貴景勝の初日スタート、大の里の完勝劇 九州場所初日

九州場所初日のレポートです。
今場所もよろしくお願いします。

「綱取り」のかかる大関・貴景勝

横綱昇進の内規とは(一部抜粋)
第2項:大関で2場所連続優勝した力士を推薦することを原則
第3項:第2項に準ずる好成績を挙げた力士を推薦する場合は、出席委員の3分の2以上の決議を必要とする。 とあった。
世間で言われてる通りの2場所連続優勝、先場所の優勝が11勝でのものだったので(14~15勝)を求められてるのでは、普通に考えて。
そうでなきゃ「横綱」という肩書にふさわしくない。
その礎を築くことができるか、初日・北勝富士戦。
完全に立ち遅れた感のある北勝富士に右のど輪から押し出して完勝。
場所前には(つい数日前)首の違和感から連合稽古欠席などあまりいい話が聞こえてこなかったが、まずは初日(北勝富士に隙を与えない)白星スタートとなった。

先場所「準優勝」の新進気鋭、人気者・熱海富士。
その先場所の優勝決定戦ではいろいろと物議を醸しだしたが、気持ちをリセットして初日は百戦錬磨のベテラン妙義龍。
右差しからの寄り、少し反動をつけて小手投げ。
熱海富士も初日白星スタート。サポーターをしている左腕(ひじ)から放たれた小手投げで勝利!ベテランを手玉に取って見せたか。

プロ3場所目・新十両の先場所の大活躍で今場所も大きな期待がかかる大の里。
初日は、東西の十両5枚目同士の対戦で「ミニ把瑠都」こと獅司。
立ち合いにすぐ左上手を引いた獅司。しかし、そんな事は全く問題にしなかった大の里。
半身になったってその圧力は色褪せない。そのまま「ミニ把瑠都」を寄り切ってしまった。
何だか圧倒的に段違いな強さを見せつけた。今場所も十両戦線の本命か。

最後に若隆景。
右膝前十字靱帯(じんたい)損傷などで途中休場した今年春場所以来、4場所ぶりに出場を果たすも初日の今日は二所ノ関のホープの一角である嘉陽戦。
これは動画付きで。右膝の大っきなテーピングが痛々しい。
右差しから、嘉陽が早い攻めで勝負に出る。その圧力に若隆景は耐えられず自らの方へ誘い込んでしまい、それに乗じて嘉陽が送り出して勝った。

https://youtu.be/IpnyTf6MrLo?si=ke62C3i836ZFNOMH&t=117

いい時の若隆景の良さを全部持っていかれた感じ。何もできない、全部消された感じというか。逆にそれを成し遂げた嘉陽は見事だった。若隆景に断は下せないが心配です。
幕下6枚目対決は嘉陽に軍配!

2日目は
貴景勝・正代
大栄翔・豪ノ山を楽しみにしています。

久々の庄之助誕生は来年初場所からです!

 九州場所がいよいよ始まる。
人それぞれ、11月場所に対する楽しみや焦点は違うのだろうが、私はちょっと変わったところにスポットを当てると、長らく空位となっていた木村庄之助が9年ぶり・およそ50場所ぶりに復活するのを楽しみにしている。

新・木村庄之助、旧・41代式守伊之助は19年初場所の昇格以降、今年の秋場所9日目で通算11度目の差し違え。裁きが安定しないことが考慮されたとみられ、木村庄之助として取組を裁くのは最後の9ヶ月のみとなってしまった。

4年余りで、11度の差し違えの立行司というのもすごいものだ、?マークがつく。
ネットニュースやSNSでは、よく(立行司相応のふるまいという点で)是否の議論が巻き起こっていた。

相撲ファンの方なら多くの人がご存じの通り、立行司という立場はその責任の重さから、短刀を常に腰に差し、軍配差し違えがあれば即座に切腹するという覚悟を意味している。

記憶に新しいところで、今年名古屋場所8日目、幕内の取組・霧島‐翠富士戦の途中、廻し待ったになり、この一番を合わせる行司・式守伊之助がその対応に苦慮した。
その時のブログがこれ↓↓↓

 動画から。
あまりに(まわし待ったに時間がかかったうえ、いつの間にか口に加えていた軍配が土俵上にベッタリ)そうこうしているうちに(おそらく審判の誰かから促されたのか)呼出し・耕平登場(30秒ほど)対戦していた2人もなんとなくだれていた。

と、ここまで書いて思ったのですが、あちこち確認してたらば、この昇進人事は今年12月25日付の施行なんですね。
とんだ勘違いをしてました、私

しかし!この昇進人事直後に三役格行司の木村玉治郎の退職が発表されている。
退職の真相は「新・庄之助」誕生によるものなのか。
相撲協会に対するメッセージ的な意味合いもあるのか。

すでに(玉治郎が所属していた)立浪部屋HPにも、相撲協会公式サイトの立浪部屋にも「木村玉治郎」の名前はなかった。

逆に式守伊之助は(所属する)高田川部屋HPにも、相撲協会公式サイトの高田川部屋にも「式守伊之助」と表記があった。

兎にも角にも41代式守伊之助最後の場所を暖かく見守ろう!
その伊之助のズッコケ集と題した動画がありました↓↓↓

付出制度を放棄、前相撲デビューを志願した若者

 あさって日曜日から始まる九州場所の新弟子検査受検者はたったの3人と寂しいもの。全員が体格基準(身長1メートル67、体重67キロ以上)をクリアしたそうだ。内臓検査の結果に問題がなければ九州場所初日に合格が発表され、3日目から行われる前相撲で初土俵を踏む。

