ウクライナ対決の位置づけ、現在から将来へ

 おとといのウクライナ出身対決、安青錦ー獅司は押し倒して安青錦の勝ち。
先場所の(十両での対戦に)続く2回目の顔合わせで、この両者の対戦成績は1勝1敗となった。

この取組の話題性としては、出身国の情勢の悪さだけでなく、今後の相撲界を背負って立ってほしいと託したくなるくらい(お互いが)地力・実力を少しずつ装備していると思うからだ。

年齢は安青錦が20歳(今場所千秋楽で21歳になる)獅司にしてもまだまだ28歳。

取り口は
安青錦が(相手の顔・アゴの下に)頭をつけ、低い姿勢から勝機を探るのが「安青錦型」
獅司は四つ相撲(左四つ)、あり余る上体を活かした豪快な上手投げなんかもあったりする。

外国人力士は何もモンゴルばかりではない。
もちろん国技と称する日本人力士の台頭を何より楽しみにしているのだが…。

現時点では、普通にある(幕内の)一取組。
しかしこの両雄の激突、近い将来には幕内優勝を左右するぐらいの大一番に昇華しているのかもしれない。

炎鵬、再起への道 2025春場所編

 炎鵬友哉 今場所・西幕下30枚目

頚部椎間板ヘルニアのため、長い長い療養生活を余儀なくされた(6場所連続全休)
番付は最大で序ノ口13枚目まで落とすも、そこから4場所連続6勝を挙げ、ここまで戻ってきた。

幕下中位ぐらいだと(空席はまだ多いが)観客数も少しずつ増えてくる。
そんな中で、この令和の牛若丸が土俵に上がれば「関取級」の声援を受け、場内は大いに沸く。

ここまで3連勝と突っ走っている。
内訳は
2日目・欧山田(鳴戸) 押し出し
4日目・北天海(尾上)寄り切り
5日目・安房乃国(高田川)下手投げ

動画を確認したところ、最新の安房乃国戦が炎鵬の個性・特性が出た一番か。

首(ヘルニア)の痛みとの戦い・お付き合いは、大丈夫か。

どれだけ、白星を積み重ねられるだろう。
多く高く望むのは酷なのはわかっているが、やっぱり期待しちゃうし、楽しみであります。



栃丸の並々ならぬ執念

 栃丸、16場所ぶりの十両返り咲きをかけて2連勝スタート。

土俵人生丸14年で磨き上げた、その回転の速すぎる突っ張り。
対戦相手は手も足も、技も仕掛けられない。その突っ張りで自分の間合い・距離を維持しながら前に出るなり(押し出し・突き出し)引くなり(引き落とし・叩き込み)というのがだいたいの勝ちパターン。

先場所の幕下覇者(大鵬の孫・貴闘力二世)の(十両昇進へ向けて勝負の場所)夢道鵬と常の山二世の西ノ龍をこの「栃丸地獄」に陥れ、存在感を示している。

夢道鵬戦↓↓↓

ブレないスタイルを貫き通す心と再十両への並々ならぬ執念が有望力士達の勝利の芽を摘んでいるのか。

6場所連続勝ち越し中の勢いに乗って…、吉報を待ちたいところだ。

阿炎が荒れる春場所を引き立てる 2025春場所3日目

 実力者・三役幕内上位常連、阿炎。
今場所たった三日ではあるが、早くも新横綱と大関に敗戦を味合わせてる。

豊昇龍初日の対戦相手に抜擢されたが、臆することなく一気に突き出し、常套句「荒れる春場所」の火付け役となった。相性の良さが生んだ阿炎の自信がそうさせたのか、ビャンバの事前の準備・取組計画が定まっていなかったのか、あるいはプレッシャーに押しつぶされたかわからないが、新横綱の初日を飲み込んでしまった。

今日(三日目)の彷徨う大関・琴櫻戦にしたって、攻め込まれてるようで相撲を支配していたのは阿炎に見えた。相手をよく見て反撃のタイミングを計っていたのでは。

昨日、話題の翔猿にも、阿炎独自の嗅覚(センサー)でタイミングよくズバリと突き落としを決めてみせた。

この力士だって、思えば過去には不祥事を起こし、世間を騒がせ、出場停止を食らった過去がある。
あれはコロナの頃だったから、もう4~5年経つんですね。
相撲界もいろいろありすぎて頭の中がゴチャゴチャしてますけど。
そこから自身の幕内優勝があったり、恩師、元・寺尾の死去などを乗り越えてきた。

現在30歳。
人間としてもいろいろな苦労・辛酸を嘗めて、力士としても脂がのってるいい時期なんじゃないですかね。何か、盛り上げてくれそう。

明日の四日目は千代翔馬戦が組まれている。

腐らず前を向き続ける萬平

 初土俵から所要79場所要してたどり着いた新入幕も、奮闘むなしく1場所で陥落。
今場所は東十両筆頭での出直しを余儀なくされた玉正鳳 萬平(片男波)

ここまで2連勝の滑り出し。
再入幕へ気持ちも新たに奮闘中だ。

相撲内容も柔軟な足腰を活かし粘りを見せた初日・輝戦。
力強い下手投げで崩し、押し出して勝った狼雅戦と流れの中にも「らしさ」が見て取れた。

義兄の同部屋・玉鷲も昨日、今場所初白星を挙げ、年齢に抗う動き・活躍を見せ続けている。

今日の玉正鳳はこのあと幕内の土俵に上がり、時疾風戦を控える。

今場所何とか勝ち越しを決め、一段上の更に輝く場所へ戻りたいところだ。