幕内優勝決定までの振り返り 2025初場所千秋楽

 ここまで2敗、単独トップだった金峰山は3敗の王鵬戦。
金峰山のど輪で相手をけぞらせるも、王鵬が左からのいなしで形勢逆転。最後は魂を込めて金峰山を押し出した。
これで決定戦にもつれた。

そこから今日、結びに割が組まれている豊昇龍へ。
千秋楽の対戦相手は、今場所すっかり商品価値を落としてしまった琴櫻。
常に主導権を握り動き回るのは豊昇龍、そのまま寄り切って豊昇龍。

優勝決定巴戦

第一戦は、金峰山ー豊昇龍。
張り差しの豊昇龍に対して、金峰山左上手。豊昇龍は下手投げで相手の上体を崩しながら寄り切り。金峰山、何ひとつ抵抗できなかった。

勝った豊昇龍は続けて王鵬戦。
今度は四つで最初から密着。左上手を十分に引いて、出し投げからの最後は寄り倒しで決めた。2度目の優勝成る!
上記2番の動画↓↓↓

この優勝を受けて、審判部は臨時理事会の招集を要請するそうなので、横綱昇進が決定的となった。
(主観になりますが)まぁ、確かに横綱昇進の条件には満たしているが、何か圧倒してる感がなくて。
今場所の3敗の対戦相手はいずれも平幕ですし。
このことに関しては、諸手を挙げて賛成しきれませんけどね。
奥歯に物が挟まる感じがします。

でも、おめでとうということになるのでしょうか。

安青錦、12勝で初場所終える

 安青錦が今場所も大活躍。
千秋楽の今日は、同じく3敗の生田目(二子山)戦。
昨日までの2日、成績優秀者の獅司と竜電を渾身の突き押しで立て続けに撃破。
今日も安青錦を最後まで苦しめた。安青錦はよく耐えた。両者の熱戦。

しかし、生田目の突っ張りは本当に強度があって、右のいなしも強い(荒い)
それを安青錦は低い姿勢で耐え続け、押し出した。
星の上では準優勝。

(多分、間違いないだろうが)外国人力士最速新入幕有力。

プロキャリアがこれだけ短いのに、相撲のスキルが高く、柔軟性に富む。
日頃からの稽古の積み重ねが随所に垣間見える。
土俵態度の良さも好感度大。

どこまでも末恐ろしい20歳の新入幕が3月春場所に誕生する。

十両優勝を混乱させた男・生田目(二子山)

 十両優勝争いも本当に面白く目が離せないので、こちらも少し書きます。

とは言っても幕内のように成績優秀者の動きを複数人追う形でなく、3敗で追い立てる生田目にスポットを当てたい。
なぜなら、昨日(13日目)獅司、今日(14日目)竜電と優勝争いのライバルを土俵に這わせ黒星をつけているからである。
これに対するおさらい。

では順に13日目・獅司戦から。
(この原文はきのうの当ブログ投稿のままです)
1敗で単独トップの獅司は生田目との激しい乱打戦。生田目の引っぱたくような右からの強烈ないなしから、仰向けに押し倒された。

14日目(今日)竜電戦
生田目、突き放してから右のいなし。足元が定まらなくなった竜電を押し倒した。常に生田目ペース。竜電は為す術なかった。

という事で、明日の千秋楽はどうなるか。
(生田目は)同じく3敗の安青錦との直接対決が控えてる。
5日目から10連勝。
波に乗る生田目の強烈な突き押し、いなしが炸裂するのか。

十両優勝争いを整理
2敗 獅司
3敗 竜電、安青錦とこの生田目。

獅司が本割で勝てば一発で優勝だが(友風戦)負ければ混迷を極める。
ちなみに竜電の明日は東白龍との一番。

金峰山、遥かなる夢へ 2025初場所14日目

 金峰山、初優勝への道のり14日目は、白星をグーンと積み重ね3敗で追走する元大関・霧島戦。
もろ手突きのど輪の金峰山、すぐに霧島が右四つに吸収して金峰山ののど輪を阻止した。霧島が頭をつけて外掛けから上手投げで崩しにかかったが、金峰山がお返しとばかりにすくい投げで豪快に霧島を転がせてみせた。
「優勝したい」
その真っ直ぐな思いに、いよいよ神の力が宿ってきたか。
明日は3敗・王鵬戦。

大関陣で唯一、優勝争いに絡んでいる豊昇龍は3敗同士で尊富士との一番。
張り差しからすぐにもろ差し、迷うことなく電車道で寄り切り。豊昇龍、スピード相撲を極めた。

王鵬は隆の勝を引っ張り込んでしまい土俵際まで後退する羽目に。
しかし、左からの突き落としが決まり3敗を守った。若干ヒヤッとしたが少しの余裕があったようである。
明日の千秋楽、大一番が待っている。

運命がどう転ぶかわからないが、直接対決を控えるどちらかの力士に幸運が舞い降りてほしい。私的なことを言ってすみません。

炎鵬に牙を剥いた男と序ノ口優勝者の苦労話

体重73㎏の強者

 今場所の炎鵬は東三段目4枚目で6勝1敗と大きく勝ち越し。
来場所9場所ぶりの幕下返り咲きを確実なものにした。
印象的だったのは、昨日の対戦相手・山藤(やまとう・出羽海)
(見た目)まぁ、何とも頼りなく細っこい。大丈夫か?と思うほどに。
体重が73㎏しかないそうで合点がいった。
その山藤の画像↓↓

ところがどっこい、小学校から相撲を始めており、3年連続でわんぱく相撲出場を皮切りに、中学高校と全国大会レベルで実績を出し続けたというから本当にわからないもの。
今場所は自己最高の西三段目15枚目でこの日までに5勝1敗の成績を上げていたという背景があった。
実際の取組は山藤が低く潜ったが(炎鵬)左に左に回り、肩透かしを一閃させた。
悔しさのあまり、天を仰ぐ山藤の姿が目に焼き付いた。

こちらの山藤も幕下昇進が確実視されている。
炎鵬だけでなく、山藤の動向にも注目だ。

序ノ口優勝・大喜翔の苦労話

この大喜翔も、かつては西幕下24枚目まで番付を上げたが、首のケガ(骨折)で寝たきり生活を経験、4場所連続全休するという「地獄をみた男」である。
今場所はその直後の再起場所であったが、見事に7戦全勝で快挙達成。
去年10月ぐらいから時間をかけて調整を続けてきたそうだ。
現在、関取6名を数える角界の一大勢力と言ってもいいこの追手風部屋。
その中ではここまでのケガをして、また這い上がろうとしている力士がいることも忘れてはならない。