なかでも、安治川部屋に入門する長谷川力響(かおと)に注目。
師匠・安治川親方(安美錦)と同郷の青森県。多数の関取を輩出した五所川原農林高校出身。

ネットニュースにこの長谷川を紹介する記事が散見されていたので、余程のエリート力士が入門したのかなと思いきや、そうではなく「エリート」部分は合っているのだが、今年8月の全国高校総体個人戦で3位に入賞した実績で、現状の三段目付出制度に満たされているにも関わらず、自ら権利を放棄して前相撲からデビューすることを選択したという。 理由として「三段目から入ってすぐに関取になれるかというと、どちらにしても自分の力をつけていかないとダメなので」と話し「前相撲からでも遅くないので、下から上がっていきたいです」と1からスタートしていくことを誓った。

その長谷川力響↓↓↓

学生横綱やアマチュア横綱を獲得しながら前相撲から取っている例は今までもあるが、そのほとんどが大学3年以下の時にタイトルを獲得して入門時には資格(取得日から1年以内)が失効していた事例(最近では正代や嘉風、常幸龍、北勝富士)がこれに当てはまる。

この心意気やいかに。
普通に考えて、序ノ口デビューから圧倒的な実力差を見せつけて、7-0や6-1連発で駆け上がっていくのか(最近の熱海富士のように)

この長谷川には妹と弟がいるそうで、地元・青森で相撲をしている。
下の名前がこの長谷川力響同様「響」という字が入り、妹「心響」弟「和響」と書くそうだが何て読む?

安治川部屋には、もう一人受検者がいる。沖縄・中部農林高3年の前田俊之丞。
こちらは、全国高校総体80キロ未満級ベスト16の実績を持つ。
新弟子2名入門の安美錦師匠の安治川部屋は、これで弟子数6人となる。

やっぱりか、照ノ富士

 やっぱり横綱が休場になった。
3場所連続の休場、とても残念で寂しい。

師匠(元横綱旭富士)によれば、
「出るつもりでずっとやってきたが、いなされると対処できない」
「膝をかばうために腰を悪くしている。無理するとまた膝を悪くする。そうすると相撲が取れない」
「前に出ると痛みが走る。稽古場でも前に出る相撲はできていなかった」
などなど、悲観的なコメントがあったそうだ。

横綱・照ノ富士の相撲人生を長年・いや今も悩ませ続ける膝の痛みではなく、今度は腰の痛みから発せられた所見である。

思えばこの一番を境に休場が続く↓↓↓

その日(今年7月12日)のブログ投稿、私の論評には「歩くことはおろか、上体とひざがカクンカクンしているようで誰かの支えがないと、倒れてしまいそうと言っても過言ではない」とあった。
翌4日目に「腰椎椎間板ヘルニア及び腰椎椎体終板障害により1ヶ月の加療が必要」として結局それからずっと休場、今場所も(おそらく全休)の判断に至る。

相撲ファンなら誰でも知っているところだが、照ノ富士は大関まで登り詰めたあとに、膝のケガがきっかけで最終的に序二段まで陥落した過去がある。

人間、どこにケガや病気をしても不自由するものだが、膝と腰といったら要所であり急所だ(力士だとなおさら)

相撲興行として考えると肝心要の「横綱」という存在であり、外せないピースだが、番付・立場から見ると今回はやむなしの結論か(横綱という立場相応の相撲が取れないという意味での)

しかし、今度こそ出場を決意した時には横綱人生(力士としての)進退を覚悟しなければならない。

今は我慢のしどころです↓↓↓




追悼場所へ、高砂のホープが挑む

 大ちゃんこと、4代朝潮太郎(先代高砂)が亡くなって早や一週間。
この九州場所はその先代に追悼の意を表する場所となる。
高砂の力士達は気持ちを奮い立たせてくるだろう。

現在関取は2人(元大関・朝乃山と十両2場所目の朝紅龍(石崎))
次なるホープは誰かなぁと調べれば、最新の番付には幕下が8人。
この8人の中で最上位(東幕下4枚目)に番付されてるのが「深井」である(本名)

深井拓斗

1997年9月10日生まれ 石川県羽咋市出身 26歳
小学校2年から相撲を始め、6年生の時にわんぱく相撲出場から中学横綱、元大関・出島を筆頭に実力者を多数輩出した金沢市立工業高校時代も全国大会で個人・団体ともに優勝や上位入賞を経験。東洋大学進学後も(相撲部で)活躍はしてきたが優勝(アマチュア横綱や学生横綱)には縁がなかったようだ。
卒業後、母の勧めもあってプロ入り、高砂部屋に入門した。
アマチュアでの実績が認められ、三段目100枚格付出デビュー。
プロ2場所目に夢道鵬(大嶽・貴闘力の4男)と決定戦で三段目優勝を争い勝利した。
以降は幕下に戦場を移し、丸3年が経つ。
特に今年夏場所以後は
東幕下17枚目
西幕下12枚目
西幕下8枚目 でそれぞれ4勝3敗と力士として大きな意味を持つこの番付でしぶとく勝ち越しを重ねてきた。

過去の自己最高位西幕下4枚目から0,5枚上げて「東」幕下4枚目で勝負の場所に挑む。

大ちゃんといつまでも↓↓↓