尊富士は力士人生を昇華できるか

 鳥取城北高校から日本大学(相撲部)卒業後にプロ入り、序ノ口からここまで負け越し知らず(言い換えると4勝以下を知らない)、伊勢ヶ濱部屋所属 尊富士 弥輝也(たけるふじ みきや)はこの九州場所で、力士人生の大きな岐路に立つ。自己最高位・西幕下筆頭へと躍進してきたのだ。

突き押し相撲の研鑽を積み、ここまで這い上がる。
師匠の元横綱・旭富士と同郷の青森県出身。

このワイルドな風貌から、次から次へと繰り出される突き押しを直撃されたらたまらない。

念願の十両昇進への最後の(難関)ハードルを潜り抜けるには
白鷹山(高田川)・輝鵬(宮城野)・栃武蔵(春日野)・對馬洋(境川)・琴手計(佐渡ヶ嶽)・大辻(高田川)など、幕下だけでも対戦する確率・可能性を考えれば、これだけの難敵を撃退していかなければならないだろう。

尊富士 弥輝也(たけるふじ みきや)が隆盛極める伊勢ヶ濱部屋で現役6人目の関取に名乗り出ることができるか、九州場所の土俵に要注目である。

ここまでの通算成績(たった7場所の在位で)37勝5敗!
5回しか負けてない!!

序ノ口優勝時の尊富士↓↓↓

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照強が霞んでいく

 新番付では東幕下17枚目、照強翔輝が遠く霞んでいく印象である。
幕下陥落後5場所が経つ現在地だ。
「あの豪快な塩まきは」
「得意の足取りは」
華やかな関取の座からすべり落ち、以前ほどのスポットが当たらなくなった今、存在感が場所ごとに薄らいでいるのも現実だ。

ちょうど1年前、去年の11月場所に東前頭16枚目で15戦全敗を記録した時は(あの板井以来の31年ぶりの記録)元々抱えていた両膝の故障に加え、糖尿病も患っていたらしいですね。場所中は血糖値が400まで上昇し、インスリンを服用しても数値が下がらなかったとか・・・。これで15連敗した理由に合点しました。
力士に膝のケガはつきものですが、糖尿病でしかも血糖値がこれだけ上昇してしまうと、その場所の不調以上に力士生命にも影響を少なからず及ぼすのでしょうか。

「糖尿病」で追いかければ、隆の里や千代大龍、若嶋津なんかもこの病気で苦しみましたかねぇ。

照強は「まだ」28歳。
モチベーション・気持ちを切らさず、まだやってほしい!
出来るはずだ!

照強の四股名の由来は何だ!自身の兵庫県南あわじ市出身にならって
阪神・淡路大震災の時の「強くなって被災した地元を照らせるように」じゃないのか!

ファンとして、あなたのこの相撲っぷりを思い出す。

あと、これは行き過ぎだと思うが、大量塩まきからの。

照強に奮起を促す!

あなたの復活を祈念して↓↓↓

注目!十両5枚目コンビ!!

 新番付の十両5枚目は、東・大の里に西・獅司。

まずは学生横綱からプロ入り、幕下10枚目格から華々しくデビューした大の里。
プロ4場所目を迎える。初土俵前の期待・注目の大きさから、すぐに7戦全勝優勝をかっさらって、幕下を1場所で通過するのかなと思っていた。フタを開けたら6勝1敗、4勝3敗と2場所を要した。「大の里って(実力は)どうなのかな」「今後の出世街道は?」とひとりで勝手に思っていた。迎えた3場所目(新十両の場所で)ようやく本領発揮してきたと理解している。
初日から内容を伴う9連勝で度肝を抜かされ、千秋楽まで十両優勝争いを繰り広げて12勝3敗。敗れた3番だって積極的に前に出ていた。しかしまわしを引いてなかった為、そこを見事に突かれ逆転を許す結果になった(3番とも)
プロの水にまた少し慣れたか、今場所も先場所同様、圧倒的な差・レベルの違いを見せるような内容で(気が早いが)新入幕を掴み取ってほしいものだ。11月もざんばら髪で登場か。

西方・獅司も手堅く勝ち越しを続け、先場所から番付を3枚上げて5枚目に。
先場所15番を動画で振り返り見直したが、触れ込み通り(基本形は)左四つのようだ。左右どちらでも上手を取れば、勝利を引き寄せる確率が高くなる。立ち合いからの突っ張りも何番か見せており、相撲の幅が広がってきているか。母国の情勢は報じられている通り。本場所の歓声も上がっているが、実力だって上がっている。
ミニ把瑠都こと獅司 大(まさる) この九州場所では四股名の「獅」の字に込められた「百獣の王」になれるのか。

