注目3番と新十両お目見えなど 2025夏場所初日

 今場所の新十両は
東13枚目 宮乃風(中村)
東14枚目 三 田(二子山)
西14枚目 夢道鵬(大嶽)
の3名。

関取として記念すべき第1歩、初日の行方は。
番付順に宮乃風から。
現・師匠、嘉風と同じ日体大卒。
中村部屋、現役3人目の関取。
初日対戦相手は生田目(二子山)
生田目の鋭い出足をかわし切れず一方的に敗れた(押し出し)いいところなし。

続いて三田。
アマチュアでの実績が評価され、幕下60枚目格付出でデビュー。
5場所目で新十両に上がってきた。
狼雅と前出の生田目に続く、こちらも二子山3人目の関取。
対戦相手・大奄美(追手風)
70㎏近い体重差があるようだが・・・。
三田が低い姿勢から粘り強い押し相撲を展開。大奄美の右腕をたぐって送り出して初日勝利。
三田の立ち合いは一瞬、猫だましを見せたように見えた。

そして夢道鵬。
ご存知、納谷兄弟の四男。生まれ育ちは知るばかり。
生粋のサラブレッドとして期待を集めていたが、初土俵以来5年ちょっとで十両入り。
(こちらの相手は)ケガによる休場で番付を大きく下げ、幕下から出直しの北の若(八角)
夢道鵬、前に重心を置きながら着実に突っ張りを当てる自身の相撲で白星発進を遂げた。

注目の安青錦は、金峰山の強烈な突き放しを喰らい、相撲展開を打ち砕かれた。
(金峰山側から見れば)会心の勝利、作戦勝ちと言ったところか。

持久戦を制したのは王鵬だった。
大関・琴櫻との一番でもろ差しにされるも力強く応戦。回しを引いてない状態で琴櫻は勝負に出たが、そこに待っていたのは左からの肩透かし。大関の足も揃っていたか、見事に決まった。弟・夢道鵬と共にいろいろと今場所の話題を提供してほしいものである。

綱取りかかる大の里。
先場所不覚を取った若元春戦。
今場所の対戦は隙を見せずに文句なしの完勝。初日好発進劇を見せてくれた。

今場所も当ブログをよろしくお願いいたします。

ウクライナの両雄、5月も気勢を上げられるか

 ウクライナ出身の2大関取、安青錦と獅司。

夏場所の新番付ではそれぞれ
安青錦 東幕頭9枚目
獅 司 西前頭11枚目
と自己最高位を更新。
気持ちを新たに、夏場所へ向けての調整は順調か。

近い将来の幕内土俵、角界を率いる一角になってほしいぐらいの両雄(願いを込めて)
ここまでの対戦成績は1勝1敗。今年に入って1月と3月、2場所連続で対戦している。

1月初場所12日目
番付:
獅 司 西十両4枚目
安青錦 西十両5枚目
背景:
1敗同士で、十両優勝を当時トップで争う2人の直接対決!

終始安青錦ペースで進行していたが、獅司も相手の動きから目を離さずよく見ていた。
安青錦が左の前みつ辺りを探ろうとしたところを?うまく突き落とした。

3月春場所6日目
番付:
獅 司 西前頭13枚目
安青錦 東前頭15枚目
背景:
新入幕の場所を2勝3敗でスタートした安青錦に、再入幕(リスタート)の場所を4勝1敗と対照的な滑り出しを見せていた両力士が中盤6日目に激突!

立ち合い直後に素早く掴んだ右下手を軸に、左上手も取る(安青錦)
投げを打ちながら足も連動させて獅司のバランスを崩し、半身にさせ、最後に押し倒した一連の動きには、かなりのハイセンス・早熟な技能者とでも言わんばかりにその相撲ぶりを感じた。

安青錦には、先場所終盤まで優勝争いに顔・名前が挙がっていた同等(それに近いくらいの)活躍を求めたい。
獅司には、その大柄(恵まれすぎた)体格を活かした更にスケールの大きい相撲を望みたい。

そしてこの両雄の直接対決は5月の東京で見られるのか。

名門の浮沈を賭けて・・・、栃大海

 栃大海=幕下時代までの塚原がようやく新入幕という花を咲かせた。

小学3年から始めた相撲。
アマチュアで十分な経験を積み「中学生横綱」のタイトルを獲得。
多くの名力士、及び有力現役力士を次々に輩出している埼玉栄高校卒業後にプロデビュー。

