光る豪ノ山の気迫、幕内から全勝消える 九州場所7日目

 結びの一番で、綱取りかかる貴景勝は、新進気鋭の豪ノ山の挑戦を受けて立つ。
激しく当たりあったあと、貴景勝突いて出るも豪ノ山の圧力に吸い寄せられ、豪ノ山が寄り切って勝った。2日連続の大関戦勝利!今日も向うっ気の強さと徹底した突き押しで大関を撃破してしまった。「相撲」に対する意気込みと、普段の稽古の質と量が違うんですかね。思えば豊昇龍に心理戦を仕掛けられたことも、霧島に完勝したのも繫がってくる意味合いがあるのかもしれません。

琴ノ若、7日目にして土。
宇良が頭をつけて主導権を握る。琴ノ若の左腕を掴んで放り投げるかのように「とったり」が決まった。今場所のここまでの宇良の相撲を見るに(失礼だが)想像つかなかった結末だが、アクロバットを用いて今場所を面白くさせてくれる一番を見せてくれた。

佐田の海のいぶし銀ぶりが光る。
今日も全勝狩りをやってのけた。いつものように立ち合いから突き押しでけしかける一山本。
機を見て、一山本の左を引っ張り込む佐田の海。一山本が引きにきたところを迷うことなく寄り切ってみせた。今場所これで4勝3敗。白星と黒星の変遷を見ていると、佐田の海は若手力士にレッスンをつけているように見えなくもない。

8年ぶりの水入りになった北青鵬・翠富士戦は、肩越しの左上手でじっと構える北青鵬が自分からほとんど仕掛けず、最後は翠富士の投げにのしかかるような上手投げで仕留めた。
翠富士はなんとか停滞した流れを崩そうと足を飛ばしたり、内掛けからの投げに打って出たが、最後は北青鵬に押しつぶされるように上手投げに屈した。息も絶え絶え翠富士「腕がぱんぱん、右手が開かない」とコメントを残したそうだ。

・大の里、今日も危なげなく安全運転で貴健斗を寄り切ってみせた。

・2日連続出場の北磻磨。羽出山に突き放され土俵際に追い込まれたが、すんでのところで逆転し突き落として4連勝を決めた。「それはずっと思っています」と、関取復帰への意気込みをしたためているそうだ。

九州場所7日目を終えて、幕内に勝ちっぱなしはいなくなり、
1敗 豊昇龍
   琴ノ若
   一山本

十両
1敗 大の里 (1人)

となっている。

髙安の大仕事など見どころ満載 九州場所6日目

 元大関・髙安が大仕事をやってのけた!
全勝の大関・豊昇龍を小股掬いに仕留め全勝から引きずり落とした!

髙安は今場所東3枚目で初日から3関脇、3大関との順で取組を重ねてきた。
一方の豊昇龍、昨日の立ち合いの件で相当批判や非難を浴びて、一日経った今日はどんな相撲を見せてくれるのか。
(お互い見合っていたが)豊昇龍は今日も立ち合いに積極的ではなかった。
立ち合いから両者突っ張りの応酬(髙安にちょっと触れてしまい)伊之助がまた土俵下に転落しそうになったが、両者左差し、豊昇龍が頭をつけなから強引に小手に振った。これは失敗に終わり、逆に体勢が悪くなったところにスパッと髙安の小股掬いが決まった。

ちょっと焦ってたのかなぁ、強引すぎましたね。
「しまった!」というかショックからなかなか立ち上がれなかった豊昇龍。
昨日の件を全く引きずってないことはなかったと思うが、切り替えてまた明日は阿炎と。

琴ノ若は悪い流れから形勢逆転して勝利を呼び込んだ。
北勝富士の強い当たり激しい突っ張りから土俵際まで押されるも、ここを凌いで逆転勝ち。
相撲に柔軟性が出てきたというか、ちょっとやそっと土俵際に詰まっても打開できる逞しさのようなものも備わってきたか。

