金峰山、単独トップであと2日 2025初場所13日目

 金峰山はインタビューで公言した「優勝したい」と・・・。
昨日は大関・豊昇龍に経験値(修羅場をくぐってきた場数の違い)をああいう感じで見せつけられた感があったが、今日は違った、力強く逞しかった(不調の琴櫻相手とはいえ)
今場所の金峰山の代名詞とも言える「のど輪」で相手をのけぞらせ、二の矢三の矢を休むことなく繰り出し戦闘不能にさせた。突き出し。
優勝争いの唯一の2敗を守り、明日は霧島。初日から3連敗のあと、10連勝。
自信を取り戻し、波に乗っている。厄介な相手だ。しれっと(優勝圏内)3敗をキープしている。

十両では成績優秀者2名が星を落としている。
1敗で単独トップの獅司は生田目との激しい乱打戦。生田目の引っぱたくような右からの強烈ないなしから、仰向けに押し倒された。その獅司、明日は2敗同士で竜電との直接対決。

安青錦は、竜電と2敗同士の激突。終始頭をつけ、低い体勢で相手にやりにくそうにさせるも、逆にそこをつけ込まれた。投げを打とうにも不発に終わり、竜電にのしかかられるように決まり手・小手投げ。なんだかもったいない。連敗の安青錦、明日は白熊。

幕内十両ともに優勝争いが面白い。
最後まで展開が読めない。

幕下決戦は夢道鵬に軍配!

 夢道鵬が幕下優勝を決めた!
石崎(高砂)との弟対決は突き出しで夢道鵬。
立ち合いからもろ手ののど輪を連発。石崎をのけぞらせて突き出した。

花道奥では感極まっているように見えた。
去年3月に自己最高位の西幕下12枚目まで躍進していたが、やはり幕下上位の壁は厚かったか。
精神面の強化を自らの課題に上げていたみたいで「自信になる。調子に乗らず頑張りたい」との談話があったそうだ。
名門・埼玉栄高校出身の23歳。
大鵬の孫としての次なる使命は、年内の関取昇進か。

各段の動き 幕下と序二段から

 昨日、十両の一敗同士で敗れた若碇(伊勢ノ海)が本日より休場。
「左上腕二頭筋腱遠位断裂のため、一月場所は休場となる」との診断書を提出したそうだ。
取組直後にかなり痛がっている仕草が気になった。再出場はしない見通し。
ここまで十両優勝争いの一角として君臨していただけに、残念な知らせだ。

同じく11日目(昨日に)幕下の全勝対決、石崎(高砂・朝紅龍の弟)と元十両・對馬洋(境川)の激突があったが、寄り切ってこの一番を制したのは石崎。明日の13日目に夢道鵬(大嶽・王鵬の弟)との弟対決、一騎打ちで幕下優勝が決まる。

序二段では元幕内の矢後(押尾川)が3場所連続休場から復帰。
6戦全勝でここまで驀進中。
膝のケガ・手術で散々苦しんできたが、また立ち上がり這い上がろうとしている。
もう一人の全勝は関本(阿武松)。明日、この2人が序二段優勝を賭けて対決する。

金峰山が優勝を意識し始めた 2025初場所11日目

 金峰山の強烈なのど輪が大関戦でも火を噴いた。
今日の大一番だったこの大の里戦。昨日の敗戦を引きずることなく、のど輪一本・一本槍で大関を強襲。突き倒して1敗を守った。このスタイルを貫き通してほしい。
優勝に対して「そんな考えてないけど(意識は)ちょっとだけあります」と本音をチラリとのぞかせていた。
明日は大関唯一の3敗・豊昇龍と。またひとつ険しい山に挑む。

その豊昇龍は2敗・千代翔馬との激突。
張り差しからすぐの右上手、これで主導権を握り最後まで優位に働き、投げで崩し続けた。千代翔馬も必死に残し抵抗を見せるも寄り倒された。
今日の豊昇龍は矢継ぎ早に技を繰り出しながらも、冷静さを失わず、丁寧に詰めていったように見えた。3敗を堅持。(優勝争い)大関陣・最後の砦である。

王鵬は、阿武剋に左四つに組み止められ危うしと思ったが、動きながら辛抱強くチャンスを作った。最後はもろ差しになり、阿武剋の投げに乗じて押し出した。
しばらく守勢だったが、そこから立て直したのは立派。この辺に好調さ、白星を積み重ねてる要因があるかもしれない。明日は霧島。この一番は見逃せない。

尊富士、今日の相撲はよくなかった。
右にいなして土俵際まで追い詰めたのに、自ら引き(いなすつもりだったのか)それが自らの方向へ呼び寄せる形になり、完全に墓穴、自爆。3敗に後退。痛すぎる敗戦となった。明日は大関・琴櫻。

十両では一敗同士の潰し合い、若碇ー獅司は寄り切りで獅司に軍配。壮絶な戦いだったが、取組直後に若碇が腕の辺りをしきりに気にしていたのが気掛かりだ。明日以降に影響がないことを祈る。
勝った獅司、明日も潰し合いが続く。安青錦との大勝負が組まれている。

金峰山の連勝「9」で止まった 2025初場所10日目

 貴景勝(湊川親方)は、阿炎の相撲を「手にセンサーがある。押すか引くかのタイミングが完璧」と評したそうだが、この一番に関して言えば、事前にこの戦い方でいくとある程度決めていたのでは・・・。つまり阿炎の作戦通り、読み通り。
金峰山の古傷(急所)にもろ手で起こし、そのまま「突き落とし」
あっという間、所要時間「1秒」で金峰山を全勝から引きずり落とした。
この大一番を見事に「阿炎ワールド」で決めてみせた。
金峰山、1敗に後退。今日(11日目)は大の里戦。ここから険しい山に登っていく。

王鵬は、鉄人・玉鷲を立ち合い突き起こす。逆襲に遭いかけたが左差しで吸収。そこから体を預けて寄り切り。
優勝争いを見据えると、既に上位陣との対戦を終えている「王鵬有利説」も聞こえてくるがどうなることやら。今日は阿武剋戦。ここまでの成績は凡庸だが、隅に置けない実力者である。

尊富士は、一瞬の変化で突き落としで一山本に勝った。なんだかあっさりしすぎて拍子抜けした。
※そのあと災難に見舞われたらしい。
取組前に巻いた塩が審判部長を務めていた高田川親方にかかったそうで、呼び出され説教を食らったそうである。取組後にはそんな不運もあったとか。

尊富士の今日は大栄翔と。この先、手練れの上位陣が手ぐすね引いて待っているのか。