翠富士、無敗で勝ち越し!北青鵬、痛快のはりま投げなど・8日目

 昭和以降初という横綱大関不在という異常事態。
関脇が務める結びの一番も、違和感がないと言ったら嘘になる。
だからこそチャンスの芽、楽しみの芽がある。中日・8日目。

ここまでただ一人全勝・奮闘の翠富士、全勝での勝ち越しなるか。碧山戦。

碧山のかちあげからの突っ張りに耐え、左上手を取り、頭を付けたことが翠富士のペースになり、主導権を握った。右からの出し投げで崩し、寄り切った。
取組後のインタビューでは、晴れやかな笑顔で喜びを語っていた。好漢・翠富士、明日は宇良と。

~けた外れのスケール・北青鵬~

長身がゆえの利点と不思議さを兼ね備える新入幕・北青鵬。
4連勝のあと、3連敗で迎えた中日の対戦相手は琴恵光。
立ち合い、もろ手突きから頭をつける琴恵光が一気に寄って出て勝負を決めにかかるが、北青鵬が土俵際で琴恵光のまわし結び目付近を掴み、豪快なはりま投げで勝った。

*はりま投げ・・・右手で上手を取る場合、右手を相手の頭の上から回して相手の右腰の廻しを取り、右の方に捻りながら引き、そして投げる。 (大相撲力士名鑑より)
ありふれた技・決まり手ではない。

スケール・将来性ともに、規格外・天井知らず。
204cmの身長から「令和の曙」と称される21歳は、荒れる春場所の後半戦を盛り上げる一人だ。

大関から陥落、負け越し続き今場所は西前頭筆頭に番付された正代、何かが吹っ切れたかのような前半戦の戦いっぷりだった。今日は小結・若元春との一番。

立ち合い左差しから一気に持っていき、豪快に正代が寄り倒し。
今日もいい一番だった。明日は小結・琴ノ若。

~これより十両~

落合哲也、力士2場所目の中日・8日目。
今日の対戦者は元西前頭3枚目・今場所東11枚目の志摩ノ海(木瀬)
立合は五分。探り合い続く中、志摩ノ海前に出る。
少しの間を置き、落合が相手の左足を払い、バランスを崩したところ瞬く間に肩透かしが決まって、1敗守った。何か芸術的な相撲にも見えた、鮮やか肩透かし!

師匠の元白鵬・宮城野親方が称賛するように「相撲をよく知っている」この言葉がピタリと当てはまる相撲だった。

最後は、朝乃山。鳴戸部屋の部屋頭・欧勝馬との一番。
若干、右からのかちあげ気味の立ち合い、朝乃山。
押していなしてはたき込んで朝乃山も1敗を守った。

明日はどんな展開が待ち受けてるのか。

 

貴景勝・本日より休場、落合の左ひじが・・・ 7日目

 綱取りがかかっていた大関・貴景勝、本場所出場には限界があったのだろう。
提出された診断書は「左膝内側半月板損傷」と病名が。本人から常磐山親方へ申し出があり、休場となった。横綱大関不在という異常事態になるわけだが、優勝予想図が面白い。めくるめく荒れる春場所7日目。

ここまで全勝同士の一戦、髙安‐翠富士戦。
右かちあげから起こしにかかる髙安、のど輪で押すも、翠富士の右から強烈な突き落としが決まり、翠富士全勝を守る。

もう一人の全勝力士、小結・大栄翔は大波3兄弟・次男の若元春。
頭から当たる大栄翔。左のど輪で若元春を土俵際まで押し込むが、若元春の突き落としが決まった。最後の足がついていかなかった大栄翔に土。明日は阿炎。

復調の兆しか正代、前々場所優勝の阿炎と。
いつものもろ手突き立ち合いから、右ののど輪で攻め込む。左が入る正代、寄るところを阿炎が呼び込むように引いたところを正代押し出し。5勝2敗。明日は若元春。

幕内全勝は翠富士
  1敗で大栄翔・髙安 で中日・8日目を迎える。

~これより十両~

1敗対決、元大関・朝乃山‐湘南乃海の楽しみな取組。
湘南乃海、立ち合い右上手。両者、巻き替えの応酬。
寄る朝乃山、上手投げ湘南乃海、最後の投げの打ち合いは、朝乃山の下手投げが決まった。
すぐに起き上がれなかった朝乃山、どこか痛めたか。

~逸ノ城、一敗に後退~

逸ノ城、今日の対戦はここまで5勝1敗と好調なスタート、目覚ましい活躍の豪ノ山(武隈)
立ち合いから豪ノ山が前に出る。逸ノ城いなすが、早い動きと突っ張りで逸ノ城を下した。
素晴らしい相撲で、実績のある逸ノ城に勝った。今後に期待!