結局、幕内にたどり着くまで(初土俵から数えて)7年半経過している。
序ノ口・序二段と2場所連続優勝の滑り出しを見せていたのに加え、プロ入り前の背景・ポテンシャルを思えば時間がかかったか。

平成最後の方(2018年・平成30年)11月に幕下に顔を出してから、三段目以下に番付を落とすことなく「塚原、塚原」と四股名はよく耳にしていたが、やはり「幕下」と言う名の難関をクリアするのは容易ではなく、東幕下筆頭で2度の負け越しを経験。

苦労の末に掴んだ新十両の座を射止めたのは、丸一年前の昨年5月。
在位2場所で一度陥落を味わっているが、すぐに返り咲き、3場所連続勝ち越し中。

主武器とされる突き押しを盾にどんな相撲を見せてくれるのか。
勝ち星をいくつ積み重ねられるのか。

この栃大海のWikipediaを見て「花のイチイチ組」と呼ばれる1999年・平成11年度のグループが存在していることを私は初めて知った(横綱・豊昇龍を始め、王鵬、尊富士)を先頭に錚々たる顔ぶれが並んでいた。彼もようやくある意味におけるスタートラインに立ったか。

意外にも、名門・春日野部屋の現在唯一の関取はこの男。
25歳の若さ・伸び代に加えて、老舗の矜持・存在感を発信する役割も担っている。


茨城出身の好素材・幕下より

 現在春巡業は、北陸・東海(愛知県)と来て、関東地方を巡っているところ。
明日・あさってと茨城県(つくば市・鉾田市)に赴く。

茨城県出身現役関取は、またしてもあと一歩のところで優勝を逃した髙安。

他に面白そうな、将来楽しみそうな力士(逸材)はいないものか、と思い検索。

御雷山(みかづちやま・錣山・東幕下47枚目)なんてどうだろう。

明日の巡業地・つくば市出身の20歳。
中卒からの角界入りのようだが、格闘技経験・下地あり。
小学3年から中学卒業まで柔道で腕を磨きながら、わんぱく相撲への出場も経験している。

入門してからここまで各段優勝もなし、6勝も1度だけ。
序ノ口  2場所
序二段  8場所
三段目 17場所 
こんな感じで、じっくりと着実にその歩みを刻んでいる。
またここまで休場の記録もなく、爆弾や大ケガを抱えてないのが望ましい。

現在、阿炎に続く錣山NO.2に位置するこの若者。

春場所の成績(5勝2敗)を受け、5月には幕下中位あたりの番付が予想されている。

御雷山本人。
なかなか凛々しい顔をしている↓↓↓

大鵬魂の継承者・嗣子鵬 慶昌

 現在の大嶽部屋の前身・大鵬部屋の看板力士と言ったら、やっぱり私の中では「巨砲」と「嗣子鵬」の四股名が浮かぶ。

この両雄、年齢と学年は嗣子鵬が1つ上だが、初土俵は同じ1971年(昭和46年)1月の嗣子鵬に対して、巨砲は5月。2人とも大鵬の内弟子として、まずは(大鵬が現役時代所属した)二所ノ関部屋に入門。
新十両入りは全くの偶然で、1977年(昭和52年)7月と重なる。
切磋琢磨しながら、苦楽を共にしてきたであろう。

ここから出世の道のりに関しては、差が付いてくる。
巨砲は関脇まで登り詰め、三賞4回・金星10個と幕内を78場所務め上げた。
嗣子鵬は幕内と十両の往復を6回しているが、3度の十両優勝を挙げている。三賞と金星には縁がなかったようだ。

話を嗣子鵬で統一する。

1987年5月場所限りで引退。
若者頭に転身するも4年後に廃業。
その後は、愛知県稲沢市でちゃんこ料理店を経営していたそうだが、2006年10月に51歳の若さで亡くなられている。

これだけでは終わらない。
2011年より、現役時代から兄弟弟子として親交のあった元十両の大竜が大嶽部屋継承後、この嗣子鵬のお店を名古屋場所の宿舎として使用しているそうだ。

今年の名古屋場所から新会場・IGアリーナに変わり、王鵬の幕内上位定着に夢道鵬の新十両昇進と意気上がる大嶽部屋。大鵬魂を継承して、7月場所をさらに熱く盛り上げてもらいたい。

天国から嗣子鵬も見守ってくれている。