熱海富士に土がついた。今日の対戦相手は佐田の海。
この一番は佐田の海がベテランの味を見せた。
佐田の海が立ち合いすぐに左上手を取り、この上手を最後までうまく活かした。
上体を低く、自らの腹も利用して寄り切り。熱海富士に何もさせなかった。今日はベテランにしてやられたか。

・豪ノ山が大関戦初勝利。(この一番に限って言えば)次元が違うぐらいの圧力と突っ張りで、大関・霧島を沈めてしまった。
・大の里、連敗はしなかった。回しを引かずに大丈夫かなと思ったが、時疾風に体を預け押し出した。
・先場所の三段目優勝・今場所東幕下11枚目の北磻磨は、元幕内の矢後(押尾川)を引き落としに破り3連勝!今場所も勢いが止まらない!明日も出場するようだ羽出山(玉ノ井)戦。

幕内全勝は琴ノ若と一山本のみ。


豊昇龍、5連勝と引き替えに 九州場所5日目

 全勝守れるか、豊昇龍。
今日は豪ノ山相手に序盤戦5連勝を賭ける。
取組は豪ノ山が強いのど輪で豊昇龍をのけぞらせるも(豊昇龍に)あてがわれたその直後に引いてしまい、押し出して豊昇龍の勝ち。散々焦らされた上で立ち合い成立したこの一番。
(悪癖とも言える・豪ノ山)引きが出てしまった。
80秒も待たされてしまったが、相撲だけ取ってみると、豪ノ山が自ら墓穴を掘ったか。
いい展開だったのになぁ。

今日の熱海富士。
琴恵光相手に立ち合いすぐの左上手。じっくりと勝機を伺う。琴恵光も打開を試みて右からの下手投げを打つも局面を変えられない。熱海富士、上手離さずしっかりと引きつけて寄り切り5連勝。明日は佐田の海。今日も慌てることなく丁寧に寄り切ってみせた。

一山本の調子・序盤戦の出だしが良い。
今日は十両優勝を飾った先場所(13勝2敗)に黒星を付けられた北の若(八角・イケメン)との対戦。
低い当たりから、腰を落としながら万全の体勢で押し出した。
2場所十両に降格していたが今場所ここまで非常に良い。
押し相撲からの積極的な相撲を見せて、序盤戦負け知らずの5連勝。明日は錦富士。

十両から大の里・玉正鳳。
昨日の不戦勝を含め、運も味方につけてつけたか大の里。
先場所の不調を払拭するかのように好調な滑り出しを見せている玉正鳳。
玉正鳳の立ち合い、気持ち左にずれたか左上手を取った。大の里、委細構わず圧力のみで寄って出ていくも、玉正鳳この左から(頭・首の辺りを抑えながら)上手投げ!大の里は初黒星を喫した。


初日の獅司戦でも見られたが、大の里って十分に廻しを引いてなくても、圧力だけで(勝負を)決めてしまう向きがあるのかなぁ。今日はそれが裏目に出た。足腰のいい萬平ですからね。

さてと。
あの長すぎる立ち合いは、何の作戦でしょうか。
何を意味するのでしょうか。
個人的ななんか恨みつらみでもあるのでしょうか。
あの土俵態度はとても「大関」とは言えませんね。
ああいうやり方を用いることによって、出る杭は打つ的な「威嚇」なのか。
豪ノ山は(悪く言えば)相撲が荒っぽいと言えば荒っぽいが、潔い力士ですしね。
大関の立ち合いの「焦らし」は今に始まったことではありません。
取組直後と勝ち名乗りを受けながらしばらく睨みつけてましたし。
処分を科してもいいのでは。

