶる・かき回す存在になるのではと思う次第である。

~金峰山の強力な突き押し~

金峰山の破壊力抜群の突き押しが良い。
新入幕での活躍が印象深かったが、その後2場所負け越し。首(頸椎)に痛みを抱えていたらしい。それが治ったのか癒えたのかわかりかねるが、昨日・今日と力強い押し相撲を見せてくれている。
今日(2日目)の琴恵光戦は、突き放したあと手前に引いたがはず押しからののど輪連発で豪快に突き倒した。体格差を生かし弾き飛ばすかのような「突き倒し」だった。

昨日(初日)の翠富士戦は、頭から当たったあともろ手突きの連発で攻略。ここまで力強い突き押しを食らっては、翠富士はいなすこともできず後退するのみで終わってしまった。

朝乃山は前頭2枚目だから(今場所)三役上位陣総当たり。
金峰山は前頭10枚目だからそれはないが⇈あまりに突き押しが力強く、(取組の)主導権を握り続け、内容が伴っているように見えたので取り上げてみた。

今日は現地だった。
週の始めの月曜日、優勝争いには全く無縁の2日目だが(私が)チケットを取った2階席はほぼほぼ埋まっていて、外国人も多く見受けられた。

元寺尾(錣山親方)にチケットもぎをしてもらい大満足の一日でした。

やっぱり朝乃山↓↓↓

私の主観で厳選5番・秋場所初日

 秋場所初日を迎えました。今場所も15日間よろしくお願いいたします。
今場所の「優勝争い」という言葉に対して「これだ」とか「突出した」存在が(番付を見渡していくと)いないように思える(横綱休場・2大関カド番の現実がこの印象をふくらませているのか)初日の結果・勝敗を改めて見返しても、どこか釈然としなかった。

なので今日は全く自分勝手極まりないのだが、私が見ていいなと思えた取組を紹介しようと思う。

~豪ノ山・湘南乃海~

先場所の新入幕同士が10勝5敗で敢闘賞を受賞し(両者とも)今場所は東西の5枚目に番付された。 その両者の激突!
左が入り、そのまま一気呵成に寄る湘南乃海。その湘南乃海のかいなを返し、形勢逆転した豪ノ山が走るようにして押し出した。

https://youtu.be/EVQA_fG8H9Q?si=C2dTbJ_pnWWn-LPI&t=71

劣勢でも諦めない豪ノ山。心身ともに充実しているように見える。先場所のような活躍を今場所も見せつけることができるのか。湘南乃海だって悪くなかった。この幕内2場所目を迎えた両者の対決、面白かったな。

~阿炎・豊昇龍~

新大関の初日、横綱が休場。(自身を含めた)3大関のうち、2大関が角番。豊昇龍に自然とかかる期待と重圧は半端なものではないだろう。その初日はくせ者・阿炎。
いつものもろ手突きの阿炎、のけぞる豊昇龍。阿炎の右腕をつかむように左へ左へ決まり手「とったり」

新大関、流れを見て慌てることなくうるさい相手を下した。
とにもかくにも初日を白星発進できたことが大きい。流れにのってほしい。
明日は先場所準優勝の北勝富士。

~朝乃山・若元春~

元大関も浮き沈みがあった中で、西前頭2枚目まで番付を戻してきた。
今日は、大関獲りへ継続中(再チャレンジ)の若元春。
立ち合いすぐの左差し、巻き替えてもろ差し、迷うことなく寄り切り朝乃山。

左腕(ひじ)の長い(大きい)サポーターは何なのか。(取組直後)少し顔をしかめているようにも見えた。今日の相撲は快勝だったが明日以降ちょっと心配な要素もある。

~錦木・玉鷲~

先場所の覚醒したかのような活躍、上位陣を驚異に陥れることができるか、錦木。
対するは38歳にして衰え知らず、幕内上位を脅かし続ける西前頭3枚目・玉鷲。
激しく当たり合う両者。玉鷲が右のど輪で突き放しにかかるも錦木ひるむことなく押し出した。錦木、終始重心が落ちていてどっしりと対処した。今場所もこの重い腰は健在か。

~大の里・朝紅龍~

新十両同士で初日から激突だ。
左肩亜脱臼で残念にも今場所休場の伯桜鵬に負けるとも劣らないアマチュア実績を持つ大の里(ざんばら髪)に、こちらもアマチュア上がりの石崎改め朝紅龍。
右からかちあげ気味の立ち合い大の里、もろ差しから一気に押し出した。

(この一番に限って言えば)大の里の完勝だったかもしれないが、(朝紅龍は)いずれにせよ「(15分の1)最初の相撲」が終わっただけだ。そんなに悲観することはない。

初日終了。
う~ん、貴景勝厳しいかなって思いました。

この重圧をのりこえようぜ、新大関!!↓↓↓