安青錦と美ノ海の奮闘も忘れてならぬ 2025春場所千秋楽

 3月場所の最終勝者は大関・大の里。
12勝3敗による優勝決定戦を制して、見事3度目の優勝を飾った。
勝った相撲でも、引きに頼ってギリギリ白星を挙げたりと、勝ち星ほどのいい印象は少なかったが、昨日から今日の決定戦を含めた3番は内容に修正が見られた。
優勝おめでとうございます!

しかし、本日の当ブログではその優勝劇よりも敢闘賞を受賞した2力士、春場所を最後まで盛り上げ、三役上位陣にも大健闘してみせた安青錦美ノ海をより焦点を当てて振り返りをしようと思う。
まずは、史上2番目に速い初土俵から10場所目で三賞の初受賞を果たした安青錦の楽日の相撲から。
これより三役の直後の王鵬戦に登場した。
関脇から圧力をかけられようとも低い体勢は崩れない。頭をつけて潜って寄りながら、自らの左足を王鵬の右太ももに密着させて裏返す感じで切り返した。

このキャリアでこれをやってのけるのはかなりの高等技術の持ち主だ。
今日で21歳を迎えた若者としては似つかわしくない感じの、真面目で謙虚、稽古熱心で何より相撲をよく知っていると強く思う。
今場所は(今後に必ず活きる)かなり濃厚ないい経験をしたのでは。改めて凄い原石だと感じました。

敢闘賞受賞はもう一人、31歳での初受賞となった(沖縄県出身力士でも初めてらしい)美ノ海はこちらも今日勝てば2ケタに白星到達の東関脇・大栄翔。
(大栄翔の)もろ手突きからかなりのプレッシャーがかかろうとも、右からバチーンと強くいなした。すかさず突っ張りを連射し、押し出した。安青錦と同じく11勝で今場所を終えた。

7勝1敗と絶好調の滑り出しを見せた。終盤に入り尊富士と阿炎に連敗して、疲れてるのかなぁ(今場所は)もう厳しいのかなぐらいに思っていたが、最後に3連勝をやってのけ(13日目以降の)対戦相手も玉鷲・髙安・大栄翔と実力者達をきっちりと沈めてみせた。おととしの11月場所新入幕以来、十両に陥落することなく、幕内9場所目でたどり着いた三賞受賞。来場所も嘉陽(新十両濃厚か)宮城らと「沖縄旋風」を巻き起こしてほしい。

またも髙安後退、4敗勢にもチャンス到来 2025春場所14日目

 高安は立ち合いからの流れはよかったが、美ノ海も簡単には屈しなかった。
それどころか押し返し、この一番に賭ける意気込み「引き立て役には終わらない」と言わんばかりの決意、メンタルでも決して負けていなかった。主導権は完全に美ノ海に移り、美ノ海の気迫に飲み込まれたのか引いてしまい、すかさず寄り切って美ノ海。
この瞬間、本日14日目での髙安優勝の目は消えた。

またしても厄介なことになった。やっぱりこういう運命・星の下に生まれたのかって思いたくないんだけど・・・。明日の対戦成績は阿炎。千秋楽まで幕内優勝争いは持ち込まれることになった。どうなってしまうのか!?

髙安の敗戦で取組前に相星になった大の里は、昨日、新鋭・安青錦に上位の奥深さを教えた大栄翔。
今日は良い大の里だった。ここ数日続いた「引き」が全く出なかった。師匠からかなり厳しく叱責を受けたはずだし、また自身でも意識を強く持っていたはずだ。格の違いすら見せたと言ってもいいくらいの圧勝。こういう相撲を見たかった。

安青錦は4敗決戦で尊富士と。好成績で今場所を走ってきた両雄で熱戦を期待したが、相撲はあっさりと決着。尊富士の引きに乗じて一気呵成に寄り切り。常に上体が低いし、安易な引きは簡単に食わないだろう、安青錦は。明日は王鵬と割が発表された。何かしらの三賞受賞が予想される。いや、幕内優勝だって可能性が消えた訳ではない。

14日目を終えて、優勝争いの整理・確認。

3敗 髙安
   大の里

4敗 美ノ海
   安青錦
   時疾風

3月春場所を制するのは大関か平幕か。

昨日までの3敗力士が揃って負けた日 2025春場所13日目

 頑張れ、安青錦!
最終盤・13日目の今日は、大抜擢、結び前の前で関脇・大栄翔戦。
蓋を開けてみれば、いつもの安青錦スタイルで食い下がる姿勢を見せたものの、大栄翔は豊富な経験値で安青錦の動きをよく見ていた。大一番で慌てふためくことなく、掌の上で転がしたような。決まり手・はたき込みで大栄翔に凱歌が上がった。
安青錦残念でならなかったが、あと2番ある。気持ちを切らさず勝ち星と評価を上げたい。