https://www.youtube.com/watch?v=dE_fvcGFe9I

貴景勝と熱海富士の昨日と今日、玉鷲39歳の奇跡

 昨日は、事情があってどうしても更新することができませんでした。
申し訳ありません。

昨日の分も含めて(ごく一部ですけど)焦点を絞りこんでお伝えしようと思います。

貴景勝の昨日(宇良戦)
回転のいい突っ張り・一気の攻め、宇良に何もさせない完勝で突き出した。文句なし!
相性のよさもプラスになったか。

今日(明生戦)
昨日同様突いて出るがすぐいなし(勝負を)決めにかかるも、直後に引こうとしたのか未遂(空振り)に終わり、今度は明生が貴景勝の動きをよく見ながらのいなしがはまり、寄り切った。
(貴景勝だって)展開は悪くなかったと思うが、明生の動きと展開の早さが上回っていたか痛すぎる一敗。正直、ここで躓いてほしくなかった。

熱海富士の昨日(金峰山戦)
左差しから相手のアゴの下へ頭をつけながら寄り切り。金峰山を全く相手にしなかった。

今日(竜電戦)
立ち合いは良かったが、すぐに右上手を許した。頭をつけられ更に苦しい体勢に。膠着した展開が続いたが、最後は左へ回り込みながら抑え込むようなはたき込みが決まった。竜電は息が上がっていた状態。
今日は無理だと思った。九分九厘負けたと「あ、これは…」ってなりましたもん。
あそこから勝ちに結びつけられるのがスゴい!
いやぁ、今場所も来てますねぇ。早寝を徹底しているそうです!

玉鷲の昨日(平戸海戦)
先場所の不調っぷりは何だったのか、今場所の玉鷲は水を得た魚のように躍動している。
この日の平戸海戦、相手の動きをよく見て応じていた。タイミングよく引き落としが決まり、その経験値で掌の上でころがしてるようにも見えた。

今日(佐田の海戦)
右のど輪で佐田の海の上体を起こし、一気に押し出した。
先場所から番付を大きく落としたのは確かだが(西12枚目)今の玉鷲を見ているとまだまだ上位を狙えるのではないか、かき回してくれる存在になってくれるのではと期待したくなる。
※日付変わった今日、玉鷲は39歳を迎えた。3日目に歴代9位の幕内1260回出場を達成したばかり。玉鷲一朗、今もまだ輝き続ける。

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白熱相撲4選 九州場所2日目

十両2場所目、元アマチュア横綱の大器・大の里の2日目は、東十両7枚目の大翔鵬(追手風)右四つになって大の里有利に見えたが、大翔鵬も主導権を渡さず押し出してみせたが、物言いの末、取り直し。仕切り直しの一番は、大の里が右差しからの電車道で文句なしの押し出しで切ってみせた。都合2番取ったがわずかの時間の間に、作戦(何かを)修正して、有無を言わせないように仕留めてみせるあたり、十両レベルではないように思えた。

「綱取り」かかる貴景勝、元大関、人気者の正代と2日目。
立ち合いは貴景勝。もろ手突きなどで正代を後退させるが、その正代も下から突き上げ返す。正代、決めに出たところを引き落としが決まる。正代の体(たい)もかなり伸びていた。
(いつだって誰だってそうだが)懸命に2勝目を掴み取った。明日は宇良、一筋縄にいかない。対戦成績は13勝3敗で貴景勝リード。

大栄翔・豪ノ山、すごく楽しみにしていた。
物言いがつき、取り直しの一番はのど輪を中心に大栄翔が攻めたと見えたが、豪ノ山も負けじと押す押す出る出たが、そこを大栄翔は十分に見切っていた。大栄翔2連勝。
年間最多勝争いここまでトップの大栄翔、次(ひとつ上に向けて)いいステップの場所にしたいところ。明日は髙安。

熱海富士の精度が増している。
今日の御嶽海戦。立ち合いすぐの左前まわし、頭をつけながら腰を落としながらがぶって元大関を撃破してみせた。昨日の妙義龍戦といい、幕内3場所目の21歳はメキメキと実力をつけているのがわかる。先場所の調子を維持しているし、今場所もという期待感が高鳴る。
取組直後の充実した表情も印象的。