最後に注目の落合、6連敗中とまだ初日の出てない栃武蔵戦。
左四つから一気に走るように電車道で勝負を決めたのは落合だが、その直後に顔をしかめて左のひじを気にしていた。のばすことができない様子。今後の相撲に影響が出ないといいが。

 大丈夫か、落合

浪速の桜が満開になる頃と重なるように、場所前一番の話題だった吉報が届く事を祈っていたが、夢破れた。まずはゆっくり休んで、しっかり膝を治してほしい。


お疲れ様でした、入間川親方。思い出話少々

 先日のNHK中継の向正面解説は、元関脇・栃司の入間川親方。

来月65歳の定年を迎えるそうで、解説に呼ばれたようだ。

1993(平成5)年に興した入間川部屋は、元小結・垣添の雷親方に継承され、「雷部屋」(いかずちべや)となった。立場が入れ替わり入間川親方は部屋付きとなる。

この入間川親方、私が子供(小学生)の頃、当時の三保ヶ関部屋に見学に行った時に(所属していた春日野部屋から)出稽古に来ていたのを覚えている。

北の湖だったかなぁ、北天祐だったかなぁ、

闘竜だったかなぁ、播竜山だったかなぁ、

ぶつかり稽古で胸を貸り、息が上がるくらいかわいがられてたように見えた(最近ではこのかわいがりという言葉がマイナス表現として取られる向きもあるが、決してそういうものではなく、愛情が感じられる稽古だったというのも合わせてお伝えする)

あれから40年ぐらい経ったか。
そりゃあ俺も年を取るわけだ。

追記:いつだったか、両国国技館でチケットもぎをしていただき、握手してもらった。
デカくてゴツい手に元相撲取りを感じた。

翠富士18番炸裂!貴景勝、絶望漂う3敗目、霧馬山大丈夫か・6日目

綱取りがかかる貴景勝、昨日まで3勝2敗と苦しい足取り。

今日も話題性・注目の力士を取り上げようと思う。

まず結びの貴景勝は、元大関の御嶽海との一番。

もう左足(ヒザ)には、残す足・出ていく(圧力を加える)力がなくなっているように見える。おそらく3日目・正代戦で痛めた左ひざの影響しているのか。
綱取りの可能性はほぼ消滅した。

大関への足固めと位置付けられてる今場所の霧馬山、今日はここまで三役相手に1勝4敗の西前頭3枚目・錦木。

勝負が決したあと、左ひじを土俵につけたまま動けない霧馬山。
立ち上がり、勝ち名乗りを受けたが、左腕(上腕)のあたり、自由が利かないようだった。
部屋付きの鶴竜親方から「大丈夫ですよ」とのツイートがあったようだが、気になるところだ。

~炸裂、肩透かし!!

序盤戦を5連勝で通過した翠富士、遠藤(追手風)との対戦。

伝家の宝刀、6日目にして炸裂!
それはそうと、ここまでのきびきびとした動き、勝負所と決断してからの仕掛けが早い!
このあとも、荒れる春場所を賑わせてくれそうだ。

~これより十両~

宮城野部屋のこめびつ、落合の6番相撲は、同じく4勝1敗で序盤を乗り越えた美ノ海。

右張り差しからの立ち合い、落合。
すぐの右上手。左差しを許さない美ノ海、右上手出し投げで崩し、最後は腰を落として寄り切った。終始、落合ペース。1敗を守った。

今日の朝乃山、千代丸を危なげなく突き出した。こちらも1敗。

春場所6日目を終えて
幕内全勝は大栄翔・翠富士・髙安
十両全勝は逸ノ城一人である。

大栄翔・好調、若隆景・不運な星落とす・5日目

 大相撲春場所、序盤5日目を迎えた。

綱取りで迎えた、貴景勝を含めた関脇以上が今ひとつ煮え切らない感じだ。幕内全力士を見渡してみて、光の見える・見えそうな存在はいるのか。5日目を検証する。

ここまで4連敗スタートの若隆景は、元大関・御嶽海との一番。

若隆景、立ち合い左上手を引くも寄って出る御嶽海。こらえる若隆景、右からすくう御嶽海。
若隆景、左から上手投げ!決まるも、直後に物言いがつく。協議の結果、最初御嶽海が寄って出た時、若隆景の右ひざが土俵にふれたとの判断で、若隆景の「つきひざ」という裁定がくだり、御嶽海の勝ち。若隆景、今日もするりと白星を逃した形となった。5連敗の若隆景、明日は竜電と。御嶽海は貴景勝と。

*「つきひざ」とは・・・相手の力が加わらぬまま、ヒザをつく。

⇧ということなので、若隆景は不運で気の毒な星を落とした(4:30あたり)

結びの一番、大関・貴景勝は、竜電と対戦だ。
思い切りのいいぶちかましから、一気に押し出し!貴景勝。
相撲内容はよかったのだが、勝ち名乗り直後の土俵から降りる時の足取りがぎこちなく見えた。大丈夫か。

4連勝と好調の出だし、小結・大栄翔は、荒れる春場所を盛り上げてる一人、正代戦。
大栄翔、もろ手突きからの迷うことない電車道で、正代に何もさせることなく押し出し、5連勝!

新入幕・北青鵬、1分15秒の長い相撲の末、今場所東十両3枚目の逸ノ城に寄り切りで敗れて初黒星。

~これより十両~

今日の十両では、元大関同士の対決があった。 朝乃山ー栃ノ心。

朝乃山はいい相撲だったが、栃ノ心は元気がない。
先場所、痛めた左肩脱臼の影響があるのか、な。

なんてったって今日も落合、いつも落合。
今日の対戦相手は、大ケガの末、序二段から不屈の闘志で再び這い上がってきた男・友風(二所ノ関)
落合、頭ひとつ低い立ち合い、友風、圧力を感じたのか引きが容易だった。
そこを一気に押し出して落合4勝1敗。明日は美ノ海戦。

幕内5連勝が、小結・大栄翔・翠富士・錦富士・髙安の4人となった。
小結、平幕陣が盛り上げて、明日から中盤戦と移る。