今度こそ初の栄冠なるか、髙安は若元春。
四つ相撲で渡り合うのかと思いきや、突き押しで勝負。ズバリ作戦が決まり、快勝。
昨日今日落ち着いてると思う。プレッシャーに飲み込まれてふわふわしているようには見えない。一日一善の精神でいこう!
明日は今場所大健闘している4敗の美ノ海。

大関・大の里は、昨日3連敗で負け越しが決まってしまった王鵬。
今場所ここまでの勢い・印象・星の差から大の里有利は動かないと思っていたが、王鵬が大関の右差しをものともせず、意を決したかのような突っ張り、それを大の里は棒立ちであてがうのが精一杯。どうにもならなくなって悪癖の引きが出てしまう始末。全てが後手後手、押し出しで敗れた4敗目は自ら11勝目を破棄したかのように見えなくもなかった。明日は大栄翔戦。屈辱を取り戻せるか!?

またまた40歳が優勝賜杯を手繰り寄せるか3敗の一角・玉鷲は好調・美ノ海戦。
積極的に攻めていったのは美ノ海。玉鷲に小手に振られても動じない。攻め立てて土俵際まで追い詰め一度は玉鷲も持ち堪えたが、頭をつけながら押し出し、玉鷲を4敗へ引きずり落とした。2連敗していた美ノ海、意気消沈することなく立派な相撲っぷりだった。

明日、髙安が勝って、大の里が負ければ髙安初優勝成る、が・・・。

20歳の奇跡、安青錦7連勝 2025春場所12日目

 今日(12日目)の新入幕・楽しみな安青錦は、実績十分・幕内在位38場所目の手練れ、西11枚目の明生(立浪)との一戦。
若武者の一貫した低い姿勢からの攻めに途中で焦れたのか、ベテランは引いてしまった。そこを押し出し9勝目、連勝を「7」に伸ばした。

隙の見当たらない充実した相撲に、胸の高鳴り・高揚感は増すばかり。
明日は本日、大関・琴櫻に星を落とした関脇・大栄翔戦。
連勝を伸ばし、存在を示し続けられるか。

昨日、黒星を喫し、歯車が狂うことが懸念された髙安。
今日は今場所期待外れの貴闘力の息子を押し出して2敗を守った。
王鵬の執念で土俵際を残されたが、後ろ向きになった関脇を髙安は押し出した。
13日目は、大波家の次男・若元春。対戦成績は髙安の5勝2敗。
今場所1横綱・2大関を破った実績を胸に秘め、最終盤へ突入する。

横綱大関陣で唯一、優勝争いに参戦している大の里と尊富士の2敗決戦は、言葉とは裏腹な相撲内容。尊富士の突進を瀬戸際で何とか白星に間に合わせたといったざま。まぁ正直、見込み外れでしたね。
疲労が蓄積しているのであろう、吸引療法の痕が背中のあちこちに散見されるが、現状の角界の屋台骨として最後のひと踏ん張りを見せてほしい。

安青錦に続く、安治川の次鋒・安大翔は6番相撲で12日目に登場。
高砂のホープと言われて久しい・深井(東幕下筆頭19枚目)を下手投げに破り3勝3敗。
2日連続で明日13日目も土俵に上がる。松井(伊勢ヶ濱)との激突。勝ち越しを賭ける。

髙安後退に浮上する新世代 2025春場所11日目

 髙安の優勝が絡む大一番に負ける・落とすジンクスのようなものは、今場所も11日目で顔を覗かせてしまった。

1敗で単独トップに立った昨日の今日で迎えた霧島戦。
果敢に突き押して霧島を土俵際まで追い込んだまではよかったが、霧島のいなしっぽい右で状況が一変、そのまま押し出されて2敗へ後退した。

まだ千秋楽まで4日あるし、巡り合わせ次第で取り返し可能。
しかし「またか」感が強くよぎった今日の髙安敗戦劇だった。明日は王鵬。

大関・大の里は、対・宇良に最善の安全策。
距離を取る・中(懐)に入らせない・相手の動きをよく見る
を着実に遂行。手堅く9勝目を上げ、明日の2敗決戦・尊富士戦に歩を進めた。

尊富士も良いが、私は新入幕・安青錦を推したい(個人的感情がかなり入っているが)
じわじわと番付を上げ、少しずつ復調の気配を感じる伯桜鵬相手に、はたき込みで勝ち越しを決めた。インタビューでは「師匠に言われたことをやるだけ、結果につながってる」と全く浮ついた様子が感じられず、最後に「2ケタ勝ちたいです」と力強く言い切った。
尊富士7連勝の陰に、ピタリとつける6連勝。
尊富士の快挙(新入幕優勝と三賞総なめ)からちょうど一年。
今年の春場所は・・・、とまでは夢を見すぎかもしれないが、優勝争いを揺るがす存在までにと託したくなる。
やってくれるかもしれない!