やっぱりコレだ↓↓↓

新番付、面白どころ

 九州場所の番付が発表された。目についたところをいくつか言えば。

前頭4枚目に、東・豪ノ山 西・錦木。

幕内3場所目を迎える豪ノ山。先場所初の上位挑戦だったが、臆せずに向かっていった。2大関(貴景勝・豊昇龍)と1関脇(大栄翔)に負けはしたが、豊昇龍(大関)にのど輪で上を向かせ、大栄翔(関脇)に堂々と張り手をかましたその若さと強心臓で、今場所も躍進なるか。
先々場所の途中までの優勝争いを引っ張る活躍(10勝1敗からの最終成績10勝5敗)先場所33歳での新三役と遅咲きの活躍を見せていた錦木。先場所は場所前に右ふくらはぎを痛めて万全ではなかったそうだが、今場所への調整は順調だろうか。重い腰を活かして三役上位をかき回せてほしい。

新入幕4人のうちの2人、狼雅(東16枚目)と北の若(東17枚目)

この2人はアマチュアエリート。
入門前までの経歴・実績をたどれば(私の中では)出世に時間がかかったなぁという印象。
狼雅は今年初場所朝乃山戦や9月場所千秋楽・大の里戦で見せた闘志と大相撲を思い出してほしい。
「北の富士の秘蔵っ子」と目され期待の大きい北の若
素質にあぐらをかくところがあったのか、伸び悩んでいたように見えた。
前に出ることを忘れない積極的な相撲と、こちらも気迫をむき出しにした戦いを見せてほしいものだ。

最後に幕下。

上位15枚目以内はどこを切り取っても面白いメンツ揃いだが、私が目につけた・ついたのは、東の11、12、13枚目の3人。
東11枚目 北磻磨(先場所の三段目優勝)
 12枚目 朝志雄
 13枚目 夢道鵬
まずは北磻磨。130㎏しかないその体で、低く当たり、下から突き起こしていく相撲を信条とする。先場所の優勝インタビューで「(相撲に対して)好きが増してる。幕内に戻れるように頑張ります」と気を吐いた37歳は、再十両への足掛かりを築くことができるのか。
朝志雄は膝の大ケガの連続で、その度に大きく番付を下げてきたが、腐らずに努力をし続け這い上がってきたことに敬意を払いたい。ここでもうひと踏ん張りだ。
最後に夢道鵬。(聞きなれたアナウンスとして)大鵬の孫・あの貴闘力の息子(四男・末っ子)がこの夢道鵬である。自己最高位を更新した今場所は(憧れの)リーチをかけることができるか。夢への道を打ち立てることができるか。
ちなみに(この4兄弟の)三男・王鵬は東前頭12枚目、次男(四股名・納谷)は西三段目26枚目の今場所番付となっております(長男はプロレスラーとして活躍中)

九州場所を頼んだぞ!!↓↓↓

3代・朝潮の人物像

 3代・朝潮太郎。
現在の高砂から数えて3人ほど前の高砂(5代)であり、元横綱である(46代)
今日の投稿は親方としての3代・朝潮にスポットを当てる。怖くて厳しい親方だったらしいが一方で人情味あふれる数々のエピソードを紹介する。

4代・朝潮(長岡)編

・なかなか思うように大関昇進基準の星を挙げられず、大関獲りまで時間のかかった朝潮(長岡)に対して「朝潮という四股名をやったのは大失敗。黒潮にしておけばよかった」と嘆いたが、その末に昇進を果たした。
・大関昇進後も5代高砂(元横綱・朝潮)から稽古中に当たり前のように竹刀で叩かれていた。

双羽黒=北尾光司編

・この3代・朝潮の葬儀には廃業していた双羽黒が出席した。双羽黒が(事実上の)破門された経緯からこの出来事は意外だが、双羽黒曰く「事件の際、今迄お世話になった高砂親方に大変迷惑を掛けてしまい、深く責任を感じていた」とのことである。

小錦 八十吉編

3代・朝潮が死去した際、弟子の小錦は「みんなは俺のことをガイジン、ガイジンって言ったけど、親方は言わなかった。俺も体を切ったら赤い血が出る。お前も赤い血が出る。おんなじだよと言ってくれた」と泣いていた。

3代・朝潮太郎
総じて言えば、相撲・稽古には人一倍厳しく、とっても優しくて寛大な器の大きい方だったのか。ユーモアが利いて。
愛称(ニックネーム)のひとつとして「ケガニ」とあった。

1950年代が蘇ります↓↓↓